No.170(15.7.22.発行)国民世論の力で戦争法案を廃案に

参議院議員
2015年7月22日
吉田ただとも
発行元:吉田忠智大分事務所
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NO.170
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7月16日衆議院本会議において「戦争法案」が強行採決され、参議
院に送られました。
安倍政権は116時間審議し、論点は出尽くしたと言っていますが、
憲法違反との指摘には説得力のある説明がないまま、審議すれば
するほど矛盾や問題が出てきて、各種世論調査の結果でも明らかな
とおり、国民の戦争法案反対の声はますます大きく広がっています。
これまでの特別委員会審議や様々な議論を通じて明確になった問題点について述べます。
まず第一は、この戦争法案が憲法違反だということです。自民党政権の下でも一貫して「集団的自衛権は
行使できない」とした解釈を一内閣の判断で「閣議決定」で変更したことは、立憲主義の否定です。1972年
政府見解の結論部分のみ、「集団的自衛権を行使できない」から「行使できる」と変更したことの理由を「日
本を取り巻く安全保障環境が根本的に変容したこと」としていますが、説得力がありません。政府見解が出
された1972年においても別な意味で厳しい安全保障環境にありました。苦し紛れに1959年の砂川判決を持
ち出しましたが、この判決は米軍駐留の是非が問われた裁判であり、論外です。
第二は、立法事実がないということです。これまで、イラク特措法やテロ特措法など、法案の是非は別にし
て、それぞれ立法事実が存在しましたが、今回は安全保障環境が厳しくなったというだけで明確な立法事実
が存在しません。
第三は、後方支援の名の下で、自衛隊の活動が際限なく広がり危険性を増すということです。これまで、
自衛隊は非戦闘地域でしか後方支援を行うことはできませんでしたが、現に戦闘が行われている現場以外
での活動及び、弾薬輸送もできるようになり、戦闘に巻き込まれる危険性が増します。
第四は、PKOの拡大です。国連以外の活動や、治安維持活動、停戦監視活動もできるようになり、駆けつ
け警護や武器使用も認められるなど、自衛官の危険性が大きくなります。
第五に、戦後70年の平和国家としての日本の歩みを否定し、国民のリスクが高まるということです。今回
の戦争法案が成立すれば、憲法9条を持つ平和国家としての日本のイメージが損なわれ、海外で活動して
いる日本人のみならず国内においてもテロの危険性が増すのではないかと危惧されます。
これまでの安倍総理の政治姿勢からすると、このまま突き進んで参議院において強行採決を行うか、衆議
院に差し戻して3分の2条項を使って再議決する可能性があります。憲法違反の戦争法案を廃案に追い込
むためには、国民世論の力しかありません。集会やデモ行進への参加、首相官邸・外務省・防衛相への抗
議の電話・メール・電報の発信、自民党・公明党国会議員への電話・メール・電報など考えられる手段を使っ
て、戦争法案反対の意思表示を行いましょう。
私は社民党の先頭に立って他の野党と緊密に連携しながら、安倍政権を徹底追及するとともに、院外に
おける「総がかり行動」の皆さんをはじめ、戦争法案に反対するあらゆる立場の方々と連携し戦争法案を廃
案に追い込む決意です。
国土交通委員会
で質問しました
6月30日(火)、7月2日(木)
委員会
次頁にて会議録の質疑・答弁の要旨をお送りいたします。
「吉田ただとも かわら版」は後日ホームページに掲載いたします。
吉田ただとも 質疑・答弁要旨
と き : 2015 年 6 月 30 日
国 土 交 通 委 員 会
建
築
物
省
エ
ネ
法
案
※参議院記録部「速記録」より抜粋・要約
①
現行の省エネ規制ではどんな点が不足なのか、また法案提出の背景及び経緯とは。
(答弁・見解)橋本公博政府参考人
・建築主・事業者の自主的な協力を得ることが難しい。規制的な措置として、2020 年までに
建築物について段階的に省エネ基準への適合を義務化する方針を閣議決定。今回、省エネ性能
の優れた建築物に関する容積率緩和、表示制度などの措置を盛り込んだ法案を提出。
②
新築住宅・建築物への省エネ基準の適合義務化に向けて、どう取り組むのか見解を。
(答弁・見解)橋本公博政府参考人
・省エネ化の効果、意義を国民・建築主・事業者の方々に理解してもらうこと、省エネ性能の
高い建築物が高く評価をされる環境をつくること、材料等の技術開発などの追加費用負担の軽
減や設計・施工技術向上のための支援を行う等の環境整備に取り組む。
③
新たに義務化の対象となる建築物の年間棟数は増加することが見込まれる。所管行政庁に
おける審査体制の強化は不可欠であり、国交省としてどう支援していくのか見解を。
(答弁・見解)橋本公博政府参考人
・建築着工の申請手続等が遅れないように、事業者と所管行政庁のための十分な準備期間を確
保した。適合性判定は民間の登録判定機関で実施、また現行の定期報告制度の届出の廃止や審
