地域自慢

地域に伝わる民話
伝統工芸『かな料紙』
づくりに挑戦!
~かな料紙とは~
ぐ ん が
久米小学校がある大里・薬谷の地は,古代には久慈郡衙
(役所)が置かれ寺院が立てられたところでもあり,長
者屋敷の伝説などが聞き伝えられています。わたしたち
は,地域の民話を本で調べたり,祖父母に聞いたりして
紙芝居やペープサートなどにまとめました。
~黄金千杯の埋まる薬師堂~
こどもの病気が早く治るように
泉に水をくみにくると,女神が現
れ金色の仏さまと宝物を置いてい
きました。里の人々はお堂を建て
て仏さまをまつり,宝物は近くの
桜の木のもとに埋めました。それから年月が流れて…。
~村を救った大男~
おそろしい盗ぞくの一団が大方村を襲おう
としたとき,遠い山の向こうから地ひびき
とともに,天をつくような大男が現れまし
た。大男は八溝山の土をちぎっては投げ,
盗ぞくたちこらしめました。このとき投げ
た土が鎮守の森となり…。
~ 義 家 に ほ ろ ぼ さ れた 長 者 ~
八幡太郎義家が大里の長者屋
敷を訪れもてなしを受けまし
た。義家は,富豪で村人にした
われている長者を,後の災いに
なると考え,ほろぼしてしまい
ました。千草姫だけは乳母に助けられ…。
平仮名・片仮名などのかな文字文化が
発達した平安時代に,書道のかな文字用
紙として生まれたものが「かな料紙」で
す。県内で制作されるようになったのは,戦後のことで,
現在,職人は全国でも数人しかいないと言われています。
(茨城県ホームページより)
~「継紙」を体験!~
金砂郷大里町でかな料紙づくりを行っている,小室さ
んを講師に招きました。今回は,破ったような型どりの
紙をはり合わせる「継紙(つぎし)」を体験しました。の
りをつけてはり合わせていく作業はとても細かくて,大
変でした。
①のりをつける
②はり合わせる
③完成!
わたしたちがつくった継紙は,小室さんが裏打ちを施
してくれます。次回は,出来上がったかな料紙に筆を使
い文字を書きます。
~かな料紙づくりも見学~
和紙をかな料紙に仕上げていく行程を,小室さんに見
せていただきました。
ナラやクヌギの木の皮などから煮出した液で和紙を染
め,色を付けます。次にのりを引いて,金・銀の箔(は
く)や雲母の砂をちりばめ模様をつくります。余白を上
手にとるところがむずかしいそうです。
(乾燥させてから)
①水を引く
②色を付ける
③のりを引く
~下級生に伝えよう~
◆2年生の教室で,発表す
るときはどきどきしまし
た。紙芝居を見た2年生た
ちが,
「楽しかった。
」と感
想を言ってくれたのがう
れしかったです。
◆どの場面を紙芝居にす
るか,グループでよく話
し合って作りました。大
男のはく力がよく出せた
と思います。
紙芝居やペープサートは,1~4年生の学級で発表し
ました。
④箔をふる
※小室さんがつくったかな料紙
◆一枚一枚丁寧に,時間と手間をかけてかな料紙がつく
られていることがわかりました。
~まとめ~
昔から語り継がれてきた民話は,素朴で心温まる思いを伝えてくれます。わたしたちの住む
地域が舞台になっていることで,興味をもって調べることができました。また,かな料紙づく
りという伝統工芸に触れたことも,貴重な体験でした。今回の学習をとおして,わたしたちの
ふるさとの歴史やすばらしい伝統を誇りに思い,金砂郷がもっと好きになりました。