椛川ダムは不要?

〈4〉水問題と渇水対策、椛川ダムは不要?(初当選から)
私は多面、多岐に渡る視点から問題提起し、ダム・地下水・ため池・農業用水・
雨水・上水道・下水道・浸水等々から、複合的な相互の水融通や水資源のネットワ
ーク化等を提言、多くの成果があり、また椛川ダムはムダなもったいない事業
といい続けています。
1.水問題の現状
(1)高松市は県水(早明浦)と、自己水源が 6:4 日常的には水は余っている。
(2)水に対する危機意識が欠けている。松山市、福岡市より 1 人当たり使用量は
10%以上多い
(3)渇水時、使われない水が多い(地下水・農業用水余水・ため池等)
(4)地下水は過去には 5 万㎥/日以上使用、今は海に垂れ流し
(5)今後 20 年後の予測 16%減、21700 ㎥/日減に修正し、計画見直し
(6)財政負担問題、ダム・ため池の維持コスト
(7)ため池空間の活用(太陽光発電・憩いの場)
2.渇水対策
(1)椛川ダム建設については、平成 22 年 11 月から香川県と関係市で原点に返り
ダムのあり方検討委員会を設置し検討したが、その検討案がダムありきであ
り、内容を精査するとほとんど虚偽であった。
(2)地下水利用について渇水対策として、平成 27 年度より鶴尾・坂田地区から地
下水を奥の池に揚水し、1 万㎥/日を御殿浄水場へ送水する。これに掛かる費
用は 16 億円、椛川ダム建設費 400 億円で、上水道は 9000 ㎥/日です。
(3)水利用については、多様な主体(農業・土地改良・水道・環境等)が関わり
その成果を期待する。
(4)市民の節水意識・節水機器の活用、人口減等で需要量を減らす。
3.椛川ダム建設“莫大な借金でつくる疑問”
椛川ダム建設については、幾たびも深刻な渇水に見舞われ、日常生活や経済
活動に多大な影響を及ぼし、香東川水系沿岸地域では新しい水資源の確保が急
がれたことから、平成元年 高松市と 3 町等で水資源開発推進協議会を発足させ、
県に渇水対策ダムを要望しました。H.11 年香川県と高松市がダム建設基本協定
を締結し、17 年から周辺整備が始まりました。このダム建設の決め手となった
のが第 8 次拡張計画であり、
予測水需要量が 14 年度で約 189,800 ㎥/日として、
これをもとにダム建設が決定したと想定します。ところが、決定後すぐに 14 年
度の予測は約 158,000 ㎥/日に見直しをされ、17 年度から計画変更し、約 3 万
㎥も減少しました。そして 20 年後の 42 年には、それから約 5 万㎥/日も少ない
予測水需要量 107,200 ㎥/日になるとのことから 23 年度から計画変更しました。
ダムが必要とした 8 拡の予測量より約 8 万㎥、40%以上も少ない予測、これ
はダムをつくる為のだましのようです。現在でも通常水は足りている上に、こ
れから 20 年はますます水需要量は減ることになります。また、20 年後の異常
渇水時の不足分は、約 12,400 ㎥/日で、それなら余剰水の融通、または地下水
で十分まかなえます。今後は、異常渇水時の数ケ月間だけの緊急水が必要で 385
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億円ものダムは必要ない。また再検証の際、地質の関係でと簡単に 95 億円も
コストの削減をし、480 億円を 385 億円にしたことも不可解です。
1998 年頃に国土庁は、ダムに頼る時代は終わったと新しい方向性を提案して
います。一つに地下水の利用、二つ目に下水処理水の検討、三つ目に水利権の
転用促進です。
4.椛川ダム建設事業予算に対する反対討論
(1)平成 25 年 3 月議会
椛川ダム建設については、平成 23 年度に再検証に係る検討案が出され説明会
が 4 回あり、私はその内 2 ヶ所で参加し、質問をしました。その後、各担当部
所にも問題点を問い正し、また議会でも質問を致しましたが、ほとんどデータ
の開示もなく明確な回答もありませんでした。
香川県ダム検証に係る検討案が虚偽公文書にあたり、これを元にした再検証
