別 表 2015(平成 27)年 3 月 19 日 鹿児島国際大学における公的研究費の不正防止計画 鹿児島国際大学においては,文部科学省等から示された「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」の趣旨や内容を踏まえ,公的研究費の管理・ 監査に関して,以下のとおり,不正防止計画を策定し,これを確実に実施することにより,その適正な使用の徹底を図ります。 なお,本計画は,公的研究費の不正使用の防止のため当面取り組むべき措置を掲げたものであり,今後,不正を発生させる要因の把握とその検証を進め,必要な見直しを行 い,公的研究費の適正な使用の推進を図ります。 公的研究費の管理・監査のガイドライン 不正が発生する要因等 取り組みの現状 今後の不正防止計画 ・大学内の責任体制については, 「鹿児島国際大学に ・責任者の交代時期(4月)に定期的に最高管理責任 おける公的研究費の運営及び管理に関する取扱い規 者,統括管理責任者及び部局責任者による打ち合わせ 程」 【平成 27 年 3 月 19 日改正】において,責任者の を行う。 責任範囲・権限を規定しており,本学ホームページ・ ・公的研究費の運営及び管理の責任体制について,毎 学内メールシステムにて公的研究費の運営及び管理 年年度当初に学内メールシステムにて,案内を出すな の責任体制並びに公的研究費に関する規程を公表し ど更に周知をする。 第 1 節 機関内の責任体制の明確化 運営・管理に関わる者の責任・権限体系の明確化 ている。 ・公的研究費の採択者(研究代表者のみ)を大学評議 ・公的研究費の採択者一覧表(研究代表者・分担者) 会・教授会で報告している。 を大学評議会・教授会等に報告し,状況を把握する。 ・研究者向けに事務処理の手続き資料等を作成してい ・現在ある説明会資料,事務処理の手続き資料を事務 る。 処理に関するガイドラインとしてさらに分かりやす く整え,学内メールシステムなどで周知する。 1 公的研究費の管理・監査のガイドライン 不正が発生する要因等 取り組みの現状 今後の不正防止計画 第 2 節 適正な運営・管理の基盤となる環境の整備 (1)ルールの明確化・統一化 ●ルールと実態の乖離(発注権限のない研究者が発 注,例外処理の常態化など) 。 執行できる経費かどうか,研究者と研究教育開発セ 研究者及び事務担当者にとってその都度分かりや ンター職員と可能な限り,相談の上で判断している。 すい資料を作成し,常に閲覧できるように学内メー ルシステム等に掲載する。また,質問の多い事項・ (2)職務権限の明確化 ・ルール熟知していないと、補助金等を執行できる経 例外的な処理を行った事項については,FAQ 等で統 費について,研究者の独自の判断によって解釈し,経 一見解を明確に示すことに加え,説明会等でさらに 費を執行する危険性が考えられる。 周知する。 ●決裁手続が複雑で責任の所在が不明確。 ・公的研究費の執行について,権限は研究者にあると ・ 「鹿児島国際大学における公的研究費の運営及び管 ・ 「鹿児島国際大学における公的研究費の運営及び管 誤った解釈をする。 理に関する取扱い規程」等において職務権限を明確に 理に関する取扱い規程」等の周知方法について,よ 定めている。 り明確な資料(図などできる限り解釈しやすいもの) を作成し,必要に応じて適切に見直し周知する。 ・事務手続きに関するルールの理解不足がある。 ・ハンドブックを作成し,学内メールシステムで周知 ・研究者の理解不足があると思われる項目について している。 は,再度見直しを行い,研究者へも聞き取り等を行 い検証した上で周知する。 (3)関係者の意識向上 公的研究費は公的資金であり,個人が獲得したもの 説明会・学内メールシステムで周知をしている。 ではあるが,機関による管理が必要であるという意識 事務局においては,職務に応じて担当者へ研究教育 が一部希薄である。また,事務局としては機関全体で 開発センターから説明を行っている。 公的研究費の適正な執行を確保するという意識が一 不正防止に対する意識を高める機会として説明会 での周知を今後も継続する。また,説明会に参加で きなかった研究者にも,必要に応じて個別説明を行 う体制を構築していく。 部希薄である。 公的研究費の運営・管理に関するすべての構成員 にコンプライアンス教育を実施し,受講者の受講状 況及び理解度を把握するとともに,誓約書等の提出 を求める。 また,学内メールシステムでの周知についても, 質問が多い項目については再度資料を検討し,公的 研究費についての意識向上を目指す。 2 公的研究費の管理・監査のガイドライン (4)告発等の取扱い,調査及び懲戒に関する規程の整備 及び運用の透明化 不正が発生する要因等 取り組みの現状 不正に関する取扱規程を制定しているが,これまで 「鹿児島国際大学における公的研究費の運営及び 今後の不正防止計画 現状の周知方法に加え,定期的開催される教授会 不正が行われていないことから,調査等の実施が行わ 管理に関する取扱い規程」により,不正に関する適切 等の研究者がより多く出席する場を活用して周知 れていないため認知度は低い。 