カブトガニの活動周期に与える昼夜サイクルと潮汐サイクルの影響

カブトガニの活動周期に与える昼夜サイクルと潮汐サイクルの影響
海洋動物行動学研究室
6310082
水田啓介
【目的】多くの生物は生活環境の周期的な環境変化に同調するための体内時計をもって
いる。この体内時計によって引き起こされる活動周期には、昼夜サイクルに同調する
24 時間周期や、潮汐サイクルに同調する 12.4 時間周期などがある。本研究の対象種で
あるカブトガニは、昼夜サイクルと潮汐サイクルの影響を受ける沿岸域に生息する。そ
のため、カブトガニの活動周期はこの 2 つの環境サイクルの影響を受けることが予想さ
れる。本研究では、昼夜サイクルのみの条件と、昼夜サイクルと潮汐サイクルの影響を
受ける条件で、カブトガニの活動周期と日周性を比較した。
【方法】昼夜サイクルのみの条件(11 個体)と昼夜サイクルと潮汐サイクルの影響を受
ける条件(21 個体)で加速度ロガーを装着して、カブトガニの活動を調べた。1 分ごとに
前後方向の加速度を記録し、行動を活動と休息に 1 分間隔で分類した。また、1 時間以
上の休息が見られた後の最初の活動を活動開始とし、この活動開始から次の活動開始ま
での時間を活動周期とした。また、1 時間ごとの活動頻度を昼夜で比較し、活動の日周
性(昼行性・夜行性)を調べた。活動周期と日周性を条件間で比較し、環境サイクルの
与えるカブトガニの活動への影響を考察した。
【結果】昼夜サイクルのみの条件では全ての個体が 24 時間の活動周期を示し、昼行性
と夜行性の個体がともに見られた。昼夜サイクルと潮汐サイクルの条件では、24 時間
と 12.4 時間の活動周期が見られた。24 時間の活動周期がみられた個体は、すべて夜行
性だったが、12.4 時間の周
期がみられた個体には周期
性がみられない個体も含ま
れた。また、いずれの活動
周期でも昼行性の個体は見
られなかった。
表.飼育条件ごとの活動周期と、昼行性と夜行性の個体数
昼夜のみ
日周性
24時間周期 12.4時間周期
昼行性
7
0
夜行性
1
0
日周性なし
3
0
昼夜+潮汐
24時間周期 12.4時間周期
0
0
7
11
0
3
【考察】カブトガニの本来の生息環境である昼夜と潮汐サイクルの条件では、24 時間
あるいは 12.4 時間の活動周期を示し、多くの個体が夜行性の特徴を示した。しかし、
潮汐サイクルが影響しないとすべて 24 時間の活動周期を示し、昼行性と夜行性の個体
がともにみられた。よって、昼夜サイクルはカブトガニの活動を同調させる環境要因で
はなく、昼夜サイクルのみの条件ではカブトガニは内因性の活動周期を示していたと考
えられる。これらのことから、カブトガニの活動は、潮汐サイクルによって同調し、さ
らに昼夜サイクルと同調することで、夜間の満潮時に活動するという野外での活動を示
すのだと考えられる。
瀬戸内海に生息するカブトガニの遺伝的多様性の評価
海洋動物行動学研究室
6311066
堀之内依莉
【目的】カブトガニ Tachypleus tridentatus は、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅰ
類に指定されており、全国的に個体数が減少傾向にある。本種の生息地の一つである笠
岡市でも、1966 年から 1990 年に行われた大規模な干拓により個体数が激減した。その
ため、笠岡市では 1995 年以降、山口県で捕獲した成体の移入放流と、山口県由来の成
体を使って人工的に繁殖させた幼生の放流を行ってきた。その結果、2011 年以降、笠
岡市周辺海域では、個体数は増加傾向にある。これまで瀬戸内海のカブトガニの遺伝的
多様性の詳しい研究は行われてこなかった。そのため、現在、笠岡周辺海域に生息する
カブトガニが、在来の個体由来なのか、山口県からの放流個体由来なのかは定かではな
い。本研究では、瀬戸内海集団の遺伝的多様性を評価し、笠岡集団の由来を考察した。
【方法】岡山県笠岡市(n=31)と倉敷市水島(n=1)、備前市久々井 (n=1)、日生町(n=1)、
山口県上関町(n=1)で捕獲したカブトガニ成体計 35 個体の血液を採取し、DNA を抽出し
た。また、山口県山口市(n=8)と平生町(n=22)の DNA 試料(西田伸博士・宮崎大より提供)
も分析した。
以上の DNA 試料から、
ミトコンドリア DNA の AT-rich 領域(Control region)