結果として椛川ダム建設を認めたことは無効であると考えることから、今回の
議案に対し反対を致します。
ここで多くの質問に答えられず、ダム事業出資に合法性を欠くと思われる点
についてほんの一部を指摘します。
まず、どれだけの水が渇水対策として必要で、いくら不足するのか客観的根
拠が説明されないこと、特に過去の大渇水時の不足水量も開示されないし、そ
の不足量の限界が示されなければダム容量は青天井で、事業費は際限がなくな
る。
次に、渇水時の絶対必要量とダム水利権量 9000m³/日との関係が十分に説明
されない。
次に、ダム推進を決議した検討資料 5 には、市の上水道キャパが 199 万m³
で、9000m³/日が確保とあるが、計算根拠が示されていない。特に資料 5 P6-3
の 3)で「開発量 9000m³/日の算出の妥当性を確認すべし」と義務づけている
のに、このことを反故にしている。
また、ダム完成後も平成 42 年には約 12000m³/日が不足することの計算根拠
が不明確であり、そしてその不足量の計算の元となる香川用水 68600m³/日は
何を根拠にしたものか説明できない。
このP6-15~17 はP6-14 を捏造する為のもので、だましである。
この他資料 5 の利水代替案もダム有りきの捏造で、地下水・ため池・その他
あまりにも説明が出来ない虚偽公文書というより詐欺公文書と云えるでしょ
う。また、関係者の意見に対する県の考えも、ダム建設を是とする作文に過ぎ
ない。
ダム建設の再検証の為のウソのオンパレードである検討資料以外に府中ダム
や宝山湖及び地下水等の水源がある。現在調査チームによって椛川ダムを建設
しなくとも多様な水の融通、有効活用によって高松市は渇水時 10 万m³/日以
上が確保出来、新ダムは不用との結論を出している。
以上の理由によって、椛川ダム建設予算案に対し反対をします。
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(2)平成 26 年 3 月議会
ダム建設関係予算に対して、昨年 3 月の予算議会で反対討論を致しましたが、
今議会で、別の視点から反対討論をいたします。
私が一貫して、ダム建設に反対する理由は、莫大な水の供給能力が隠ぺいされ
ているからであり、椛川ダム再検証の検討案がほとんど虚偽公文書に当たるもの
です。今まで 3 年程の間で、疑問点を質問しても、県も市もほとんど回答説明が
出来ていません。そこでまず、椛川ダム再検証の説明資料、P6-17 では、自己水
源が分担する需要 62,000 ㎥/日の内供給能力が半減し、51%、31,600 ㎥/日が不
足すると、不足量をでっちあげています。しかし、実際の供給能力(賦存量)は、
椛川の新規開発水量の 9,000 ㎥/日の 42 倍もあり、その内訳は、
① 市が 3 千万円で H15~16 年に依頼した四電コンサルタントの調査結果では、
地下深層水、取水可能量 48,000 ㎥/日で、ダム開発数量の 5.3 倍に当ります。
② 香川用水の上水の捨水が、近年 H19~22 年の 4 年間で 56,000 ㎥/日あり、主
に府中ダム横の綾川浄水場で捨水されています。これは香川用水を管理する
水資源公団のデータで明らかです。これはダム開発数量 9,000 ㎥/日の 6.2 倍
に相当します。
③ 府中ダムでは、工業用水 10 万㎥/日に加え、漏水 1 万㎥/日が放水されてい
ます。実数は、103,320 ㎥/日(H24 年)+10,085 ㎥/日(漏水分)=113,405
㎥/日、これは、香川県自身の公刊しているデータで、20 余年間引き続いて府
中ダムの 93%の新規開発水量が捨てられています。
④ H23 年 3 月刊「高松市水環境基本計画」P14 図 2-6 では、河川の低水流出
が 160,034 ㎥/日もあります。この内、6 割に当る 62,400 ㎥/日は、香川用水
農水が追加補充されて増えたものです。
以上、余り水の合計は、337,400 ㎥/日であり、椛川ダム建設コスト 400 億
