地域から愛され、地域に必要とされる団体を目指して

理事長所信
一般社団法人蒲郡青年会議所
理事長
2016 年度
小田
泰久
自覚者が責任者
~総働で考働し、まちに波紋を起こせ!~
総働とは・・・共通の目標の実現の為に、責任と役割を共有・分担し、ともに汗をかき、
成果を共有する「協働」を青年会議所のみならず、地縁団体や市民団体、事業者、金融機
関、行政、学校などの多様な主体と行う事を言います。
考働とは・・・共通の目標の実現の為に、指示を受けて動くのではなく、自発的に考え、
やるべきことを明確にして行動し、内発的動機づけに基づいてチームとして働きかける事
を言います。
はじめに
1957 年 5 月 15 日、承認番号 112 番、県下で 5 番目に蒲郡青年会議所は誕生しました。戦
後の復興が進む中、会社と家族を守りながら、明るい豊かなまちの実現に向けて早い段階
から動き出した先輩諸兄の弛まない努力と志の高さに、心から敬意を払わなければいけな
いと思います。
そして 60 年という歴史の上に今自分たちがいる事がどういった事なのかを自覚し、責任
を持って時代に合った暮らしを実現し続ける為に、我々が執らなければならない行動とは
何かをこの節目の年で考える必要があると思います。
我がまち「がまごおり」の発展を永続的なものにする為に、青年としての「英知」と「勇
気」と「情熱」を持って、多様な主体と共に考え行動し、まちに波紋を起こそうではない
か。
<多様な主体による市民総働のまちづくり>
まちづくりとは、「ひとづくり」と「しごとづくり」であると私は考えます。「ひとづく
り」は、まちの課題に対しどれだけ自分ごとに考え、そして行動に移すかという意識の変
革を指します。時代も大きく変わり、まちづくりを行う団体は多様になってきました。特
定非営利活動法人や地域課題をビジネスの視点で解決に導くソーシャルビジネス、社会起
業家として働く人々も増えてきた昨今、蒲郡青年会議所ならではのまちづくりをしなけれ
ば意味がないと思います。また「しごとづくり」は、雇用の創出も課題としてありますが、
一番大切なことは、各団体、市民に対し責任とそれぞれの役割を明確にする事だと考えま
す。
共通の目標を持つ方、そうでない方を同じ方向へ導く意識の変革の場と、目指すべき方
向性やそれぞれの役割を明確にする場が必要です。それぞれの多様な主体が、一丸となっ
て得意な部分を活かしながらまちをつくっているという誇りと達成感を創造する事が大切
です。そこからどのまちでも課題として挙げられている担い手不足の解消、人財の育成へ
とつなげていきたいと思います。
これからは、市民、まちづくり団体、企業、行政それぞれの役割を明確にし、新たなま
ちづくりのスタイルを創り出して、それぞれが対等なパートナーとして協働していく必要
があります。多様な主体と協働するキーパーソンとして地域を引っ張っていけるのは、ま
ちづくり団体として 60 年の実績がある蒲郡青年会議所にしかできないと思います。
<社会・対人関係の向上を中心とした人間力の開発>
私が考える人間力は、「コミュニケーションスキル」、「リーダーシップ」、「公共心」、「規
範意識」「他者を尊重し切磋琢磨しながらお互いを高め合う力」そして「フレンドシップ」
です。その人間力を蒲郡青年会議所メンバーが身に付け、お互いを知る事から始める、「組
織力の向上」と責任を分かち合う仲間の形成を目的とした「エンゲージメントレベルの向
上」が今の組織に必要であると考えます。社会(まち)を変えたければ、まずは自分を変
え、大人が変われば子どもが変わり、子どもが変われば未来が変わるという考えのもと、
事業を進めます。
自分が若い頃、世界を変えたいと思ったが変えられなかった。
仕方がないので今度は英国を変えようと思ったが、やはり駄目だった。
もっと歳をとってから今度は自分の住んでいる町を変えようと思った。
だけどやはり町も変えられなかった。
もっともっと歳をとってから、仕方がないので自分の家族を変えようと思った。
だがやっぱり家族を変えることもできなかった。
もう寿命が残り少なくなってようやく気が付いた。
もし、自分自身が変わることができていたら家族は変わっていただろう。
家族が変われば、その協力を得て少しは町を変えることができたかもしれない。
町が変われば町の人たちの協力を得て、少しは世界を変えられたかもしれない。
英国国教会大司教の言葉
また、蒲郡青年会議所には 30 年継続する、青少年の人間力育成を目的としたわんぱく相