の 641bp の塩基配列を解読し、ハプロタイプを決定した。Nishida et al. (2009)は、
本研究で解析した領域を含む塩基配列(369bp)から、AT1-AT7 までの 7 つのハプロタイ
プを報告している。本研究では、より広い領域の塩基配列を解読することで、AT1 を異
なる 5 タイプ(以下、AT1-1~5 とする)に類別することができた。よって、本研究では、
AT1-1~5 を含むハプロタイプの構成を調査地ごとに調べた。また、サンプルサイズの
大きい笠岡と平生集団の遺伝子多様度と塩基多様度を算出し、遺伝的多様性を集団間で
比較した。
【結果】各地域のハプロタイプの構成をみると、
AT1 は全ての地域で見られたが、AT4 は笠岡のみ
で見られた(図)。また、AT1 の中で AT1-3 は久々
井を除くすべての地域で見られ、山口、上関、
水島、日生では AT1-3 のみ見られた。AT1-1 は
笠岡と久々井で、AT1-2 は平生と笠岡で見られ
た。AT1-4、AT1-5 は笠岡でのみ見られた。遺伝
子多様度、塩基多様度ともに、平生(0.403、
0.00063)より笠岡(0.738、0.00191)で高かった。
【考察】九州集団(日本海側・瀬戸内海側)でカブトガニのハプロタイプを比較した結果
(Nishida et al. 2009)、九州(日本海側)集団では、本研究で見られなかったハプロタ
イプ(AT2,3,6,7)がみられた。また、本研究の結果は、九州(瀬戸内海側)集団の結果
(AT1,4 のみで構成)と類似した。よって、瀬戸内海集団は九州(日本海側)集団より遺伝
的多様性は低く、九州(瀬戸内海側)集団と同程度の多様性があると考えられる。しか
し、本研究で、AT1 を 5 タイプに類別した結果、遺伝子組成は瀬戸内海の集団間で異な
った。笠岡集団では、AT1-2,3 が半数を占め、放流元と考えられる山口、平生集団に見
られない 4 つのハプロタイプ(AT1-1,4,5、AT4)がみられた。しかし、笠岡より東に位置
する久々井でも AT1-1 が見られた。以上の結果は、笠岡集団には、放流元の山口県の集
団とは異なる在来あるいは他地域から移入した個体が存在することを示唆している。
山口県上関町宇和島における
オオミズナギドリの親鳥の帰巣頻度と雛の成長
海洋動物行動学研究室
6311011
上田健悟
【目的】オオミズナギドリは日本近海の離島で繁殖する海鳥である。雌は 6 月下旬に 1
つの卵を産む。その後、雌雄は交代で抱卵し、孵化した雛に雌雄が交代で餌を与える。
瀬戸内海で唯一の本種の繁殖地である山口県上関町宇和島では、2010 年から 2014 年ま
で繁殖状況が継続してモニタリングされている。その結果、巣立つ雛の割合(繁殖成功
率)が他地域に比べ著しく低いことが分かっているが、原因は明らかでない。親鳥が頻
繁に帰巣することにより、抱卵中のつがい相手への負担の軽減、雛への給餌量の増加や
雛の防衛へとつながることが予想される。そのため、本研究では、親鳥の帰巣頻度が繁
殖成功率と関係があるか検証した。
【方法】2010 年から 2014 年の 5 回の繁殖期で、宇和島で繁殖するオオミズナギドリの
巣穴を定期的に観察した。抱卵期(6 月~8 月)に親鳥が巣穴にいるか、育雛期(8 月
~11 月)に雛は生存しているかを毎月確認した。孵化からの経過日数を雛の推定日齢
とし、推定日齢における雛の生存率の推移を各年で調べた。雛数は、各年で推定 40 日
齢まで減少したが、その後推定 70 日齢までは安定した。このことから雛が推定 70 日齢
まで成長した場合を繁殖成功、その間に雛が消失・死亡した場合を繁殖失敗とし、繁殖
成功率を調べた。また、抱卵期と育雛期の親鳥の帰巣状況をデータロガーで記録した。
毎日の帰巣の有無を調べ、抱卵期と育雛期での帰巣頻度(帰巣日数/各時期のロガー記
録日数)を算出した。雛の成長段階による生存率への影響を調べるため、育雛期を 3 ス
テージ(初期、中期、後期)に区切り、U 検定を用いて各時期で繁殖成功親と繁殖失敗
親間で帰巣頻度を比較した(図)。
【結果】帰巣頻度は、すべての時期で統計的な差は認められなかった(p>0.05)。しか
し、抱卵期、育雛初期、育雛中期で繁殖成功親の帰巣頻度が繁殖失敗親より高く、育雛
後期では失敗親で高い傾向がみられた。
【考察】繁殖成功親と繁殖失敗親では、帰巣頻度には大きな差はなく、失敗した親も成
功した親と同程度の帰巣を行っていた。よって、繁殖が失敗した要因には、両親の帰巣