円をかけて確保しうる、上水道用水、水利権量 9,000 ㎥/日の実に 42 倍もの
水が隠され、日々捨てられています。
以上の根拠となるデータは全て公に出されているもので、ダム検証資料には
加味されていない。即ち、水資源公団、香川県水道局、高松市上下水道局が、
県民、市民の目から隠ぺいしているものです。とにかく悪質なのは、河川流
況を隠ぺいし、水不足を捏造していることです。水利権許可書と一体不足分
の水利使用規則 8 条をじゅうりんし続けています。そして、上水道用水の取
水口の流況観測と報告を無視し、拒絶し続けています。即ち莫大量の供給能
力(賦存量)を隠し、自己水源の不足量 31,600 ㎥/日を捏造し椛川ダム建設
を進めております。
以上の理由で予算議案に反対します。
5.地下水利用について
H22 年度の高松市水需要予測では、人口減少と節水により 1 人 1 日当たり約
30ℓの水使用量の減少を見込み、42 年の水需要は 1 日最大使用量が 123,400 ㎥に
減少、約 20%の減、約 3 万㎥の減、そして渇水時には約 12,000 ㎥が不足と予測
しています。このことから、将来の渇水時の不足分をどう補足するかという課
題に対し私たちは先般、松山市へ地下水利用について視察にいきました。
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松山市では日量約 62,000 ㎥、 48%を地下水でまかない、渇水対策水源は深井
戸利用として整備をしました。
松山市は古くから伏流水・浅井戸を活用し、その為に地元地域とのコンセンサ
スを得る為に大変苦労をしております。また H6 年、15 年度に都市づくり条例で
節水を規定し、そして 14 年に水源毎の取水管理として地下水モデルを作成して
います。また日量 62,000 ㎥を地下水でまかなっているとしても、地盤沈下につ
いては今のところ考慮していないとのことでした。
高松市においては、地下水利用について地盤沈下を理由に 1 井当たり日量 700
㎥という規制がありますが、松山市ではその規制はありません。
高松市では御坊川水系だけで日量約 27,000 ㎥から 30,000 ㎥を過去に地下水を
利用し、市域全体で約 50,000 ㎥を利用し、建設水道常任委員会で 18 年に日量
約 48,000 ㎥は地下水利用を想定しておりますとのことでした。
現在、市全体で工業用水として使用する地下水は日量 6,000 ㎥位です。この
差日量約 40,000 ㎥を考えると、日量 9,000 ㎥しか水道用水として取れない 400
億円も掛かる椛川ダム建設は無駄だと言われてもしかたがない。また、実際の
椛川ダムでの水道用水量は日量 9,000 ㎥でなくその半分程度です。
椛川ダム再検証の為の委員会には市長、上下水道管理者の 2 人が参加し、7 月
の最終委員会で椛川ダムは必要と結論付けました。
私はダム建設に係る検討案について私なりにチェックし、調査しましたが、県
市に質問しても答えにならない矛盾点が余りに多い、まさにダム建設ありきの
そのものです。この点については今回は深くは追求しませんが、1 点、20 年後 渇
水時日量約 12,000 ㎥が不足するという予測から、その為の水源確保として高松
市は地下水に頼らざるを得ない。また大西市長もマニフェストに地下水を利用
することを明記し、公約にしております。この点からダム検証資料 6-33P にお
いて 700 ㎥/日の制限、渇水時の最大約 2,000 ㎥が可能だが、周辺 2 km の範囲
で地下水低下や地盤沈下等の影響が懸念されるとして、短期でも地下水利用を
否定しています。但し、一時利用は可とはあります。以下、質問と答弁です。
(1) 香川県ダム検証に係る検討案(椛川ダム)6(目的別検討(新規利水)二次
選定)の 33 ㌻から
① 御坊川水系地域(栗林付近)3カ所での取水調査を県も市もしていないこと
答:香川県ダム検証に係る検討委員会における椛川ダムの利水代替案としての
地下水の取水調査データにつきましては、県において、地下水の有効利用を
