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平成28年度 健康保険組合連合会 事業計画【概要】
【主な継続的事業項目等】
○ 医療保険制度改革
事 業 項 目
H27. 3. 3 「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を
改正する法律案」(医療保険制度改革関連法)の国会提出
医療保険制度等
を取り巻く
1.医療費適正化対策の
推進
4) 支払基金における審査の充実・強化と業務コストの削減
H27. 9.11 同医療保険部会での議論開始
2.診療報酬体系の合理化
診療報酬改定の基本方針、短時間労働者の適用拡大、
と医療提供体制の改革
高齢者医療制度、骨太方針 2015 の検討項目等について引き続き議論
等に向けた活動の強化
3. 保 健 事 業 関 連 施 策 の
1)
○ 医療制度改革要求実現活動
4.健保組合・健保連への
・常任理事会(9/11)
、理事会(10/30)において「要求実現に向けた当面の活動
について」を決定
1)
○ 健保組合の財政状況
5.調査研究事業及び基本
統計調査の実施
・H26 年度決算見込み:636 億円の経常黒字、現役世代に偏る高齢者医療費の負担
構造は変わらず
6.交付金交付事業と円滑
な組合事業運営の支援
・H19 年度に比べ被保険者一人当たり保険料は 91,910 円の増加
2)
都道府県連合会の健康開発共同事業推進と保健師等活動支援
3)
各種健康づくり事業の実施と保健事業研修会の開催
1) 健保組合、医療保険制度等の現状と課題への理解醸成に向けた
2) 健保組合・健保連の主張や活動等への理解醸成に向けた広報活
1) 医療制度改革に対応した調査研究事業の実施
2) 健保組合に関する基本統計調査の実施
1) H29 年度以降の交付金交付事業の見直し
2) 交付金交付事業の的確な運用
7.IT化に関する対応
【最重点事業項目】
的な事業運営
関係部
IT 推進部
総務部
2) 都道府県連合会助成金等による支部への支援強化
企画部
4) 本部職員の資質向上と人材の育成
対応
5) 本部既存事業の見直しと事業運営の効率化
継続・強化
3) 健保組合・健保連の主張実現に向けた効果的な要請活動の展開
総務部
4) 健保組合・健保連の主張実現に資する広報活動の継続的展開
広報部
1) 日本健康会議が提唱する予防・健康づくり等(宣言 2020)の活
保健部
6) 監事による監査の指摘事項への確実な対応
動展開とデータヘルスの一層の推進
2) 「医療費分析全体集計データベース」による医療費分析等への支援
1) 健保連本部・支部の連携による組織活動の強化
3) 健康保険組合全国大会の開催
2) 財政調整・一元化の阻止活動の継続実施
のための支援策の推進
社会保障・税番号制度への対応
担当部
張実現に向けた活動の
健保組合方式の維持発展
事業部
の対応
8.組織強化の推進と効率
2.保険者機能を発揮できる
1)
2) 「特定健診・特定保健指導共同情報処理システム」安定運用へ
○ 保険者機能の発揮に効果的な健保組合方式の維持・発展
革における健保連の主
組合支援
(各種研修会の実施、相談対応、組合実務に役立つ書籍の改訂)
○ 実効ある医療費適正化対策の実施
1) 医療・介護保険制度のさらなる改革に向けた議論等への的確な
企画部
3) 円滑な組合事業運営に向けた支援
○ 安定した組合運営に向けた財政支援の継続・拡充
1.医療・介護保険制度改
広報部
広報活動の展開
○ 高齢者医療費の負担構造改革の実現
業 内 容
保健部
(審査・ヒアリングの充実強化)
【全国大会スローガン:諸情勢を踏まえた今後一年間の活動指針】
事
特定健診・特定保健指導の促進と第3期(30 年度~)の制度
動の展開
▽H29/4 の消費税率引上げに向けた制度改革の要請:11 月の全国大会を始点
事 業 項 目
医療部
見直しに向けた対応及び集合契約の円滑運営
▽H28 年度政府予算編成に向けた財政支援措置の要請
健保組合
消費税率引き上げに伴う診療報酬における対応
実現に向けた活動の継続・強化
理解醸成に向けた情報
発信
医療部
2) 「医療提供体制に関する健保連の見解(仮称)」の取りまとめと
推進
H27.12. 7 経済財政諮問会議に経済・財政再生計画改革工程表(案)を提示
担当部
2) レセプト点検事業と療養費適正化対策の実施
H27. 7. 9 社会保障審議会医療保険部会が再開(同法案の概要を説明)
