部分は地域のすべての地権者が加入する 春 木 生 産 組 合 で あ り、 農 地 の 集 積 や 利 用 調 整 を 担 当 す る。 階 部 分 は 営 農 の 実 践 部 隊 で あ る 能 登 や ま び こ と 個 人 農 家 だ。 ︻ 農事組合法人 能登やまびこ ︼ 能 登 や ま び こ は、 春 木 生 産 組 合 が 平 成 年に公募した集落営農の担い手オー デ ィ シ ョ ン に よ っ て 選 ば れ、 同 地 区 の 農 業 経 営 や 農 地 管 理、 農 作 業 を 手 が け る 営 農組織である。 経 緯 は 次 の 通 り だ。 春 木 地 区 で は 石 川 県 の﹁ 担 い 手 育 成 型 ほ 場 整 備 事 業 ﹂ へ の 採 択 を 前 に、 平 成 年 に 春 木 生 産 組 合 の 諮問機関として﹁春木の営農を考える会﹂ を 立 ち 上 げ、 担 い 手 の あ り 方 に つ い て 検 討を進めていた。先進地視察などを重ね、 将 来 あ る べ き 担 い 手 像 を 模 索 し た 結 果、 春 木 地 区 に は、 若 く て 意 欲 の あ る 担 い 手 階 春 木 地 区 の 集 落 営 農 は、 言 っ て み れ ば 60 階建て方式﹂で進められている。 1 階と 階が役割分担しながら営農が展 開されているというわけである。 2 2 複合経営を目指して 能登野菜を栽培 1 足 腰 の 強 い 農 業 経 営 を 目 指 し て、 能 登 やまびこでは意欲的な取り組みをみせて いる。 昨 年 月、 播 種 か ら 精 米、 袋 詰 め ま で を 自 分 た ち の 手 で 一 貫 し て 行 う た め、 ラ イスセンターを整備したのもその一つだ。 同センターにはじっくりと米を乾燥させ る 遠 赤 外 線 乾 燥 機 を 導 入 し、 自 然 乾 燥 に 近いおいしい米づくりを実現。﹁春木コシ ヒ カ リ ﹂ と 名 付 け、 地 域 の 消 費 者 や 地 元 ゆ か り の 人 々 に 直 販 す る。 現 在、 直 販 は 生 産 量 の 約 3 分 の 1 に と ど ま る が、 北 原 祥 一 代 表 理 事 は﹁ 年 後 に は 生 産 し た 米 を す べ て 直 販 し た い ﹂ と 意 気 込 み、 平 成 5 14 法人と技術や経験の豊富な個人農家の協 調 型 営 農 が 最 適 と の 結 論 に 至 っ た。 担 い 手法人に関しては 歳以下という条件で 公 募 す る こ と に 決 め、 こ の 際、 立 候 補 し て承認されたのが地元の兼業農家で構成 する能登やまびこだった。 ﹁ 2 8 17 集落の農業を託す 担い手公募に立候補 8 人のメンバーは経理や機械設備など、それぞれに得意分野を有する。背後に見えるのがライスセンター 足腰の強い農業で、春木の豊かな恵みを次代へつなぐ Case:21 44 能登 やまびこ 252 経営規模25.8ha 水稲 16.8ha 大麦 7ha 野菜 2ha 耕地面積 構成員農家 組織形態 18 鳥屋小学校 鳥屋中学校 平成20年4月設立 友栄機業場 中能登町役場 鳥屋庁舎 2 経営類型 水稲+大麦+野菜 組 織 の 特 徴 運営体制 総 会 理事会 機 械 装 備 等 作業計画を作成し、基幹作業は構成員が全員参加し て行っている。あぜの除草など軽作業は集落の雇用 創出のため「春木ふるさと保全会」に委託している。 水稲 部門 園芸 部門 企画 販売 作 り を 進 め る ほ か、 ゆ く ゆ く はJ G AP ︵農業生産工程管理手法︶の認証取得を計 画している。 【組織図】 水稲、大麦のほか、複合経営を目指して能 登白ねぎなど能登野菜を生産する。水稲の 一部では鉄コーティングによる直播栽培に も取り組んでいる。遠赤外線乾燥機などを 整備した自前のライスセンターを所有。米 は生産量の約3分の1を直販している。 能登白ねぎなど「能登野菜」も 鉄コーティングを施した種もみを 栽培する 直播きする 視察の受け入れ 可能(有料) ※依頼窓口は春木生産組合 講演会等の依頼 要相談 8戸 農事組合法人 特定農業法人 トラクター3台、田植機2台、コンバイン2台、 ブロードキャスター1台、マニュアスプレイ ター1台、ビニールハウス3棟(500㎡)、ラ イスセンター(遠赤外線乾燥機2台、減圧乾燥 機1台、乾燥機1台、籾摺機1台、石抜機1台、 粗洗機1台、洗米機1台、色彩判別機1台、精 米機1台、計量機1台、梱包機1台)、管理棟 (平成20年度地域担い手経営基盤強化総合対 策実験事業を利用) 年 に は ネ ッ ト 販 売 も ス タ ー ト さ せ、 販 路拡大を図る計画だ。 複 合 経 営 に も 積 極 的 で、 水 稲 に 加 え、 能 登 白 ね ぎ や 小 菊 か ぼ ち ゃ、 金 糸 瓜、 中 島 菜 と い っ た﹁ 能 登 野 菜 ﹂ も 栽 培。 大 麦 の ほ か、 契 約 栽 培 に よ っ て 小 麦 も 生 産 し ている。 春木でとれた農産物の付加価値を高め よ う と、 も ち や か ぶ ら ず し の 加 工 に も 挑 戦している。 能登やまびこ 農事組合法人 直 播 栽 培 の 多 く は、 発 芽 を よ く す る た め に﹁ カ ル パ ー﹂ と い う 酸 素 供 給 剤 を 種 も み に コ ー テ ィ ン グ す る が、 能 登 や ま び こ で は 鉄 コ ー テ ィ ン グ を 採 用 し て い る。 この技術は資材費が安価で鳥害を軽減で き る ほ か、 長 期 間 の 保 存 が 可 能 の た め、 農閑期にコーティング作業ができる点も メリットとなっている。 ま た、 人 と 環 境 に 優 し い 農 業 を 実 現 し た い と の 思 い か ら、 減 農 薬 な ど エ コ 農 業 への取り組みも特徴の一つだ。 ﹁春木地区の集落、農地を永続的に守っ て い く の が 使 命 で あ り、 そ の た め に は 経 営 基 盤 の 安 定 化 と 同 時 に、 私 た ち の 次 の 世代の担い手育成が課題﹂と話す久保 勝 康 常 務 理 事。 そ の た め に、 営 農 ス タ イ ルの確立を目指して農作業のマニュアル いしかわの集落営農 45 石川県鹿島郡中能登町春木 所 在 地 平地農業地域 農業地域類型 鳥害の少ない 鉄コーティングを採用 組 織 名 水稲の栽培ではコスト削減や省力化を 図るため、直播栽培にも取り組んでいる。 良川駅 22 Profile 余剰金の分配方法や小作料など 受託はすべて従事分量配当 そ の 他
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