な対応仕組みを設けており,これらを説明会やホーム し,認知度を高めていく。 ページ・学内メールシステム等で周知している。 第3節 不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策定・実施 (1)不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策 「鹿児島国際大学における公的研究費の運営及び管理 定 に関する取扱規程」を制定し,不正防止計画の推進を担 各種説明会・ホームページ・学内メールシステム 等において,より丁寧な説明と注意を喚起する。 当する部署を明確にしている。 不正発生要因を具体的に把握し,不正防止計画を策定し ている。 (2)不正防止計画の実施 不正防止計画を策定し実施している。 引き続き,不正防止計画の進捗状況の確認と見直 しを行う。 第4節 研究費の適正な運営・管理活動 (1)予算の執行状況の検証 ●予算執行の特定の時期への偏り。 研究者自身は,研究教育開発センターへ確認し,予算 ・年度末にどうしても予算執行が偏る研究者がいる。 の執行状況を確認している。 また,研究教育開発センターは,著しく予算執行が遅 3 研究者と研究教育開発センターの両者で,定期的 に予算執行・取引状況を把握するように努める(例 えば,半期ごとに予算執行・取引状況について確認 れている研究者や,予算未執行の研究者を確認した場 し合い,今後の計画を見直すなど,より定期的な方 合,適切な予算執行を行うよう促している。 策を実施する) 。 公的研究費の管理・監査のガイドライン (2) 発注・検収業務 不正が発生する要因等 取り組みの現状 ●取引に対するチェックが不十分(事務部門の取引記 研究者による物品等の発注は,あまり一回の発注にお 今後の不正防止計画 事務局において,研究者からの発注によって取引 録の管理や業者の選定・情報の管理が不十分) いて大きな取引が生じないようにという観点から5万 のある業者については,金額等を記録するように ●同一研究室における,同一業者,同一品目の多頻度 円未満に限ってさらに認めている。 し,特定の業者に偏りがないか確認する。 取引,特定の研究室のみでしか取引実績のない業者や 事務局からの発注は,特定の業者へ発注が偏らないよ また,研究者からの発注について,単に取扱業者 特定の研究室との取引を新規に開始した業者への発 うに,特に5万円未満の物品等の発注については,立て を多く知らず,特定の業者に偏る可能性も十分考え 注の偏り。 続けに発注がなされないように注意している。 られるので,事務局からも取扱業者の紹介を行い, ・金額によっては(5万円未満の物品等) ,研究者が 特定の業者への発注が偏らないように努める。 業者に直接発注を行うことができる。研究者と業者が なお、前年度における取引業者のうち、取引金額 密接な関係になり,場合によっては癒着が起こる可能 が多い上位 10 社については、誓約書を徴取するよ 性がある。 うにして、業者への牽制を高める。 ●データベース・プログラム・デジタルコンテンツ作 検収担当である総務課職員立会いの上で,契約書・仕 成,機器の保守・点検など,特殊な役務契約に対する 高度な専門知識を有しないと確認が難しい場合, 様書等をもとに確実な検収業務を行うようにしている。 第三者的な立場にある専門家等へ検収を依頼する。 検収が不十分。 ●検収業務やモニタリング等の形骸化 物品の納品の確認については,金額にかかわらず全て 総務課が検収を行っている。また,大型品や,設置工事 が伴う物品については,直接設置場所に出向いて検収を 行っている。 ●業者による納品物品の持ち帰りや納品検収時にお 内部監査部門の特別監査にて,物品等の現物確認を行 ける納品物品の反復使用。 っている。 監査以外においても,研究教育開発センターの抽 出による抜き打ちの現物確認(研究内容との整合性 など)を行う。 ●データベース・プログラム・デジタルコンテンツ作 検収担当である総務課職員立会いの上で,契約書・仕 成,機器の保守・点検など,特殊な役務契約に対する 高度な専門知識を有しないと検収が難しい場合, 様書等をもとに確実な検収業務を行うようにしている。 第三者的な立場にある専門家等へ検収を依頼する。 検収が不十分。 ●検収業務やモニタリング等の形骸化 物品の納品の確認については,金額にかかわらず全て 総務課が検収を行っている。また,大型品や,設置工事 検収するが、事後抽出による現物確認など必要に応 が伴う物品については,直接設置場所に出向いて検収を じて実施する。 行っている。 4 今後も金額にかかわらず全ての物品を総務課が 公的研究費の管理・監査のガイドライン (2)発注・検収業務 不正が発生する要因等 取り組みの現状 ●業者による納品物品の持ち帰りや納品検収時にお 内部監査部門の特別監査にて,物品等の現物確認を行 ける納品物品の反復使用。 っている。 ●個人依存度が高い、あるいは閉鎖的な職場環境(特 物品の検収については、総務課が行っているが、特定 定個人に会計業務等が集中、特定部署に長い在籍年 の個人に対して検収を依頼せず、総務課全体で行ってい 数、上司の意向に逆らえないなど)や、牽制が効きづ る。 