-心室期外収縮と心室細動 で再び観察される再現性

-心室期外収縮と心室細動
で再び観察される再現性は低かった 。 一方、 連発性
心室期外収縮とは、心室が基本の収縮リス‘ムより
も早期に興 奮 する不整脈をいい、
P 波のりスムが変
の心室期外収縮では、 2 回目以降の検査 で 、 非常に
高い再現性が認められたという 。
わらない状態で、変形して幅の広い QRS 波が基本
のリズムよりも早期に出現する ( 図 1) 。 基本リスム
.運動突然死
の QRS 波と期外収縮の QRS 波の間隔を連結期とい
人のスポーツ医学では、運動中の突然苑の原 因 の
うが、この連結期の長さが異なり 、 QRS 波の形が
ひとつとして、運動により誘発される致死的 な不整
異なる期外収縮が認められる場合は、異なる部位か
脈の関与が指摘されている 。 競走馬においても、 運
ら異所性の刺激が発生している可能性がある 。 この
動中の突然死のうち、病理解剖により死因が明 らか
ような場合には、期外収縮の QRS 波がT波の近傍 に
に されたものの多くは心臓血管系の病変によるも の
onT現象を起
だといわれ てい る 。 競馬の際に起こ っ た心臓突然死
起こる可能性が高まり、いわゆる R
こすことで、最終的に心室細動に至ることがある 。
心室頻拍は 、 変形した幅の広い QRS 波 が 連 続 発
と思われる 268例についての詳細な検証成績による
と、 心不全力、"16例 、 心肺不全が 21列、肺不全が 11 例、
生して頻拍を呈する状態をいい、心室頻 拍 が持続性
肺出血が 50例、肺塞栓が 1 例の合計80例 (30%) が心
に認められる場合は、心室細動に移行する可能性が
肺機能の不全によるものであった。その他の原因で
あり、きわめて危険な不整脈 である 。 心 室 細動とは 、
多いのは、肺外の血管破裂によるものであり、 24例
心室の興 奮 のまとまりがなくな り、 心室が細 かく震
に認められている。しかしながら、この報告で検証
えるような状態をいう 。 心臓のポンプ機能は失われ、
されているのは病理解剖により死因を説明できる何
致死的な不整脈である。心室細動力、発症した場合、
らかの病変が検出された例である。病変が見出せな
人間では除細動器 (AED) により細動を除去できる
い例も多く、これらの苑因については、致苑性不整
こともあるが、馬の場合はほぼ不可能である。
脈が関与していたのではないかと考えられている。
.運動中の不整脈
ラブレッド 2歳馬で、致死性不整脈が発生する瞬間
JRA においてレ
JRA において、プアパフオ一マンスを示した馬や
心房細動既往馬など合計 12μ4 i1頭貢について運動負荷心
スに向けたトレーニンク中のサ
の心心、電 図かが今記録されたこと力がγ ある。この症例では、
卜レ一ニング終了直 f後量に突然死したが、心電図記録
電図記録を行つた成績をみると、運動により誘発さ
では、心室期外収縮か
れた不整脈はいずれも心室期外収縮であり、 6
倒
4頭
心室細動が発生していた。
(51.6%) に認められたという。発生の時期をみると、
ウォ
ミンクアップの常歩時に 5例、速歩時 lこ 31列、
ギャ口 y プ走行中に 8例の発生がみられた c 最も多
かったのが 、
クーリンクダウン中 で ギ ャ ロ ッ プ終 了
後3分以内に 45例が発生し、そのうち 36例は 1 分以内
に発生していた。 45例のうち 16例は運動中 に も発生
しており、運動後のみに認められたのはお例 であ っ
すべての例で再検査を行うことができたわけではな
いが、単発性の心室期外収縮では 2 回目以降の検査
企図 1
刷
源性の散発22例、多源性8例、連発性6例であ っ た 。
l
ー申
た 。 心室期外収縮の出現状況は、単発性が25例 、 単
心室期舛収縮。正常なリズムによる ORS 波 (A) が
定の間
隔であらわれているなかで、幅が広く形の異なる ORS 波(日)が早期
に出現している x の長さを連結期という。