4-01 豊かな自然を生かした後志の「環境・ 景観・エネルギー」づくりプロジェクト 尻別川クリーン作戦 【実施主体】蘭越町、ランコ・ウシ尻別川河川愛護の会 背景及び目的 尻別川は、これまでに幾度も清流日本一に認められ全国に誇ることのできる貴重な財産である。 この清流日本一の尻別川の水質保全と景観の保持、人と自然の共生をめざして、生きものに優し い川づくりを推進するため、平成7年7月に、尻別川流域7町村(倶知安町・京極町・喜茂別町・ 留寿都村・真狩村・ニセコ町・蘭越町)で、 「尻別川連絡協議会」を設置。 これまでに、尻別川に関するフォーラムやイベントの開催のほか、7町村の統一条例「河川環境 の保全に関する条例」による取組を行っており、クリーン作戦は、毎年、川利用の活発な時期に、 尻別川流域の各町村が地域住民の方々や各関係機関と共に実施している。 これまでの取組概要 ・ 蘭越町では、建設会社や団体等で構成する「ランコ・ウシ尻別川河川愛護の会」 (平成6年2月 結成)との共催で、21 年前より毎年、各機関や団体と協力し、複数グループに分かれて、蘭越町 ランラン公園から尻別川の河口までのエリアを河川清掃している。 ・ 昨年の第 20 回クリーン作戦では、約 290 名の方が参加し、河川敷からのほか、カヌー等による 水上清掃も行い、2tトラック2台分のごみを回収。 取組の主な効果 ・ 尻別川の河川環境の向上 ・ 参加住民の環境保全意識の向上 ・ 異業種・団体相互の交流促進 第 20 回クリーン作戦(H26.6.21) 今後の取組予定 清流日本一の尻別川の水質保全と自然環境を守るため、今後も流域町村との連携のもと、地域の皆 様方と協力しながら、毎年クリーン作戦を継続する。 33 4-02 豊かな自然を生かした後志の「環境・ 景観・エネルギー」づくりプロジェクト 「森・川・海」をつなぐ木育普及推進事業 【実施主体】北海道後志総合振興局 背景及び目的 植樹・育樹などの活動を通じて「森・川・海」に対する認識を高めることを目的としてモデル地区 で取り組んできたことを将来に渡って地域に定着させるため、恒常的に体験プログラムを実施する 活動拠点をつくり、さらに次代を担う子どもたちを対象とした体験ツアーを実施し、モデル流域以 外への普及を図る。 これまでの取組概要 ○木育拠点を活用した体験プログラムの作成、実施 H25:ワーキングチーム(積丹町、道総研 林業試験場、振興局)で検討し作成 H26:プログラム改善 ・ 森林環境学習用フィールドとして設定されている「げんきの森」 (積丹町)の樹木を調査し、 森林散策用樹木マップを作成。 ・ 近隣小学生の協力を得て、体験プログラムを実施(樹名板設置など) 。 ○「森・川・海」体験ツアーの実施(H25、H26 各1回実施) ・ 振興局近隣の親子を対象に、モデル流域(寿都町)で森と川と海のつながりについて理解 を深める体験プログラムを実施。 取組の主な効果 ・ 次代を担う子どもたちや、従来から取り 組んできたモデル流域以外の住民に「森・ 川・海」のつながりについて理解を深めて もらうことができた。 ・ 今後も「森・川・海」のつながりに着目 した木育普及活動を実施することで、将来 にわたって地域が主体となった継続的な 活動展開が期待される。 「お魚はぐくむ海と森」体験隊 磯場学習の様子 今後の取組予定 ・ 木育拠点の活用支援:作成したプログラムを地域に引き継ぎ、活用などを側面支援。 ・ 「森・川・海」普及啓発:普及啓発資料を作成し、管内の木育推進事業で活用。 34 4-03 豊かな自然を生かした後志の「環境・ 景観・エネルギー」づくりプロジェクト エゾシカ緊急対策事業 【実施主体】京極町鳥獣被害防止対策協議会 京極町、農協、森林組合、猟友会、警察署、 鳥獣保護員、森林管理署 背景及び目的 平成 19 年 12 月に制定した鳥獣被害防止特措法に基づき、平成 20 年、京極町鳥獣被害防止計画を 策定し、各種対策を講じた結果、ヒグマ被害が減少する一方で、エゾシカの出没と被害が増加して おり、被害対策もヒグマからエゾシカにシフトしつつある。 このため、道東のような個体数になる前に、現状からこれ以上増加させないように取り組むこと を確認の上、第3期京極町鳥獣被害防止計画(H26~28)では、被害額・被害面積共にゼロを目標 に掲げ、対策に取り組んでいる。 これまでの取組概要 ・ 平成 19 年度、鳥獣被害(ヒグマ)が顕著に現れ、京極町鳥獣被害対策協議会を設立。 ・ 平成 20 年度、鳥獣被害防止特措法に基づくエゾシカ捕獲許可の権限を道から移譲。 ・ 平成 22 年度から、人材育成のため狩猟免許取得経費に対し 80%補助(わな猟6人、銃猟1人) 、 捕獲推進のため、エゾシカ捕獲くくりわな購入に対し 80%補助(10 個) 、捕獲報償費1頭につき 2万円、銃による一斉捕獲の実施(町営牧場、道有林) 。 取組の主な効果 ・ 狩猟免許取得者の増加が図られるととも に、エゾシカ捕獲数の増加につながった。 