今後の不正防止計画 監査以外においても,研究教育開発センターの抽 出による抜き打ちの現物確認を行う。 今後も検収担当を特定の個人が行うことがない よう、総務課全体で業務を行う。 また、発注から支払伝票・振込伝票等の作成にい らい研究環境(発注・検収業務などを研究室内で処理、 発注・予算管理(研究費専用の通帳管理含む) 、支払伝 たるまで、大半が研究教育開発センターで行ってい 孤立した研究室など) 票・振込伝票等の作成については研究教育開発センター るが、今後外部資金獲得が増加するのも視野にい で行っている。 れ、複数の部署で包括的管理を行うことも検討し、 特定部署への業務集中がないように心掛ける。 (3)研究者の出張計画の実行状況等を把握する体制 ●出張の事実確認等が行える手続が不十分(二重払い ○出張許可申請書を提出。 や用務先への確認など) 研究と出張の関連性を明確に記述 り) ・宿泊先(宿泊を伴うもの)での証明書を提出 ・直接、用務先または宿泊先への事実確認は行ってい ・研究打合せの場合は、相手方の所属・氏名を記入(ま してもらうよう所定の書類を配付する。 ないため、事実確認が不十分といえる。 たはそれらを記載した資料添付) 、開催案内等を添付。 ・学会出張等の場合は、開催要項(写)添付、研究と学 会の関連について記述(またはそれらを記載した資料添 付) 。 出張に伴う関係書類 ・航空券,宿泊パックの金額・利用日・便名等がわかる 予約確認票(メール含む) ・見積書・請求書等。 ○出張報告(記録)書の提出 ・用務の概要と研究の関連等について記述( 「用務の具 体的内容・訪問先・面談者(所属・職・氏名)等」を明 記。 ・研究打ち合わせ等の場合,成果物が生じた場合はそれ を添付。 出張に伴う関係資料 ・学会出張等の場合は,開催要項や当日配付された資料 を添付。 ・航空機の利用や宿泊を伴うものは,航空会社・旅行会 社の領収書等(出張申請時に提出している場合は除く) 。 5 より事実確認の徹底を図るため、用務先(日帰 その他、必要に応じて事実確認を強化する(事務 局による用務先・宿泊先への直接確認など) 。 公的研究費の管理・監査のガイドライン 不正が発生する要因等 取り組みの現状 (3)研究者の出張計画の実行状況等を把握する体制 今後の不正防止計画 ・用務地における領収書等 ・航空機を利用した場合は,搭乗券(半券) ※搭乗券を紛失した場合は,搭乗証明書を提出。 ・その他,用務地へ行ったことが証明できるものがあ る場合は可能な限り提出。 (4 事務補助職員(パート)・臨時職員(アルバイト)の管理 第5節 ●非常勤雇用者の勤務状況確認等の雇用管理が研究 原則,出勤表の管理は担当研究者が行っている。 業務終了後,業務を行った複数人と面談を行い, 室任せ。 研究者は,その日の勤務が終わる都度,必ず本人に出勤 勤務実態の検証を行うことを検討する(業務を行っ ・学外での雇用を行う際に,事務局による出退勤確認 表へ記入した業務内容等の確認をさせた上で押印させ た者が1人の場合は,研究者とも面談を行い業務の ができないため,勤務実態の把握がしづらい。 ている。 検証する) 。 情報発信・共有化の推進 (1)相談・通報窓口 「鹿児島国際大学における公的研究費の運営及び管 通報者の保護の観点から,学外に通報窓口を置くこ ため,場合によっては情報の漏えいがないか心配する 現状では,相談・通報窓口が学内設置となっている 理に関する取扱い規程」で研究教育開発センターを相 となども今後検討していく。 ものがいる可能性もある。 談窓口に規定している。 「鹿児島国際大学における公的研究費の運営及び管 理に関する取扱い規程」及び「鹿児島国際大学におけ る公的研究費の不正行為に関する通報窓口規則」で通 報窓口,受付体制等を定め,ホームページ・学内メー ルシステムで公表している。 (2)情報公開 本学ホームページにおいて公開しているが,情報公 開している頁が見つけにくいという声がある。 本学研究者・事務職員に対してはホームページに加 担当部局と相談し,できるだけ目につきやすいと えて,学内メールシステムにおいても公的研究費に関 ころにバナー表示をするなど,より工夫していく。 する諸規程およびそれに伴うルール等を公開してい る。 第6節 モニタリングの在り方 内部監査の実施体制 ・納品後の物品等の現物確認が少ないので,取引業者 ・納品後の物品確認については,科研費の特別監査に ・納品後の物品等の現物確認数を増やす,抜き打ち の持ち帰りがないか心配される。 て選定された課題について定期的に行っている(1件 での確認を監査項目に追加するなど,状況に応じて 程度) 実施する。 ・取引業者の帳簿との突合は行っていないため,研究 ・現状では取引業者と帳簿の突合までは行っていな ・取引金額の大きい業者については,帳簿の突合を 者または業者による書類の改ざんが行われていない い。 今後検討し,不正な取引の実態がないか確認するこ か確認する手段が少ない。 とを検討していく。 6
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