「地域」が生まれる原点

「地域」が生まれる
地域」が生まれる原点
」が生まれる原点
①「実存」的
実存」的欲求
」的欲求
★人間は,帰属する「場所」なしでは生
きられない。
・人が生きるためには,周囲の空間=環
境を秩序立てて,その中に自らの居場所
を定めることが必要。
・またそれは,現実の状況の中に自分で
自分を位置づけるという意味で,「実存」
的欲求でもある。
・個人の存在の基盤としての空間を,主
体的なかかわりの中で構造化して生ま
れる空間を「実存空間」と呼ぶ。
※このスケールでは「地域」よりも「空間」がfit
②「自然環境」への適応
自然環境」への適応
・人間は周囲の自然に適応しつつ,そこ
から生活資源を獲得し,その結果として
自然を作り変えて「環境」化しながら生
きる存在。
・地表上の自然には違いがあるため,
人間の環境適応と資源獲得の様式=
「生活様式」にも違いが生じ,それが多
様な文化景観に表出し,目に見える「地
域システム」の外見的様相を生み出す。
・こうした個人的・集団的な地域・空間は,
日々の仕事や生活の無意識的な「背景」の
部分を構成していることが多い。
・また,無意識が長期にわたる間の近代化の
中で忘却された「古い様式」や伝統文化を
構成しているもの場合が多い。
⇒ 「民俗(族)学」が関心対象とする事象
にかかわるものが多い。
・地域形成のもう1つの原点 … 大災害の経験が語るもの
・経験と歴史の共有
共有は,普段は意識されなくても,自分が直接経験
共有
しなくても,地域感情の醸成や地域づくりの理念を探求する際の
原点,シンボル,つまり「よりどころ」となる。
構図
○現代社会の基本制度 … 経済原理
○「上」からの「まとまり」契機
経験 ・
歴史の共有
・それは,周囲の空間に「意味」を付与し,
自分にとって「構造化」=「システム化」
するという基本的・本能的欲求でもある。
・個人の安全に直接かかわる家族や町内・
集落といった「基礎集団」のレベルでも,そ
れと同種の,「状況にあわせた住民の主体
的かかわり」から生み出された「空間」のシ
ステム化がみられる。
⑤経験・歴史
の共有
・行政 … 管理,サービス
・計画 … 専門的個人や集団
○「下」からの「まとまり」契機
・実存欲求 … 空間・環境への意味付与,構造化
・集団 … 意味の共有,集団的構造化
・しかし,個人や集団の平常が脅かさ
れた時,その場所や地域からの「疎外」
となって表出する。
③経済原理
経済原理
・現代の資本主義社会においては,
社会的事象の多くは,経済競争の
原理を無視しては成立が難しい。
⇒ 現代(近代以降)の「地域」の変
化や形成のあり様=「地域システ
ム」は,好むと好まざるとにかかわら
ず,また知らず知らずのうちに,「経済
原理」に影響されている。
④制度・計画原理
・しかし現代社会においても,「地域」事象のすべてが「知らず知らず」のう
ちにできるわけではない。それどころか,完全に自由な競争の中で「地域」
が生まれるというケースは,むしろ少ない。
・そこには,経済競争を誘導したり枠づけたりする法律や条例などによる
「規制」が介在する。
・そのため,「規制」に関する専門知識を身に付けた官僚,専門家,専門企
業が,周到に「計画」して作り出す「地域」現象も少なくない。
★各原理は
からまりあって
地域の「まとま
り」現象とその
仕組み=「地
域システム」を
形成。
○自然的・土地的基盤
・「からまり」のあり様
⇒ 「地域性」