市販直後調査 2015年8月~2016年2月 日本標準商品分類番号:87399 オフェブ適正使用ガイド 新発売 本ガイドでは、オフェブを適正に使用していただくため、投与対象患者の選択、投与方法、治療前から 治療中に注意すべき事項や、発現する可能性のある副作用とその対策について解説しています。 熟読の上、オフェブの適正使用の参考としてください。 【警告】 本剤の使用は、特発性肺線維症の治療に精通している医師のもとで行うこと。 【禁忌(次の患者には投与しないこと) 】 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある女性 [動物(ラット、ウサギ)を用いた生殖発生毒性試験で、催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が認め られている( 「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)] (2)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 012751-B 2015 年 9 月作成 はじめに ̶ 適正使用に関するお願い Contents 特発性肺線維症は病因不明の慢性かつ進行性の肺線維化を伴う、予後不良の疾患です。 治療の流れと注意事項 .......................................................................................................... 4 オフェブは、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)αおよびβ、線維芽細胞増殖因子受容体 製品概要 ................................................................................................................................... 5 (FGFR)1、2、3、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1、2、3 を標的とする、低分子チロシ ■ 警告 ................................................................................................................................... 5 ■ 禁忌 ................................................................................................................................... 5 ンキナーゼ阻害剤です。特発性肺線維症の病態に深く関与する線維芽細胞の増殖、遊走および 形質転換に関わるシグナル伝達を阻害します。 ■ 効能・効果........................................................................................................................ 5 ...................................................... 5 ■ 用法・用量(用法・用量に関連する使用上の注意) 本剤は、特発性肺線維症患者を対象とした第Ⅲ相国際共同試験(INPULSIS 試験)において、有 効性および安全性が確認され、2015 年 7 月に「特発性肺線維症」を効能・効果として承認され ました。 本ガイドでは、本剤をより安全にご使用いただくために、適正使用のポイントについてまとめまし た。日常のご診療や患者の指導にお役立ていただければ幸いです。 副作用に関連する注意事項(必ずご一読ください)........................................................ 7 主な副作用 ............................................................................................................................ 14 (1)肝機能障害 ................................................................................................................... 14 (2)下痢............................................................................................................................... 18 (3)悪心・嘔吐 ................................................................................................................... 22 注意すべき副作用 ................................................................................................................ 26 (1)血栓塞栓症 ................................................................................................................... 26 (2)消化管穿孔 ................................................................................................................... 29 (3)創傷治癒遅延 .............................................................................................................. 30 (4)出血............................................................................................................................... 31 (5)間質性肺炎 ................................................................................................................... 33 (6)顎骨壊死 ....................................................................................................................... 34 (7)重篤な皮膚障害 ........................................................................................................... 34 ご使用に際しての注意点 .................................................................................................... 36 Q & A..................................................................................................................................... 40 臨床試験の成績 .................................................................................................................... 44 ■ INPULSIS 試験(第Ⅲ相国際共同試験)の試験デザイン............................................ 44 ■ 試験結果 ........................................................................................................................ 46 監修: 吾妻 安良太 先生(日本医科大学 呼吸器内科学分野 教授) 参考資料 ................................................................................................................................ 50 井上 義一 先生(近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター長) ■ 投与前チェックリスト..................................................................................................... 50 ■ 適正使用情報のご提供について.................................................................................. 52 小倉 髙志 先生(神奈川県立循環器呼吸器病センター 副院長) 杉山 幸比古 先生(自治医科大学 呼吸器内科学講座 教授) ■ 厚生労働省特定疾患認定基準 ..................................................................................... 53 ■ 臨床試験時のモニタリングスケジュール .................................................................... 54 谷口 博之 先生(公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科 部長) 貫和 敏博 先生(公益財団法人結核予防会 常務理事) Drug Information ............................................................................................................. 56 本間 栄 先生(東邦大学医学部 内科学講座呼吸器内科学分野(大森) 教授) 50 音順 PDGFR:platelet-derived growth factor receptor(血小板由来増殖因子受容体) 、FGFR:fibroblast growth factor receptor(線 維芽細胞増殖因子受容体) 、VEGFR:vascular endothelial growth factor receptor(血管内皮増殖因子受容体) 2 3 治療の流れと注意事項 製品概要 本剤の使用に際しては、治療上の必要性を十分に検討の上、投与の可否を判断してください。 製品概要 ■ 警告 【警告】 本剤の使用は、特発性肺線維症の治療に精通している医師のもとで行うこと。 