ダーによる健康寿命の延伸・医療費適正化推進のための活動体
基本方針
1) 「骨太方針 2015」を踏まえた医療費適正化の推進
3) レセプト分析の推進
H27. 7.10 「日本健康会議」発足:経済団体・保険者・自治体・医療関係団体のリー
健保連の
業 内 容
H27. 5.27 同法が成立
諸情勢
の状況
事
IT 推進部
7) 大阪中央病院の経営改善の推進
以
上
別紙
【最重点事業項目】
1.医療・介護保険制度改革における健保連の主張実現に向けた活動の継続・強化
(1)医療・介護保険制度のさらなる改革に向けた議論等への的確な対応
「経済財政運営と改革の基本方針 2015」
(平成 27 年 6 月 30 日、閣議決定)に盛り込
まれた「経済・財政再生計画」は、28 年度から 32 年度までの 5 年間を計画期間とし、
各分野の改革に向けた具体的な検討項目を明示している。社会保障分野のなかでも、
医療、介護の関連項目は多岐にわたっており、28 年度から 30 年度までの当初の 3 年間
を「集中改革期間」と位置づけ、取組みを進めるとしている。この計画を実現するた
め、27 年 12 月に「改革工程表」が策定され、以後、これに基いて、医療保険部会や介
護保険部会等、関係審議会を中心に具体的な議論が進められることが想定される。医
療、介護ともに、法改正が必要なものについては、29 年の通常国会への法案提出の可
能性もある。こうした動きに的確に対応するとともに、健保連としての主張を反映さ
せていくことが重要となる。その際、29 年 4 月の消費税率 10%への引き上げに向けて、
引き続き高齢者医療費の負担構造改革の実現を求めていくとともに、実効ある医療費
適正化対策が推進されるよう、関係各方面に訴えていく。
あわせて、後期高齢者支援金の総報酬割の拡大による拠出金負担の増加、短時間労
働者の適用拡大に伴う財政影響等について的確に把握し、健保組合への必要な情報提
供を行うとともに、国に対して財政支援策(高齢者医療運営円滑化等補助金等)の拡
充を求めていく。
引き続き、国民健康保険や協会けんぽ等、医療保険制度全体に関する情報収集と分
析、必要な情報提供を行う。とくに、国保対策については、30 年度の都道府県単位化
等の改革が適切に進められるよう必要な対応をとる。その 1 つとして、都道府県ごと
に設置される国保運営協議会に、被用者保険代表として健保組合が円滑に参画できる
よう支援する。
(2)財政調整・一元化の阻止活動の継続実施
医療保険制度の一元化、制度間財政調整の強化等につながる議論が顕在化している。
「経済・財政再生計画」には、過去にも議論された経緯のある介護納付金の総報酬割
が検討課題の 1 つに位置付けられている。他方、財務省の財政制度等審議会では、介
護納付金の総報酬割に加えて、最終的には被用者保険を統合することも視野に、前期
高齢者納付金の総報酬割によって被用者間の負担の公平化を図るなどの考えが提起さ
れている。負担の公平化に名を借りて、国の財源捻出のために健保組合等に負担転嫁
する方策には、これまで同様、断固反対する。あわせて、関係団体とも連携し、健保
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組合の保険者機能や存在意義をアピールするなど、関係各方面に対する要請活動等を
通じて、財政調整・一元化阻止に向けた活動を継続実施する。
(3)健保組合・健保連の主張実現に向けた効果的な要請活動の展開
最重要課題である高齢者医療制度改革について、平成 29 年度 4 月の消費税率 10%引
き上げ時での、前期高齢者医療への公費投入等の実現に向けて、より効果的な要請活
動を、本部と都道府県連合会とで連携を一層密にして展開する。特に国会に対しては、
その時の政治情勢を見て、波状的あるいは重点化した要請行動を積極的かつ的確に行
う。また、都道府県単位での労使団体等への要請活動も、都道府県連合会を本部が支
援する形で積極的に展開する。
(4)健保組合・健保連の主張実現に資する広報活動の継続的展開
28 年度においても目的及び訴求対象を明確にした広報活動を継続して実施する。ま
た、
「あしたの健保プロジェクト」も継続し、健保組合・健保連の主張、考え方を内外
に発信し、理解醸成に努める。
なかでも、加入者や事業主へのアプローチを重視し、健保組合や医療保険制度への
関心を高める取組みを積極的に行うほか、健保組合・健保連の活動方針に沿って、主
