付属文書 6 - 独占禁止法および知的財産の相互関係に関する指針 1.1 知的財産法は、知的財産の所有者に、一定の排他的独占権利を付与する。排他的なライセンスは、そのよう なものとして裁判で支持されている。それにもかかわらず、知的財産法に関する一定の行為には、独占禁止法により 保護できることや保護していることに対して、反競争的な作用がある。 1.2 多くの場合、単に一方的にライセンス許諾を拒絶することは、独占禁止法の違反にはならない。しかしながら、ラ イセンス許諾を一方的に拒絶することが、関係のある市場、または個別の市場において支配力を実現または維持す る取り組みの一部である場合には、独占禁止法の問題が発生する可能性がある。 1.3 ライセンス許諾を一方的に拒絶することとは対照的に、ライセンス許諾を共同で拒絶することは、違法行為とみ なされることがある。言い換えると、ライセンス許諾に関する意思決定は、競合他社と連携または共同して行わず、独 立して行う必要がある。 1.4 数量制限、管轄区または顧客制限、現場使用の制限などのライセンス許諾の条件は通常は許容されるが、ラ イセンスが存在する前からあった競争を防止または排除するためにそのような制限が用いられると、独占禁止法に抵 触することがある。当事者が競合他社である場合、またはこれらの制限が市場での顕著な支配力と組み合わさる場 合は、そのライセンス許諾の制限が独占禁止法を遵守していることを確証するための厳密な審査を行う必要がある。 1.5 非知財の場合と同様に、抱き合わせ販売は、特定の状況において違法となることがある。特に、販売者が抱き 合わせ製品の市場において支配力を有する場合には、独占禁止法に抵触するリスクがある。ただし、特許ライセンス (または特許取得済み製品)が存在するということが、必ずしも、ライセンサー(販売者)がその抱き合わせ製品の 市場で支配力を持つという意味にはならない。 1.6 抱き合わせの特許ライセンスは通常、それが合意事項である場合には支持されるが、ラインセンス許諾が、抱き 合わせの受け入れを強制するものであれば、独占禁止法上の懸念を生むことがある。 1.7 複数の特許権所有者がその特許を共同でライセンス許諾するという同意(特許プール)の場合は、競争促進 的とみなされることがよくある。例えば、特許プールを使用して、ライセンス許諾に関連する取引コストを削減し、特許 侵害訴訟を回避する明確な立ち位置を持ち、補完的技術を統合することができる。ただし、特許プールにお互いに 置き換えられる技術を包括する特許が含まれている場合には、独占禁止法に抵触する。そのような場合のプールは、 特許所有者間の競争を排除するやり方となることがある。 1.8 知財契約に関するいかなる話し合いであっても、法務部に通知する必要があり、そのような話し合いは、法務部 との密接な協議の上で実施されなければならない。 1.9 これらの指針は、「独占禁止法規程」(以下、「規程」)を支持するものである。規程に示される通り、従業員 には、本指針と独占禁止法に背いて行動する権利は一切ない。 1 Flint Group: Annex 6
© Copyright 2024 ExpyDoc