根 面 被 覆 Root Coverage Procedure

根 面 被 覆
Root Coverage Procedure
Coronally Advanced Flap
Free Connective Tissue Graft 歯肉退縮部位の診査項目
l 歯肉退縮量
l 退縮している歯の数
l 口腔前庭の深さ
l 角化歯肉の幅
l 歯間乳頭
l 歯列不正
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術式選択のための難易度評価
l 歯肉退縮量
0: 歯肉退縮がない
1: 3mm以内の退縮
2: 3mm以上の退縮があるがMGJまで達していない
3: MGJまで達している
l 退縮している歯の数
0: 退縮歯なし
1: 1歯
2: 2〜3歯
3: 4歯以上
3
術式選択のための難易度評価
口腔前庭の深さ
0: 十分な深さがある
1: やや浅い
2: 浅い
3: 極めて浅い
l 角化歯肉の幅
0: 十分な幅がある
1: 3mm以上
2: 3mm以内
3: 全くない
4
術式選択のための難易度評価
歯間乳頭
0: 十分満たされている
1: わずかに喪失している
2: 半分程度喪失している
3: 完全に喪失している
l 歯列不正
0: 正 常
1: 軽 度
2: 中等度
3: 重度の歯列不正
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根面被覆の代表的術式
l モディファイドランガーテクニック(Modified Langer Technique: MLT)
l 歯冠側移動術(Coronally Avdanced Flap: CAF)
l 両側歯肉弁移動術(Double Pedicle Graft: DPG)
l 歯肉弁側方移動術(Laterally Advanced Flap: LAF)
l エンベロープテクニック(Envelop Technique: Envelop)
l トンネルテクニック(Tunneling Technique: Tunnel)
これらは基本的に結合組織移植を伴う
その他
l  遊離歯肉移植術
l  GTR法
l  エムドゲイン
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Millerの分類
Maynardの分類
松井徳雄,瀧野裕行,宮本泰和
根面被覆術のテクニックを学ぶ
the Quitessence 2007
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CAF+FCG+EMD症例
l 患者:今〇 ゆ〇り
l 年齢:43歳
l 主訴:歯根露出を治したい。矯正科からの紹介
l 全身状態等特記すべき事項はない
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CEJから6mm退縮、幅は5.5mm
治療術式の選択
Miller class: 2
審美的部位での歯根露出
歯列不正:やや唇側に移動
1歯に限局した歯根露出
露出歯根の幅が5.5mmと範囲が広い
露出歯根の高さが6mmと深い
→Modified Langer Technique,Double Pedicle Graft, Envelop Techniqueは困難
歯間乳頭が高い位置にある
→Laterally Advanced Flapは困難(12からなら持ってこれるかな?)
口腔前庭の深さは中程度
辺縁歯肉に若干の角化歯肉が残存
→Coronally Avdanced Flap + Connective Tissue Graft
安全のためにEMDの併用
本文タイトル
隣接歯の歯肉の高さを基準に歯根被覆の量を決める
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歯冠側に引き上げる歯肉弁と、引き上げた歯肉弁を設置する部位を決定する。
角化歯肉の不足
ルートプレーニングを行うと共に、唇側に移動した歯根をなるべく平坦にする。
水平切開はbeveled incision、歯頸部はポケット内切開
縦切開は骨膜に達する切開を加える。
粘膜骨膜弁で剥離
歯冠側に移動する歯肉弁を受けるベッドの作製のため、上皮のみを切除する。
上皮のみ切り取り、結合組織を露出させる。
減張切開を加え、歯肉弁にテンションがかからないようにする。
歯肉弁にかかるテンションは極力少なくする。4g以下が望ましいとされる。
Pini Prato G, Pagliaro U, Baldi C, et al. Coronally advanced flap procedure for root coverage. Flap with tension versus flap without tension: A randomized controlled clinical study. J Periodontol 2000;71:188-­‐201. 結合組織の採取サイズの型紙を取る。カバーしたい範囲の2倍以上を基準とする。
口蓋の厚さの確認と,採取部位を決定する。
3mm程度の口蓋の厚みを確認
移植部に角化歯肉が僅かしかないため上皮つきの結合組織片を採取する。
まず、深めの切開(点線)を入れ,次いで浅めの切開(実線)をいれて欲しい
結合組織量を決め。
最後に口蓋から切り離す。
EMDの塗布
ファイリーズ(EDTA)で
根面処理2分間
その後、生食にて水洗
結合組織片の固定
吸収性の糸で固定する。結合組織の固定がしっか
りしないと不成功に終わる。
結合組織を固定したら、歯肉弁を歯
冠側に移動させて縫合する。
歯根を覆いたい部位より、2mm歯冠側にまで歯肉弁を引き上げることで、確実な
根面被覆が行えるという報告がある。
Pini Prato GP, Baldi C, Nieri M, et al. Coronally advanced flap: The post-­‐surgical posiMon of the gingival margin is an important factor for achieving complete root coverage. J Periodontol 2005;76:713-­‐722. 抜糸時(1週後)
創を保護するプロテク
トシーネを作製してお
くと患者さんは食事等
に痛みが少ない。
2週後
1週後
2週後
4週後
術前
エンベロープテクニック
(Envelop Technique: Envelop)
Miller Class 4
歯槽骨の欠如、歯周ポケットが6mm程度あり、本来の適応外
この部のプラークコントロールが不良のため根面被覆処置を行うこととした
角化上皮の欠如があり、上皮つきの結合組織の採取を行う。
エンベロープの作製。メスで切開を入れトンネリング用のインスツルメンツあるいは
薄い平型の剥離子で結合組織の移植床を作製する。粘膜骨膜弁でも粘膜便でも
良い
上 皮
結合組織は少なくとも欠損部の2倍以上、形成した軟組織ポケット内に入ること。
プラークの沈着は減少しプラークコントロールが行いやすくなった。