頻度が直接影響しているのではなく、周辺環境の餌資源の分布や繁殖地での雛の捕食な
どほかの原因が大きいのではないかと考えられる。
山口県上関町宇和島におけるカラスバトの鳴き声の季節変化
海洋動物行動学研究室
6311009
稲野碧
【目的】カラスバト Columba janthina は環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定
された希少鳥類である。本州中部以南の 14 島嶼で繁殖が確認されており、瀬戸内海で
は、山口県上関町周辺の 3 島(牛島、宇和島、天田島)でのみ繁殖が確認されている。
カラスバトは、警戒心が強く観察が難しいため、これまで詳しい生態の調査はほとんど
行われていない。本研究では、瀬戸内海の繁殖地で最も生息密度が高いと考えられる宇
和島で本種の鳴き声を年間を通じて録音した。その鳴き声の季節変化から、宇和島にお
けるカラスバトの生息状況と繁殖状況について考察した。
【方法】2013 年 10 月~2014 年 10 月、山口県上関町宇和島にタイマー付 IC レコーダ
ーを設置し、毎日 30 分間録音した。音声解析ソフトを用い、音声スペクトルと声紋を
表示して、鳴き声を構成する 1 つの声紋をノート(素音)に区別し、ノートの形状でノ
ートタイプを分類した。分類したノートタイプごとに一時間あたりのノート頻度を 10
日間隔で算出し、鳴き声頻度とした。また、音声だけでは、カラスバトがいない時期を
推定できないと考え、地上に設置したセンサーカメラの映像からカラスバトが撮影でき
た日数を 10 日間隔で算出した。
【結果】鳴き声頻度、9 月~10 月に高く、11 月~
4 月にかけて徐々に低下した。4~8 月はほとんど
鳴き声は記録されなかった。ノートタイプは A、B、
C の 3 タイプに分けられた。ノートタイプの頻度
は、3 タイプは共通して、9 月~10 月に高く、ノー
トタイプ B は 1~3 月に、ノートタイプ C は 1 月
で頻度が高かった。映像記録は周年でカラスバトが
撮影され、撮影日数は 12~4 月および 9 月に多く、
5~8 月および 10 月、11 月に少なかった(図 1)
。
【考察】映像の記録から、すべての月でカラスバトが確認できたが、鳴き声頻度は季節
的に大きく変動し、高い時期(9~12 月)と低い時期(4~8 月)があった。また、映像
記録から本種が周年で宇和島に生息していると考えられる。撮影日数が多い時期(12 月
~4 月・9 月)と鳴き声頻度が高い時期は完全には一致しないため、鳴き声頻度の変動
は個体数の増減によるものではないといえる。多くの鳥類で、鳴き声は繁殖の機能をも
つことから、この鳴き声の季節変化は本種の繁殖行動と関係があると考えられる。2014
年 1 月の調査でカラスバトの産卵を確認したことから、本種の繁殖期を求愛期(~12
月)、産卵期(1 月)
、育雛期(2 月~)と推定した。これと鳴き声の季節変化を比較す
ると、カラスバトは求愛期に 3 タイプのノートで最もよく鳴き、産卵期にはあまり鳴か
なくなる。産卵期は特にノートタイプ B・C を用いなくなる。育雛期に入ると 3 タイプ
のノートで再び鳴き始め、雛が巣立つ 4 月以降はほとんど鳴かなくなると考えられる。
鳴き声の季節変化は、カラスバトの繁殖状況を特定する一つの指標になるといえる。
岡山県笠岡湾周辺におけるナルトビエイの遊泳行動
海洋動物行動学研究室
6311038 品川憲良
【目的】ナルトビエイ Aetobatus narutobiei は、5 月頃に瀬戸内海沿岸に出現し、水
温低下とともに沖合に移動し、11 月以降に外洋へ出る季節回遊を行う。瀬戸内海の沿
岸から沖合、そして外洋へと移動するにつれて、ナルトビエイの遊泳行動が変化するこ
とが考えられる。本研究では、データロガーを用いて沿岸から沖合へと移動するナルト
ビエイの行動を記録し、利用海域の水深による行動様式の変化について考察した。
【方法】2014 年 7 月~8 月に岡山県笠岡湾でナルトビエイ 2 個体(エイ 1,2)を捕獲し、
深度(1Hz)と加速度(16Hz)を記録するデータロガーを装着した。加速度から胸鰭のは
ばたきを検出し、深度変化とはばたきの有無から、行動を以下の 6 タイプ:
「上昇」
「潜
行(はばたき有の下降)
」
「滑空遊泳(はばたき無の下降)」
「表層遊泳」
「底層遊泳」
「休
