エコファクトリー計画でのCO2排出抑制

エコファクトリー計画でのCO2排出抑制
全工場のエコファクトリー化においても、CO2排出抑制を最重要課題と位置づけ、モデル工場を設定して、設備の新設・
改造に着手しています。例えば、大安製作所(三重県)では、工場増設にあたり焼成炉の排熱利用、圧縮エアから駆動
モータによる電動化、省エネ達成状況の表示のほか、太陽光・風力発電での充電を可能にした電気自動車も導入しています。
さらに2008年度から、生産量が変動しても排出原単位を悪化させないよう生産が停止する休憩時にはエアコンなどを完
全休止させたり、省エネパトロールを実施するなどの取り組みを一段と強化しました。
また、2009年4月に稼動を開始した電子部品を生産する(株)デンソー北海道では、雪を大量に貯蔵して夏の冷房に利用
するなど、地域特性を活かした省エネシステムを導入しています。
◎CO2排出抑制に貢献するエコファクトリー
◎自然エネルギー活用事例
(1)超小型電気自動車を使った構内エコ移動システム [(株)デンソー]
安城製作所および大安製作所では、広大な敷地内を社員が移動する際、小型電気自動車を導入し、CO2を排出しないエコ
な移動を推進しています。
安城製作所では、(株)デンソーが開発した「ピコグリッドシステム(Pico Grid System®*)を活用。ピコグリッドシス
テムは、小規模な太陽光発電と蓄電池、超小型電気自動車を活用して、電力を供給する独立型の直流分散電力システムと
車両管理システムを組み合わせたものです。
直流のまま扱うことで直流から交流への変換ロスを抑制。電力を蓄えた超小型電気自動車は「移動する電源」として、
災害時などに商用電源が停止した場合でも必要な場所に電源供給が可能になります。
*Pico Grid System®はデンソーの登録商標です。
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(2)雪冷房設備[(株)デンソー北海道]
北海道・千歳という地域特性を活かしてデンソーグループ初の雪冷房設備を導入しています。
貯雪庫
鉄骨造
床面積 161.5m2
高さ 7m(中央部)
貯蔵量 327t(674m3)
利用期間
6∼9月
(550∼580時間/年)
省エネ効果
1,390L/年(原油換算)
(CO2換算で3.68t-CO2/年)
環境報告
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(3)製作所ごとのユニークな自然エネルギー活用[(株)デンソー]
製作所ごとに工夫を凝らした装置で、自然エネルギー(風力・水力)を活用しています。
発電装置は、社員が仕事を通して培ったモノづくりの力を発揮し、デンソーの製品や技術(例:オルタネータなど)を
活用して製作しています。
<阿久比製作所(風力)>
建物の上に風力発電機を設置。
阿久比に吹く強い風を利用。
<安城製作所(風力)>
工場の排気や浄化装置から排出さ
れる風を利用。
<幸田製作所(水力)>
工場排水路の高低落差を利用。
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社員のエコライフ活動の促進
(株)デンソーでは、約14万人の社員一人ひとりの環境行動が温暖化防止の大きな推進力になると考え、エコライフ実
践への啓発と基盤整備に努めています。
その指針として、第5次環境行動計画に4つの重要取組項目を設定。これに基づき、日本では㈱デンソーがPHVや小型電気
自動車を活用して製作所内・外の移動時のCO2排出削減を図る「エコ移動システム」を導入したり、(株)デンソー本社
と(株)デンソー大府の社宅間でシャトルバスを運行するなどしています。
また、緑化活動の推進とエコポイント制度「はあとふるポイント」を連動させて積極的な参加を促しています。
◎重要取組項目
(1)社有車のクリーンエネルギー車・低公害車化の拡大
(2)最寄駅とのシャトルバス配車による公共交通機関の利用維持・促進
(3)エコドライブの啓発・普及
◎社有車のクリーンエネルギー車・低公害車の割合[(株)デンソー]
環境報告
エコファクトリー計画での
◎エコ移動システムの推進[(株)デンソー]
クルマ(社有車)で出張したり製作所内を移動するなど、業務でクルマを
使うシーンはたくさんあります、(株)デンソーでは、業務移動での環境負
荷低減・省エネを推進するため、デンソーの独自技術(マイクログリッドな
ど)と環境対応車(EV・PHV)を組み合わせた「エコ移動システム」の導入
を推進しています。
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(株)デンソー本社のエコ移動システム(PHV)
【注1】ピコグリッド:前述の「(1)超小型電気自動車を使った構内エコ移動システム((株)デンソー)」を参照。
【注2】構内エコ移動システムは大規模製作所のみ。
職場での「エコドライブ」実践で優秀賞 [(株)デンソー額田テストセンター]
交通エコロジー・モビリティ財団が主催する「平成26年度エコドライブ活動コンクール」において、デンソー
額田テストセンターの活動が優秀賞を受賞しました。
デンソー額田テストセンターは、デンソー開発部品を車両に搭載して試験・評価をする専門部署で、いわばプ
ロのドライバー集団です。その知識や技能をもとに、地球環境保全における自動車排出ガス削減の重要性をメ
ンバー全員が十分に認識し、「エコドライブ」を実践しています。
環境報告
そのさらなる推進に向け、2008年度から修理・取付と製品販売におけるCO2削減効果を数値表示する 見える化 を展開
し、グループ一丸で取り組みへの意識を高めています。
物流におけるCO2排出の削減
(株)デンソーでは、1日平均約2.3万m3の製品を出荷し、トラック・鉄道・船舶により国内外の納入先に輸送していま
す。デンソーは物流業務を子会社の(株)デンソーロジテムに委託していますが、特定荷主のCO2排出削減の推進を社会
的な責務と考え、同社と連携して以下の取り組みに注力しています。
(1)積載率の向上
(2)モーダルシフト(東北地域等への鉄道・船舶便への転換)
(3)最適ルートによる省エネ輸送
(4)納入先様への直送
(5)中継地倉庫間の物流の効率化
(6)エコタイヤの導入推進支援
(7)燃費向上ツールの導入支援など
2014年度は、トラック積載率の向上、中継地倉庫立ち上げによる輸送距離 の短縮、輸送業者様による燃費向上活動等の
改善活動に取り組み、この結果総排出量は3万2,200トン-CO2と前年より削減でき、年度目標を達成しました。
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デンソー製品の修理や再生品(リビルト)・環境配慮製品の販売を行うサービス店では、(株)デンソーが認定する「エ
コサービスステーション」として、事務所・修理工場の電気使用の省エネ活動に積極的に取り組んでいます。
エコファクトリー計画での
サービス店でのCO2排出抑制
◎デンソーの物流
◎物流CO2排出量[ (株)デンソー]
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◎物流CO2量(t-CO2)/物的生産売上げ(億円)
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