水の危機と現状

水 の 危 機と現 状
深刻な水危機に直面する
世界の多くの国々
日本で暮らしていると、水の危機を感じることはあまりありません。
しかし、世界規模で見ると、人口の増加や新興国の急激な経済成長 、都市化によって、
水需要の増加や水の汚染が問題になっており、中には国際紛争にまで至る地域もあります。
この深刻な水危機を乗り越えるための対策が 、これからの大きな課題なのです。
氷河等
1.76%
地下水
0.76%
河川・湖沼等
0.01%
となる予測がされています。2050 年までには、その数は
54カ国にまで上昇し、世界の人口の約40%に当たる40
億人もの人々が、水ストレスもしくは水不足に直面すること
が懸念されています。
地球上で使える
水の割合
淡水 2.53%
海水等
0.01%
97.47%
人間にとって、
「水の問題」
とは?
深刻なのは、まず第一に
「飲み水の問題」です。安全な水
※出典:国土交通省
「平成 25 年度版 日本の水資源」
地球上で使える水の割合は、わずか 0.01%
にアクセスできない 人 が 世 界では 9 億 人もいるという
現実があります。(アクセスとは、WHO が定義したもので、
1km 以内に1人 1日20リットルの水を確保できる場所が
あるという目安 。)しかし、安全な水の確保というのは 、
地球上にある水は約 14 億 km 。そのうちの約 97.5%
単純に
「命」の問題だけを解決するだけではありません。
は海水です。淡水はたった 2.5%程度しかありません。
水へのアクセスが改善した地域では、子供たちの就学率が
しかも、その大半は氷や地下水なので、人間が容易に使え
改善されたり、女性の社会進出が促進されたりしています。
る水は全体のわずか 0.01%にしか過ぎません。
これは、
「水汲み」
という作業が大変な重労働であるから
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です。だからこそ、安全な水へのアクセスがない状態を 、
地球上の水問題 - その現状
解消する必要があるのです。飲料水がたやすく手に入る
社会が実現すれば、人々の命が救われるだけでなく、子供
2025 年までに、48カ国の 28 億人が、水ストレスまたは
たちの教育水準向上や 、女性の社会進出も促進され 、
水不足に直面すると予測されています。そのうちの40カ国
経済発展にもつながるのです。
は、西アジア地域、北アフリカ地域、サハラ以南のアフリカ
地域の国々です。今後 20 年間で、人口増加と水需要の
高まりにより、西アジア地域のすべての国々が水不足の地域
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※水ストレス:1人当たり年間使用可能水量が1700トンを下回り、
日常生活に不便を感じる状態のこと。
M E TAWAT E R C S R R E P ORT 2 0 1 5
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