「 生徒たちの心に残る異文化交流 」 「 最高の思い出 」

「 生徒たちの心に残る異文化交流 」
翔南中学校
新井 邦仁
10月27日(月)から29日(水)までの3日間、
スウェーデンのウッデバラ市からティルダさんが交換留
学生としてやって来ました。ALT以外の外国人と話す
ことは多くの生徒たちにとってあまりないことでした。
ティルダさんの来校前、
「うまくコミュニケーションが
できるだろうか」と不安そうな様子を見せている生徒も
いました。そこで、授業で日本文化を英語で紹介するた
めの準備を全員で行いました。準備を進めていくうちに、
「ティルダさんに私の英語が役に立つといいな」という
ような、交流を楽しみにする発言がだんだん増えていきま
した。そして、ティルダさんが来校した3日間で、ティルダさんと積極的にコミュニケーションを図
る生徒の姿を多く見ることできました。また、
「先生
百人一首を紹介する英文はこれでいいですか」と多く
の生徒が進んで教師に英語のチェックを頼みに来た
りもしました。ティルダさんの帰国後、
「先生、英語
って役に立つね。私もっと英語の勉強を頑張る!」と
言った生徒の言葉を聞き、とても嬉しく思いました。
生徒たちの心に残る異文化交流となりました。
「 最高の思い出 」
額田中学校
山本 陽子
10月27日から29日の3日間、スウェーデンのウッデバラより、ポンタスという名前の留学生
が本校にやって来ました。初日の全校集会では、自分自身のことやスウェーデンのことについて英語
で紹介してくれました。生徒たちは「何を言っているのかな?」と興味津々でポンタス君の話を集中
して聞いていました。
学級では生徒たちと一緒に、日本の中学校生活を体験しました。スウェーデンとの違いに大変興味
をもち、色々なことに積極的に取り組んでいました。教室では、休み時間を利用して合唱コンクール
に向けて練習している生徒たちに交じって指揮を振る姿も見られ、クラスにも大変馴染んでいる様子
でした。授業にも進んで参加し、英語の授業では、音読練習のモデルとして教室の前に立って生徒た
ちに英語を教えてくれました。生徒たちも少しでもポンタス君との会話を楽しみたいと、頑張って英
語を使って会話をする姿が多くの場面で見られました。国語の授業では書道に挑戦し、自分の名前を
漢字で「椪多寿」と書きました。苦戦しながらも上手に書くことができました。その他にも、部活動
では茶道・弓道・剣道を体験しました。
3日間と大変短かったですが、ポンタス君と過ごし
た時間は額中生にとって、大変貴重な思い出となりま
した。ポンタス君は最後に、
「I will come back to Japan
someday.」という言葉を残して帰りました。そんな日
がいつか来るるといいと思います。そしてまた、今回
以上に多くの英語を使って英会話を楽しむ生徒の姿が
そこにあるといいと思います。
英語の陽が昇る
現職研修委員会英語部長 酒井 洋一
どこの中学校でも、だいたい4階の隅に音楽室は追いやられていると思います。授業中、グランド
に出て校舎の方を向くと、上の方から元気な歌声が降ってくる、そこが音楽室だとわかります。それ
と同じように、各教室で行われている英語の授業も、今どこで行われているのかがだいたいわかりま
す。つまり、先生が英語を読む後に続けて、全員で元気よく読む声がグランドまで響いてくるという
ことです。歌声も英語も元気な時はよいのですが、先生も時としてお疲れなのか、イマイチ他の教科
と区別がつかないようなときもあったりします。自戒を込めて。日々、いろいろあると思いますが、
(こ
こは英語部長の立場で)英語の先生方、ぜひ音楽の先生たちに負けないようにがんばりましょう。余
談ですが、成人式や結婚式などで昔の卒業生たちと会って、話している中に「印象に残っている先生
は?」と尋ねると、割合体育の先生の名前が挙がることが多いです。しかも、その途端みんな笑顔に
なるので、この際英語の先生方も音楽の先生方も体育の先生たちに負けないようにがんばりましょう。