製品添付文書「警告」より ■ 禁忌 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある女性 [動物(ラット、ウサギ)を用いた生殖発生毒性試験で、催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が認 められている( 「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照) ] (2)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 製品添付文書「禁忌」より ■ 効能・効果 特発性肺線維症 製品添付文書「効能・効果」より ■ 用法・用量(用法・用量に関連する使用上の注意) 通常、成人にはニンテダニブとして 1 回 150mg を 1 日 2 回、朝・夕食後に経口投与する。 なお、患者の状態によりニンテダニブとして 1 回 100mg の 1 日 2 回投与へ減量する。 <用法・用量に関連する使用上の注意> (1)下痢、悪心、嘔吐等の副作用が認められた場合は、対症療法などの適切な処置を行ったうえ、 本剤の治療が可能な状態に回復するまでの間、減量又は治療の中断を検討すること。治療の 中断後再開する場合は 1 回 100mg、1 日 2 回から再開することを検討すること。患者の状態 に応じて 1 回 150mg、1 日 2 回へ増量することができる。再投与又は増量する場合は慎重に 投与し、投与後は患者の状態を十分に観察すること。 (2)AST 又は ALT が基準値上限の 3 倍を超えた場合は、本剤の減量又は治療の中断を行い、十 分な経過観察を行うこと。治療を中断し投与を再開する場合には、AST 又は ALT が投与前の 状態に回復した後、1 回 100mg、1 日 2 回から投与することとし、患者の状態に応じて 1 回 150mg、1 日 2 回へ増量することができる。再投与又は増量する場合には慎重に投与し、投 与後は患者の状態を十分に観察すること。 [ 「重要な基本的注意」の項参照] 製品添付文書「用法・用量」より 4 5 製品概要 副作用に関連する注意事項 ● 副作用による減量・中断基準 製品概要 ●オフェブの副作用 副作用がみられた場合は、対症療法に加えて、本剤の治療が可能な状態に回復するまで減量や 中断を検討してください。治療の中断後、本剤の治療を再開する場合は、1 回 100mg の 1 日 2 患者の状態を十分に観察してください。 な副作用は、下痢 342 例(53.6%) 、悪心 122 例(19.1%) 、肝酵素上昇 67 例(10.5%)および腹痛 65 例(10.2%)でした。 オフェブが投与された日本人症例 76 例における主な副作用は、下痢 51 例(67.1%) 、肝酵素上昇 21 1 回 100mg の 1 日 2 回投与に忍容性がみられない場合は、本剤の治療を中止してください。 下記の副作用への対処法は本冊子の該当ページをご参照ください。 例(27.6%) 、食欲減退 11 例(14.5%) 、悪心 9 例(11.8%)でした。 オフェブの主な副作用は「胃腸障害」であり、下痢、悪心・嘔吐などの消化器症状が発現することがありま す。また、肝酵素(AST、ALT、ALP、γ-GTP 等)およびビリルビンが上昇することがあります。 肝機能障害(8∼9 ページ参照) 下痢(10 ページ参照) オフェブは VEGFR 阻害作用を持つチロシンキナーゼ阻害剤です。VEGFR 阻害剤には特徴的な副作用が 悪心・嘔吐(11 ページ参照) 報告されています。VEGFR 阻害剤共通の副作用として、血栓塞栓症、消化管穿孔、出血、創傷治癒遅 延、顎骨壊死が発現する可能性があります。また、VEGFR 阻害作用を有する一部の薬剤では、癌患者を 対象とした臨床試験において、重篤な皮膚障害が報告されています。 参考 患者指導のポイント 特発性肺線維症患者を対象とした INPULSIS 試験では報告されていませんが、癌患者を対象とした本剤の 1回 1 カプセル 1日2回 朝・夕 臨床試験において、間質性肺炎の発現が認められています。 食後 コップ 1 杯の水 AST:aspartate aminotransferase(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ) 、ALT:alanine aminotransferase(アラニンアミノトラ ンスフェラーゼ) 、ALP:alkaline phosphatase(アルカリホスファターゼ) 、γ-GTP:gamma glutamyl transferase(ガンマグルタミル トランスフェラーゼ) それぞれの副作用に関する詳細は、製品添付文書および本冊子の該当ページをご参照ください。 ● オフェブの推奨用量は 1 回 150mg の 1 日 2 回です。 ● 朝・夕食後に服用してください。 ● コップ 1 杯の水で、噛まずに服用してください。 主な副作用 肝機能障害(14∼17 ページ参照) 下痢(18∼21 ページ参照) 悪心・嘔吐(22∼25 ページ参照) 注意すべき副作用 服用を忘れてしまった場合は、次に服用するスケジュール(朝または夕方)から 血栓塞栓症(26∼28 ページ参照) 1 回分を服用してください。 消化管穿孔(29 ページ参照) 2 回分をまとめて 1 度に服用しないでください。 創傷治癒遅延(30 ページ参照) 出血(31∼32 ページ参照) 間質性肺炎(33 ページ参照) 顎骨壊死(34 ページ参照) 重篤な皮膚障害(34 ページ参照) 6 7 副作用に関連する注意事項 回から再開することを検討してください。再投与または増量する場合は慎重に投与し、投与後は 1,061 例を対象とした INPULSIS 試験で、オフェブ 150mg 1 日 2 回を投与された 638 例における主 副作用に関連する注意事項 肝機能障害 必ずご一読ください ● AST および ALT 上昇に対する対処法 本剤の投与に伴い、AST、ALT が基準値上限の 3 倍を超えた場合は、本剤を減量または中断し、患者の AST、ALT、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあります。 本剤の投与開始前および投与中は必ず定期的に肝機能検査(AST、ALT、ビリルビン等) を行ってください。 ● AST または ALT に基準値上限の 3 倍を超える上昇が認められた場合は、「対処法(9 ペー 黄疸などの肝障害の徴候や症状が認められた場合には、本剤の投与を中止し、再投与は行わないでくだ さい。 AST および ALT 上昇に対する対処法 ジ) 」を参考に、本剤の減量・中断または投与を中止してください。 ●「倦怠感」 、「発熱」 、「黄疸」 、「悪心・嘔吐」 、「発疹」 、「かゆみ」などの症状があらわれた AST または ALT が基準値上限の 3 倍超に上昇 場合は、医療機関を受診するよう患者に指導してください。 肝障害の徴候や症状を伴わない 肝障害の徴候や症状を伴う INPULSIS 試験では、AST、ALT およびビリルビンが基準値上限の 1.5 倍を超える患者は除外されていま した。 オフェブによる 治療 ● 肝機能の検査 減量 1 回 100mg 1 日 2 回投与 中断 ならびに 注意深いモニタリング INPULSIS 試験では、本剤の投与開始から 6 週までは 2 週ごと、6∼36 週までは 6 週ごと、36∼52 週ま 投与中止 ならびに 注意深いモニタリング 再投与は 行わないで ください。 では 8 週ごとに肝機能検査を実施しました。 回復後 再投与※ 臨床的に 適切であれば再増量※ 本剤の投与前 ・ 本剤の投与開始前に、必ず肝機能検査(AST、ALT、ビリルビン等)を行ってください。肝機能障 害の程度を評価の上、本剤の投与の可否を判断してください。 ※ 再投与または増量する場合は 慎重に投与し、投与後は患者の状態を 十分に観察してください。 1 回 150mg 1 日 2 回投与 本剤の投与中 ・ 定期的な肝機能検査(AST、ALT、ビリルビン等)を実施し、注意深く観察してください。 ・ 来院時または臨床上の必要性に応じて検査を行ってください。 主な副作用 肝機能障害(14∼17 ページ参照) 肝機能障害のある患者に投与する場合 ・ 肝機能検査をより頻回に行うなど、肝機能障害の程度にかかわらず慎重に患者の状態を観察してく ださい。 ・ 中等度(Child-Pugh B)および高度(Child-Pugh C)の患者に対する本剤の安全性、有効性は使 参考 用経験がないため確立しておりません。 Child-Pugh 分類 スコア 1 2 3 総スコア クラス 重症度 脳症 ない 軽度 ときどき昏睡 5∼6 A 軽度 腹水 ない 少量 中等量 7∼9 B 中等度 血清ビリルビン(mg/dL) <2 2.0∼3.0 >3.0 10∼15 C 高度 血清アルブミン(g/dL) >3.5 2.8∼3.5 <2.8 プロトロンビン活性値(%) >70 40∼70 <40 Pugh RN. et al.: Br J Surg 1973; 60 (8) : 646-649. より改変 8 9 副作用に関連する注意事項 副作用に関連する注意事項 ● 状態を十分に観察してください。 副作用に関連する注意事項 必ずご一読ください 下痢 悪心・嘔吐 下痢は、INPULSIS 試験のオフェブ群において、最も頻度の高い副作用でした。 下痢に伴い、脱水、電解質失調、腎機能障害などの重篤な臨床経過をたどる場合があります。 ● 「対処法」を参考に、水分補給・電解質投与や止瀉剤の投与など、適切な処置を速やかに 悪心・嘔吐が発現した場合は、悪心・嘔吐に対する標準的な対症療法を行ってください。 ● 制吐剤の投与などの適切な対症療法を行っても症状が持続する場合は、本剤の減量・中断 または投与中止を考慮してください( 「対処法」参照) 。 行うとともに、本剤の減量・中断または投与中止を考慮してください。対症療法の施行後 も、重度の下痢が継続する場合には、本剤の投与を中止し、再投与は行わないでください。 本剤の投与に伴う下痢は、対症療法や本剤の減量・中断で、多くの場合は管理可能ですが、一部の患者 では投与中止に至ることがあります[INPULSIS 試験:4.4%(28 例 /638 例) ] 。 有害事象として発現した悪心・嘔吐の多くは軽度から中等度でしたが、一部の患者では投与中止に至るこ とがあります[INPULSIS 試験:悪心 2.0%(13 例 /638 例) 、嘔吐 0.8%(5 例 /638 例) ] 。 ● 対処法 悪心・嘔吐に対する、標準的な対症療法を行ってください。適切な対症療法の施行にもかかわらず、悪 ● 対処法 本剤の投与に伴う下痢は、通常、初回発現時にできるだけ速やかにロペラミドなどの止瀉剤による対症療 法を行うことによって、多くの場合は管理可能です。 適切な対症療法の施行にもかかわらず、下痢が継続する場合には、本剤の減量・中断または投与中止を 心・嘔吐が継続する場合には、本剤の減量または中断を検討してください。 高度の症状が継続する場合は、本剤の投与を中止してください。 悪心・嘔吐に対する対処法 考慮してください。 悪心・嘔吐の発現 対症療法にもかかわらず持続するような高度(重度)の下痢の場合は、本剤による治療を中止し、再投与 は行わないでください。 対症療法 制吐剤(ドパミン受容体拮抗剤、抗ヒスタミン剤等)などを投与 下痢に対する対処法 効果あり 下痢の発現 対症療法 効果あり オフェブによる 治療 効果不十分 継続 減量 1 回 100mg 1 日 2 回投与 1 回 150mg 1 日 2 回投与 10 継続 減量 1 回 100mg 1 日 2 回投与 中断 高度の下痢が継続 臨床的に 適切であれば再増量※ 臨床的に 適切であれば再増量※ 食事指導 オフェブによる 治療 補液や止瀉剤(ロペラミド等)を投与 高度の悪心・嘔吐が 継続 効果不十分 中断 回復後 再投与※ 回復後 再投与※ 投与中止 再投与は 行わないで ください。 投与中止 再投与は 行わないで ください。 ※ 再投与または増量する場合は 慎重に投与し、投与後は患者の状態を 十分に観察してください。 十分に水分を補給するように、指導してください。 下痢を悪化させる可能性のある食べ物や飲み物を避けるように、指導してください。 