呼吸 正常と異常 呼吸の正常と異常

呼吸 正常と異常
呼吸の正常と異常
松江赤十字病院
慢性呼吸器疾患看護認定看護師
野津栄子
慢性
慢性呼吸器疾患看護認定看護師の役割
疾患 護 定 護師 役割
慢性呼吸器疾患患者とその家族がその人らしく生活
していくために安定期・増悪期・終末期にわたって
・QOL向上のための呼吸ケアの知識・技術・態度の向上
看護実践を通しての指導 相談
・看護実践を通しての指導・相談
・患者・家族教育のスキルアップ
・地域医療連携の充実
急性期病院の認定看護師として
地域・在宅医療との連携・継続看護システムの構築を
目指します
今日 お話 内容
今日のお話の内容
呼吸のしくみと働き
 正常な呼吸と異常な呼吸
 呼吸の観察
 事例を通した呼吸の観察の例
 体位ドレナージ・排痰ドレナージ

肺 はたらき
肺のはたらき
正常な肺と心臓の働き
肺と心臓は二人三脚のように
働いています
肺の働きが損なわれ酸素不足
になると心臓に負担や悪影響
をおよぼします
酸素が不足すると・・・
息切れ、動悸、めまい、
意識障害、臓器不全などの
症状が出現します
呼吸 しくみ
呼吸のしくみ
呼吸運動はほとんど横隔膜運動がにないます
肺は自ら膨らんだり縮んだりできないため横隔膜
の上下運動で胸郭ないの圧を変化させて肺を膨ら
ませたり縮めたりします
体表解剖
前面 背面から見た肺葉の位置
前面・背面から見た肺葉の位置
左右の側面から見た肺葉の位置
肺区域
肺葉気管支
口・鼻から酸素
を取り込む
ガスの運搬
肺胞でガス交換
をする
酸素を取り入れた
血液は左心房へ
左心室から全身の
全
組織へ
外呼吸
内呼吸
酸素が不足する原因として
肺胞低換気・拡散障害・シャント・換気血流不均衡・貧血・循環障害など
正常な呼吸と異常な呼吸
「呼吸」ってどんな風にしているでしょうか?
呼吸」ってどんな風にしているでしょうか?
健常人では
①吸気(約1秒)
②呼気(約1秒)
③休息(残り 秒数約2 3秒)
③休息(残りの秒数約2~3秒)
呼吸は、この3つの動作がほぼ一定のリズムで繰り返されます
全部で、1サイクル約4−5秒くらい
1分間にすると・・12〜15回、呼吸することになります
一回換気量約500ml
分時換気量約6Lとなります
異常な呼吸
呼吸様式
年齢によって呼吸様式は異なり、乳児では腹式
年齢によって呼吸様式は異なり
乳児では腹式
呼吸、成人では主に胸式呼吸が見られてきます
吸気時に胸郭と上腹部が同時に上昇します
胸式呼吸は女性の方が強く、高齢になると胸郭
が硬くなるため腹式呼吸が強くなります
異常な呼吸様式
肩呼吸 鼻翼呼吸
肩呼吸・鼻翼呼吸
吸気抵抗があるため呼吸補助筋の使用、鼻孔を拡張さ
せる呼吸
起座呼吸
座位・前傾姿勢で横隔膜を下げ換気面積を拡大させる、
呼吸補助筋を使いやすくする
胸腹式呼吸
横隔膜筋力の低下により吸気時に上胸部を拡張する
異常な呼吸様式
奇異呼吸
シ ソ 呼吸
シーソー呼吸
陥没呼吸
脊髄損傷や小児などで胸壁筋が弱い場合に吸気時に
上胸部は陥没し腹部は拡張する
口すぼめ呼吸
口唇をすぼめてゆっくり呼気する呼吸で気道に陽圧
をかけることにより呼気時の気道の虚脱を防ぐ
下顎呼吸
あえぎ呼吸
吸気時に口が開き吸気がほとんどなくガス交換がで
きていない状態
呼吸状態の観察









呼吸回数 深さ リズム 姿勢 呼吸様式
自覚症状 息苦しさの程度 胸痛など
皮膚や唇、爪の色
皮膚の湿潤 冷たさの有無
皮膚の湿潤、冷たさの有無
意識の状態
咳・痰の有無と性状
視診 聴診 触診
視診・聴診・触診
家族や周りの人からの情報
第6感 なんかおかしいという感覚
視診
触診




胸郭の動き、硬さや柔軟性、
皮膚の冷感、温感、熱感、湿
潤 乾燥
潤、乾燥
ラトリング(痰の貯留の振動)
気管偏位、皮下気腫など
打診





胸郭の空気含量を推測
正常な呼吸では清音
無気肺・胸水・血胸では濁音
気胸・肺気腫・消化器泡では鼓音
気胸
肺気腫 消化器泡では鼓音
心臓・肝臓・骨部では濁音
聴診
気管から肺胞へと末梢にいくほど細くなるが断面積の総和は大きく
なっていくため音は弱くて小さくなっていく
副雑音は病的な雑音で連続性と断続性の副雑音がある

