オンサイトで登れました左方カンテ!比叡山「岩」山行報告

オンサイトで登れました左方カンテ!比叡山「岩」山行報告!
あー!カムが抜けなくなった!!ダブルフレークに捧げてきました。
【日時】2011 年 11 月 26∼27 日(土∼日)
【参加者】CL Y 下、I ノ口(山嶺)
【行程】
○11月26日(土)晴れ
18:19 久留米−19 時頃 I 口宅 23 時 30 頃 駐車場着 24:30 車中泊
○11月27日(日)晴れ
6:30 起床−7:30 頃出発 −三峰取付き 8 時頃 左方カンテ 11:45 頃終了
13:00 頃ニードル取り付き 15:30 頃終了 19 時頃久留米着 21 時頃帰宅
【費用】 車同乗代 3500 円
前章
(文中敬称略で失礼いたします)
左方カンテはニードルと同程度の難易度で、泣く子も黙る白亜スラブを右に見ながら登れる
快適なルートです。
とは云うものの私の技術レベルでオンサイトリードできるか、不安を抱えながら挑んでみまし
た。
前日の準備でナッツキー(エジェクター)を最悪の場合チョンボ棒として使おうと思って探し
たのですが、見つからず。テープアブミも用意したのですが、HPのレポートを読んでも
A1で登ったとかの記述はなくかえって邪魔だと思い、カムだけは全部持っていって最悪の場
合カムの掛け替えで登ろうと決心して挑みました。
結果としては、最初のピッチ(Ⅲ級)だけ I 口さんにお願いして、あとは何とかリードできま
した。最終の5ピッチ目はオールナチュプロで、HPの解説にはどれにもボルトはないとの
示唆教授はなく、ワンセットもっていなかったら登れない、というか怖い、死ぬ!
無事登り終えたらまだお昼でニードルのダブルフレークにも挑戦しました。
ハイボルダーのつもりでノープロテクションで登るとの解説ではありましたが、登れな
い!!で小さめのカムを入れて、カム登りで何とか上まで上がったのは良いが、このカムが抜
けない。
安全祈願のお守りとして残置して来ました。トホホ!!
一峰南面を見るとなにやら女性クライマーが二人で登っています。誰かと思ったら
想山会のクライミングクイーン O 串嬢とピナクルの女王 K 島先生でした。
26日(土)
例によって夕方、I 口邸に寄ってパンの手土産で夕飯をいただいて、高速から南阿蘇経由で
比叡のトイレ前駐車場に入る。麓屋も庵もお世話にならず、車中で仮眠しました。
23日(日)
朝、6時30分過ぎ起床。明るくなってから自前のパンを食べる。
第2トンネル横の駐車場に移動して、トンネル脇のプレートを確認して入って行くと、取り付
きから見上げると右上に白亜スラブが威圧するように覆い被さっている。
そのうち、登らせてもらいます!!
出発は8時15分、最初のピッチは右斜め上に30m、Ⅲ+級 I 口にリードしてもらいまし
た。
ここから2ピッチ目が核心9+(Ⅵ)左上の四角い出っ張った岩の乗り越しがポイントでした。
9+にしてはボルトもしっかりしているし、お助けシュリンゲも残置されていて恐怖感はあり
ませんでした。
3ピッチ目 5.7+カンテに沿ってクラックがありフレンズの2番が効きます。
4ピッチ目 5.4Ⅳ+とトポにはなっているがロープなしでも登れそうな程度で、ロープを手繰り
寄せて、歩いて登った様な気がします。
5 ピッチ 5.9
4ピッチ終了のビレーポイントで上を見ると、直上しても行けそうです。
左方カンテの最終ピッチは左にトラバースしてカンテを身を外に乗り出して行くので怖そう
ですが、直上ルートはボルトが適当に打ってあってすっきりしています。
ルート図では 比叡の果て 5.10C になっています。うーんスラブ系で見た目より難しいので
しょう。これは次回の課題として今回は素直に左にトラバースからクラックに入って行くこと
にしました。
予想したようにこのピッチがイヤらしい。トラバースしてカンテからルンゼ状クラックに入
っていくので、ロープの流れが悪くなります。解説のとおり、10mほどトラバースして登った
ところで、二人がようやっと立てる小さなテラスにセカンドを呼び寄せて、ピッチを切りまし
た。
ここからが問題です。見上げてみるとボルトは一本もない。ルンゼの右側にカムが入るフレ
ーク状のクラックがあります。これを頼りに登るしかない!と判断されます。
最低カムが5個必要です。3個目のカムが右奥に入り込みすぎて、ロープの流れが悪くなって
しまいました!ここはテープシュリンゲを通してセットすべきでしたが、今さら遅い。
ロープを手繰り寄せてロープのテンションを緩めてから次の一手を伸ばします。
下ちょっと見ると谷底まで何もない、ここで落ちれば楽勝で死ねる (=_=;)
あー!最後のホールドが足わない。右上に四角いガバホールドがあるのだが届かない!!