1 回 150mg 1 日 2 回投与 食事指導 ※ 再投与または増量する場合は 慎重に投与し、投与後は患者の状態を 十分に観察してください。 悪心・嘔吐を悪化させる可能性のある食べ物や飲み物を避けるように、指導してください。 主な副作用 下痢(18∼21 ページ参照) 悪心・嘔吐(22∼25 ページ参照) 11 副作用に関連する注意事項 副作用に関連する注意事項 ● ● 副作用に関連する注意事項 必ずご一読ください 血栓塞栓症 出血 血栓塞栓事象があらわれることがあります。 出血リスクを助長する可能性があります。 必ず血栓および心血管系リスクをご確認いただき、リスクの高い患者には、投与の可否を 副作用に関連する注意事項 副作用に関連する注意事項 ● ●「出血性素因がある」 、 「抗凝固剤治療を行っている」などの出血リスクを必ずご確認いただ 慎重に検討してください。 き、投与の可否を慎重に検討してください。 ● 本剤を使用する際は慎重に投与し、投与中は観察を十分に行ってください。 ● 出血が認められた場合は、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行ってください。 ● 血栓塞栓症の徴候がみられる場合は本剤による治療の中断を検討してください。 ● 胃腸出血 / 潰瘍の既往がある患者には十分に注意してください。 ● 対処法 ● 対処法 血栓塞栓症の徴候がみられる場合は本剤による治療の中断を検討してください。 出血が認められた場合は、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行ってください。 間質性肺炎 消化管穿孔 消化管穿孔があらわれることがあります。 ● 腹部の外科的処置の既往がある患者には十分に注意してください。 ● 胃腸出血 / 潰瘍の既往がある患者には十分に注意してください。 ● 本剤の癌を対象とした臨床試験で、間質性肺炎が認められています。 ● 本剤の使用中にみられる特発性肺線維症の悪化や進行と、薬剤性間質性肺疾患を判別する ことは困難であることから、本剤の投与中は患者の状態を注意深く観察してください。 ● 「息切れ、空咳の増強」 、 「発熱」などの症状があらわれた場合は、医療機関を受診するよう ● 対処法 患者に指導してください。 本剤投与中は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、内視鏡、腹部 X 線、CT 等の必要な検査を 行い、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。 消化管穿孔が認められた患者には、再投与しないでください。 ● 対処法 胸部画像検査や呼吸機能検査で急激な悪化等の薬剤性間質性肺炎の徴候がみられる場合は、本剤の投与 を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行ってください。 創傷治癒遅延 顎骨壊死 創傷治癒を遅らせる可能性があります。 ● 手術時は本剤の投与を中断してください。 ● 手術後に本剤による治療を開始するとき、または中断後に再開するときは、創傷治癒の適 切な診断に基づき判断してください。再開後は患者の状態を十分に観察してください。 異常が認められた場合は、本剤の投与を中断し、適切な処置を行ってください。 ● 本剤は VEGFR 阻害剤であることから、投与中は患者の状態に十分注意してください。 ● 対処法 重篤な皮膚障害 ● 注意すべき副作用 12 VEGFR 阻害剤において、顎骨やその他の骨壊死との関連性が報告されています。 異常がみられた場合は、本剤の投与を中断し、適切な処置を行ってください。 ● 対処法 血栓塞栓症(26∼28 ページ参照) 間質性肺炎(33 ページ参照) 消化管穿孔(29 ページ参照) 顎骨壊死(34 ページ参照) 創傷治癒遅延(30 ページ参照) 重篤な皮膚障害(34 ページ参照) 出血(31∼32 ページ参照) ● VEGFR 阻害作用を有する一部の薬剤では、癌患者を対象とした臨床試験において重篤な 皮膚および皮下組織障害の発現が認められています。 ● 本剤は VEGFR 阻害剤であることから、投与中は患者の状態に十分注意してください。 ● 対処法 異常がみられた場合は、本剤の投与を中断し、適切な処置を行ってください。 13 主な副作用 (1)肝機能障害 肝機能障害 INPULSIS 試験除外基準 INPULSIS 試験では、下記のような患者は除外されていました。 <用法・用量に関連する使用上の注意> (2)AST 又は ALT が基準値上限の 3 倍を超えた場合は、本剤の減量又は治療の中断を行い、十分な 経過観察を行うこと。治療を中断し投与を再開する場合には、AST 又は ALT が投与前の状態に回 ● AST または ALT が基準値上限の 1.5 倍を超える。 主な副作用 主な副作用 復した後、1 回 100mg、1 日 2 回から投与することとし、患者の状態に応じて 1 回 150mg、1 日 肝機能に関する除外規定 ● ビリルビンが基準値上限の 1.5 倍を超える。 2 回へ増量することができる。再投与又は増量する場合には慎重に投与し、投与後は患者の状態 INPULSIS 試験では、AST、ALT、ビリルビン値が基準値上限の 1.5 倍を超える患者は除外されてい を十分に観察すること。 たため、肝機能障害患者は少数例であり(軽度 4.7%、中等度 0%、高度 0%) 、肝機能障害のある患 [ 「重要な基本的注意」の項参照] 製品添付文書「用法・用量」より抜粋 者に対する有効性および安全性に、明確な結論は得られておりません。 Richeldi L. et al.: N Engl J Med 2014; 370 (22) : 2071-2082. 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) 1.発現状況 (1)肝機能障害のある患者 臨床検査値の評価について、INPULSIS 試験のオフェブ群において、AST および / または ALT が基準値上 [肝機能障害が悪化するおそれがある。中等度(Child Pugh B) 、高度(Child Pugh C)の肝機能 限 3 倍以上の上昇の発現率は、5.0%(32 例 /638 例)でした。日本人集団では、6.6%(5 例 /76 例)で 障害のある患者では使用経験がない。( 「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本 した。なお、INPULSIS 試験では、AST または ALT が基準値上限の 5 倍以上に上昇した場合は、本剤の 的注意」の項参照) ] 投与を中断しました。 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 表 INPULSIS 試験における肝酵素上昇(臨床検査値異常)の発現状況 全集団 2. 重要な基本的注意 症例数(%) (1)AST(GOT) 、ALT(GPT) 、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、 本剤投与開始前及び投与中は定期的に検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。肝機能障 オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) 日本人集団 プラセボ (n=423) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=76) プラセボ (n=50) AST 最大値 害のある患者に投与する場合は、肝機能検査をより頻回に行うなど、慎重に患者の状態を観察す ≧3ULN 21(3.3) 1(0.2) 4(5.3) 0(0.0) ること。 ≧5ULN 8(1.3) 1(0.2) 1(1.3) 0(0.0) ≧8ULN 4(0.6) 1(0.2) 0(0.0) 0(0.0) ≧3ULN 28(4.4) 3(0.7) 4(5.3) 0(0.0) ≧5ULN 10(1.6) 0(0.0) 2(2.6) 0(0.0) ≧8ULN 4(0.6) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) ≧3ULN 32(5.0) 3(0.7) 5(6.6) 0(0.0) ≧5ULN 14(2.2) 1(0.2) 3(3.9) 0(0.0) ≧8ULN 5(0.8) 1(0.2) 0(0.0) 0(0.0) 総ビリルビン最大値 ≧2ULN 3(0.5) 2(0.5) 0(0.0) 0(0.0) AST および / または ALT 最大値 ≧3ULN かつ 総ビリルビン最大値※ ≧2ULN 0(0.0) 1(0.2) 0(0.0) 0(0.0) 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 4. 副作用 (1)重大な副作用 ALT 最大値 AST および / または ALT 最大値 )肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を実施し 2)肝機能障害(0.9% 注 1): 観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中断し、適切な処置を実施すること。 [ 「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参照] 注 1)特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験 1199.32 及び試験 1199.34)の全体集団の発現率に基づく。 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 ※ 総ビリルビン増加は AST または ALT の増加から 30 日以内の発現とした ULN:upper limit of normal(基準値上限) 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] 14 15 主な副作用 (1)肝機能障害 2.発現時期 3.転帰 AST、ALT 上昇の発現は、特定の時点に集中する傾向は認められませんでした。 INPULSIS 試験において、本剤の投与と臨床上問題となる肝損傷の症状および徴候との関連は認められま せんでした。 重篤な肝酵素上昇として、日本人集団では入院が必要となった患者が 2 例認められましたが、多くの患者 表 INPULSIS 試験における AST、ALT 上昇の発現時期 全集団 オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) プラセボ (n=423) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=76) プラセボ (n=50) 表 INPULSIS 試験において有害事象として肝酵素上昇が認められた日本人集団での重症度、転帰 日本人集団 AST および / または ALT が基準値上限の 3 倍以上になるまでの期間、日数カテゴリー別※ 1 ≦21 日 症例数(%) 11(1.7) 0(0.0) − − >21∼≦42 日 4(0.6) 0(0.0) − − >42∼≦63 日 2(0.3) 0(0.0) − − 肝酵素上昇の発現例 15(2.4) 3(0.7) − − 重症度 − − 軽度 >63 日 イベントなし 606(95.0) 420(99.3) AST および / または ALT が基準値上限の 5 倍以上になるまでの期間、日数カテゴリー別 高度 >21∼≦42 日 3(0.5) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 転帰 >42∼≦63 日 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 回復 >63 日 8(1.3) 1(0.2) 3(3.9) 0(0.0) ※ 1 日本人集団での解析は未実施 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] 23(76.7) 4(100.0) 0(0.0) 0(0.0) 50(100.0) 4(100.0) 1(3.3) 0(0.0) 73(96.1) 30(100.0) 0(0.0) 0(0.0) 422(99.8) プラセボ (n=50) 6(20.0) 3(0.5) 624(97.8) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=76) 中等度 ≦21 日 イベントなし 主な副作用 主な副作用 症例数(%) で治療継続が可能でした。 