ミニアルバム『わたしのいた場所』ライナーノーツ ライナーノーツというと、僕の大好きなある日本人ミュージシャンが、おそらく、 世界で一番素晴らしいものを書いていて(世界中のライナーノーツを読んだわけで はないが)、いざ自分が書こうとすると、その貧困なボキャブラリーと文章の稚拙 さ(まどろっこしさ)が嫌になって書く手がどうにも進まないのだけど、挨拶とこ のCDを手にとってくれた人への感謝と、僕が思う音楽のことの一つや二つは述べよ うと思います。 はじめまして、『みみみレコーズ』といいます。「み」という人が曲を作り(また は演奏し)「くちくち」という人が絵を描いています。そのほかにも歌詞を書いて くれた人や、ジャケット作りを手伝ってくれた人がいます。 僕たちの目標は昨今のジェイ・ポップス界のあるシーンを角材でシバき倒すことで すが、ある人は僕の曲を「渋谷系っぽくて好き!」とか「おしゃれ!」と言うし、 またある人は「難しい」とか「何がしたいの(笑)」と言いうので、常にシバき倒 される可能性のある僕らと倒すべき相手の性質や向かう方向がどう違うのか、と か、そもそも渋谷系はきっと10年前くらいにはシバき倒されていたし、何かと悩み は尽きません。でも、僕が出来ること、やるべきことは、これまでの人生の音楽の 蓄積を自分の中でミックスさせて全く新しいものを生み出すことです。バッハやド ビュッシーにはなれないけど、そういった開拓者たちのアティテュードを見習っ て、どうにか強く活動をしていきたいと思います。 ところでこのアルバムはぜひ、くちくち先生の絵を見ながら聴いてほしい。別に絵 になぞって曲を書いたりはしていないけれど、彼と僕の好みが共有されている点 (顎の丸い女の子とか)や、デジタルではない、テクスチュアの感じられる絵は、 僕がこのアルバムで目指した音作りとは決して無関係ではないのです。 最後に、このアルバム制作に関わってくれた全ての人に感謝します。本当にありが とうございました。そしてこのCDを聴いてくれた人が一曲、いや、一音でも気にい る場所があることを願います。 みみみレコーズ代表 み 1
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