縦クラックに左足を足ジャムでねじ込んで右ガバを取ります。ホット一安心と思ったら
今度は足ジャムが抜けない!!捻って二、三回グニュぐにゅするとやっと抜けました。
やっと終了点テラスに登り上がると、立派なペツルボルトが並行に打ってありました。
ホッ、終わった!と写真を撮りながらセカンドを引き上げます。
下を見るときれいにクラックラインにカムが決まっています。
喜びの記念撮影をしてみると、まだ 11 時 45 分。お昼前。
駐車場に降りて 12 時、もう1本。以前から気になっていたニードルのダブルフレークを登
ることにしました。
昼食を摂りにトイレ前の駐車場に戻ってみると、白い O 串タントがあるではないか!!
(この側部の傷は間違いない)
1スラを見上げてみると、女性クライマーが張りついています。
想山会のクライミングクイーンに間違いない。
もう一人は誰か?憧れのクイーンと登っているのはどこの男だ!と嫉妬心を燃やしてみたら、
ピナクルの女先生でした。
千畳敷から登っていくとアクシオンでよく見かける I 氏と会う。
ニードルでいきなりダブルフレークに取りつくと、フレークは広く奥まで手を突っ込まないと
ジャムが決まらない。足も右足はフットジャムが辛うじてできるが左足はスネアというか何も
ない!!
3m上のホールドにタッチするが決まらず、ずり落ちてしまう。
これはワンピッチ上がって、トップロープで練習してから、登ろうということになりました。
ノーマルを上がってみるとなんと欧米系のでかい男がセカンドビレーしているではないです
か。下のテラスにジョギングシューズが3足きれいに揃えて置いてあったのは、この人達だ。
話をしてみると、佐世保のネイビーさんでアメリカンだが奥さんは日本人だという。
コングラッチュレーション でも言っておけば良かったと後から思いつきましたが、 ト
ライ ミー と叫んで登って行きました。
千畳敷にシュラフが干してあったのはこの人達が泊まったものでした。
ボルト支点にテープシュリンゲを掛けて、ロープが擦れないようにトップロープを作ってみま
した。
I 口は登れない、Y 下はなんとかカムを効かせて、引っ張ってようやく登りあがりました。
一段目のホールドは ガバかと思ったら安定していない。
ようやく一段登って二段目のフレーク。こちらは下のより登りやすかったです。
下段フレークに嵌めたカムを降りながら外そうとするが、抜けない!!
えー! I 口にやってもらっても抜けない!
登攀終了したのが 14 時 30 分過ぎころ、15 時 30 分。小一時間奮闘したが抜けない。
ナッツキー(エジェエクター)があれば何とか抜けるかも知れない。トホホ
登れないときチョンボ棒の代わりにしてやろうと思っていたナッツキーは出掛ける前に探
したのだけどありませんでした。
2 ピッチ目にかなり以前から名物になっている残置カムがありますが、私のが二個目になる
とは!!
誰か、抜いてくれたら(壊れていると思いますが)Y 下にご一報をお願いいたします。
比叡の神様に安全祈願の奉納です。
駐車場に戻ってみるとまだタントがありました。
この時 16 時、まだ岩に張りついているとしたらちょっと遅すぎ!何か事故でも起きていなけ
ればよいがと思って、メールを入れてみるが返信はありません。
駐車場でカップラーメンを沸かして待ってみるが、応答はありません。
事故であれば返信連絡があるだろうし、麓屋にでも寄って帰っているのかもしれない。
と考えてお先に帰ることにしました。
後からの連絡では 6 時間も掛かって、16 時 30 分頃に降りたそうです。
何とか、思ったより楽に登れましたがちょっと難しいと登れない状態です。
私には左方カンテの 2 ピッチ目 5.9+の方がニードルのダブルフレークⅥより難易度が高いと
はとても思えませんでした。その人の得意の登りがありますが。
(例えば、クラック、フレー
クは登れるがスラブは登れないとか)
いつまでこんな事できるか判りませんが、これからも、人工壁・ボルダーも練習していかな
ければと思ったしだいです。
I 口さんいつも車に、食事にと付き合っていただきありがとうございます。
YK 記