平成26年度呼吸器外科年報

呼吸器外科年報
呼吸器外科では胸部悪性疾患(原発性肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜腫瘍、等)、
良性疾患(気胸、肺嚢胞症、等)を呼吸器腫瘍センターで、感染性疾患の治療を呼吸器感
染症センターで行っています。
2014 年の原発性肺癌手術症例数は 46 例と、前年とは比較し 1.5 倍増加しています。原発
性肺癌の非手術症例の化学療法は 17 例、化学放射線治療は 2 例行っています。化学・放射
線治療は肺癌手術後の再発症例、術後補助化学療法を含めると 1 年間で 124 レジメンの治
療を行いました。
当院での手術治療は殆どの症例で内視鏡(胸腔鏡)を使用して手術を行います。内視鏡
手術は基本的に 3cm の傷 1 カ所と 1.5cm の傷 2 カ所で行います。内視鏡を使用するため手
術中波、モニターを見て手術を行います。手術後の疼痛は軽く、殆どの患者様が 1 週間以
内に退院します。手術時に肋骨を切らず、最小限の組織しか切開しないため術後の回復は
早く長期間の入院を必要としないからです。この内視鏡を使用した手術は、低侵襲である
ため 80 歳以上の患者様にも安全に行う事が出来ます。しかし、病期が進行している症例や
リンパ節転移が疑われる症例においては、必ずしも根治性を損なわず安全に行うことが出
来ない時があります。そのような時は、肺癌治療の基本であります根治性を損なわない事
を第一として、開胸手術を勧めることや手術中に内視鏡手術から開胸手術に変更すること
をあります。
当科の基本的治療方針は、
“患者様が受けたい治療施設となれるように、最良治療の提供”
であり、患者様に満足して頂くように全力で治療を行います。本年もよろしくお願いいた
します。
【手術症例数】
(2014 年1月~12 月)
全手術症例数
胸腔鏡下手術症例数
原発性肺癌
46 例
43 例
転移性肺腫瘍
11 例
11 例
縦隔腫瘍
例
0
例
その他肺切除手術
10 例
7
例
気胸
20 例
20 例
膿胸
10 例
胸部外傷手術
0
1
例
8
例
—
例
原発性肺癌手術症例数の推移
60
40
20
0
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
原発性肺癌術式数の推移
50
40
全摘
30
肺葉切除
20
区域切除
10
部分切除
0
2011年
2012年
2013年
新規肺癌化学療法症例数 : 17 例
新規肺癌化学放射線症例数:
2 例
肺癌放射線治療実施患者数: 75 例
2014年