査の実務を担う技術者の育成等を推進し、所管行政庁の負担軽減に努める。
④
個別の建物の省エネ性能について、賃貸、購入や設計、施工など、最終消費者が契約を交
わす際に判断材料となる分かりやすい表示、説明などが必要だと考えるが如何か。
(答弁・見解)橋本公博政府参考人
・事業者に対し、省エネルギー性能を表示するように規定した。また、建築物の所有者の申請
で省エネルギー基準の適合認定を受けていることを広告等で表示する制度を創設することに
しており、これらの制度を活用し、高い表示制度が普及することで最終消費者が省エネルギー
性能を判断材料に建築物を賃貸又は購入できる市場環境の形成を図っていく。
⑤ 施工業者が省エネ建築に関する適切な知識、
経験を蓄積していくことが極めて重要だ。特に、
中小工務店の省エネ施工技術の向上は急務であり、支援の拡充が必要だが如何か。
(答弁・見解)橋本公博政府参考人
・従来から、省エネルギー性能の高い住宅の意義あるいは施工技術を学び、実地で建設経験を
積む機会を提供してきた。平成 27 年度には、設備・建材メーカー等による中小工務店の設計
や建設費用を支援している対象住宅の種類の追加に取組んでいるが、経営規模の小さいところ
や一人親方の方は、講習会に参加できない状況にあることから、設備・建材メーカーから声を
掛けるなど、様々なルートを通じ、中小工務店・大工の技術力の向上等に努めたい。
⑥
大臣は、省エネルギー対策、地球温暖化や気候変動対策に熱心に取り組んできた。建築物
におけるエネルギー消費量の低減に向けた今後の取組に対する決意を。
(答弁・見解)太田昭宏国土交通大臣
・健康とCO2削減という観点から省エネ対策を進めることが重要。建物は外壁や窓の断熱性
能の向上、冷暖房や給湯及び照明等の設備機器の省エネ型や太陽光等の活用をすることだ。こ
の省エネルギー化、ゼロエネルギー住宅、ビルの普及に向けての対策を推進していく。
と き : 2015 年 7 月 2 日
国 土 交 通 委 員 会
吉田ただとも 質疑・答弁要旨
一般調査(民泊サービスについて)
※参議院記録部「速記録」より抜粋・要約
①
サンフランシスコに本社を置くエアビーアンドビー社は、ホストと呼ばれる個人が空き部
屋を宿泊施設として提供し、インターネットのサイトに登録して、ゲストと呼ばれる旅行者
との間を仲介して手数料を取る事業を国内で本格的に展開している。これに厚生労働省はど
う対応していくのか、またエアビーアンドビーの実態を把握しているのか見解を。
(答弁・見解)福島靖正政府参考人
・実態の把握を行い、旅館・ホテルとの競争条件を含め幅広い観点から検討する。エア社は、
インターネットを通じ宿泊者を募集しサービスを提供する仲介事業者と承知をしているが、仲
介する行為自体は旅館業法に適用しないことから、その実態は把握をしていない。
②
旅館業の施設は減少する一方、ホスト数は1万件を超えている。このホストは旅館業とな
り許可を取る必要がある。ホストが旅館業となればどんな問題があるのか見解を。
(答弁・見解)福島靖正政府参考人
・ホストは、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業に当たり旅館業法上の許可が必要になり、ホ
ストが旅館業法上の許可を得ていない場合は旅館業法違反となる。
③
旅行者のために、報酬を得て宿泊サービスを手配することは旅行業に該当。エア社はこの
旅行業に該当し登録が必要である。登録を受けずに仲介した場合の責任は如何に見解を。
(答弁・見解)久保成人政府参考人
・一般住宅に旅行者を宿泊させる場合の仲介行為は旅行業となる。仲介者は登録を受ける必要
があり登録を受けずに仲介を行った場合は、無登録営業として刑事罰の対象となる。
④
現状のホストは、旅館業法・旅行業法に違反することを明確にした上で、新たな民泊サー
ビス容認の検討は、地域ごとや業界団体、自治体等も含めた慎重な協議が必要では。
(答弁・見解)福島靖正政府参考人
・一般住宅を活用した宿泊サービスも、ホテル等や旅館と同様に、旅館業法や建築基準法及び
消防法等の規制を受ける。規制に基づき関係省庁と連携をはかり、様々なニーズや懸念等への
対応について、業界団体・関係者の意見も聴取し、十分に検討していきたい。
⑤ インバウンド(外国人旅行客)に期待と注目が集まる中、外国人旅行者好みの民泊サービス
と地域経済や既存の観光業者とのバランスを慎重に見ていく必要があるのではないか。
(答弁・見解)太田昭宏国土交通大臣
・旅館として使う新しい形態は、これから進展をする可能性があり、きちっとした体制を取ら
ないといけない。関係省庁と連携を取って対応をしたい。
⑥
宿泊のシェアリングエコノミー(空き家の共有利用)が大変広がりを見せている。規制す
ることは難しいが、このシェアリングエコノミーにどう対応するのか見解を。
(答弁・見解)太田昭宏国土交通大臣
・シェアリングエコノミーをどういう定義で使うかも含めて、これから新しい時代を迎えるに
当たり慎重に検討をしなければならない問題である。