前置きが長くなりました。英語の話せるおかざきっ子をめざして、小中9年間の一貫した英語教育
をスタートさせて、今年で5年目に入っています。
「岡崎のどこの学校でも、同じようにレベルの高い
英語力を身につけ、楽しく英会話ができるように」という、このコンセプト。何だかその昔、41 年も
前、
「どんな田舎の学校でも、岡崎の子はみな同じようにレベルの高い歌声を響かせることができるよ
うにと、先生たちが児童生徒を連れて集まり、互いに指導法を学び合い高め合う」というコンセプト
で開催された、第 1 回岡崎のハーモニーとよく似ています。そちらの方は、第 10~20 回あたりで当初
の目標は達成されて、その後は年々新たな発展を模索しているようです。
英語部の話に戻ります。今日、英語教育の内容は急激に変化しつつあり、学校においては、日々そ
の変化への迅速な対応が求められています。今年度、市内の研究発表会あるいは教育研究集会に参加
し、例えば「総合的な学習の時間も活用しながら、ESD の観点で郷土学習を進め、その内容を英語で
発信する」という実践や、あるいは「タブレットを導入し、昨年度特別委員会で作成した自作ソフト
を活用して生徒の英語活用能力をつけさせる」実践など、新しい課題に真正面から向き合い、指導法
の改善に果敢にチャレンジしている先生が多くおられ、頼もしい限りです。また、英語スピーチフェ
スティバルでは、中学生の回を重ねるごとの確かな進歩とともに、特に小学生のレベルが年々高まっ
ており、9年間を見通した岡崎の英語教育の方向性が具体的な姿として見え始めているように感じま
した。その潮流は、様々な専門家等の助言も得ながら、今後益々幅広くスピードも上げていくことで
しょう。まさに、岡崎の英語の陽が昇るという感じがしています。
10 年後、20 年後、第 50 回ハーモニーや第 60 回おかざきっ子展を横目にしながら、当時(今日)の
各学校各教室の1時間1回の英語・英会話の授業をどのように見返し振り返ることができるでしょう
か。お互いに「あの時がんばったから、英語を話せる今のおかざきっ子があるね」と言えるといいで
すね。自信をもって英語を話し、そして頭でっかちではなく心根の優しい子をみんなで育てていきま
しょう。 「グランドに 響け歌声 英会話」
第54回 英語スピーチコンテスト西三河大会
南中学校
伊藤 祐二
第54回英語スピーチコンテスト西三河大会は高浜市立中央公民館で盛大に行われた。参加生徒は
38名おり、そのうち帰国子女は10名だった。入賞は順位をつけずに12名が選出された。
どの生徒も努力を積み重ね、十分な指導を受けている様子で、すばらしいスピーチであった。自分
の部活の経験や海外での生活、身近な話題を基にしたものや国際社会に関することなど、様々なテー
マでスピーチをしていた。そのテーマに対して自分なりの考えや意見を表情豊かに、堂々と主張して
いたことが印象に残った。
審査員の方からは、以下のような講評をいただいた。
①以前と比べ、聴衆とアイコンタクトがしっかりとできるようになった。
②不自然なジェスチャーが少なくなり、高度なプレゼンテーションができるようになった。
③内容として、まじめなテーマが多かったため、時にはくすっと笑みがこぼれるようなスピーチ
があるとよい。
自分の感想としては、まくしたてるような流暢な英語よりは、1語1語をていねいに読み上げてい
るスピーチの方が審査員の印象が良かったのではないかと思う。また、確かに各地区の代表生徒だけ
あって、上手にスピーチしていたが、やはり、海外経験がある生徒とそうでない生徒では発音やイン
トネーションに大きな違いがあるように感じられた。こうした差を中学校の英語教育で縮めていくこ
とも、今後の我々英語教員の課題の一つであると思った。
H26 英語スピーチ結果発表
◎第28回愛知県中学生英語弁論大会
10月25日(土)於 光ヶ丘女子高等学校
優良賞
翔南中
西村 美優