張実現に向けた広報事業を検討し、実施する。
なお、政治状況や医療保険制度改革の動向に応じて柔軟に対応することとし、適宜
事業内容の見直しを検討する。
2.保険者機能を発揮できる健保組合方式の維持発展のための支援策の推進
(1)日本健康会議が提唱する予防・健康づくり等(宣言 2020)の活動展開とデータヘル
スの一層の推進
健康寿命の延伸と医療費適正化を目指す「日本健康会議(民間連携組織)」の宣言目
標の達成に向けて、予防・健康づくりに対するインセンティブのあり方や事業主との
連携に関する具体的方策(「健康経営」・「健康宣言」等)について検討を行い、順次実
施していく。また、厚労省が検討している「保健事業の円滑運営に資する実践的な手
順・評価手法(書)」の策定に協同して取り組み、データヘルスの一層の推進を図る。
(2)「医療費分析全体集計データベース」による医療費分析等への支援
健保組合の「レセプト管理・分析システム」による医療費分析やそれに基づくデー
タヘルスを支援する観点から、各健保組合が形態・業態・規模等に基づく多様な比較
分析が行えるよう、
「医療費分析全体集計データベース」において健保組合ごとの集計
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値を収集し、全体集計結果を提供する。また、各健保組合の医療費分析等に資する医
療費速報(月報・年報)や共通指標の算出に基づく以下 10 の調査分析(全体集計)レ
ポートを作成し、公表していくこととする。
【レセプト等データ活用による調査分析(全体集計)10 事業】
1) 特定健診・特定保健指導に関する調査分析(速報版、確定版)
2) 健診レベル判定分布とヘルスデータの経年変化に関する調査分析
3) 特定健診の問診回答に関する調査分析
4) 特定健診受診者の医療受診状況と医療費に関する調査分析
5) 特定保健指導の効果に関する調査分析
6) 生活習慣病医療費の動向に関する調査分析
7) 健保組合医療費の動向に関する調査分析
8) 季節性疾患の動向に関するレポート
9) メンタルヘルス関連疾患の動向に関するレポート
10)薬剤支出と後発医薬品の使用・効果に関する調査分析
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【主な継続的事業項目等】
1.医療費適正化対策の推進
(1)「骨太方針 2015」を踏まえた医療費適正化の推進
いわゆる「骨太方針 2015(平成 27 年 6 月 30 日閣議決定)」の「医療費適正化に向け
た取組み」について、28 年度診療報酬改定内容を踏まえ、さらなる医療費適正化を推
進する。
具体的には、○外来医療費の重複受診・重複投与・重複検査等の適正化、○湿布薬、
風邪薬など一般用医薬品で代替可能な医療用医薬品(市販品類似薬)の保険給付範囲
の見直し-等の方策について、中医協等の関係審議会において検討と実行を求め、そ
の実現を目指す。
また、後発医薬品については、当面の数量シェア目標である 29 年度央に 70%以上と
する政府目標を後押しするため、ウェブサイトによる後発医薬品調剤薬局情報の提供、
リーフレットの配布等を継続し、健保組合の取組みを支援する。
なお、リーフットについては 28 年度改定の内容を踏まえたリニューアルを行う。
(2)レセプト点検事業と療養費適正化対策の実施
①本部及び都道府県連合会にレセプト専任・登録指導員を設置し、健保組合における
レセプト点検業務を支援するほか、同指導員から提供される疑義レセプトを活用し、
再審査査定情報をイントラネットで提供することにより、健保組合のレセプト点検
の充実・強化と効率化を図る。また、本部主催でレセプト点検に関する研修会、レ
セプト専任・登録指導員の情報交換会を実施するほか、都道府県連合会等が開催す
る研修会に指導員を派遣する。さらに、レセプト管理分析システムの点検サブシス
テムの普及を図ることにより、再審査査定情報とシステムを活用したレセプト点検
を推進し、医療費適正化を図る。
②社会保障審議会・医療保険部会に設置されている療養費に関する専門委員会の早期
開催を図り、○療養費制度のあり方の見直し、○行政による指導監査の強化など、
柔整・あはき療養費のさらなる適正化に向け、意見を表明する。活動にあたっては、
協会けんぽ、国保中央会との連携を図る。また、本部主催で療養費に関する研修会
を、適宜、開催するほか、都道府県連合会等が開催する研修会に相談員を派遣する。
