No.173(15.8.7.発行)8月3日安保法制特別委員会で質問しました

2015年8月7日
NO.173
参議院議員
吉田ただとも
発行元:吉田忠智大分事務所
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委員会 で 質問 しました
安保法制特別委員会
7月29日(水)、8月3日(月)
次頁にて会議録の質疑・答弁の要旨をお送りいたします。
「吉田ただとも かわら版」は後日ホームページに掲載いたします。
吉田ただとも 質疑・答弁要旨
と き : 2015 年 7 月 29 日
安 全 保 障 特 別 委 員 会
戦
争
法
案
※参議院記録部「速記録」より抜粋・要約
1)明確に憲法9条違反である戦争法案の理念は、米国の世界的な軍事戦略に、より積極的に奉仕、
貢献していく見返りに、今まで以上に米国に抑止力を行使してもらおうと期待するものではない
か。
(答弁・見解)中谷元防衛大臣
我が国の防衛、安全保障を、しっかりとしたものにするために、あらゆる事態に対応がで
きるよう、現在の安全保障環境に鑑み、法律の不備・隙を補完する為に見直すものである。
2)従来、集団的自衛権の行使は憲法上許されないとしてきたものを、なぜ容認に踏み切れたのか。
歴代内閣法制局長官経験者が憲法違反と公式の場で述べているが、如何か。
(答弁・見解)横畠裕介内閣法制局長官
これまでも憲法第 9 条の下で、極限的な場合には自衛のための武力行使ができる。同じ理
由で、安全保障環境の変化を検討し新三要件の下での限定された集団的自衛権の行使も合憲
であると考える。
3)集団的自衛権の行使容認を、憲法改正を経ず憲法解釈の変更で行うことは、余りにも法的安定
性をないがしろにするものではないか。
(答弁・見解)中谷元防衛大臣
我が国を取り巻く環境、憲法の解釈と論理的整合性、法的安定性を私なりに真剣に考察し、
従来の憲法解釈の基本的な論理を引き継ぎ、閣議決定に従い法案を作ったところである。
4)経済的な影響のみで存立危機事態を設定できるのか。またサイバー攻撃を受けた米国から要請
があれば、集団的自衛権を行使するのか。
(答弁・見解)横畠裕介内閣法制局長官
ホルムズ海峡が機雷により封鎖された場合、ライフラインの途絶が起き、国民の生死に関
わる深刻、重大な影響が生じる可能性もある。この点を総合的に評価し、存立危機事態に該
当する場合もある。サイバー攻撃が武力攻撃の一環として行われることは考えられるが、存
立危機事態との関係は一概には申し上げられない。個別の状況に応じて判断する。
5)大臣は、重要影響事態法案と国際平和支援法案における「後方支援」で、「自衛隊が現実に活
動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定する」と何度も
答弁している。なぜ、法文に明記しないのか。
(答弁・見解)中谷元防衛大臣
法案の条文 7 条の 3 に、
「防衛大臣は、部隊による活動が円滑かつ安全に実施することがで
きるよう実施区域を指定する」と規定している。この趣旨を法律上重ねて規定する必要はない
と考える。
6)非戦闘現場での自衛隊の活動場所が戦闘現場となり、撤退できない場合、戦争に巻き込まれる
のではないか。
(答弁・見解)中谷元防衛大臣
戦闘行為が予測される場合、部隊等の長は活動の実施を一時休止して危険を回避する旨を規
定している。部隊が武器を使用して反撃しながら活動を継続することはなく、戦闘に巻き込ま
れる、自衛隊が戦闘行為を行うことはない。
7)徴兵制について、自衛隊の服務は奴隷的な苦役に当たるとお考えか。
(答弁・見解)石破茂地方創生大臣
政府は、奴隷的苦役とは言っておらず、徴兵制度によって一定の役務に従事することが
本人の意に反して強制されることは、苦役に当たると考えている。
8)最近問題になっている経済的徴兵制について、文部科学省の学生への経済的支援の在り方に
関する検討会で昨年五月、奨学金返還延滞者に自衛隊でインターンさせたらどうかとの発言が
