平和と民主主義を脅かす「安全保障関連法案」に反対し

2015 年 7 月 15 日
内閣総理大臣
安倍晋三殿
生活クラブ生活協同組合
理事長
清水
泉
平和と民主主義を脅かす「安全保障関連法案」に反対します。
私たち生活クラブ生協(埼玉)は、埼玉県内で活動している組合員数約 3 万人の生活協同組合です。
私たちは、持続可能な社会を創るために、FEC自給圏(食糧・エネルギー・ケアを自給する暮らしと地域)づ
くりを実践していく事を活動の基本にしています。
その活動の前提となっているのが、
「平和と民主主義」がある社会です。命を脅かされない平和があり、一人
一人の意見が尊重される民主主義があって初めて、自分たちの社会を、自分たちで形づくっていくという「未来
を創る活動」に取り組むことができます。
私達は、命と暮らしを脅かし、平和主義を基本原理とする国の在り方を左右する「安全保障関連法案」に反対
します。
7 月 15 日に行われた衆議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」に置いて、内閣より
提出された「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び
国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案」(以
下「安全保障関連法案」という)が可決されました。引き続き国会での採決に付される予定となっています。
この安全保障関連法案は、日本国民が誇りとし、国際社会の中で日本が特別な存在として信頼を得てきた基盤
のひとつである憲法 9 条「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争
と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」に反する
ものと考えます。
平和主義を基本原理とする憲法が、
「この 70 年の間、戦場において一人も殺さず、一人も殺されなかった国」
日本を作りました。我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増しているからこそ、「それでも平和主義を
守る特別な国であり続けるのか」という国民的な論議がなされるべきです。「武力によって抑止力を高める」こ
ととなる安全保障関連法案は、かえって戦争へのリスクを高めると考えます。
この間の安全保障に関する論議のあり方は、
「平和と民主主義」に対する脅威だと言わざるを得ません。以下の
理由により、生活クラブ生活協同組合は、安全保障関連法案に反対します。
・憲法解釈を政府が恣意的に変更することは、立憲国家としての民主主義の基本を脅かします。
・集団的自衛権の行使は、戦争への参加につながり、国民の命をかえって危険にさらします。
・憲法 9 条にある、戦争放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を否定するもので憲法違反です。
・戦後築き上げてきた平和国家としての国際的な信用を失います。
豊かな未来を創る活動に、安心して取り組める社会を私たちは望みます。国民と政府が一体となって、平和と
民主主義がいきづく国家として、国際的な信用を守り続けていきたいと考えます。