息」に分類した。24 時間中の各行動タイプの時間割合を算出し、カイ二乗検定を用い
て個体間で比較した。また 1 回の上昇と滑空遊泳の継続時間、上昇開始時の深度(利用
深度)を算出し、U 検定を用いて個体間で比較した。
【結果】各行動タイプの時間割合は個体間で有意な差があった(図 1: P<0.05)
。上昇
時間の割合には個体間で大きな差が見られず、滑空遊泳と潜行時間の割合には大きな差
が見られた。両個体ともに、滑空遊泳の時間割合が最も高かったが、エイ 2 の方が高い
割合を占めた。休息を除く遊泳時間の割合は、両個体ともに 95%を越え、遊泳中は上昇
と滑空遊泳を繰り返した。1 回の上昇時間は個体
間(エイ 1:16.7±11.5s、エイ 2:17.5±13.1s)
で有意な差がなかった(P=0.20)。滑空遊泳時間
は、エイ 1(16.0±17.1s)よりエイ 2(42.0±
57.3s)の方が有意に長かった(P<0.05)。また、
上昇開始深度は、エイ 1(4.4±2.3m)より、エ
イ 2(8.9±5.3m)の方が有意に深かった(P<0.05)。
【考察】両個体ともほとんどの時間を、はばたきを伴う上昇と、はばたきを伴わない滑
空遊泳を繰り返して遊泳した。底層での休息を行わなくても、滑空遊泳が休息の役割を
果たすことで、24 時間のほとんどの時間を泳ぎ続けることができると考えられる。ま
た、最大利用深度はエイ 1 が約 11m、エイ 2 が約 35m だった。このことから、エイ 1 は
笠岡湾内に留まり、エイ 2 は笠岡湾外へ移動したと考えられる。湾外へ移動したエイ 2
は、深い深度まで滑空遊泳することで、滑空遊泳の継続時間が長く、時間割合が増えた
と考えられる。以上の結果から、ナルトビエイは深い水深の海域を利用するほど、滑空
遊泳の時間割合を増やして、より効率の良い遊泳を行っていると考えられる。
広島県江田島市におけるクロダイの採餌行動
海洋動物行動学研究室
6311070
又吉悠太
【目的】広島湾では魚類による養殖マガキの食害が頻発している。その原因種としてク
ロダイが挙げられている。これまでに超音波発信器を用いた研究から、カキ筏周辺に生
息するクロダイは主に昼に活動することが明らかになった。しかし超音波発信器を用い
た研究では、クロダイの詳細な行動を調べることはできない。そのため、昼の活動時に
採餌しているという証拠はない。本研究では、データロガーを用いて、カキ筏に生息す
るクロダイの詳細な行動を記録し、採餌が起こる時間帯を特定した。さらに採餌行動と
遊泳行動の関係を調べ、クロダイの採餌生態について考察した。
【方法】広島県江田島市のカキ筏にて、2014 年 6 月に 4 個体(fish1~4)
、9 月に 4 個
体(fish5~8)の計 8 個体に加速度データロガーを装着し、72 時間~120 時間後に回収
した。加速度データから尾鰭運動と体軸角度を算出した。尾鰭運動から 2 秒間隔で遊泳
行動を定義し、1 時間ごとの遊泳時間を算出した。また、体軸角度の変化から採餌行動
を定義し、30 分ごとに採餌行動が見られたかどうかを確認した。1 時間あたりの遊泳時
間を U 検定を用いて、採餌行動が見られた時間帯をカイ 2 乗検定を用いて昼(5 時代~
18 時代)と夜(19 時代~4 時代)で比較した。また、各個体で 1 時間あたりの遊泳時
間と採餌頻度の相関関係を調べた。
【結果】遊泳時間は 6 月の 4 個体、9 月の 2 個体で昼に長く、9 月の 1 個体では夜に長
かった(図左)
。採餌行動は 9 月の 2 個体でのみ昼に多く見られ、その他の 6 個体では
昼夜で有意な差は見られなかった(図右)
。また、遊泳時間と採餌頻度には、6 月の 1
個体でのみ負の相関がみられたが(r=-0.285,P<0.05)、その他の 7 個体では関係はみら
れなかった(P>0.05)。
図.クロダイの遊泳時間(左)と採餌頻度(右)
。
(*:P<0.05、灰色は夜間を示す。
)
【考察】8 個体中 7 個体で遊泳時間と採餌頻度に関係がみられず、1 個体で遊泳時間が
長い時に逆に採餌頻度が低下した。このことから、活動時に採餌するわけではないと考
えられる。6 個体で遊泳時間が昼に長く、昼行性の活動周期を示した。しかし、採餌行
動は昼夜で差がみられず、夜にも採餌した。以上の結果から、カキ筏周辺に生息するク
ロダイは、昼夜ともに採餌するが、昼は広範囲を回遊しながら餌を探索し、夜は狭い範
囲にとどまり採餌していると考えられる。