撲があります。国技である相撲を通じ、礼儀や節度を学ぶ数少ない機会を有効的に活用し、
子どもたちの健全育成に蒲郡青年会議所が率先して行動する事で、経済人が行う青少年育
成の必要性を蒲郡近郊の企業へも社会貢献として意識の変化を促してほしい。理解が広が
ればそれもまた、意識の変化に繋がり、人間力の開発に繋がるはずです。
<会員相互による会員拡大>
社会(まち)を変えるには当事者が変わらないといけないが、その当事者の人数が多け
れば多いほど、意識の変革(ひとづくり)に向け大きな波及力があります。その仲間を増
やすにも、少数より大人数の方がより影響力があります。まずは全会員がなぜ会員拡大が
必要なのか、正しい情報と目的を学ぶ事が必要であると考えます。
組織を維持する為に会員を拡大するのではなく、蒲郡を永続的に発展するまちにする為
に、一人でも多くまちの将来を考えて行動できる市民を増やす事を第一に考えてほしい。
次になぜ自分が青年会議所に入会して現在活動をしているのかを今一度振り返ってもらい
たい。そこにこの組織の魅力が詰まっているはずです。青年会議所自体を認識していない
方も多く見える中、しっかりと相手にこちらの想いを伝え、我々の活動・運動に共感を持
って頂けるようにメンバー全員が意識を持ってほしい。入会という結果にとらわれがちに
なりますが、新たに青年会議所を知って頂く、興味・関心を持って頂くなど、少しの意識
の変化を持って頂くだけでも、今後につながる将来を見据えた行動として積極的に行って
ほしい。
そして拡大委員会が中心となり、常に情報の発信と進捗状況の確認、把握、会員候補者
となる情報を会員相互の力により集め、会員の拡大がまちづくりの第一歩であるひとづく
りに繋がる事を全員がきちんと認識したうえで行動をして頂きたいと思います。その為に
私も率先して働きかけます。やりましょう、全員で。皆さんの情報と人脈をフル活用して
一人でも多くの仲間と共に将来の蒲郡を担う人財を発掘しましょう。
<60 周年という節目を全員参画で「おもてなしの蒲郡」を未来に>
愛知ブロック協議会で名古屋、一宮、豊橋、瀬戸に次ぐ 5 番目に蒲郡青年会議所は誕生
しました。先輩諸兄の弛まない努力と志の高さにより、蒲郡が発展し、今日に至る事が当
たり前ではなく感謝の気持ちを込めて振り返る必要があると思います。その組織に属して
いる以上、会員全員が 60 年という歴史を認識し、今置かれている状況そしてこの先の未来
を創る事を自覚する場として記念式典を開催します。
時代の流れはめまぐるしく、10 年前では考えられない事が今では起こり得ています。こ
の 60 周年という節目を 10 年後の蒲郡を考える絶好の機会と位置付け、メンバー全員参画
で執り行いたいと思います。そして、2012 年に主管した第 45 回愛知ブロック会員大会から
言われている「おもてなしの蒲郡」を実践し、今まで蒲郡青年会議所を支えてきた先輩諸
兄、関係諸団体、東三河 4JC をはじめとする県内 32 会員会議所メンバーの皆さんに、おも
てなしを体感して頂こう。その自信が蒲郡青年会議所の未来を創ると確信しております。
おわりに
私が師と仰ぐ、社会福祉法人 GLOW 理事長の北岡賢剛氏から教えて頂いた言葉で、社会福
祉の父と呼ばれる故糸賀一雄氏の「自覚者が責任者」という言葉があります。「まちの課題
に気づいているのであれば、率先して解決に向けて行動する事が重要である」という意味
が含まれています。
60 年という節目に今までの歴史とこれからを見据える中で、青年会議所のリーダーとし
てメンバー自身が自分の役割を自覚し、責任者として活躍できる人財の育成を実践してい
く為にスローガンとして「自覚者が責任者」を掲げさせていただきました。私自身がこの
まちの将来を創る責任者であると自覚し、意識を変え邁進して参りますので 1 年間ご支援
ご協力の程よろしくお願い致します。
自覚者が責任者
総働で考働し、まちに波紋を起こせ!
事業方針
起・・・組織力の向上及びメンバー同士の関係性の構築を踏まえた人間力の向上
なぜ会員拡大が必要なのか、共通目的をもった会員相互の会員拡大活動
承・・・多様な主体と市民と共にまちの未来を考え役割を明確にする学びの場の構築
転・・・全員で 60 年の歴史を振り返り、将来を考え、おもてなしの実践を行う記念式典
青年会議所が率先し、企業を巻き込んだ青少年育成のわんぱく相撲
多様な主体と市民と共に創り上げる達成感と誇りを体感する記念事業
結・・・1 年を振り返り、会員相互で学び将来に向けた役割を認識する訓練講座