低調性連続性副雑音 (いびき音)
COPD急性増悪・痰の貯留・気道異物・肺癌の中枢気道狭窄など

高調性連続性副雑音 (笛様音)
気管支喘息発作などの閉塞性疾患

粗い断続性副雑音 (水泡音)
肺炎・気管支炎・心不全・肺水腫など

細かい断続性副雑音 (捻髪音)
肺線維症・間質性肺炎など
SpO2モニター
(パルスオキシメーター)

酸素解離曲線
高齢になるにつ
れ正常値は低下
する
30歳の人は99%
でも80歳の人は
95%くらい
聴診器


呼吸音や心音、血圧の
聴診に用います
正しく使用しなければ
聴診ができません
高齢者施設で起こりうる疾患








誤嚥・窒息
肺炎
喘息発作
心不全
脳卒中(脳梗塞、くも膜下出血、脳出血)
(
)
糖尿病
睡眠時無呼吸
外傷
など
誤嚥



本来は喉から食道・胃に入っていくべきものが嚥下
反射 咳反射の低下により気管 気管支に入ってし
反射・咳反射の低下により気管・気管支に入ってし
まい起こります。食事中に起こるより夜間、本人が
気づかないうちに少量ずつ起こることが多いです
呼吸はいつもと変わりないか
痰の貯留や気道の閉塞を示唆
すも喘鳴を伴う場合もあります
発熱時には頻呼吸となります
窒息




鼻腔・口腔・咽頭・喉頭からなる上気道と気管まで
のどこかで何らかの理由で閉塞が生じた場合窒息と
ど か 何らか 理由 閉塞が生じた場合窒息と
なります
原因は気道異物によるものがほとんどですが気道が
外部から圧迫された時も窒息となる。またアレル
ギ などの喉頭浮腫なよるものもあります
ギーなどの喉頭浮腫なよるものもあります
呼吸は努力様となり完全閉塞では声や呼吸音は聴取
できず、不完全ではうめき声や喘鳴が生じます
上気道閉塞の場合は吸気で胸部がへこみ腹部が膨ら
むというシーソー呼吸となります
肺炎



肺の実質に起こる炎症の総称で市中肺炎・院内肺炎
など分類があります
細菌・真菌・ウイルスなど気道に吸い込み発症した
り 腔内 細菌を誤嚥
り口腔内の細菌を誤嚥して起こしたりします
起
たり ます
発熱・咳・たん・喘鳴を伴うことが多く意識障害を
きたす場合があります 高齢者はたんの喀出ができ
きたす場合があります。高齢者はたんの喀出ができ
ず低酸素や無気肺となり荒く努力した呼吸様式にな
る場合があります
喘息


発作の程度は小・中・大・重篤とあり、繰り返す呼
気延長、喘鳴と呼吸困難で夜間から朝に多く見られ
ます。小発作では会話ができるが重症になると会話
ができず臥床することもできなくなります(起座呼吸)
重篤になると呼吸音減弱・呼吸停止、意識障害、チ
アノーゼなどを呈します
心不全



心臓の拡張不全や収縮不全により血圧低下、臓器の
血流低下、肺うっ血などを起こす左心不全と低酸素
による肺血管抵抗による静脈系のうっ滞などがおこ
る右心不全があります
夜間や労作時の呼吸困難や咳、喘鳴、チェーンス
トークス呼吸などがみられます
慢性心不全は倦怠感と
呼吸困難から運動量が
減少し心機能の低下進行
するなどの悪循環が起こ
る場合があります
脳卒中
(脳梗塞、くも膜下出血や頭部外傷などの脳出血)


出血により急激に頭蓋内の圧が上昇した時に意識障害
や呼吸状態の悪化が起こる場合があります
急激な悪化では脳ヘルニアや呼吸中枢の障害により失
調性呼吸や徐呼吸、あえぎ呼吸から呼吸停止に
いたる場合があります
糖尿病


高血糖による意識昏睡をきたす場合がある。代謝性
高血糖による意識昏睡をきたす場合がある
代謝性
アシドーシスに対する代償性呼吸で大きな呼吸(クス
マウル大呼吸)が見られます
血糖降下剤の内服、経口摂取量の減少などから低血
糖を起こし意識障害をきたす場合があります。初期
に呼吸障害はわかりにくいが長時間になると呼吸停
止などに至るため早期の対処が必要となります
睡眠時無呼吸



睡眠中にのどが詰まって呼吸が止まり、その結果息
苦しくなり十分な睡眠がとれない状態です 無呼吸
苦しくなり十分な睡眠がとれない状態です。無呼吸
が長くなり低酸素が続くと心臓や脳に負担がかかり
心疾患や脳卒中の原因となります
原因は肥満ですが痩せいている人でも起こります。
高齢者の筋力の低下も原因となります
この病気の人はすべてがいびきかきです
外傷