(3)レセプト分析の推進
医療資源の適正な配分、効率的な医療提供体制の構築、医療費の適正化等に関する
健保連の政策立案や活動に資するため、健保組合が保有するレセプトデータを活用し、
引き続き「政策立案に資するレセプトの分析に関する調査研究」を行う。
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(4)支払基金における審査の充実・強化と業務コストの削減
①電子レセプトに対応した審査体制の充実・強化、業務の集約化や組織体制見直し等に
よる業務コストの削減-への取組みを求める。
②29年度の契約更改に向けては、29年度の支払基金予算、審査実績、業務コスト等に関
する詳細なデータの検証を行ったうえで、審査支払事務手数料の引き下げを目指した
交渉を行う。
③本会代表の支払基金本部理事及び監事を支援するとともに、支払基金の運営状況を把
握する。併せて、支払基金支部幹事会の運営の活性化を図るため、健保組合代表幹事
全国会議を開催し活動方針を協議する。
2.診療報酬体系の合理化と医療提供体制の改革等に向けた活動の強化
(1)消費税率引き上げに伴う診療報酬における対応
29 年 4 月に予定される消費税率引き上げ時の診療報酬の取り扱いについて、税制改
正大綱を踏まえ、中医協診療報酬専門組織「医療機関等における消費税負担に関する
分科会」などの議論に対応する。
(2)「医療提供体制に関する健保連の見解(仮称)」の取りまとめと実現に向けた活動の
継続・強化
①人口構造の高齢化や疾病構造の変化等を踏まえ、限りある医療資源を有効に活用す
るため、医療提供体制についての考え方をまとめた見解(25 年 7 月)について、地
域医療構想の策定などに対応した内容に更新するとともにその実現に向けた活動を
継続、強化する。
②社会保障審議会・医療部会等においては、効率的で効果的な医療提供体制を構築す
るため、引き続き、「医療機能の分化と連携」
、
「在宅医療の推進」、
「総合診療医(患
者を総合的に診る医師)の養成と普及・定着」等を強く求めていく。
③効果的かつ実効性のある地域医療構想の策定や実現に向け、各地域における「地域
医療構想調整会議」、「医療審議会」の議論に対応するため、都道府県連合会および
健保組合代表の委員等への情報提供の強化、各地域の状況把握・フィードバック、
相談対応を行う。
また、28 年度の医療審議会等委員向け「情報交換会」については、地域医療構想
調整会議参画組合を対象に加えて、
「各地域における現状や課題の把握」、
「組合代表
委員としてのスタンスおよび 30 年度の医療計画の見直しに向けたロードマップの認
識共有」を目的に開催する。
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3.保健事業関連施策の推進
(1)特定健診・特定保健指導の促進と第 3 期(30 年度~)の制度見直しに向けた対応及
び集合契約の円滑運営
①厚労省や関係団体と連携し、特定健診・特定保健指導の一層の促進を図る。また、
厚労省による第 3 期の制度見直し(医療費適正化に係る保険者共通指標や加算減算
制度の評価基準の検討含む)に向けて、各種検討会やワーキンググループなどを通
じて種々対応していく。
②健保連集合契約(A)及び保険者協議会による集合契約(B)の円滑な運営に関す
る協議を関係機関と適宜行い、その協調態勢を強化する。あわせて、保険者協議会
の代表保険者をはじめとする健保組合・連合会に対して契約業務等の支援を行う。
(2)都道府県連合会の健康開発共同事業推進と保健師等活動支援
①都道府県連合会が独自に展開する健康開発共同事業(連帯事業含む)に助成を行う
とともに、共同開催モデル事業を実施するなど、保健事業の積極的な展開を図って
いく。
②保健師共同設置事業を中心とした都道府県連合会の特定保健指導等共同事業を国の
円滑化補助金(連合会共同事業分)を活用して、一層推進する。また、事務連絡会
等を通じて、共同設置保健師との意見・情報交換も適時行う。
③健保組合及び母体事業所に所属する保健師等も含めて、特定保健指導、データヘル
ス等に関する各種情報を提供し、その活動を支援する。
(3)各種健康づくり事業の実施と保健事業研修会の開催
①国のすこやか生活習慣国民運動に連動した健康強調月間や人間ドック共同利用契約
事業、健保組合保養所等共同利用事業など各種健康づくり、疾病予防事業を実施す
