「強い心」と「優しい心」

新潟市立巻南小学 校
第306号
平成27年7月10日
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「強い心」と「優しい心」
校長
小
濱
亨
6年生全員が楽しみにしていた,佐渡移動教室を6月24日・2
5日(1泊2日)に実施しました。教室の中では経験できない,佐
渡の自然,文化,歴史と触れ合い,多くのことを学んできました。
2日間とも晴天に恵まれ,絵に描いたような空と海の青のコントラ
ストを目に焼き付けてきたと思います。各活動では,大勢の方から
支えていただきました。本当に,楽しい思い出がたくさん残る移動
教室にすることができました。感謝いたします。
さて,早いもので前期の教育活動の半分が終わり,7月25日か
相川から見た真野湾
ら8月30日まで夏休みになります。子どもにとって待ちに待った楽しい夏休みが,もうすぐやってき
ます。ご家庭でも,子どもが計画性のある規則正しい生活を過ごすことができるようサポートをお願い
いたします。
私もそうですが,楽しいことが続くと,
「いやなこと」や「辛いこと」から逃げたくなります。そこで,
7月の全校朝会で,自分も戒める意味で,次のような話を子どもたちにしました。
人は誰でも,
「弱い心」や「怠け心」をもっています。
「楽しいことがずっと続くといいな。
」と思いま
す。特に子どもが,この思いを強くもちすぎると,
「ずっと子どものままがいい。」
「大人になんかならな
い。
」などのような自分勝手な考えにおちいることがあります。このような状態になることを,物語のピ
ーターパンに喩えて「ピーターパン・シンドローム」といいます。さらに,物語のシンデレラのように,
ある日突然何かがあって,自分を変えてくれると信じ込んでしまうことを「シンデレラ・シンドローム」
といいます。
このようなことにならない為には,将来の夢や目標をもち,それに向かって「今,自分は何をしなけ
ればならないのか。
」と考えていくことが大切です。
錦織
圭(にしこり
けい)というテニスプレーヤーを知っているでしょうか。彼は,世界で通用す
るテニスプレーヤーになる夢を叶えるために,14歳でアメリカのテニススクールに留学しました。た
った一人の寮生活です。当時は日本人で強い選手がいなかった為,他の国の生徒からバカにされたり,
嫌がらせを受けたりしたそうです。
そんな状況でも彼は一生懸命練習に打ち込んでいき,さらに,試合に負けて落ち込んでいた,彼をバ
カにしていた生徒に対して,
「ドンマイ,いいプレーしていたよ。」と励ましていたそうです。その前向
きな彼の様子を見ているうちに,テニススクールの全員が,
「錦織は,なんて強い心と優しい心をもった
いいやつなんだ。
」と認めるようになったそうです。そして,彼は現在,世界ランク5位という一流プレ
ーヤーになり,世界大会で活躍しています。
みなさんも,自分の夢や目標をもち,
「弱い心」や「怠け心」に負けない「強い心」と「優しい心」を
上手に使い,努力していくことが大切ですね。
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<教務室より「教頭のつぶやき」>
子どもの心を動かす名人教師
~私の失敗談から~
教頭
佐
藤
文
雄
古典落語に「子ほめ」という噺(はなし)があります。八五郎は,子どもをほめて,ただでごち
そうになれるありがたい知恵を授かります。よせばいいのに,練習もそこそこに出かけていくので
すが……。案の定,うまくいかない……という落ちが待ってます。
私もそれに似た経験があります。
教師になりたての頃,先輩の名人教師から子どもを動かす極意を授かります。
「やってみせ,言って聞かせて,させてみて, ほめてやらねば人は動かじ」
山本五十六の名言です。
さっそくまねをしますが,うまくいきません。
私は「言って聞かせ」からできません。「言いっぱなし」「言ったつもり」です。そして,子ど
もができないと「さっき言ったでしょ!」と声を荒げます。
「何回言ったらわかるの!」
と怒鳴ることしかできない自分に気が付いていません。
「何回言っても分からない」
ような言い方しかできない自分に,気が付いていません。
子どものせいにしかできない自分に,気が付いていません。
子どもはどんなとき,心を動かすのでしょうか。
大切なのは何よりも教師が,自分を受け入れてくれる,自分をわかろうとしてくれる,自分の中
にある力を伸ばしてくれる,という実感です。率直に受け容れてもらえている,という感じです。
それは,教師と子どもたちとの間における心の交流です。教材をくわしく知っているとか,授業
の技術が巧みであるとか,そういうこととは別問題です。
人はだれもが,人からほめられたいもの。
人はだれもが,人に認められたいと願うもの。
人はだれもが,人より何かの点ですぐれていると思いたいもの。
そこを見逃さず,「あなたのよさはここです!」とみとめ,自信をもたせる。
名人はそこがうまい!