外傷性気胸
転倒や圧迫などで胸壁が損傷し胸腔内に空気がたま
り肺が虚脱した状態で呼吸ができなくなります 症
り肺が虚脱した状態で呼吸ができなくなります。症
状は胸の痛みや呼吸困難、息切れ、時に皮下気腫を
伴います。症状が進行すると緊張性気胸という生命
に関わる状態になる場合があります
態 な
合があ ます

肋骨骨折
外力が加わるだけでなく運動や咳・くしゃみなどの
疲労でも起こる場合があります。痛みによる呼吸抑
制で浅く早い呼吸になる場合があります
大事なことは
大事なことは・・・



その人がどんな疾患なのか把握することで予測した
り予防できたりします
どんなエピソードがあったのか知っておくことが大
切です
家族から最近の様子を聞きいつもと違うことの把握
をします
医療従事者として・・・
医療従事者として
 情報の共有とチームワーク
 アセスメントや介入の標準化
 施設や医療機関の連携
事例を通した観察
89歳男性。1週間前から
89歳男性
1週間前から
食欲低下、食事すると嘔
吐するため家族が心配に
なり受診する。脱水と診
断され入院となる 絶食
断され入院となる。絶食
し点滴治療していた。入
院2日後 38℃台の熱発
院2日後、38℃台の熱発
脈拍増加しSpO285%の
低下がみられた










表情が乏しく会話が続かない
呼吸回数30回/分、肩が上がった呼吸で喘鳴、咳・
痰の貯留音あり
顔色・爪色・口唇色が不良
全身
全身じっとりと汗ばみ、体が熱い
とりと汗ばみ 体が熱
痩せていて皮膚の弾力がない
肺全体にブツブツとした粗い断続性副雑音聴取右の
全
ブ ブ
下肺野の呼吸音減弱
咳込むが痰が出ず 吸引での痰は粘くて黄色
酸素3L/分マスク開始でSpO298%に上昇
胸X Pでは右下肺野に肺炎像あり
胸X-Pでは右下肺野に肺炎像あり
食事は家族と同じものを食べていた 最近食事の時
よくむせていたと家族から聴取
呼吸が速くて浅いな・・・
皮膚の色も悪いから酸素
 表情が乏しく会話が続かない
が不足している









呼吸回数30回/分、肩が上がった呼吸で喘鳴、咳・
痰の貯留音あり
顔色・爪色・口唇色が不良
熱があって体が熱いし
全身
全身じっとりと汗ばみ、体が熱い
とりと汗ばみ 体が熱
汗もある。最近食べて
いないし脱水になって
痩せていて皮膚の弾力がない
る
肺全体にブツブツとした粗い断続性副雑音聴取右の
全
ブ ブ
下肺野の呼吸音減弱
咳込むが痰が出ず 吸引での痰は粘くて黄色
右の肺に痰があ
酸素3L/分マスク開始でSpO298%に上昇
最近むせていたし、
る。レントゲンでも
嚥下機能が低下して
肺炎になってると
胸X Pでは右下肺野に肺炎像あり
胸X-Pでは右下肺野に肺炎像あり
いる。誤嚥していたと
わかる。痰を出す
食事は家族と同じものを食べていた
考えられる。食事の
最近食事の時
必要がある
よくむせていたと家族から聴取 摂取みないといけな
い
咳やたんの役割



咳やたんは、ほこりやウイルス、細菌など空気中の
咳やたんは
ほこりやウイルス 細菌など空気中の
汚れから肺を守っています
気管や気管支の内面にある繊毛によってたんと一緒
に外に運び出します
健康な人は 異物を除去するために咳をしますが高
健康な人は、異物を除去するために咳をしますが高
齢者は咳の力も繊毛運動も低下するためうまくたん
を運び出すことができません
気道浄化の方法







水分摂取を促す
加湿
咳を促す
ネブライザー吸入
薬物療法
運動・早期離床
理学療法
体位排痰法 スクイージング
など
ハッフィング
体位排痰法 スクイ ジングの注意点
体位排痰法・スクイージングの注意点



適応 痰の量が30ml/日以上(1回の吸引で5ml以
上)存在する場合で喀出が困難な場合
禁忌 血行動態が不安定なもの、心不全、未処置の
気胸、肺内出血
合併症 低酸素血症、気管支攣縮、不整脈、頭蓋内
圧の上昇 呼吸困難 疼痛など
圧の上昇、呼吸困難、疼痛など
死亡場所 死亡者数の推移
死亡場所・死亡者数の推移
呼吸の観察から診断まで
地域 在宅と病院が連携すに
地域・在宅と病院が連携すに・・
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



顔を合わせる関係
顔を合わせ
係
スタッフ間の情報共有
お互いの仕事内容の理解
継続したケア
松江の地域連携の向上
今後も機会がありましたら
一緒に学んでいきたいと思います。
よろしくお願いします。
ご清聴ありがとうございました
ご質問やご要望などありましたら遠慮なく
お問い合わせ下さい
救命救急センタ スタ フ 同
救命救急センタースタッフ一同