る。なお、人間ドック共同利用契約事業については、事業運営等の見直しを行う。
②健保組合役職員や保健師等専門職を対象に、保健事業に関する各種研修会を開催す
る。
4.健保組合・健保連への理解醸成に向けた情報発信
(1)健保組合、医療保険制度等の現状と課題への理解醸成に向けた広報活動の展開
①「あしたの健保プロジェクト」の継続実施
「あしたの健保プロジェクト」は、継続して実施する。また、前年度に引き続き、
イメージキャラクターを起用し、▽わかりやすい広報、▽インパクトのある、惹き
つける広報-を実践する。なお、特設 Web サイトのコンテンツや統一広報活動の実
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施など、具体的な事業内容は広報委員会で議論し決定する。
②パンフレット等の作成
「事業主向けパンフレット」を、決算組合会の時期にあわせて作成・配布する。ま
た、事業主、加入者、国会議員などに向けたリーフレット等を必要に応じて作成す
る。
③機関誌・紙等の発行
「健保ニュース」
、
「健康保険」、
「すこやか健保」の 3 誌紙は現行の方式で継続する。
また、27 年度からは実施した事業所掲示用ポスターの制作及び健保組合への提供も
継続する。
(2)健保組合・健保連の主張や活動等への理解醸成に向けた広報活動の展開
①テレビ CM
テレビ CM の放映は 28 年度も継続して実施する。テレビ CM の内容は、健保組合及
び医療保険制度の現状や課題を訴えることとする。また、テレビ CM の 2 次活用(健
保連ホームページや特設 Web サイト掲載、SNS を活用した配信等)については、広
報委員会で議論し決定する。
②意見広告
健保組合・健保連の活動方針に沿って、重要な局面で出稿を検討する。出稿紙は、
全国紙、ビジネス誌などさまざまな媒体を活用し、健保組合・健保連の主張をアピ
ールする。
③マスメディア等対策
健保連の主張及び健保組合の事業活動への理解促進を図るため、適宜、記者会見を
実施する。また、マスメディア、専門誌各社への積極的な取材対応を通して健保連
の主張を広くアピールするとともに、報道機関との関係強化を図る。
5.調査研究事業及び基本統計調査の実施
(1)医療制度改革に対応した調査研究事業の実施
①制度改革等における諸課題に対応するため、医療保険制度、医療提供体制、診療報
酬体系および健保組合のあり方(保険者機能、保健事業等)などについて、必要な
調査研究を医療保障総合政策調査会において検討し、適時・適切に実施する。調査
研究の成果は、本会の政策に反映させるなど有効に活用するとともに、ホームペー
ジに掲載し、健保組合をはじめ広く一般国民に提供する。
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②先進諸国の医療保障制度に関する調査、国際社会保障協会ならびに諸外国の関係団
体・研究者との交流、海外医療問題研究調査団の派遣および外国からの調査団等の
受入れ、わが国の医療保障制度や健保組合を紹介する英文パンフレットの作成など
の国際活動に取り組む。また、これらの活動を通じて得られた海外の社会保障、医
療保障の動向に関する情報を調査研究に活用するほか、機関紙等を通じて健保組合
等に提供する。
③「図表で見る医療保障」
、
「健保連海外医療保障」を編集・発行する。
「図表で見る医
療保障」は、医療保険制度の現状や改革の動向等について、各種の基本統計に基づ
く分析と解説を加えた内容とし、健保組合の役職員、社会保険実務担当者向けの基
礎テキストとして出版する。
「健保連海外医療保障」は、医療・介護を中心に、諸外
国の社会保障制度の動向を紹介するとともに、内容の充実を図り、議員組合、関係
団体等に配布する。
④図書室に社会保障を中心とする書籍、統計資料等を整備し、内外の閲覧に供する。
(2)健保組合に関する基本統計調査の実施
健保組合の現状を把握するために、健保組合が行政に報告する予算、決算、月報な
どの諸統計に加えて、健保組合の現勢、年齢階級別加入者数調査などの調査を適宜実
施し、その集計・分析結果を健保組合に提供する。あわせて、28 年度は、付加給付実
施状況調査を実施する。
また、これらのデータを制度改革などに向けた健保連の政策・立案に活用する。
6.交付金交付事業と円滑な組合事業運営の支援
(1)H29 年度以降の交付金交付事業の見直し
27 年度は、交付金交付事業委員会において、28 年度以降の組合財政支援交付金の見
