文 学 的 文 章 の 読 解

対
策
文
学
的
文
章
の
読
解
の様子が見えない。電光掲示板に表示された原田の記録を見ると、残念
﹂による︶
ながら決勝には残れそうになかった。︵吉田修一
﹁ WATER
ア
顧問と部員
イ
部活の仲間
ウ
先輩と後輩
エ
一番の親友
︻答︼ ウ
︻解説︼
筆者がある主張・思いを込めて文を書いているということを頭に入れておく。
小説とは、
﹁架空の出来事、人物を通して筆者の伝えたいことが記された文﹂
の直接的な心情がわかり、言えるのは主人公だけである。
﹁誰の目線から見
持っている。小説の中で﹁悲しかった﹂﹁うれしかった﹂﹁悔しかった﹂など
主 人 公 は 筆 者 の 代 わ り に 目 を 持 ち、 耳 を 持 ち、 口 を 持 ち、 体 を 持 ち、 心 を
① 主人公を押さえる
小説文は論説文とは違い、筆者は基本的に本文中には出てこない。つまり、
られた話なのか﹂という視点を持って読むようにする。本文の場合、﹁電光
私 た ち は、 自 分 と 対 照 的 な 人 や も の、 自 分 が 失 っ て し ま っ た も の、 自 分 が
② 重要な脇役を押さえる
掲示板に表示された原田の記録﹂を見たボクが主人公である。
小説では、筆者は主人公に自分の思いを託す。
︻例題︼次の文章を読み、主人公と﹁省吾﹂の関係をあとから選びなさい。
ボクは、高校の水泳部でキャプテンを務めている。ボクは通常の練習
が終わったあとに、百メートルを完泳できない後輩の省吾の練習に付き
追い求めているものを持った人やものに感動を受ける。本文の場合、﹁省吾﹂
は主人公と対照的である。﹁ボク﹂は水泳部のキャプテン。一方、省吾は百
合っていた。その努力の様子を見ていたボクは、顧問に頼んで省吾の県
大会への出場登録をしてもらった。
メートルを完泳できない後輩という設定。この二人の違いが、今後の話の展
開できっと何かを生み出していくであろうと予想できる。
﹁なあ。省吾。今日の夜までには百メートル泳ぎ終われよ。朝までは待
てんぞ﹂
﹁一人だけ遅かったら、みんなに笑われるやろうなぁ﹂
﹁大丈夫、大丈夫。お前がゴールするころには、みんなこの会場から帰
っとる﹂
場
面
の
理
解
・
情
景
の
把
握
主
人
公
を
つ
か
む
。
主
人
公
と
対
角
の
位
置
に
い
る
重
要
な
脇
役
を
つ
か
む
(
違
い
を
拾
い
上
げ
て
い
く
こ
と
で
両
者
を
比
較
し
て
い
く
)
。
﹁もう少しは励まして下さいよぉ﹂
プールでは原田が泳ぎ終わったようだった。テントからはプールの中
② ①
《
ポ
イ
ン
ト
》
2012/11/26 19:54:50
AL1冬jpn.indd Sec2:2
と
3
傾
向
ま
ず
場
面
や
情
景
を
つ
か
ん
で
、
文
章
の
流
れ
に
乗
る
こ
と
が
大
切
。
心
情
把
握
の
問
題
は
必
出
。
小
説
の
三
要
素
に
分
け
て
考
え
る
こ
と
。
本
文
の
主
題
が
何
か
を
問
う
問
題
の
答
え
は
、
主
人
公
が
感
動
し
た
部
分
。
場
面
や
情
景
を
つ
か
む
カ
ギ
は
、
「
登
場
人
物
の
役
割
の
把
握
」
に
あ
り
。
1
2
3
1
2
内的反応⋮心情など外に出ないもの
外的反応⋮様子、態度、発言など外に出るもの
小
説
の
三
要
素
=
「
場
面
」
「
出
来
事
」
「
反
応
」
「
主
題
の
把
握
」
=
「
主
人
公
の
感
動
」
他人の﹁心情﹂を理解することは外に出ないから極めて困難である。国語
あと十メートル。ボクは目をつむった。
﹁合理的な予想﹂に過ぎない。
︻例︼
県大会のレース
省吾が溺れるようにして泳いでくる
⋮ 省吾のコースへ駆け寄った
ボクの外的反応
⋮?
ボクの内的反応
場面・出来事・ボクの外的反応から、ボクの心情︵=内的反応︶として
は、
﹁心配する﹂
﹁激励する﹂あたりが予想できる。
﹁出来事﹂
﹁外的反応﹂の三つを総合して人の心情︵内的反応︶を﹁予
﹁場面﹂
想﹂する。
息も出来ぬほど苦しいのだろう。声も出せずに﹁先輩﹂と口が動いた。
喘ぐように、﹁最後まで泳いだよ﹂と省吾が言った。
ボクは泣くもんか、と思ったけど涙が流れて止まらなかった。
泳ぎがうまい主人公を感動させるためには、泳ぎが遅い省吾という対照的
な﹁脇役﹂が必要だったということであろう。
主
題
の
把
握
話
全
体
で
の
大
き
な
事
件
を
探
し
、
事
件
に
よ
っ
て
変
化
し
た
主
人
公
の
感
動
が
主
題
で
あ
る
。
合
格
へ
の
ア
ド
バ
イ
ス
ま
ず
、
登
場
人
物
を
し
っ
か
り
把
握
し
よ
う
。
心
情
が
わ
か
る
、
予
想
で
き
る
部
分
に
は
線
を
引
い
て
お
き
、
事
件
に
よ
っ
て
変
化
し
た
主
人
公
の
感
動
が
何
か
読
み
取
ろ
う
。
心
情
の
把
握
小
説
の
三
要
素
を
利
用
。
外
的
反
応
が
意
味
す
る
心
情
を
場
面
と
出
来
事
と
の
関
係
で
予
想
す
る
。
切った男の顔が、そこにあった。
の問題で問われる﹁心情の把握﹂とは、
本人以外の人が決めることだから、
︻例︼
ためには、何か出来事が必要。何かをきっかけに人は変わるのである。
主 題 の 提 示 は﹁ 主 人 公 の 感 動 ﹂ と い う 形 を と る こ と が 多 い。﹁ 感 動 ﹂ す る
3
観客席から秋風のような拍手が聞こえる。ゆっくりと目を開け、プー
ルを覗き込むと、省吾の顔があった。生まれて初めて百メートルを泳ぎ
場
面
・
出
来
事
・
外
的
反
応
か
ら
内
的
反
応
を
予
想
反 出 場
応 来 面
事
② ①
《
ポ
イ
ン
ト
》
①
《
ポ
イ
ン
ト
》
2012/11/26 19:54:50
AL1冬jpn.indd Sec3:3
②
心
情
を
把
握
す
る
に
は
、
小
説
の
三
要
素
を
総
合
し
て
予
想
す
る
こ
と
。
2
3