日本人集団 28(93.3) 2(50.0) 未回復 2(6.7) 2(50.0) 回復したが後遺症あり 0(0.0) 0(0.0) 治療経過 中止・減量なし※ 2 25(83.3) 4(100.0) 試験薬の永続的な減量 3(10.0) 0(0.0) 試験薬の中止 2(6.7) 0(0.0) 重篤な肝酵素上昇 2(6.7) 0(0.0) 致死的な肝酵素上昇 0(0.0) 0(0.0) 入院が必要な肝酵素上昇 2(6.7) 0(0.0) 重篤な肝酵素上昇の割合 ※ 2 中断および一時的な減量を含む 16 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] 17 主な副作用 (2)下痢 1.発現状況 下痢 INPULSIS 試験のオフェブ群において、本剤の副作用として、下痢が 53.4%(341 例 /638 例)に認められ ました。日本人集団では、67.1%(51 例 /76 例)に認められました。 <用法・用量に関連する使用上の注意> (1)下痢、悪心、嘔吐等の副作用が認められた場合は、対症療法などの適切な処置を行ったうえ、本 剤の治療が可能な状態に回復するまでの間、減量又は治療の中断を検討すること。治療の中断後 表 INPULSIS 試験における下痢(副作用)の発現状況 主な副作用 1 回 150mg、1 日 2 回へ増量することができる。再投与又は増量する場合は慎重に投与し、投与 症例数(%) 後は患者の状態を十分に観察すること。 製品添付文書「用法・用量」より抜粋 オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) 下痢 日本人集団 プラセボ (n=423) 341(53.4) 46(10.9) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=76) 51(67.1) 主な副作用 全集団 再開する場合は 1 回 100mg、1 日 2 回から再開することを検討すること。患者の状態に応じて プラセボ (n=50) 5(10.0) 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] 4. 副作用 2.発現時期 (1)重大な副作用 :重度の下痢があらわれることがある。下痢症状がみられる場合は速やか 1)重度の下痢(3.3%注 1)) INPULSIS 試験のオフェブ群において、有害事象として下痢が認められた患者のうち、下痢の初回発現が に補液やロペラミド等の止瀉剤投与を行い、本剤による治療の中断を検討すること。これらの対 投与開始から 1ヵ月以内に認められた患者は 44.0%(175 例 /398 例) 、投与開始から 3ヵ月以内に認めら 症療法にもかかわらず持続するような重度の下痢の場合は、本剤による治療を中止し、再投与は れた患者は 67.1%(267 例 /398 例)でした。下痢の初回発現までの期間の中央値は 148 日でした。 行わないこと。 日本人集団では、初回発現が投与開始から 1ヵ月以内に認められた患者は 45.6%(26 例 /57 例) 、3ヵ月 [ 「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照] 以内に認められた患者は 61.4%(35 例 /57 例)でした。下痢の初回発現までの期間の中央値は 102 日で 注 1)特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験 1199.32 及び試験 1199.34)の全体集団の発現率に基づく。 した。 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 図 下痢(有害事象)の初回発現までの期間 下痢が認められなかった患者割合 (カプラン・マイヤー推定値) (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 プラセボ オフェブ 150mg 1 日 2 回 打ち切り 20 10 0 0 評価例数 プラセボ オフェブ 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360 390 420 下痢の初回発現までの期間(日) 423 378 361 353 347 340 329 321 314 304 299 293 287 218 638 462 401 345 309 286 255 242 221 199 191 180 169 131 2 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] 18 19 主な副作用 3.転帰 (2)下痢 表 INPULSIS 試験において、有害事象として下痢を1回以上発現した患者における重症度、転帰、治療経過 全集団 ● 重症度 症例数(%) INPULSIS 試験のオフェブ群において、副作用として発現した高度の下痢が 3.3%(21 例 /638 例)に認め られました。 下痢※ 1 の発現例 398 例)でした。日本人集団では、すべて軽度∼中等度であり、高度の下痢は認められませんでした。 重症度※ 2 プラセボ (n=423) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=76) プラセボ (n=50) 398(100.0) 78(100.0) 57(100.0) 9(100.0) 軽度 226(56.8) 60(76.9) 48(84.2) 9(100.0) ● 転帰 中等度 150(37.7) 16(20.5) 8(14.0) 0(0.0) 有害事象として下痢が認められた患者のうち 87.9%(350 例 /398 例)は回復し、後遺症や死亡例はあり 高度 21(5.3) 2(2.6) 0(0.0) 0(0.0) ませんでした。日本人集団では、94.7%(54 例 /57 例)が回復しました。 転帰 350(87.9) 72(92.3) 54(94.7) 回復 9(100.0) ● 治療経過 未回復 43(10.8) 6(7.7) 2(3.5) 0(0.0) 有害事象として下痢が認められた患者のうちオフェブの永続的な減量が行われた患者は 14.3%(57 例 / 後遺症 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 398 例) 、投与を中止した患者は 7.0%(28 例 /398 例)でした。 死亡 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 日本人集団では、オフェブの永続的な減量が行われた患者は 8.8%(5 例 /57 例) 、投与を中止した患者は 不明 5(1.3) 0(0.0) 1(1.8) 0(0.0) 3.5%(2 例 /57 例)でした。 治療経過 77(98.7) 50(87.7) 中止・減量なし※ 3 313(78.6) 9(100.0) ● 重篤な下痢 試験薬の永続的な減量 57(14.3) 0(0.0) 5(8.8) 0(0.0) 重篤な有害事象として報告された下痢の発現率は、オフェブ群 0.5%(2 例 /398 例)であり、2 例とも入 試験薬の中止 28(7.0) 1(1.3) 2(3.5) 0(0.0) 院に至りましたが死亡に至った下痢の報告はありませんでした。日本人集団では、重篤な有害事象として 重篤な下痢の割合 報告された下痢はありませんでした。 重篤な下痢 2(0.5) 1(1.3) 0(0.0) 0(0.0) 致死的な下痢 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 入院が必要な下痢 2(0.5) 1(1.3) 0(0.0) 0(0.0) ※ 1 有害事象として基本語「diarrhoea(下痢) 」と報告された事象 ※ 2 日本人集団で 1 名不明 ※ 3 中断および一時的な減量を含む 主な副作用 主な副作用 オフェブ群で有害事象として認められた下痢の大半は軽度∼中等度であり、高度の下痢は 5.3%(21 例 / オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) 日本人集団 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] 【補足】 有害事象の解析は、MedDRA(Medical Dictionary for Regulatory Activities)を用いて行い、器官別大分類(SOC: system organ class)および基本語(PT:preferred term)で集計しています。MedDRA は階層的なコーディングシステ ムであり、試験参加医師が使用した有害事象の報告語(verbatim term)を下層語にコーディングし、次に下層語を基本語、 高位語、高位グループ語および器官別大分類に関連付けます。 20 21 主な副作用 (3)悪心・嘔吐 2.発現時期 悪心・嘔吐 ● 悪心 <用法・用量に関連する使用上の注意> INPULSIS 試験のオフェブ群において、有害事象として悪心が認められた患者のうち、悪心の初回発現が (1)下痢、悪心、嘔吐等の副作用が認められた場合は、対症療法などの適切な処置を行ったうえ、本 剤の治療が可能な状態に回復するまでの間、減量又は治療の中断を検討すること。治療の中断後 投与開始から 1ヵ月以内に認められた患者は 60.9%(95 例 /156 例)でした。 図 悪心(有害事象)の初回発現までの期間 悪心が認められなかった患者割合 (カプラン・マイヤー推定値) (%) 回 150mg、1 日 2 回へ増量することができる。再投与又は増量する場合は慎重に投与し、投与後 は患者の状態を十分に観察すること。 製品添付文書「用法・用量」より抜粋 1.発現状況 ● 悪心 INPULSIS 試験のオフェブ群において、本剤の副作用として、悪心が 19.1%(122 例 /638 例)に認められ ました。日本人集団では、11.8%(9 例 /76 例)に認められました。 評価例数 プラセボ オフェブ 主な副作用 主な副作用 再開する場合は 1 回 100mg、1 日 2 回から再開することを検討すること。患者の状態に応じて 1 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 プラセボ オフェブ 150mg 1 日 2 回 打ち切り 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360 390 420 悪心の初回発現までの期間(日) 423 400 389 385 378 373 366 359 352 344 338 332 325 250 638 540 505 481 461 445 430 427 416 399 388 382 368 295 ● 嘔吐 2 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] INPULSIS 試験のオフェブ群において、本剤の副作用として、嘔吐が 7.1%(45 例 /638 例)に認められま した。日本人集団では、2.6%(2 例 /76 例)に認められました。 ● 嘔吐 INPULSIS 試験のオフェブ群において、有害事象として嘔吐が認められた患者のうち、嘔吐の初回発現が 表 INPULSIS 試験における悪心・嘔吐(副作用)の発現状況 症例数(%) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) 悪心 122(19.1) 嘔吐 45(7.1) 投与開始から 1ヵ月以内に認められた患者は 47.3%(35 例 /74 例) 、投与開始から 3ヵ月以内に認められ 日本人集団 プラセボ (n=423) 19(4.5) 5(1.2) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=76) た患者は 74.3%(55 例 /74 例)でした。 プラセボ (n=50) 9(11.8) 0(0.0) 2(2.6) 0(0.0) 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] 図 嘔吐(有害事象)の初回発現までの期間 嘔吐が認められなかった患者割合 (カプラン・マイヤー推定値) (%) 全集団 評価例数 プラセボ オフェブ 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 プラセボ オフェブ 150mg 1 日 2 回 打ち切り 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 300 330 360 390 420 嘔吐の初回発現までの期間(日) 423 413 403 397 390 386 379 372 365 358 352 345 340 260 638 599 575 549 530 519 506 502 488 470 457 447 434 342 2 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] 22 23 主な副作用 3.転帰 ● 悪心 (3)悪心・嘔吐 表 INPULSIS 試験において、有害事象として、 悪心・嘔吐を 1 回以上発現した患者における重症度、転帰、治療経過 【悪心】 【嘔吐】 INPULSIS 試験のオフェブ群において有害事象として認められた悪心の大半は、軽度∼中等度であり、高 全集団 度の悪心は 1.3%(2 例 /156 例)でした。 症例数(%) 重篤な有害事象として報告された悪心はありませんでした。 また、全例が回復し、中止・減量なしでした。 悪心※ 1 の発現例 オフェブ 150mg 1日2回 (n=638) プラセボ (n=423) 156(100.0) 28(100.0) 重症度 ● 嘔吐 INPULSIS 試験のオフェブ群において有害事象として認められた嘔吐の大半は、軽度∼中等度であり、高 度の嘔吐は 5.4%(4 例 /74 例)でした。 重篤な有害事象として報告された嘔吐は、オフェブ群の 1 例であり、入院に至りました。 日本人集団では、オフェブ群においてのみ有害事象として嘔吐が 10 例に認められ、全例が軽度でした。 また、全例が回復し、中止・減量なしでした。 軽度 中等度 高度 116(74.4) 26(92.9) 74(100.0) プラセボ (n=423) 11(100.0) 軽度 49(66.2) 9(81.8) 21(28.4) 2(18.2) 38(24.4) 2(7.1) 中等度 2(1.3) 0(0.0) 高度 4(5.4) 0(0.0) 転帰 143(91.7) 未回復 12(7.7) 後遺症 22(78.6) 回復 69(93.2) 11(100.0) 6(21.4) 未回復 5(6.8) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 後遺症 0(0.0) 0(0.0) 死亡 0(0.0) 0(0.0) 死亡 0(0.0) 0(0.0) 不明 1(0.6) 0(0.0) 不明 0(0.0) 0(0.0) 治療経過 中止・減量なし※2 試験薬の永続的な 減量 試験薬の中止 治療経過 135(86.5) 28(100.0) 中止・減量なし※2 64(86.5) 11(100.0) 8(5.1) 0(0.0) 試験薬の永続的な 減量 5(6.8) 0(0.0) 13(8.3) 0(0.0) 試験薬の中止 5(6.8) 0(0.0) 重篤な悪心の割合 重篤な嘔吐の割合 重篤な悪心 0(0.0) 0(0.0) 重篤な嘔吐 1(1.4) 0(0.0) 致死的な悪心 0(0.0) 0(0.0) 致死的な嘔吐 0(0.0) 0(0.0) 入院が必要な悪心 0(0.0) 0(0.0) 入院が必要な嘔吐 1(1.4) 0(0.0) ※ 1 有害事象として基本語「nausea(悪心) 」と報告された事象 ※ 2 中断および一時的な減量を含む ※ 3 有害事象として基本語「vomiting(嘔吐) 」と報告された事象 24 嘔吐※ 3 の発現例 オフェブ 150mg 1日2 回 (n=638) 重症度 転帰 回復 症例数(%) 主な副作用 主な副作用 日本人集団では、オフェブ群においてのみ有害事象として悪心が 15 例に認められ、全例が軽度でした。 全集団 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] 25 注意すべき副作用 (1)血栓塞栓症 ● 塞栓および血栓の発現状況 血栓塞栓症 INPULSIS 試験において、有害事象としての「塞栓および血栓(SMQ ※) 」はオフェブ群 3.8%(24 例 / 638例)およびプラセボ群2.4%(10例/423例)に認められ、多くは重篤な有害事象として報告されました 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) [オフェブ群:3.1%(20 例 /638 例) 、プラセボ群:2.4%(10 例 /423 例) ] 。 (2)血栓塞栓症の既往歴及びその素因のある患者 「動脈の塞栓および血栓(ATE) 」の有害事象の発現率は、オフェブ群 2.5%(16 例 /638 例) 、プラセボ群 [血栓塞栓事象の発現を助長する可能性がある。] 0.7%(3 例 /423 例)でした。重篤な ATE はオフェブ群 2.0%(13 例 /638 例) 、プラセボ群 0.7%(3 例 / 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 423 例)でした。 「静脈の塞栓および血栓(VTE) 」の有害事象の発現率は、オフェブ群 1.1%(7 例 /638 例) 、プラセボ群 1.2%(5 例 /423 例)でした。重篤な VTE はオフェブ群 0.9%(6 例 /638 例) 、プラセボ群 1.2%(5 例 / (1)重大な副作用 423 例)でした。日本人集団では、オフェブ群では認められず、プラセボ群 4.0%(2 例 /50 例)でした。 ) :血栓塞栓事象があらわれる 3)血栓塞栓症(静脈血栓塞栓(頻度不明) 、動脈血栓塞栓(0.5% 注 1)) ことがある。血栓塞栓症の徴候がみられる場合は本剤による治療の中断を検討し、適切な処置を 表 INPULSIS 試験における塞栓および血栓(SMQ) (有害事象)の発現状況 行うこと。 全集団 オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) プラセボ (n=423) 16(2.5) 3(0.7) 心筋梗塞 7(1.1) 2(0.5) 急性心筋梗塞 3(0.5) 0(0.0) 一過性脳虚血発作 2(0.3) 0(0.0) 大動脈血栓症 1(0.2) 0(0.0) 頸動脈閉塞 1(0.2) 0(0.0) 冠動脈形成 1(0.2) 0(0.0) 冠動脈ステント挿入 1(0.2) 0(0.0) 注 1)特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験 1199.32 及び試験 1199.34)の全体集団の発現率に基づく。 症例数(%) 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 動脈の塞栓および血栓(SMQ) INPULSIS 試験除外基準 INPULSIS 試験では、下記のような患者は除外されていました。 血栓症リスクに関する除外規定 ● 血栓症の遺伝性素因 ● ランダム化前 12ヵ月以内に血栓性イベント(脳卒中および一過性脳虚血発作など) 冠動脈閉塞 1(0.2) 0(0.0) 心疾患に関する除外規定 網膜動脈閉塞 0(0.0) 1(0.2) ● 心疾患(ランダム化前 6ヵ月以内の心筋梗塞または 1ヵ月以内の不安定狭心症) 静脈の塞栓および血栓(SMQ) 7(1.1) 5(1.2) 肺塞栓症 5(0.8) 3(0.7) 深部静脈血栓症 1(0.2) 3(0.7) 血栓性静脈瘤 1(0.2) 0(0.0) これらの患者に対しては、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を 投与してください。 Richeldi L. et al.: N Engl J Med 2014; 370 (22) : 2071-2082. 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析)[承認時評価資料] 【補足】 「塞栓および血栓(SMQ) 」には、3 つの下位 SMQ すなわち、 「動脈の塞栓および血栓(ATE) 」 、 「静脈の塞栓および血栓 (VTE) 」 、 「血管タイプ不明あるいは混合型の塞栓および血栓」が含まれます。このうち、 「塞栓および血栓」 、 「ATE」および 「VTE」を注目すべき有害事象として解析しました。 ※ SMQ はある定義された医学的状態または関心のある領域に関連するMedDRA 用語のグループで、通常は基本語レベルで構成される 26 27 注意すべき副作用 注意すべき副作用 4. 副作用 注意すべき副作用 (1)血栓塞栓症 (2)消化管穿孔 ● 心臓障害および虚血性心疾患の発現状況 消化管穿孔 有害事象として認められた全心臓障害の発現率は、オフェブ群 10.0%(64 例 /638 例) 、プラセボ群 10.6%(45 例 /423 例)で、虚血性心疾患(心筋梗塞含む)は、オフェブ群 4.2%(27 例 /638 例) 、プラ セボ群 4.0%(17 例 /423 例)でした。 4. 副作用 (1)重大な副作用 日本人集団では、有害事象として報告された全心臓障害は、オフェブ群 5.3%(4 例 /76 例) 、プラセボ群 :消化管穿孔があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認 4)消化管穿孔(0.2%注 1)) 4.0%(2 例 /50 例)でした。そのうち重篤な有害事象として報告されたのは、オフェブ群 1 例(急性心筋 められた場合には、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど、 梗塞) 、プラセボ群 1 例(狭心症)でした。 適切な処置を行うこと。 表 INPULSIS 試験における心臓障害(SOC)および虚血性心疾患(SMQ) (有害事象)の発現状況 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 全集団 オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) 症例数(%) プラセボ (n=423) INPULSIS 試験除外基準 全心臓障害(SOC) 64(10.0) 45(10.6) 重篤な心臓障害 32(5.0) 23(5.4) 3(0.5) 6(1.4) 虚血性心疾患(SMQ)※ 27(4.2) 17(4.0) ● 試験期間中に外科的な大手術を予定している患者 重篤な虚血性心疾患 15(2.4) 10(2.4) ● ランダム化前 3ヵ月以内にイベント(喀血 / 血尿、胃腸出血 / 潰瘍、重大な外傷 / 手術) 2(0.3) 2(0.5) 心筋梗塞(SMQ) 17(2.7) 5(1.2) 重篤な心筋梗塞 11(1.7) 2(0.5) 2(0.3) 1(0.2) その他の虚血性心疾患(SMQ) 11(1.7) 13(3.1) 重篤なその他の虚血性心疾患 5(0.8) 8(1.9) ● 発現状況 致死的なその他の虚血性心疾患 0(0.0) 1(0.2) INPULSIS 試験において消化管穿孔のリスクの増加はみられていませんが、オフェブ群で有害事象として 致死的な心臓障害 致死的な虚血性心疾患 致死的な心筋梗塞 ※ SMQ 心筋梗塞および SMQ 他の虚血性心疾患が含まれる 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析)[承認時評価資料] VEGFR 阻害剤において、消化管穿孔のリスクが増大する可能性が報告されています。 