直しを行った。法定準備金水準の改正に伴う保有資産基準の引き下げ等による影響で、
当面、交付額は大きく減少し 28 年度においても交付財源不足に陥ることが少ないこと
や、積立金の保有額が増加し 29 年度以降の事業のために一定額の積立金が確保できる
ことから、28 年度に限り事業財源の配分を見直すこととした(高額医療:1‰→1.1‰、
組合財政支援:0.3‰→0.2‰)。各交付基準については、決定段階で協会けんぽの平均
保険料率の動向や短時間労働者の適用拡大による影響が不透明であったことから、現
行基準を維持することとした。29 年度以降の組合財政支援交付金のあり方については、
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29 年 4 月の消費税率引き上げに伴う高齢者医療制度等改革の見通しと協会けんぽの動
向を把握しつつ、適用拡大による組合財政への影響を十分に検証し、28 年度中に、必
要に応じて交付金交付事業委員会で検討する。
(2)交付金交付事業の的確な運用
①高額医療給付に関する交付金
28 年度事業対象レセプトについては、27 年度と同様に一般疾病の交付基準は 120
万円超、特定疾病の交付基準は 40 万円超とする。また、27 年度と同様に、単年度の
収入規模(千分の 1.1 相当)以内の交付とし、交付率を乗じる。ただし、400 万円超
のレセプトについては、400 万円を超える部分について交付率 100%とする。
②組合財政支援交付金交付事業について
組合財政支援交付金については、27 年度と同様に、全組合審査を実施するなど、
審査・ヒヤリングの充実強化を図り、事業運営努力や財政改善に向けた対応を促進
しながら、引き続き健保組合への財政支援を実施する。
交付基準は、○法定給付費等所要保険料率が当該年度協会けんぽ平均保険料率-
3‰(97‰)超、○当該年度 4 月 1 日現在の保険料率が当該年度協会けんぽ平均保険
料率(100‰)以上、○当該年度末の保有資産(準備金、別途積立金、繰越金等)が
政令で定める準備金相当(保険給付費 2 カ月相当+高齢者納付金等 1 カ月相当)未
満(ただし、基準以上控除方式を導入)-となっており、3 基準全てを満たした健
保組合が交付対象となる。
(3)円滑な組合事業運営に向けた支援
①各種研修会の継続実施
新任常務理事、新任事務長に対して、現行のカリキュラムに囚われず、現状のニ
ーズに合致したカリキュラムも導入することにより、事業運営にあたっての心構え
や基礎的な知識の習得の支援は勿論、健保組合を取巻く状況を理解いただく。
また、中堅職員については実務講座と演習による実践的な知識が習得できるよう
に、新任職員については基礎講座により組合実務の基本的な知識が習得できるよう
に、それぞれ支援するとともに、年金制度等、組合実務に非常に密接である他制度
に関連する講座も取り入れていく。
②健保組合実務等に関する相談への対応と情報提供等の支援
組合実務経験者(相談員)による実務支援体制を維持しながら、健保組合の運営
や実務に関する照会・相談に対応し、組合実務に役立つ情報(制度改正の解説等)
を、イントラネットを通じて提供する。
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また、都道府県連合会等が開催する実務研修会等への講師派遣依頼に対しても可
能な限り対応するほか、都道府県連合会との連携を図り、健保組合の設立相談等に
も適切に対応していく。
③健保組合実務等に関する書籍等の作成と頒布
健康保険法に関する書籍や健保組合実務に役立つ書籍、健保組合規約・規程例等
を作成、または改訂し頒布する。
7.IT化に関する対応
(1)社会保障・税番号制度への対応
平成 27 年 10 月より「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等
に関する法律」に基づき、国民への個人番号の通知がスタートしている。また、27 年
度は健康保険組合で個人番号を登録するためのシステム改修を行っているところであ
る。
同制度の施行に伴い、健康保険組合では個人番号を収集するための事業主との調整
協議、保有するシステムの改修等の対応事項の増加が想定されることから、イントラ
ネットを活用したきめ細かな情報提供を行うとともに、同制度の関係府省担当部門に
時宜にかなった働きかけを行う。
また、27 年度に引き続き、社会保障・税番号制度システム整備費の国庫補助を受け
