デジタルカメラにおける色・画像処理

デジタル・イメージング技術部会 講演要旨
開催日:平成27年3月5日(木) <2014-4-1>
テーマ:
「デジタルカメラにおける色・画像処理」
講演者:河村尚登 氏(元キヤノン [email protected])
デジタルカメラは,人物や風景を撮影して楽しむことのほか,工業用の立体物入力装置,天文での天
体撮影,医療分野での入力装置等様々な分野で発展し応用されている。主要コンポーネントとしてイメー
ジセンサ,光学系,画像処理エンジンが挙げられるが,それぞれ高画質化・高機能化に向けて急激に進化
を遂げている。色再現処理においては記憶色に基づいた「好ましい色再現」
,自然界の色をありのまま再
現する「忠実な色再現」がカメラに搭載されている。
「好ましい色再現」では,各メーカでより美しく色
再現できるように「絵作り」を競っている。sRGB 標準色空間が現在デフォルトで採用されているが,よ
り広い色空間を再現するための拡張色空間の導入が始まっている。拡張色空間としては大別すると三色度
点を拡張した色空間,sRGB 色度点をベースとして拡張した色空間の 2 つの方式があり,多くの国際標準
化方式が提案されている。それらはイメージステートにより用途ごとに合理的に使い分けられる。注目す
べきはシーン・リファードな色空間として scRGB が,ガンマ=1のためカラーブレンドや合成などのコ
ンピュータグラフィックスにおいて線形加工が可能で親和性がよいため,今後の展開が期待される。
520
ROMM RGB
530
0.8
540
510
Adobe RGB/opRGB
sRGB
550
Adobe RGB
3色度点拡張
560
Wide Gamut RGB
Wide Gamut RGB
0.6
570
500
RIMM/ROMM RGB
580
y
590
拡張色空間
ノンリニア系
10ビットsRGB
0.4
600
RGB系
1以上/0以下をとる
610
620
490
リニア系
sRGB拡張
650
scRGB
0.2
YCC系
クリッピング解除
sYCC
480
470
xvYCC
450
0
各種拡張色空間
0
0.2
0.4
0.6
x
三色度点で決まる各種拡張色空間
0.8