H26.08.31 道有林でのエゾシカ一斉捕獲 エゾシカ(オス) 今後の取組予定 ・ 従来取組の継続(人材育成、捕獲推進) ・ 移動式組立囲いわなの設置(えさによる誘導、センサーによるゲート管理) 35 4-04 豊かな自然を生かした後志の「環境・ 景観・エネルギー」づくりプロジェクト しりべし空き家BANK(後志広域景観づくり推進事業) 【実施主体】しりべし空き家BANK協議会 北海道後志総合振興局、後志管内 18 市町村、 (一社)北海道建築士会後志支部、 (公社)北海道宅地建物取引業協会小樽支部、 (公社)全日本不動産協会北海道本部 背景及び目的 羊蹄山麓地域の良好な景観づくりを進める中で、景観を阻害する廃屋の存在が問題となり、廃屋 化予防のために空き家の活用を促進する仕組みが求められていた。 空き家に新たな住まい手を見つけ、活用してもらうことにより、廃屋の減少につなげることを目 的としている。 これまでの取組概要 ・ 平成 23 年度に、社会実験として後志総合振興局の委託で「しりべし空き家BANK」 (BAN K)を構築。広域での活動のため後志管内 15 市町村と、空き家流通のため宅建業界に協力を要請 し、連携してBANK運営を試行。 ・ 平成 24 年度には、後志管内 15 市町村(現在は 18)と振興局、地域の建築・不動産業界で運営 母体となる「しりべし空き家BANK協議会」を設置。全国に空き家バンクは数多く設置されて いるが、官民連携・広域・宅建業者の参画を特徴とする。空き家の所有者は、各町村や振興局の BANK窓口で登録を申し込み、BANKの建築士・宅建業者が物件を調査、担当する宅建業者 名とともにHPに掲載し、住まい手はHP閲覧により物件を見つけるシステム。 ・ 平成 25 年度からは、社会実験を終え自主運営に移行。 取組の主な効果 ・ 累積空き家登録件数:58 件 (うち売買 44 件、賃貸 14 件) ・ 累積成約件数 :42 件 (成約率 72%) (うち売買 29 件、賃貸 13 件) しりべし空き家BANK メインホームページ、 物件情報のページ 今後の取組予定 ・ 広域景観対策として始まったBANKであるが、移住定住の受け皿の仕組みとして、空き家に必 須のリフォームや空き家管理等も取り入れながら、各町村と連携してまちづくりに参画する。 36 4-05 豊かな自然を生かした後志の「環境・ 景観・エネルギー」づくりプロジェクト 再生可能エネルギー・スタートアップ促進事業 【実施主体】北海道後志総合振興局 背景及び目的 自然環境の豊かな後志地域が主体となって、再生可能エネルギーの導入推進によるエネ ルギーの安定需給及び低炭素社会を実現するため、再生可能エネルギーの導入可能性を検 討し、地域の特定課題の解決や事業化に向けた取組を促進することにより、後志地域が再 生可能エネルギーの先進地となるよう推進する。 これまでの取組概要 ・後志地域再生可能エネルギー資源活用可能性検討会議(平成 24 年度・平成 25 年度 各1回) 後志地域が有する再生可能エネルギーの活用促進に向け、各市町村担当者による情報提供や意 見交換の実施。 ・後志地域再生可能エネルギー推進WG(平成 24 年度 3回・平成 25 年度 2回) 後志地域で事業化可能性の高い再生可能エネルギーについて、当該エネルギーに詳しい専門家 を交えて、問題点の検証、課題解決の方策を検討。 ・後志地域小水力セミナー(平成 25 年 11 月) 後志地域の特色に応じた小水力発電の導入推進を図るため、実施主体となりうる事業者、地域 住民、市町村を対象にセミナーを開催し、具体的な導入事例等の紹介を通じて小水力発電に関す る理解促進や機運の醸成を図った。 取組の主な効果 ・ 後志管内市町村がポテンシャル調査を実 施するとともに、再生可能エネルギーの導 入検討の機会を創出することができた。 【ポテンシャル調査】7団体 小樽市・岩内町(浄化施設での水力発電) 仁木町・蘭越町(農業施設等の落差工での小水力発電) 真狩村・神恵内村(エネルギー全般) 岩内町(洋上風力) 【導入検討】5団体 H25 ワーキンググループ(流量計測の様子) 小樽市、岩内町、仁木町、蘭越町、ニセコ町 今後の取組予定 市町村の省エネ。新エネに対する関心が高まっていることから、引き続き後志地域再生可能エネル ギー資源活用可能性検討会議を開催し、情報共有を行っていく。 37 4-06 豊かな自然を生かした後志の「環境・ 景観・エネルギー」づくりプロジェクト バイオマス燃料による公共施設のコスト削減 【実施主体】寿 都 町 【実施主体】 】寿都町漁業協同組合 背景及び目的 寿都町は、風力発電など再生可能エネルギーを積極的に活用しているが、原油価格の高騰により、 町営「寿都温泉ゆべつのゆ」の経営が圧迫する中、運営上の課題である燃料コスト削減を図るため、 バイオマスボイラーを導入し、適切な公共施設の管理運営を推進する。 これまでの取組概要 ・ 平成 26 年 11 月 導入予定ボイラー視察(大阪府) ・ 平成 27 年 2月 導入ボイラー検査(大阪府) ・ 平成 27 年 3月 バイオマスボイラー導入、試験運転開始(既存ボイラーと併用) 後志管内で廃棄される木材チップを使用し、CO2 の排出削減に つながる取組も進めている。 ※導入後間もないため、現在も既存ボイラーと併用中。 取組の主な効果 ・ バイオマスボイラーの導入後間もない ため、大きな効果は表れていない、前年 同時期の原油(重油)使用量コストを比 較すると、2~3割程度、削減されてい る状況。 バイオマスボイラー 今後の取組予定 原油コスト削減により、充実した施設管理と温泉経営安定を推進していく予定。 38
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