INPULSIS 試験では、下記のような患者は除外されていました。 消化管穿孔の発現を助長する可能性があるため、腹部の外科的処置後の患者に本剤を投与する場合 は、患者の状態に応じて投与の可否を慎重に判断してください。 Richeldi L. et al.: N Engl J Med 2014; 370 (22) : 2071-2082. 消化管穿孔が 0.3%(2 例 /638 例)に認められました(1 例は腹膜膿瘍、1 例は腹膜炎および穿孔性十二 指腸潰瘍) 。 【補足】 心血管系の有害事象の発現について、MedDRA の器官別大分類(SOC)である「心臓障害」および MedDRA 標準検索式 (SMQ)の「虚血性心疾患」を対象に評価を行いました。「虚血性心疾患」には、 「心筋梗塞」および「他の虚血性心疾患」の 2 つの SMQ が含まれます。 28 29 注意すべき副作用 注意すべき副作用 注 1)特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験 1199.32 及び試験 1199.34)の全体集団の発現率に基づく。 注意すべき副作用 (3)創傷治癒遅延 (4)出血 創傷治癒遅延 出血 2. 重要な基本的注意 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (2)創傷治癒を遅らせる可能性があるので、手術時は投与を中断することが望ましい。手術後の投与 再開は患者の状態に応じて判断すること。 (3)出血性素因のある患者、抗凝固剤治療を行っている患者 [出血リスクを助長する可能性がある。] 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 注意すべき副作用 注意すべき副作用 INPULSIS 試験除外基準 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 INPULSIS 試験除外基準 VEGFR 阻害剤において、創傷治癒が遅延する可能性が報告されています。 VEGFR 阻害剤において、出血のリスクを助長する可能性が報告されています。 INPULSIS 試験では、下記のような患者は除外されていました。 INPULSIS 試験では、下記のような患者は除外されていました。 ● 試験期間中に外科的な大手術を予定している患者 ● ランダム化前 3ヵ月以内にイベント(喀血 / 血尿、胃腸出血 / 潰瘍、重大な外傷 / 手術) ● 試験参加医師の見解にて試験期間中に肺移植適応の可能性がある(移植待機リストに記載 されているだけであれば参加可能である) 出血リスクに関する除外規定 ● 出血の遺伝的素因 ● 線維素溶解薬、最高治療用量での抗凝固薬、高用量の抗血小板薬により治療中※ ● ランダム化前 12ヵ月以内に出血性中枢神経系イベント歴 創傷治癒が遅くなる可能性があるため、本剤の使用にあたっては、創傷治癒の適切な診断に基づき判 ● ランダム化前 3ヵ月以内にイベント(喀血 / 血尿、胃腸出血 / 潰瘍、重大な外傷 / 手術) 断してください。 ● スクリーニング時の INR>2、PT および PTT>1.5×ULN Richeldi L. et al.: N Engl J Med 2014; 370 (22) : 2071-2082. ● 試験参加医師の見解にて試験期間中に肺移植適応の可能性がある(移植待機リストに記載 されているだけであれば参加可能である) ● 発現状況 INPULSIS 試験において、オフェブ群で創傷治癒不良を示唆する重篤な有害事象が 1 例(創離開)報告さ れました。 ※ 低用量ヘパリン(エノキサパリン 4000I.U./日皮下投与)の予防的投与、または静脈内留置器材の維持に必要なヘパリン・フラッ シュ、および抗血小板薬の予防的使用(アセチルサリチル酸を最大 325mg/日、またはクロピドグレル 75mg/ 日またはその他の同 等用量の抗血小板薬)は可能とする INR:international normalized ratio(国際標準比または国際標準化比) PT:prothrombin time(プロトロンビン時間) PTT:partial thromboplastin time(部分トロンボプラスチン時間) これらの患者に対しては、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を 投与してください。 Richeldi L. et al.: N Engl J Med 2014; 370 (22) : 2071-2082. 30 31 注意すべき副作用 (4)出血 (5)間質性肺炎 ● 発現状況 間質性肺炎 INPULSIS 試験において、有害事象として出血が、オフェブ群 10.3%(66 例 /638 例) 、プラセボ群 7.8% (33 例 /423 例)に認められました。 4. 副作用 (1)重大な副作用 表 INPULSIS 試験における出血(有害事象)の発現状況 5)間質性肺炎(頻度不明) :本剤の癌を対象とした臨床試験で間質性肺炎がみられており、胸部画像 全集団 オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) 症例数(%) 検査や呼吸機能検査で急激な悪化等の薬剤性の間質性肺炎の徴候がみられる場合は、本剤の投 プラセボ (n=423) 66(10.3) 33(7.8) 鼻出血 26(4.1) 13(3.1) 挫傷 10(1.6) 4(0.9) 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析)[承認時評価資料] 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 ● 発現状況 INPULSIS 試験において、副作用として報告された間質性肺疾患はオフェブ群では認められませんでした。 、 有害事象として、特発性肺線維症※1 を含む間質性肺疾患(SMQ)が、オフェブ群10.2%(65例/638例) 重篤な有害事象として報告された出血は、オフェブ群 1.3%(8 例 /638 例) 、プラセボ群 1.4%(6 例 /423 プラセボ群 14.4%(61 例 /423 例)にみられました。このうち最も多くみられた事象は、特発性肺線維症 例)でした。オフェブ群の 1 例で、死亡に至った有害事象として出血事象(胃腸出血および吐血)が報告さ (オフェブ群 64 例、プラセボ群 61 例)でした。オフェブ群のすべての事象は試験参加医師により本剤との れました(プラセボ群なし) 。 因果関係はないと判定されました。 非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象としたニンテダニブ 200mg 1 日 2 回投与による第Ⅲ相臨床試験にお INPULSIS 試験の日本人集団では、有害事象として報告された出血は、オフェブ群 6.6%(5 例 /76 例) 、 ける「間質性肺疾患」の発現率は、1199.13 試験(ドセタキセル併用)では、ニンテダニブ群 1.4%(9 例 / プラセボ群 6.0%(3 例 /50 例)でした。オフェブ群では、鼻出血 2 例、尿中血陽性、挫傷、出血性膀胱 652 例) 、プラセボ群 0.8%(5 例 /655 例)であり、1199.14 試験(ペメトレキセド併用)では、ニンテダ 炎が各 1 例であり、プラセボ群では鼻出血 1 例および挫傷 2 例でした。 ニブ群 0.6%(2 例 /345 例) 、プラセボ群 0.9%(3 例 /346 例)でした。なお、致死的な有害事象は認め 重篤な有害事象として報告されたのは、オフェブ群 1 例(出血性膀胱炎)でした。 られませんでした。 ※ 1 特発性肺線維症の悪化、進行および増悪を含む MedDRA ver.16.1 基本語の「特発性肺線維症」に相当 表 INPULSIS 試験における間質性肺疾患(SMQ) (有害事象)の発現状況 全集団 症例数(%) 【効能・効果】 オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) プラセボ (n=423) 間質性肺疾患(SMQ) 65(10.2) 61(14.4) 特発性肺線維症※ 2 64(10.0) 61(14.4) 肺線維症 1(0.2) 0(0.0) 急性呼吸窮迫症候群※ 3 0(0.0) 1(0.2) 薬剤性間質性肺疾患(SMQ)※ 4 0(0.0) 3(0.7) 特発性肺線維症※ 2 0(0.0) 3(0.7) 特発性肺線維症 【用法・用量】 通常、成人にはニンテダニブとして 1 回 150mg を 1 日 2 回、朝・夕食後に経口投与する。 なお、患者の状態によりニンテダニブとして 1 回 100mg の 1 日 2 回投与へ減量する。 ※ 2 特発性肺線維症の悪化、進行および増悪を含む MedDRA ver.16.1 基本語の「特発性肺線維症」に相当 ※ 3 広域検索用語 ※ 4 因果関係は試験参加医師の判断による 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析)[承認時評価資料] 32 33 注意すべき副作用 注意すべき副作用 出血の有害事象 与を中止し、適切な処置を行うこと。 注意すべき副作用 (6)顎骨壊死 (7)重篤な皮膚障害 顎骨壊死 参考 INPULSIS 試験における副作用 【いずれかの治療群で発現率 5%超の副作用(全集団) 】 9. その他の注意 症例数(%) (1)本剤との因果関係は明確ではないが、本剤の癌を対象とした臨床試験において顎骨壊死が認めら オフェブ(n=638) プラセボ(n=423) 全副作用 455(71.3) 120(28.4) 死が発現したとの報告があり、多くはビスホスホネート系製剤を投与中又は投与経験のある患者で 下痢 341(53.4) 46(10.9) あった。 悪心 122(19.1) 19(4.5) 食欲減退 54(8.5) 13(3.1) 嘔吐 45(7.1) 5(1.2) 腹痛 40(6.3) 5(1.2) 体重減少 36(5.6) 5(1.2) (2)反復投与毒性試験で、ラットでは出血及び壊死を伴う切歯の破折が認められ、ラット及びサルで は、成長中の骨で骨端成長板の肥厚が認められた。 製品添付文書「使用上の注意」より抜粋 注意すべき副作用 注意すべき副作用 れている。また、類薬[血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害剤]において、投与後に顎骨壊 ● 発現状況 INPULSIS 試験のオフェブ群において、顎骨壊死の報告はありませんでしたが、本剤の癌を対象とした臨 【いずれかの治療群で発現率 5%超の副作用(日本人集団) 】 床試験において顎骨壊死が認められています。 重篤な皮膚障害 ● 発現状況 INPULSIS 試験において、有害事象として発疹(SSC ※)が、全集団ではオフェブ群 6.9%(44 例 /638 例) 、 プラセボ群 9.0%(38 例 /423 例)に、日本人集団では、オフェブ群 7.9%(6 例 /76 例) 、プラセボ群 20.0%(10 例 /50 例)に認められました。 INPULSIS 試験では、重篤な発疹や光線過敏性皮膚障害を示す有害事象の報告はみられませんでした。 