第 22 回:まだ半分ある、もう半分しかない。

第 22 回:まだ半分ある、もう半分しかない。
所有し ている ものを 分け与 える、もしく は使 っていく 場合、往々に して、
「 もう半 分しか な
い」とい う不安 がよぎ る分岐 点とい うもの があ るようで す。こ の分岐 点を境 にして 時間の 速
さが変わ ってし まうよ うです 。それ までは 、ゆ ったりと した気 分でい たもの が、無 くなっ て
しまった ときの 未来を 想像し 始めて 、余裕 が無 くなって しまう のです 。
ですから 所有に は、た とえそ の時点 で充分 に所 有してい たとし ても、 たえず 獲得す る、増
やすとい う行為 が不可 欠にな るので す。と きに は、獲得 する、 増やす という 行為が 争いご と
に発展す るケー スが多 々あり ます。
人間と人 間との 争いの ほとん どは、 限られ たも のを分か ち合う 過程に おいて 発生し ていま
す。たく さんあ るうち は、余 裕に満 ちた微 笑み を交わし 合うこ とがで きるが 、残り 少なく な
ると不安 と恐れ と猜疑 心が微 笑みを 打ち消 して いく。し かし、 前述し たよう に、知 識とは 、
人間が生 まれた ときか ら同じ だけの 量を持 って いるもの である とする なら、 そこに は奪い 合
うという 行為は 消えて 、与え 続ける 、交換 し合 うという 行為が 永久に 続くは ずです 。そう で
ない限り 、いず れ、自 分に能 力があ るかな いか 、それが 実現で きるか できな いかで 悩むこ と
になりま す。ま だ、や っても いない のに、 すで にやった として 、やっ た後の 結論を 自分で 出
して悩む ように なるの です。
人間は望 めば何 でも実 現でき る能力 を持っ てい る、と気 づくこ とがで きたか 、でき ないか
である。 もし、 気づく ことが できな い場合 は、 やがて、 自分に 能力が あるか ないか 、それ が
実現でき るかで きない かで悩 むこと になる ので す。まだ 、やっ てもい ないの に、す でにや っ
た後の結 論を自 分で出 して悩 むよう になり ます 。
Yo s h i d a A c c o u n t i n g O f f i c e