化学物質への対応 製品での化学物質の管理・削減 基本的な考え方 デンソーグループでは、「製品のライフサイクル全体で有害な化学物質の使用をできるだけ少なくする」という基本方針 に沿った製品づくりと管理体制の強化に努めています。 特に2000年に発効した「ELV(廃車)指令」【注1】を機に、2008年までに「鉛・水銀・カドミウム・六価クロム」の4物 【注1】ELV(廃車)指令:End-of-Life Vehicles(廃車)指令 環境報告 質の全廃(適用除外品【注2】を除く)を推進するとともに、欧州で発効した化学物質規則「REACH」【注3】への対応も進 めています。 使用済み自動車に関する欧州連合の規定で、2000年10月発効。2003年7月以降販売の新車に含まれる有害な化学物質を順次、原則使用禁止。 同等の性能を確保する代替物質・方法がない場合は適用除外。 【注3】REACH:Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals 化学物質の登録、評価、認可、制限に関する法律。 ◎法規制・業界・デンソーの取り組み 化学物質への対応 【注2】適用除外品 2014年度の実績 鉛フリー化への対応 鉛規制対応の強化策として、2009年半ばに欧州ELV(廃車)指令の付属書が改正されたことに伴い、今まで無期限で適用 除外だった「高融点はんだ、ガラス、セラミック、合金(アルミニウム・銅)の中の鉛」等についても、規制する動きが あるため、デンソーグループでは着実に対応すべく、代替品の適用評価等を推進しています。 REACH規則への対応 デンソーグループでは、EU域内の生産事業所やグループ会社が扱う物質・混合物について、材料などを供給するサプラ イチェーン各社の予備登録を確認し、次のステップとして、2009年からサプライチェーン各社による本登録を進めてい ます。 また、製品・部品中の高懸念物質(SVHC【注1】)の含有情報の伝達等については、社内システム(MACAS【注2】)を活 用して対応を進めています。 さらに、2011年からREACH規則の高懸念物質の増加に対応すべく、(社)日本自動車部品工業会(部工会)、(社)日 本自動車工業会(自工会)の協力を得て、高懸念物質に指定される前の早い段階から、これらの物質の自動車部品への 影響を分析し、タイムリーに対応する活動を推進しています。 なお、(株)デンソーはこれまでも、部工会を通じ、自工会の協力を得て、関連業界との情報交換を進めてきました が、引き続き着実な対応を推進していきます。 【注1】SVHC:Substance of Very High Concern 内分泌かく乱物質など約1,500種類の物質がリストアップ候補とされている。 【注2】MACAS:Material Chemical Assessment System 製品・部品を構成する材料と成分に関するデータを管理するデンソーの社内システム。 生産での化学物質の管理・削減 基本的な考え方 デンソーグループでは工場で扱う化学物質を「禁止・削減・管理」の各レベルに分類し、2001年度から製品に使用する 全化学物質を独自の管理システム「MACAS」で一元管理。代替技術の開発と同時に使用量・排出量を継続的に削減して います。管理システムでは、健康へのリスクや環境影響度に応じて重み付けを行い、影響の大きな物質を重点的に削減し ています。 また、環境リスクを未然防止するためグループで統一基準を設け、外部環境への浸透・流出防止の徹底や情報開示に努 め、地域社会に向けた化学物質および環境に関するコミュニケーションの充実に注力しています。 環 境 報 告 化 学 物 質 へ の 対 応 ◎化学物質管理システム 環 境 報 告 2014年度の実績 PRTRへの対応 2010年までに(株)デンソーは1998年比75%削減の目標を達成しました。 なお、2010年度までは過去のエコビジョンの目標設定に対して集計し、トレンド表示してきましたが、2011年度からは 新たな第5次環境行動計画に移行したことから、排出係数や指定物質の見直し、集計バウンダリーなどを変更・改善し たデータで算出しています。 【注】PRTR:Polhtant Releass and Transfer Register 化学物質排出移動量届出制度。 ◎PRTR対象物質の排出量 化 学 物 質 へ の 対 応 ◎PRTR対象物質削減状況 [(株)デンソー ] 【注1】 指定物質の見直し等。 VOCの削減 VOC(揮発性有機化合物)排出量は、2014年までに(株)デンソーは2000年比40%削減、海外グループ会社は各国・各 地域のトップクラスという目標を設定して取り組みを進めています。 2014年度は従来のVOC回収・除害装置を追加導入し、51%削減(2000年度比)しました。さらにラインの統廃合による 「やり尽くし改善」を推進しています。 ◎VOC排出量の推移 [(株)デンソー ] オゾン層破壊物質の削減 特定フロンと呼ばれるクロロフルオロカーボン(CFC)は、成層圏のオゾン層破壊物質として1989年7月にモントリオー ル議定書に基づく国際規制が始まり、1995年末に製造禁止となり、消費量も段階的に減少しています。 デンソーグループでは、国際規制に先立つ1988年に「フロン規制対応専門委員会」を設置し、カーエアコンの冷媒とと もに工場における電子部品洗浄や機械部品加工工程で使用していた特定フロンの削減活動を展開しました。その結果、 カーエアコン冷媒は1995年末までに代替フロンHFC-134aに切り替えを完了し、製造工程の特定フロンも1995年8月まで に全廃しています。 「デンソーグループ調達ガイドライン」でオゾン層破壊物質等の購入・使用の禁止を定め、サプライチェーンに対して も使用しないようお願いしています。 この間、デンソーグループはカーエアコンのトップメーカーとして業界でのリーダーシップを発揮しながら、行政の取 り組みにも積極的に協力し、フロン対策に貢献しています。 環 境 報 告 化 学 物 質 へ の 対 応
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