なされた。今後、経済的徴兵制を導入する可能性はないのか。
(答弁・見解)中谷元防衛大臣
防衛省には、有能な技術系の幹部自衛官となる人材を確保するための自衛隊貸費学生制
度がある。あくまでも志願に基づいて選考採用する制度であり、奨学金の返還、教育ロー
ンの返済を免除する制度は取っていない。
9)1960 年安保の時と違い、大学生や若い人たち、子供を持つお母さん、学者、文化人、芸能
人、中年の皆さん、国民各層から反対の声が上がっている。新国立競技場問題のように、政治
判断したらどうか。戦争法案は撤回すべき。
(答弁・見解)安倍晋三内閣総理大臣
国民の命と平和な暮らしを守るために、必要な自衛の措置とは何かを考えた末に法案と
して提出した。憲法の範囲内であることは間違いないと確信している。
10)社民党は院内外で違憲の戦争法案の廃案に向けて徹底して闘う。
吉田ただとも 質疑・答弁要旨
と き : 2015 年 8 月 3 日
安 全 保 障 特 別 委 員 会
戦
争
法
案
※参議院記録部「速記録」より抜粋・要約
1)武力攻撃に至らない侵害への対処の一つとして、米軍等の武器等防護が示され、自衛隊法
95 条の 2 に新たに盛り込まれた。この場合の「武力攻撃に至らない侵害」とは何か。関連し
て、他国軍隊からの要請に対し、大臣の判断は侵害の前か後か、いつの時点か。
(答弁・見解)中谷元防衛大臣
外国軍隊の部隊の武器等が警護の対象になるかについては、防衛大臣が当該部隊の行う活動
の目的、内容等を踏まえ個別具体的に判断する。行動をする際には、先立って当該の米軍等か
らの要請があるのは当然で、その際には米軍以外の相手国とも協議をする。
2)米軍以外の国とはどこか。あわせて、我が国の防衛に「資する活動」とは何か。
(答弁・見解)中谷元防衛大臣
米国以外の国は特定していない。情報共有を始め防衛分野において、我が国と密接な協力関
係にある国におのずから限られる。我が国の防衛に「資する活動」とは、例えば第一に弾道ミ
サイルの警戒を含む情報収集・警戒監視活動、第二に重要影響事態に際して行われる輸送、補
給等の活動、第三に共同訓練が考えられる。
3)「資する活動」は、三事例に限定されるのか。この三事例に該当すれば、全て我が国の防衛
に資する活動と言えるのか。
(答弁・見解)中谷元防衛大臣
三事例に限定されるわけではない。我が国の防衛に資する活動とは、自衛隊と連携して活動に
従事している米軍等の部隊等の武器であれば、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段に相当
するものと評価できる。この範囲において適用する。いかなる外国軍隊の部隊の武器等が警護の
対象になるかは、防衛大臣が当該部隊の行う活動の目的、内容等を踏まえ個別具体的に判断する。
4)使用できる武器の範囲が、非常に不明確である。それが疑念を生むわけであり、質問に答え
ていない。自衛隊法 95 条の 2 の各要件に沿ってきちんとした、判断基準、政府見解を資料で委
員会に提出を求める。
(答弁・見解)鴻池祥肇委員長
理事会において協議をする。
5)米軍等の武器等防護は、侵害以前の他国の要請であっても大臣が許可でき、武器使用は現場
の自衛官の判断である。本来、集団的自衛権の行使は、国際法上は被害国の宣言と援助要請が
必要であり、この戦争法案では存立危機事態と認定して、対処基本方針を作成、閣議決定しな
ければならない。これらの手続を省略して、いきなり実質的な集団的自衛権を行使するのが今
回の米軍等の武器等防護規定ではないか。
(答弁・見解)中谷元防衛大臣
武器使用規定は、我が国として独自に設け、我が国の主体的な判断で行う。本条の武器使用
の要件に該当しない行動を取る場合には、自衛隊は警護を継続せずに武器を使用することもな
い。一方、本条による武器使用の要件が満たされている場合に応じて武器を使用することが可
能。大臣として、しっかりとこの趣旨は逸脱しないようにする。