戦争法(安保法制) 廃止をめざす あらたな運動への期待と連帯の決意 わ れ わ れ日 本 科 学 者会 議 東 京支 部 は 本 年 6 月 8 日に 安 倍 自公 政 権 によ る 「戦 争 法 案」に 反 対 する 常 任 幹事 会 声 明 を発 表 し た。こ の 間 、若者 、女 性、 学 者 を は じめ 国 民 各 階 層 か ら「 戦 争法 案 」へ の反 対 の 声が 上 がり 、全 国 各 地 で反対運動が空前の規模で広がった。そして、国会審議が進めばすすむほ ど国 民 の「 戦 争法 案 」へ の反 対 は 広が り 、今 国会 で 採 決す べ きで な い とい う 声は圧倒的多数となった。しかし、こうした多くの国民の反対の声を無視 して 、「 戦 争 法 案 」 は 9 月 19 日 未明 に 参議 院 で 強行 採 決 さ れた 。 「 戦争 法 」の 危険 な内 容 は 国会 審 議 を 通じ て ま すま す 明 白 とな っ た 。第 一 にそれは日本国憲法に明白に違反する。とりわけかつての侵略戦争への痛 苦の反省にたち第9条に結実した日本と世界の平和に対する貢献への決意 に真 っ 向 から 背 く も ので あ る 。第 二に「 戦争 法 」が 定 める 集 団的 自 衛 権行 使 は、日本の安全を守るどころか、日本をアメリカ合衆国の戦争戦略に組み 込み、アメリカ合衆国につき従って世界中の戦場にかり出す 危険なもので あ り 、ま た 平 和を 願 う諸 国 民 にも 背 く も の で あ る 。そ して 第 三に は「 戦 争 法 案 」採決 に 至 る安 倍 自公 政 権 の 民 主 主 義 蹂躙 で あ る 。国会 審 議を 通 じ て「 立 法事 実 」の 根 拠を 失 い 、答弁 不 能 に陥 り なが ら 、国 民 の間 に 広が っ た 疑念 に 応え る こ とな く 、対 米約 束 を 最優 先 し て 法案「 成 立 」を 強 行 した こ と は、安 倍政 権 の 民主 主 義 に 敵対 す る 姿勢 を あ ら わに し た もの で あ る 。 この 暴 挙 に対 し て、国民 の 怒 りは 収 ま る こと は な く、 「戦 争 法は 廃 止 しよ う」、 「 安 倍政 治 を 許 すな 」、 「 戦争 法 案 を 許し た 議 員は 忘 れ な いぞ 」 「 野 党は まとまって頑張れ」などの声はますます強まり、新たな運動への発展を求 めている。 わ が 国 日本 は 、国 の基 盤 で ある 立 憲 主 義 、民主 主 義 、平和 主義 の 重 大な 危 機にさらされている。これを打開するために、戦争法廃止の一点で野党が 一致協力し、これに幅広く国民も合流して国会で多数を占め、立憲主義と 民主主義を取り戻すことが求められている。そうした大きな展望にたった 新たな運動がいま始まりつつある。われわれ日本科学者会議東京支部はこ のあ ら た な運 動 へ の 強い 期 待 と支 持 を 表 明す る も ので あ る 。 安倍 政 権が 10 月 1 日発 足 さ せた 防 衛 装 備庁 は 、武 器 の 輸出 や国 際 的 な共 同開 発・生 産を 推 進 し 、米 軍 と の軍 事 協 力 の 深 化 、日本 の 軍 事産 業 の 強化・ 育成 を 狙 いと し て お り 、ま さ に「戦 争 法 」体制 と 一体 で あ る 。軍事 生 産・軍 事技術の基盤強化を狙って大学や研究機関を軍事研究へ動員していること は重大である。それは「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決 意の 表 明」 (日 本 学 術会 議 第 6 回 総 会、1950 年)を はじ め と する 日 本 学術 会 議の数々の宣言や,多くの大学・研究諸機関がこれまで表明してきた平和 宣言や研究倫理規定を乱暴に踏みにじるものである。これを許さないたた かいは、戦争法廃止を求める国民的運動と大きく連帯 し交流することが求 めら れ て いる 。 われ わ れ 日本 科 学 者 会議 は ,日 本の 科 学 の進 歩 と 平和・独 立・民主 主 義・ 人びとの生活向上のために,科学を正しく発展させ,自らの社会的責任を 果たすことを会則に掲げている研究者の集団として、 戦争法を廃止し立憲 主義と民主主義を取り戻したいと願う国民諸階層と連帯し、あらたな運動 の 発 展 の ため に 奮 闘 する こ と を声 明 す る もの で あ る 。 2015 年 10 月 4 日 日 本 科学 者 会 議東 京 支 部 幹事 会
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