症例数(%) オフェブ(n=76) プラセボ(n=50) 全副作用 66(86.8) 18(36.0) 下痢 51(67.1) 5(10.0) 食欲減退 11(14.5) 2(4.0) 肝機能異常 10(13.2) 0(0.0) 悪心 9(11.8) 0(0.0) 肝酵素上昇 8(10.5) 2(4.0) 体重減少 5(6.6) 1(2.0) 腹部不快感 3(3.9) 3(6.0) 消化不良 3(3.9) 3(6.0) 副作用名は MedDRA ver.16.1 の「基本語」に基づいて評価した 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析) [承認時評価資料] ※ SSC は MedDRA 基本語をグループ化して作成した特別検索カテゴリーである 【効能・効果】 特発性肺線維症 34 35 ご使用に際しての注意点 ■ 使用上の注意 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (1)肝機能障害のある患者 [肝機能障害が悪化するおそれがある。中等度(Child Pugh B) 、高度(Child Pugh C)の肝機能 障害のある患者では使用経験がない。( 「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本 3. 相互作用 本剤に関わる主要な代謝反応はエステラーゼによる加水分解であり、加水分解産物はその後グルクロ ン酸抱合酵素(UGT)によりグルクロン酸抱合体に代謝される。また、本剤は P- 糖蛋白の基質である。 [ 「薬物動態」の項参照] [併用注意] (併用に注意すること) 薬剤名等 的注意」の項参照) ] (2)血栓塞栓症の既往歴及びその素因のある患者 [血栓塞栓事象の発現を助長する可能性がある。] P- 糖蛋白阻害剤 エリスロマイシン シクロスポリン等 (3)出血性素因のある患者、抗凝固剤治療を行っている患者 ること。 (2)創傷治癒を遅らせる可能性があるので、手術時は投与を中断することが望ましい。手術後の投与 本剤は P- 糖蛋白の基質であり、P糖蛋白の阻害により本剤の曝露が上 昇する可能性がある。 ご使用に際しての注意点 ご使用に際しての注意点 害のある患者に投与する場合は、肝機能検査をより頻回に行うなど、慎重に患者の状態を観察す ケトコナゾールとの併用によりニン テダニブの AUC が約 1.6 倍、Cmax が約 1.8 倍に上昇した。 [ 「薬物動態」の項参照] 2. 重要な基本的注意 本剤投与開始前及び投与中は定期的に検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。肝機能障 機序・危険因子 P- 糖蛋白阻害剤との併用時は観察 を十分に行い、異常が認められた場 合は投与の中断、減量又は中止等 の適切な処置を行うこと。 [出血リスクを助長する可能性がある。] (1)AST(GOT) 、ALT(GPT) 、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、 臨床症状・措置方法 P- 糖蛋白誘導剤 リファンピシン カルバマゼピン フェニトイン セイヨウオトギリソウ (St. John’ s Wort セント・ジョーンズ・ワート) 含有食品等 再開は患者の状態に応じて判断すること。 リファンピシンとの併用によりニンテ ダニブの AUC が約 50%、Cmax が 約 60%まで減少した。 本剤は P- 糖蛋白の基質であり、P糖蛋白の誘導により本剤の曝露が低 下する可能性がある。 P- 糖蛋白誘導剤との併用により、本 剤の作用が減弱する可能性がある。 P- 糖蛋白誘導作用のない又は少な い薬剤の選択を検討すること。 [ 「薬物動態」の項参照] 4. 副作用 本剤の臨床試験は 1529 例の特発性肺線維症患者を対象に実施された。 第Ⅲ相国際共同試験の 2 試験(試験 1199.32 及び試験 1199.34)は 1061 例を対象に実施され、 638 例に本剤が投与された。これらの 2 試験は、本剤 150mg の 1 日 2 回投与で 52 週間の無作為化、 二重盲検のプラセボ対照により実施された。試験全体での主な副作用は、下痢 342 例(53.6%) 、悪 心 122 例(19.1%) 、肝酵素上昇 67 例(10.5%)及び腹痛 65 例(10.2%)であった。日本人 126 例 中 76 例に本剤が投与され、主な副作用は、下痢 51 例(67.1%) 、肝酵素上昇 21 例(27.6%) 、食欲 減退 11 例(14.5%) 、悪心 9 例(11.8%)であった。(承認時) 36 37 ご使用に際しての注意点 (1)重大な副作用 6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 1)重度の下痢(3.3% 注 1)) :重度の下痢があらわれることがある。下痢症状がみられる場合は速やか に補液やロペラミド等の止瀉剤投与を行い、本剤による治療の中断を検討すること。これらの対 症療法にもかかわらず持続するような重度の下痢の場合は、本剤による治療を中止し、再投与は 行わないこと。 (1)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。 [動物(ラット、ウサギ)を用いた生殖発生毒性試験で催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が認め られている。] (2)妊娠可能な女性は本剤の投与中及び投与終了の少なくとも 3 カ月後までは適切な避妊措置をとる [ 「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照] こと。 :肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を実施し観 2)肝機能障害(0.9%注 1)) 察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中断し、適切な処置を実施すること。 (3)授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせること。 [動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。] [ 「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参照] ) :血栓塞栓事象があらわれる 3)血栓塞栓症(静脈血栓塞栓(頻度不明) 、動脈血栓塞栓(0.5% 注 1)) 行うこと。 7. 小児等への投与 ご使用に際しての注意点 ご使用に際しての注意点 ことがある。血栓塞栓症の徴候がみられる場合は本剤による治療の中断を検討し、適切な処置を 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児における本剤の安全性、有効性は確立していない。 [使用経験がない。] :消化管穿孔があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認 4)消化管穿孔(0.2% 注 1)) められた場合には、内視鏡、腹部 X 線、CT 等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど、 適切な処置を行うこと。 5)間質性肺炎(頻度不明) :本剤の癌を対象とした臨床試験で間質性肺炎がみられており、胸部画像 検査や呼吸機能検査で急激な悪化等の薬剤性の間質性肺炎の徴候がみられる場合は、本剤の投 与を中止し、適切な処置を行うこと。 (2)その他の副作用注 2) を行うこと。 1 日最大用量 300mg を超えて服薬しないこと。 薬剤交付時 [PTP シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の 重篤な合併症を併発することが報告されている。] 10% 以上 5% 以上 10% 未満 食欲減退(14.5%) 体重減少 血管障害 肝胆道系障害 (1)服薬を忘れた場合は、次の服薬スケジュール(朝又は夕方)から推奨用量で再開すること。本剤の (3)PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。 以下のような副作用があらわれた場合には、必要に応じて減量又は治療の中断を行うなど適切な処置 胃腸障害 服用時 (2)カプセルは噛まずにコップ一杯の水とともに服薬すること。 注 1)特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験 1199.32 及び試験 1199.34)の全体集団の発現率に基づく。 代謝及び栄養障害 8. 適用上の注意 5% 未満 (4)本剤は吸湿性があるので、服用直前に PTP シートから取り出すよう指導すること。また、アルミピ ロー包装注 3)のまま調剤を行うことが望ましい。 高血圧 下痢(67.1%) 、 悪心(11.8%) 腹痛 肝酵素上昇(AST(GOT) 、 ALT(GPT) 、ALP、 γ-GTP 上昇等) (27.6%) 嘔吐、便秘 高ビリルビン血症 注 3)1アルミピロー包装中に 28 カプセル(14 カプセル入りPTP シート×2)を含む。 9. その他の注意 (1)本剤との因果関係は明確ではないが、本剤の癌を対象とした臨床試験において顎骨壊死が認めら 皮膚及び皮下組織障害 発疹 神経障害 頭痛 その他 出血 注 2)特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験 1199.32 及び試験 1199.34)の日本人部分集団の発現率に基づく。 れている。また、類薬[血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害剤]において、投与後に顎骨壊 死が発現したとの報告があり、多くはビスホスホネート系製剤を投与中又は投与経験のある患者で あった。 (2)反復投与毒性試験で、ラットでは出血及び壊死を伴う切歯の破折が認められ、ラット及びサルで 5. 高齢者への投与 高齢者では一般に生理機能が低下しているため慎重に投与すること。 38 は、成長中の骨で骨端成長板の肥厚が認められた。 製品添付文書「使用上の注意」より 39 Q&A Q1 オフェブを飲み忘れた場合はどうしたらよいですか? Q3 飲み忘れた場合は、その回の分は服用せず、次回の服用時に 1 回分を服用するようにし A てください。 A オフェブを保存する上で注意する必要はありますか? 本剤は、25℃以下で保存してください。また吸湿性があることから、服用直前にPTPシー トから取り出すよう指導してください。 2 回分をまとめて 1 度に服用しないでください。 Q2 過量投与した場合はどのように対処したらよいですか? オフェブの過量投与に対する特定の解毒剤や治療法はありません。過量投与が認められ A た場合には、治療を中断し、必要に応じて適切な処置を行ってください。 Q4 PTP シートから取り出し、他剤と一包化(分包化)することはできますか? 本剤は吸湿性があることから、PTP シートから取り出して処方することは推奨されません。 A 本剤を無包装で保管した場合、水分の増加とそれにより生じるカプセル殻の変色が 100mg カプセルの保存中に認められています(25℃/ 湿度 75% の保存条件下で 1ヵ月超の保存) 。 Q & A そのため、本剤を服用する際は、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導してください。 〈参考〉 単回投与では癌患者を対象とした第Ⅰ相試験で 450mg が投与されました。これに加えて、 癌患者の臨床試験で 1 回 600mg を 1 日 2 回投与で 8 日間まで投与した 2 例の報告があ ります。本剤の副作用として知られている肝酵素上昇と消化器系症状がみられ、その後、 回復しました。 Q5 特発性肺線維症の第Ⅲ相試験(INPULSIS-1 試験および INPULSIS-2 試験)では 1 例の患 者で 1 日量として 600mg が 21 日間投与されました。非重篤な有害事象(鼻咽頭炎)が 報告され、過量投与中に回復し、他の有害事象は報告されませんでした。 肺癌合併症例に対する使用は可能でしょうか? オフェブの承認された効能・効果は「特発性肺線維症」です。 A 肺癌をはじめとする各種癌を合併した特発性肺線維症患者に対する本剤の有効性および 安全性は、使用経験が少ないため確立していません。 