「The image of Japanese」
(日本人のイメージ)
雄弁賞
常磐中
佐羽内 亜海
「My Idea of ESD」
(ESD についての私の考え)
六ツ美北中 橋本 ジュリア 「My Two Countries」
(二つの祖国)
◎第9回東邦高校スピーチコンテスト
11月3日(月)於 東邦高校
佳作
新香山中
長嶋 優
「Appreciation to smile (Smile beyond Compare)」
◎第20回英語オーラルインタープリテーションコンテスト
11月15日(土)於 南山短期大学
審査委員賞
葵中
◎第2回
長瀬 瑠美、矢野 陽菜 「The Very Hungry Caterpillar」
(はらぺこあおむし)
南山短期大学主催 中学生英語表現コンテスト
11月15日(土)於 南山大学
3位
新香山中 大石未来、石橋菜々子、折田佳代、菊池 萌、今村涼音、藤山真衣、田中涼香、北川望花
「We’re Going on a Bear Hunt.」
「 岡崎の Support Teachers 」
岡崎市は平成22年度に文部科学省から教育課程特例校指定を受け、英語で聞いたり話したりでき
るよう、全小学校の1年生から6年生まで全て英語で構成されているDVDを毎日視聴しています。
毎日8分のDVD視聴で練習し、身に付けた力を実践的に使う場として、5・6年生を中心に学校の
計画で英語活動の授業を設けることができるようにしています。その授業では、ALTとST
(Support Teacher)を派遣し、学級担任と一緒に英語活動を行います。STは日本人の英語指導補
助者で、
普段の英語活動ではALTと対話のモデルを示したり、
個別に適切な指導をしたりするなど、
英語活動がスムーズに展開できるようサポートしています。常に英語で授業を進めるため、子供は良
質の英語を耳にすることができています。
STが小学校英語に携わるようになったのは平成20年度からです。現在は18名がSTとして小
学校英語に携わっていますが、当時は今の半分程の人数でした。小学校英語活動のパイロット校に加
え、希望のある学校で、5・6年生を中心に担任、ALT、STによる小学校英語が展開されました。
今は1~4年生でも3人によるTT授業が行われ、子供の実践的な会話力を育てる貴重な時間となっ
ています。
「 サポートティーチャー(ST)の役割 」
ST 石原 宏江
小学校の英語(外国語活動)の時間、多くの学校では担任、ALT、ST の3人で授業を行っていま
す。手厚い体制で羨ましいとの声をたくさん頂きますが、
「その中で ST ってどんな役割をしている
の?」と聞かれることもよくあります。そういう時は「ST は子どもたちが楽しく英語活動ができる
ようにサポートする仕事です。
」とお答えしています。具体的には、授業のプラン作りや準備、授業
中のサポート、ALT や先生方の手助けをすることが ST の大きな役割だと考えています。
授業のプラン作りでは、楽しくコミュニケーション活動ができるよう、ALT や担任の先生とアイ
デアを出し合いながら授業案を作っています。テキストのない低学年の授業では、歌や絵本なども多
く取り入れながら英語に親しめる活動を考えています。授業中に心がけているのは、子どもたちが支
援を必要としている時に素早く手助けすることです。
「困ったときにそばにきて助けてくれて嬉しか
った。
」という感想をもらうこともあり、サポートの大切さを感じています。また、ST がいること
で担任の先生が安心して英語の授業に臨めるとの言葉を頂く
こともあります。授業を円滑に進めるため、ALT と先生方
との橋渡しの役目も大切だと感じます。
今後については、他教科との連携や中学英語とのつなが
りをより意識した授業作りを目指していくことが大切にな
ると感じています。担任の先生との打ち合わせを増やした
り、中学校の英語に触れる機会をできるだけ作ったりする
ことで、よりよい授業作りができるのではないかと考えて
います。