推進するため、これまでに県や市が行った地下水に関する調査資料を基に、
平成 19 年度から 21 年度の 3 か年にかけて、県下全域を対象に、地下水の賦
存量の推定や地下水位の観測、適地での取水可能量等について、調査を行っ
た結果を踏まえ、取りまとめたものでございます。
② 恒久的な取水は困難と結論づけているが、御坊川水系で、どの程度の量の取
水が困難なのか。
答:本市では、平成 15、16 年度に、地下水の有効利用を図ることを目的として、
市内全域を対象に、地下水の適地の選定や取水可能量等の調査を行い、御坊
川水系である鶴尾地区の旧香東川沿いにおいて、地下水位が回復し、渇水や
緊急時等の短期的な取水であれば地下水の低下や地盤沈下の影響は少ないと
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の結果が得られたことから、17 年度に策定した「奥の池、周辺井戸の水運用
計画」において、奥の池周辺の浅井戸から日量最大 2 千立方メートルを、深
井戸から日量最大 3 千立方メートルを取水する計画としております。→ 答弁
になっていない
③ 地盤沈下は、どの程度の量の取水で懸念されるのか。
答:本市の地下水調査では、鶴尾地区周辺の深井戸一井当たり、日量約 1000 立
方メートルの取水が可能との結果が得られ、地盤沈下も比較的少なく、その回
復も早いとの結果が得られております。しかしながら、過去には地下水の過剰
なくみ上げにより、地下水位の低下や、一部の地域では地盤沈下があったとさ
れております。
このようなことから、現在、香川中央地域地下水利用対策協議会において、
地下水の保全および、かん養ならびに、適正かつ合理的な地下水利用のため、
高松地区での地下水の取水量は、一井当たり日量 700 立方メートル以下に規制
されているところです。→ 答弁になっていない
④ この結論があることから今後、渇水時に地下水利用が制限されるのではない
か。
答:ただ今申しあげましたように、高松地区では地下水の取水量が、一井当た
り日量 700 立方メートル以下と規制されておりますことから、本市といたし
ましては、渇水や緊急時に、この取水基準を上回る取水の可能性を検討する
ため、現在、香川大学工学部と共同で研究・調査しており、今後、この調査
結果を踏まえ、同協議会に対し、渇水時等における、取水基準の弾力的な運
用を強く求めてまいりたいと存じます。
(2) 検証資料では、渇水多発への対応が部分的にしか明記されていない。もっと真
剣に、多様な水利用、また、水融通を考えるべきではないか。
答:ダム検証委員会の検討資料におきましては、利水代替案として椛川ダム開
発以外に、地下水や雨水・中水利用、既得水利の合理化・転用など、15 の方
策について検討がなされ、実現性や効果、コスト等の観点から抽出されまし
た、
「ため池案」
、
「海水淡水化案」および「椛川ダム案」の 3 案について、目
標、コスト、実現性、持続性、地域社会への影響および環境への影響の六つ
の評価軸により、詳細に比較検討が行われた結果、椛川ダム案が優位と評価
されたものと存じております。
椛川ダムの代替案としては十分ではないものの、渇水や緊急時に緊急避難
的な措置としての水融通を始め、地下水や雨水、再生水の利用および節水対
策などにつきまして、今後とも、利水対策面から、有効な方策であると位置
付けられております。
本市におきましても、水資源の有効利用を図るため、これらの方策を水環
境基本計画に位置づけ、積極的に取り組んでまいることといたしております。
→ 答弁になっていない
(3) 地下水利用において地元地域とのコンセンサスをどのように考えているのか。
答:奥の池周辺の浅井戸の利用に当たりましては、平成 6 年の大渇水を受け、
地下水の有効利用を図るため、旧楠上浄水場の水源でありました、奧の池周
辺の地元関係者や農業関係者の御協力の下、農業用井戸を活用して地下水の
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取水調査や水位観測の調査を行うなど、十分な説明や御意見を伺いながら、