て行う事業の実施運営に関する事項を定めた交付要綱を策定し、健保組合及び健保業
務システム開発事業者に周知する。
(2)「特定健診・特定保健指導共同情報処理システム」安定運用への対応
前年度に引き続き、システムの安定稼働に努めるとともに、日常の利用組合へのサ
ポート、特定健診・特定保健指導制度の国への実績報告について、利用組合が確実に
遂行できるようフォローを行う。
あわせて、利用組合へのサービス充実と定着化を図るため、利用組合からの意見・
要望に基づいたユーザー研修会を開催する。
8.組織強化の推進と効率的な事業運営
(1)健保連本部・支部の連携による組織活動の強化
健保連の本・支部連携による組織活動を強化し、次の事項を中心に推進する。
①健保組合と健保連本・支部との連帯強化に向けた対応
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健保組合、健保連本・支部間のさらなるコミュニケーションの強化を図るため、
「本
部部長等職の地区別担当制」を十分に活用した迅速な情報の収集・提供のほか、各
事業においても方針・施策・事業内容の十分な説明に努め、連帯の強化を図る。
②地域懇談会の開催
本部と各地域の会員組合・健保連支部間の「共通認識を深めるとともに、より緊
密な意思疎通を図ること」を目的に、地域懇談会を開催する。
③都道府県連合会役職員会議の開催
都道府県連合会事務局長等会議を通じ意見・情報の交換を行い、本部と支部との
連携を密に十分な意思疎通を図って、より強力かつ的確な組織活動に繋げる。
また、情勢の変化に即応し、的確な活動を行うために、必要に応じて都道府県連
合会会長会議も開催する。
④要請活動の強化
本会の主張を実現するため、日本経団連、連合、協会けんぽ等との連携を含め、
関係各方面に対する要請活動を強化する。
(2)都道府県連合会助成金等による支部への支援強化
都道府県連合会の基本的業務の遂行を支援する「設置助成金」、また各連合会間の連
携強化に向け、各地域内の情報連絡体制の整備に資する「情報連絡等推進助成金」、及
び都道府県連合会が開催する予算編成事務講習会の運営に資する「予算編成事務講習
会助成金」の助成制度により、各連合会の円滑な運営に向けての財政支援を引き続き
実施する。
また、地方の実情を勘案しながら、支部のあり方も含めた中長期的な支援等を検討
していく。
(3)健康保険組合全国大会の開催
健康保険組合、健保連の主張要求の実現に向け、会員の団結を強め、主張・要求を
強くアピールするための全国大会を開催し、全組合の総意を結集して、広範かつ効果
的に政策・主張を強く訴える。
(4)本部職員の資質向上と人材の育成
会員組合からの付託に応えるため、職員の資質、コンプライアンスやモラルの向上
を目的とした研修を実施し、必要となる人材の育成を図る。
(5)本部既存事業の見直しと事業運営の効率化
既存事業の見直しと一層の効率化に努める。とくに会員組合が必要としている事業
への重点化と、費用対効果について十分に検証した事業の見直しを行う。
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(6)監事による監査の指摘事項への確実な対応
引き続き監査の指摘事項への迅速かつ着実な対応を図る。
(7)大阪中央病院の経営改善の推進
第三期 3 ヵ年計画の検証に立脚し、第四期 3 ヵ年計画を策定し、28 年度以降の病院
運営に臨むこととする。28 年度は同計画の初年度として、先端技術を活用し診療科目・
内容に特色を持たせた魅力ある「診療事業」と、健診受検者への一層のサービス向上
を目指した「健診事業」の両輪を円滑にまわすことを経営の基本とする。
そのため、診療部門においては、入院患者の減少傾向に対応して各診療科医師と健
診医師との緊密な連携や、地元医療機関との連携による受診者の確保に向けた活動を
強力に展開する他、昨年 7 月に新設し、医業収入の増に貢献している肛門外科を嚆矢
として、患者数の増加に貢献できる優秀な医師の確保に努める。健診部門においては、
近隣連合会でのPR活動を通じて健保組合の理解・協力を得ることや、近隣事業所の
取込みなどを通じて、計画的に受検者数を確保していく。一方、経費の節減や効率化
に努め、収支の黒字化を意識した経営の改善に注力する。
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