【B-13】桟橋の鋼管杭と上部工を同時にリニューアル

【B-13】桟橋の鋼管杭と上部工を同時にリニューアル
- DECK and PILE RENEWAL SYSTEM for PIERS(1)鋼管杭の集中腐食
桟橋の鋼管杭は、桟橋構造物を支持するた
めに重要な機能を担っている。鋼材は腐食を防
止するために、干満帯では被覆防食(ペトロラ
タムライニングなど)を、海中部では陽極を設
置して電気防食が行われる例が多い。しかし、
過去の設計においては「腐食代(供用期間中の
均一な腐食による断面減少)」
を考慮して肉厚の
大きい杭を用いて建設された構造物がある。こ
れらの構造物では、L.W.L.付近で集中腐食が発
生し、設計上考慮された均一な腐食の数倍の速
度で腐食することにより、鋼管杭に大きな穴が
鋼管杭の集中腐食事例
あき、鋼管杭の機能が大幅に阻害されている。
本工法は、集中腐食を受けた鋼管杭と塩害を
受けて劣化した鉄筋コンクリート製上部工を同
時にリニューアルする工法である。
(2)技術的特徴
既設の鋼管杭を有効に利用するために、集中
腐食が発生している部分(調査結果に基づくが、
L.W.L.より 1.0m 程度下で集中腐食が発生する
例が多い)より下で鋼管杭を切断して上部工と
ともに撤去する。その後、一回り大きい鋼管(鞘
管)を既設杭に挿入してグラウト材を注入し、
所定の位置に固定して、その後上部工を構築す
る工法である。グラウト材の注入においては、
施工性や経済性を確保するために「注入口付き
上部工と鋼管杭を同時にリニューアル
グラウト材の圧入
布製シール材」を用いる。
(3)実績/技術的背景
九州地区の桟橋リニューアル工事において適
用され、施工性、経済性が確認されている。
グラウト充填
(無収縮モルタル、水中不分離
性モルタル/コンクリート)
注入口(必要に応じて、
グラウト硬化に撤去)
グラウトサットホル
ダー注1)
既設鋼管杭
(健全部を残して除去)
施工状況写真
鋼管杭の補強方法(鞘管と既設杭の結合)