地元合意を得て、15 年度より渇水時の水源として、これまで適正な取水調整
や施設の維持管理を図る中で、浅井戸からの取水に努めているところでござ
います。
今後におきましても、深井戸を含め、円滑な地下水の有効利用を図るため、
地元関係者や農業関係者を始め、周辺住民と十分な説明と御意見を伺う中で、
合意形成に努め、地下水やため池の保全ならびに、奥の池周辺を地域住民の
憩いの場として利用していただくなど、連携・協力・交流に意を用いまして、
地下水源の安定確保に努めてまいりたいと存じます。
6.椛川ダムは必要かについて及び建設に当っての問題点
ダム寿命は約 100 年と云われます。20 年前と現在、また 20 年後の水需要量は
大きく変わっています。2050 年の人口予測、経済財政予測から考えると、180
度発想の転換を求められているのは明らかです。ましてや、昨今の大震災・原
発事故の惨状、日本の財政危機、グローバル化を考えるとこれから 2~3 年が日
本の生きる道の分水嶺です。
先般、県主催の椛川ダム建設についての再検証の説明会に 2 ヶ所で出席しまし
た。まさに官僚のレトリック、美辞麗句を並べしゃべりのマジックそのもので
実態を知らない者にとっては必要と受け取ったのではないでしょうか。そこで
私は、現状から将来を考えて、市民を起点というより将来世代を起点に莫大な
借金でつくるダム建設の必要性、その建設に当たっての問題点を指摘し、以下
質問を致しました。しかし、ダムありきの検討案通りで答えになっていない。
(1)治水、洪水調節のため
① 内場ダムが出来て約 50 年この間に洪水、河川の氾濫はあったのか
② 椛川ダムの集水域は内場の約 1/3 位、また全上流域の 1/11 位の集水域では
河川の洪水調節ダムにはならない。ダムの下流域の集中豪雨時の方が課題で
はないか。
(2)流水の正常な機能の維持のため
ダムは水没を伴い、また河川の連続性を遮断することによって自然環境を破
壊し、生物生態系も壊し、ダムが自然のバランスを壊すのは明らかです。ダム
によって自然環境が良くなるという県の説明は納得できない。
※前の川ダムは椛川ダムと同じような条件でも約 600 万㎥が溜まらないとダム
は中止になっている
(3)水道用水のため
平常時の高松市の水道用水は現在、また将来ともに通常水は余っている。さ
らに緊急渇水時のためには平成 26 年度から日量 1 万㎥を地下水と奥の池で確
保する予定だが、この為のコストは 18 億円となっている。今後も、1 万㎥/日
追加するための水源は地下水で十分確保出来るし、コストは 10 億円もかから
ないのではないか。日量 9000 ㎥に水道負担分として 62 億円(内高松市は 26
億円)全体として 385 億円も税金を使うとは良識を疑う。
高松市では、今以上の水が必要となるのは渇水時だが、渇水時に椛川ダムに
水がある保証はない。
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答:ダムに水が溜まるのは 2 年以上はかかる。26 年からの 1 万㎥/日確保は、
浅井戸 2 千㎥/日、深井戸 3 千㎥/日と奥の池 5 千㎥/日でまかなう。1 万㎥/
日の地下水追加開発は今後検討する。
(4)一般的にダムを作ったことによる生涯コストは、建設費の倍以上と云われて
いるとすると椛川ダムの生涯コストは 800 億円以上もかかることになる。
(5)高松市で渇水時に上水道として必要な水はどれ位か、椛川計画時日量 9000
㎥で良しとしたのか。この 9000 ㎥は平成 26 年から鶴尾地区で 1 万㎥/日が渇
水時に確保出来ることになったことから、上水道としてのダムは不用ではない
か。
*鶴尾地区では 20 年程前までは、1 日 3~4 万㎥の地下水を製紙工場等で使っ
ていたが今は使っていない。県はこの地下水を使うことに否定的。
答:H.42 年度で最大 12 万 3400 ㎥/日、渇水時が椛川の 9 千㎥を入れて、11
万 1 千㎥/日が確保出来ると予測し、12400 ㎥/日が不足するということで安
