手術件数入力の手引き

手術件数入力の手引き
2013 年 12 月
京整会事務局作成
ver.1
はじめに
この手引きは、京整会報用に病院の手術件数を入力していただく際の手引書で
す。手術の内容によって、いずれの項目に加えるべきか迷うケースがありますの
で、その際の指針を作成いたしました。ただし、以下の原則を吟味していただい
た後の最終的な判断は、貴施設でご判断ください。手術の内容によって、また時
代の変遷によって、入力の分類や原則を変更する必要が生じえます。もしご不明
な点、ご意見がありましたら、事務局までご一報をよろしくお願いいたします。
入力に際しての原則
1、
ここでいう「手術」とは、
「手術室で行った処置」とします。処置室や病
棟などで行った処置は原則的には含めないでください。麻酔の有無や内
容は問いません。
2、
手術件数は、1 月 1 日から 12 月 31 日までの件数を当該年分として記入
してください。
3、
ひとつの手術について、一つの項目に入力してください。いくつかの手術
を同時に行った場合は、主たる手術の項目に登録してください。ただし、
一回の手術で明らかに別の二つ以上の手術を行った場合は、それぞれ入
力してください。
4、
脊椎・脊髄手術以外のマイクロサージェリーは、その技術を習得するため
に病院選択の一助となるよう、別枠で設けました。すなわち、例えば正中
神経剥離術をマイクロサージェリーを用いて行った場合、
「末梢神経手術」
の項目に 1 件と、マイクロサージェリーに 1 件加えてください。マイク
ロサージェリーのみに加えることはせず、できるだけ分類してその分類
項目に一件加えるようにしてください。
5、
手術の項目は、大項目、中項目、小項目の順に分類します。まず当該手術
がどの大項目に該当するか判断してから、中項目、小項目の順に分類を進
めてください。ただし、人工関節、人工骨頭についてはこの限りではあり
ません。
Frequently Asked Questions
Q1、「明らかに別の二つの手術」とはどういうことか。
→「明らかに別の二つの手術」とは、
「通常別々の機会にすべき手術を、事情に
より同時に行った場合」とします。参考までに以下の FAQ をご参照ください。
ただし不明瞭な場合は、それぞれの施設でご判断ください。
Q2、脊椎手術で、頸椎から胸椎までの固定を行った場合は、どのように入力す
るのか。
→どちらに手術の主目的があるかによります。頸椎が主な目的なら頸椎に、胸椎
が主目的なら胸椎・腰椎に加えてください。
Q3、脊髄腫瘍を摘出してかつ脊椎固定を行った場合は、どのように入力するの
か。
→いずれが主たる手術なのかの判断をして入力していただきますが、明らかに
固定術が主たる手術でない場合は脊髄腫瘍の項目のみに加えます。
Q4、骨折に対する人工骨頭と、大腿骨頭壊死に対する人工骨頭は、同じ「人工
骨頭」に加えるのか。
→その通りです。人工骨頭置換術が整形外科にとってひとつの重要な治療 entity
であるとの考えから、関節外科—股関節—人工骨頭に加えてください。上腕骨頸
部骨折に対する人工骨頭も、肩関節—人工骨頭に加えてください。
Q5、外傷性末梢神経損傷に対して手術を行った場合は、外傷外科に加えるのか、
末梢神経手術に加えるのか。
→外傷に対する手術のうち、末梢神経についての手術は末梢神経手術の項目に
加えてください。ただし再接着術で血管縫合などに加えて末梢神経も縫合した
場合はその限りではありません。再接着術に加えてください。手外科における手
術についても、末梢神経外科が主である場合は、末梢神経手術に加えてくださ
い。
Q6、血管柄付き複合組織移植は、どこに加えるべきか。
→どのような理由で、いずれの解剖学的部位に対して手術を行ったかで判断し
てください。例えば外傷によって発生した皮膚、腱、筋欠損に対して行った場合
は、外傷外科の「その他」に分類してください。腫瘍切除後の再建に行った場合
は、欠損がいずれの解剖学的部位にあったか、何を再建したかを判断し、その項
目に一件を加えてください。解剖学的に現在の分類項目に当てはまらない場合、
解剖学的には当てはまるが当該関節機能の再建でない場合などは、
「その他」に
加えてください。
Q7、腫瘍手術で、人工関節を用いた場合や血管柄付き組織移植を用いた場合は、
どのようにすべきか。
→腫瘍摘出が主目的であるのなら、腫瘍の項目のみに加えてください。以前腫瘍
に対する手術を行っているが、今回は人工関節ないし組織移植の再手術を行う
場合(腫瘍に対する手術を行わない場合)は、人工関節ないし組織移植の手術の
みとして扱ってください。
Q8、骨軟部腫瘍は、どのような小さな良性腫瘍も「骨軟部腫瘍」に加えるのか。
→そのようにお願いします。
Q9、転移性腫瘍は、「骨軟部腫瘍」に加えるのか。
→脊椎・脊髄転移の場合は、脊椎・脊髄手術に加えてください。それ以外の骨軟
部転移は骨軟部腫瘍に加えてください。
Q10、「頸椎」、「胸・腰椎」は、骨に対する手術だけなのか。
→必ずしもそうではありません。
「脊髄腫瘍」に当てはまらない脊椎・脊髄外科
手術は、骨に対する手術でなくても、部位によって「頸椎」ないし「胸・腰椎」
に加えてください。
Q11、医療保険点数で扱う、「手術」、「手術の分類」、「二つの手術」などとの
整合性をどのように考えるのか。
→京整会で集計する手術件数は、医療保険上の定義や分類とは別物としてお考
えください。