巻南小学校には,名人教師がいっぱいいます。
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「ことばの教室」からのお知らせ
言葉の音・発音は,発達に伴って自然に改善する場合と
練習しなければ改善しない場合があります。
下の文を声に出して言ってみてください。
らっこがだっこ(ラッコが抱っこ) かっぱのかたぱっと(河童の肩パット)
へりこぷたーからみたとうもろこしばたけ(ヘリコプターから見たトウモロコシ畑)
正しい音で言えましたか?「きゃりーぱみゅぱみゅ」だと,さすがに大人でも普通の速さ
で言うのは難しいですが,上の文はそれに比べたら,それほど言いにくい文ではないですね。
しかし,大人には言えても子どもにとってはこのような言葉が言いにくいことがあります。
これは,正しく発音するための口・舌の動き,聞いた音を正しく捉えて操作する力などが未
発達だからです。発達が進めば改善されます。
この文ではどうでしょうか。
うちわとうきわ(団扇と浮き輪),ききゅうのきち(気球の基地)
ちきゅうのきもち(地球の気持ち),きをつつくきつつき(木を突くキツツキ)
年齢に関係なく「き」「ち」といったある特定の音だけうまく言えない(音が歪む)場合
があります。これは幼児性の発音の誤りとは違って,自然に改善される可能性は低いため練
習する必要がある例です。他には,舌先を出してサ行の発音をしたり,鼻に抜けるような発
音をしたりする例なども同様です。
気になることがありましたら「ことばの教室」にご相談ください。
巻南小学校通級指導教室専用℡0256-72-9620
「南っ子タイム」続けています
研究主任 大平めぐみ
各教室で授業終了後の5分間,今日の宿題をしたり,自学の計画を立てたりする「南っ子
タイム」を今年も継続中です。
学校で「分かる授業」を行い,家庭で「宿題や予習復習という形での学習」を行うことで
「学びが連続し,学習内容の理解が確実」になります。
学校で5分間,家庭での学習を見通しておくことで,何をしたらよいかが分かり,家に帰
ってすぐに取りかかることができます。集中して「学年×10分」の家庭学習を行うことで,
学習がよく分かるようになり学ぶことが楽しくなります。5月に配布した「新潟市 家庭学
習のススメ」をご覧ください。
低学年は褒めること,認めることでさらにやる気が出てきます。中学年は根気強く声を掛
けることで学習習慣が身に付きます。高学年は学習している姿を認め賞賛することでさらに
意欲が高まります。
子どもたちのよりよい成長のために,学校と家庭でそれぞれの役割を理解し,子どもたち
を励まし見守っていきましょう。
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佐渡移動教室
第6学年主任
渡邉
尚子
6月24日(水)25日(木),6年生67名が,佐渡移動教室に無事行ってまいりまし
た。2日間天候に恵まれ,佐渡の美しい自然を満喫してきました。
【1日目】
1日目はコース別に分かれて,ろくろや裂き織り,たらい舟などの体験活動を行いました。
町散策ではガイドさんからの熱心な説明を受け,佐渡の歴史や文化に触れることができまし
た。その後は佐渡金山を見学をし,ホテルに到着。きれいなお部屋とおいしいお料理に大満
足し,夕食後は鬼太鼓を鑑賞しました。夜は,どの部屋もぐっすり寝ていました。
【2日目】
2日目は,西三川ゴールドパークで砂金取りを体験しました。中級コースでしたが,どの
子も砂金を1個はゲットすることができました。(多い人は,なんと10個以上も!)
次に,トキの森公園に向かい,本物のトキを見ました。そして,その帰りのバスではなん
と,飛んでいるトキを偶然見ることができました!放鳥されたトキたちは,野生に戻り,し
っかりと自分の力で羽ばたいていました。
帰りのカーフェリーは新しい「ときわ丸」に乗りまた。操舵室を見学したり,デッキに出
たり,船の旅も満喫しました。
【移動教室を通して】
この2日間,あいさつ・返事,くつのそろえ方,5分前行動など,みんなでマナーを守っ
て協力し合おうとする姿がたくさん見られました。また,出会った方々からその人の思いや,
キャリア教育に通じるお仕事のお話をお聞きすることができました。
「自分のことだけでなく,みんなのことを考えて行動する」・・・出発前に誓い合っため
あては,しっかり達成できました。仲間と助け合い,周りの人のことを考えて行動すること
を学んだ2日間。おうちの方々を始め,支えてくださった大勢の方々に感謝の気持ちでいっ
ぱいです。この移動教室で得た多くの財産を,これからに生かしていきたいと思います。
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