定水源としてダムは必要。
(6)高松市が現在必要なのは少雨で渇水の時だけである。また松山市は上水・工
業用水 約 36 万㎥/日の半分の約 18 万㎥/日を地下水でまかなっているが、ど
う考えるのか。
答:本市と状況が違いうとのこと。
(7)以前からダムありきのこじつけた理由での説明をし、不都合な真実・事実は
説明にいれなかった。特に地下水の利用についてはすべて拒否して来た。また、
ため池と海水淡水化を事例に説明しているが、地下水や中水を何故入れていな
いのか。
答:答えになっていない、常時の水でなく期間限定の渇水時の緊急水が必要と
いう認識がない。
(8)早明浦ダムの旧役場が見えると渇水が目前であるような報道が流れるが、高
松市では、旧役場が見えてからでもすぐに渇水になるわけではない。電力用水
や宝山湖、自己水源等で約半年近くはあると言われるのに、何故間違った報道
を認めてきたのか。その為の高松市の風評被害は観光産業等で甚大なものがあ
るのではないのか。ダム建設ありきでこのような結果を招いたのなら許せない。
答:貯水率が 40%以下になると町役場が見える。今後、この件についての報
道提供を改めていきたい。
(9)行政も、議会も市民・県民に目を向け、将来世代のことを考えないといけな
いのではないか。
(10)今の日本の国難を考えると再検証の結論は、2~3 年間の猶予を置くことが
最善ではないか。
以上の点について私は香川県と高松市に質問をしていますが、納得のいく解
答はなかった。
現在、県の担当にダム検証に係る検討案に基づき、個々に質問を投げ掛けて
いるが、答えられない。また認識不足の点が多く、ダムありきで作った資料
で、データ・説明内容に準備不足が目立つ。
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(11)以下、その他の不明朗な部分として
① 地下水利用を不可とし、そしてデータや理由付けを捏造
再検証説明資料(6~33)に示すデータ作成の裏付けなし、また判定につい
ても担当個人の判断
② 地下水利用制限 700 ㎥/日規制の根拠がない
③ 地下水位調査データでは、4 ヶ所の定点観測で 35 年間に 30~50m水位が上
がっている。これは、東洋テックス 5 千~1 万㎥、トキワ・昭南 約 5 千等、
製紙業が撤退したことが主因である。また、香川用水通水や水道普及によっ
て地下水利用が少なくなった。これらのことを考慮せず、恒久的に地下水は
使えないとしている。椛川ダムが出来ても 9000 ㎥/日 過去地下水使用量の 3
割に過ぎないし、高松市は渇水ダムを要望したわけで通常水ではない。また
緊急渇水時だけだから、地下水を利用するとしても期間は限定され、地盤沈
下の根拠にならない。
この件については香大の研究班が調査報告資料に高松市の地質・地層・地
下水位・地盤沈下等について記載している。
④ 霞堤(31 ヶ所)の実態把握が全くない
⑤ 内場ダム(720 万㎥)の 1/3 の集水域の椛川ダム(1,056 ㎥)に水は貯まら
ない。本来なら 1 年以内で貯まらなければダムの役割を果たさないのに、貯
めるのに 2 年も掛かる、こんなダムがあるのか。担当者は県内 1 番の貯まら
ないダムと言っている。
⑥ ダム有効活用として、内場ダム 11mかさ上げ等を見直すとのこと。内場ダ
ム 11mかさ上げで椛川ダムの代替が可能とあり、なら椛川ダムは不用であっ
たのか
⑦ 概ね 50 年に 1 度発生する洪水(基本高水 1130 ㎥/S)を安全に流下させる。
現状で基本高水における洪水対策は可能か説明がない。
基本高水の算出根拠、また貯水容量とその内訳についての質問にもほとんど
答えられない。
⑧ ダム建設事業費が 20%減、480 億円が 385 億円に減ったが、ダム費が 2/3
になったことや事業費の内訳説明で解答の不明な部分が多い。
⑨ 香東川河川敷の違法性、および治水、洪水調節に対する影響について
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