また、癌患者に対して、本剤の特発性肺線維症に対する用法・用量である150mg 1 日 2 【効能・効果】 特発性肺線維症 【用法・用量】 通常、成人にはニンテダニブとして 1 回 150mg を 1 日 2 回、朝・夕食後に経口投与する。 回を投与した場合の有効性および安全性は確立していません。 肺癌を合併する特発性肺線維症患者に対する本剤の使用については、リスクとベネフィッ トを考慮し慎重に検討してください。 なお、患者の状態によりニンテダニブとして 1 回 100mg の 1 日 2 回投与へ減量する。 【使用上の注意】 (抜粋) 8. 適用上の注意 服用時 (1)服薬を忘れた場合は、次の服薬スケジュール(朝又は夕方)から推奨用量で再開すること。本剤の 1 日最大用量 300mg を 超えて服薬しないこと。 薬剤交付時 (3)PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。 [PTP シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発する ことが報告されている。] (4)本剤は吸湿性があるので、服用直前に PTP シートから取り出すよう指導すること。また、アルミピロー包装注 3)のまま調剤 を行うことが望ましい。 注 3)1 アルミピロー包装中に 28 カプセル(14 カプセル入りPTP シート×2)を含む。 40 41 Q & A Q&A Q6 下痢に関して、患者に指導すべきポイントはありますか? Q8 食欲減退や体重減少に関して、患者に指導すべきポイントはありますか? 本剤の投与前に、患者に下剤、便秘剤、下痢の原因となる薬剤やサプリメントなど、併 A 用薬をご確認ください。 本剤の投与により食欲減退や体重減少が発現した場合、または食欲減退や体重減少が継 A 続する場合は、医療機関を受診するように指導してください。 本剤の投与により下痢が発現した場合、または下痢が継続する場合は、医療機関を受診 下記のような点を注意するように、食事や生活の指導を行ってください。 するように指導してください。 ・ 食べたいと思ったときにすぐに食べられる物を用意しておく。 下記のような点を注意するように、食事の指導を行ってください 1∼3)。 ・ 少量の食事を小さな食器に盛る。 ・ 一度にたくさん食べたり、過食を避ける。少量に分け、頻回に食べる。 ・ 患者の好む物を用意する。 ・ 下痢によって失われた水分を補給する。室温に戻してゆっくり飲む。 ・ 消化がよく、栄養価の高い食品を選ぶ。 ・ 下記の食べ物、飲み物の摂取を避ける。 ・ 食事を楽しめる雰囲気を作る。 揚げ物などの脂っこい物、刺激の強い物、高繊維食品(生野菜、果物、全粒穀類、豆、 ・ 体重を定期的に測定し、体重減少に注意する。 ナッツなど) 、甘い物、カフェインを多く含む物、アルコール、炭酸飲料、牛乳、乳製品など ・ 食事だけでなく、水分もあまり取れなくなった場合には、医師に相談する。 ・ 栄養士による栄養指導を参考にする。 Q & A Q7 悪心・嘔吐に関して、患者に指導すべきポイントはありますか? 参考 Q & A 食欲減退や体重減少への対処法 INPULSIS 試験のオフェブ群において、本剤の副作用として、食欲減退が 8.5% (54 例 /638 例) 、体重減少が 5.6% 本剤の投与により悪心・嘔吐が発現した場合、または悪心・嘔吐が継続する場合は、医 A 療機関を受診するように指導してください。 下記のような点を注意するように、食事や生活の指導を行ってください 1, 4)。 (36 例 /638 例)に認められました。 食欲減退は、下痢、悪心・嘔吐などの消化器症状の副作用に伴って起こることも多く、精神的な原因によることも あります。 食欲減退を遷延化させないために、消化器症状などがある場合は早期から対症療法を行ってください。 ・ 一度にたくさん食べたり、過食を避ける。少量に分け、頻回に食べる。 また、食事の工夫が重要ですので、患者だけでなくご家族への指導をお願いします。食べやすい食事を用意した ・ あっさりとした冷たい物(リンゴジュースなど)を飲む。 り、気分のよいときに食べることができるように、いつでも食べられる用意をしておくなどの工夫が重要になります。 ・ 水分を取るときは、食事の前後少なくとも 1 時間あける。 体重減少は、下痢、悪心・嘔吐などの消化器症状や食欲減退などの副作用に伴って起こることも多く、また疾患の ・ ゆっくりと飲食し、消化しやすいように、よく噛む。 進行などによって起こる場合もあります。体重を定期的に測定し、体重減少に注意してください。 ・ 熱い物は冷ましてからのほうがにおいが気にならない。 ・ 氷などをなめる。 【用法・用量】 ・ 食後は椅子などに腰かけて安静にする(食後 2 時間は横にならない) 。 通常、成人にはニンテダニブとして 1 回 150mg を 1 日 2 回、朝・夕食後に経口投与する。 ・ 揚げ物などの脂っこい物、刺激の強い食べ物、飲み物などの摂取や強いにおいのある物 なお、患者の状態によりニンテダニブとして 1 回 100mg の 1 日 2 回投与へ減量する。 (香辛料、たばこ、香水など)を避ける。 ・ しめつけの少ない洋服を着る。 ・ 吐気を催したときは、深呼吸する。 <用法・用量に関連する使用上の注意>(抜粋) (1)下痢、悪心、嘔吐等の副作用が認められた場合は、対症療法などの適切な処置を行ったうえ、本剤の治療が可能な状態に 回復するまでの間、減量又は治療の中断を検討すること。治療の中断後再開する場合は 1 回 100mg、1 日 2 回から再開 することを検討すること。患者の状態に応じて 1 回 150mg、1 日 2 回へ増量することができる。再投与又は増量する場合 は慎重に投与し、投与後は患者の状態を十分に観察すること。 【使用上の注意】 (抜粋) 1) 「When treating patients with OFEV® Manage side effects if they arise」Boehringer Ingelheim International GmbH 2)Guy's and St Thomas' NHS Foundation Trust, Diarrhoea http://www.guysandstthomas.nhs.uk/resources/patient-information/nutrition-and-dietetics/diarrhoea.pdf 3)Nutritionist Resource, Diarrhoea http://www.nutritionist-resource.org.uk/articles/diarrhoea.html 4)Guy's and St Thomas' NHS Foundation Trust, Nausea and vomiting http://www.guysandstthomas.nhs.uk/resources/patient-information/nutrition-and-dietetics/nausea-and-vomiting.pdf 42 (1)重大な副作用 :重度の下痢があらわれることがある。下痢症状がみられる場合は速やかに補液やロペラミド等 1)重度の下痢(3.3%注 1)) の止瀉剤投与を行い、本剤による治療の中断を検討すること。これらの対症療法にもかかわらず持続するような重度の 下痢の場合は、本剤による治療を中止し、再投与は行わないこと。 [ 「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照] 注 1)特発性肺線維症を対象とする第Ⅲ相国際共同試験(試験 1199.32 及び試験 1199.34)の全体集団の発現率に基づく。 43 臨床試験の成績 「警告・禁忌を含む使用上の注意」等につきましては 5∼6、36∼39 ページをご参照ください。 1∼5)の試験デザイン ■ INPULSIS 試験(第Ⅲ相国際共同試験) ● 除外基準 1. AST または ALT が 1.5×ULN を超える ● 試験方法 2. ビリルビンが 1.5×ULN を超える 3. 気流閉塞(気管支拡張剤使用前の FEV1/FVC<0.7)がある 過 去 5 年 以 内に特 発性肺線維症と診 断された4 0 歳 以 上、スクリーニング 前 1 2ヵ月 以 内 に HRCTが実施され ている患者 R 4. 試験参加医師の見解にて試験期間中に肺移植適応の可能性がある 主要評価項目: FVC年間減少率 オフェブ 150mg 1日2回 5. 心疾患(ランダム化前 6ヵ月以内の心筋梗塞または 1ヵ月以内の不安定狭心症)がある 重要な副次評価項目: 初回急性増悪発現までの 期間、5 2 週 時 に お け る SGRQ総スコアのベース ラインからの変化量 ランダム化比 3:2 プラセボ INPULSIS-1試験:n=515 INPULSIS-2試験:n=551 6. 出血リスクがある (1)出血の遺伝的素因がある (2)線維素溶解薬、最高治療用量での抗凝固薬、高用量の抗血小板薬で治療中※ 1 である (3)ランダム化前 12ヵ月以内の出血性中枢神経系イベント歴がある 投与期間 (52週) スクリーニング 0 2 4 6 12 24 追跡期間 (∼28日) 36 52 (週) (4)ランダム化前 3ヵ月以内のイベント(喀血 / 血尿、胃腸出血 / 潰瘍、重大な外傷 / 手術)がある (5)スクリーニング時の INR が 2 を超える、PT および PTT が 1.5×ULN を超える 7. 血栓症リスク(血栓症の遺伝性素因、ランダム化前 12ヵ月以内の血栓性イベント)がある 【試験デザイン】ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験 【対象】ランダム化までの過去 5 年以内に特発性肺線維症と診断された 40 歳以上の患者 1,066 例(日本 人 126 例含む) 【方法】対象患者をオフェブ群あるいはプラセボ群に 3:2 の比率でランダムに割り付け、試験薬を 52 週間 投与し、有効性と安全性を検討した(INPULSIS-1 試験:515 例、INPULSIS-2 試験:551 例) 。用 法・用量として 150mg を 1 日 2 回投与した。なお、有害事象への対応として試験参加医師の判断 で中断および / または 100mg 1 日 2 回への減量を一時的または永続的に許容した。有害事象回 復後は、150mg 1 日 2 回への増量が推奨され、減量後 4 週間以内であれば増量が可能であった。 8. 試験薬またはその成分への過敏性がある 9. 合併症により治療手順または医師の判断が妨げられたり、試験参加への支障や患者にリスクが発生す る可能性がある 10. 特発性肺線維症以外の合併症により、余命が 2.5 年未満である 11. オフェブによる治療歴(4 週間以内の短期治療は除く)がある 12. スクリーニング前 8 週間以内に他の試験薬の投与を受けて(臨床試験に参加して)いる 13. スクリーニング前 2 週間以内に、NAC または 15mg/日超の prednisone ※ 2 もしくは同等の薬剤を使 用している 14. スクリーニング前 8 週間以内にピルフェニドン、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリン ● 選択基準 A を使用している 1. 文書による同意が得られている 15. 試験期間中に外科的な大手術を予定している 2. 40 歳以上である 16. 登録前 1ヵ月および試験薬投与終了 3ヵ月後までに、妊娠中、授乳中の女性、または極めて効果的な 3. ATS/ERS/JRS/ALAT ガイドライン(2011 年)6)に基づき、ランダム化の 5 年以内に特発性肺線維症 と診断されている 17. 試験期間中および試験薬投与終了後 3ヵ月間に避妊具を使用することに同意しない男性(パートナー 4. スクリーニング前 12ヵ月以内に HRCT が実施されている 5. HRCT および外科的肺生検(入手可能な場合)の診断基準に則り、放射線科専門医 1 名、病理専門医 1 名による中央判定により特発性肺線維症と確定診断されている 6. ランダム化前の%FVC が 50%以上である 7. ランダム化前の%DLco(ヘモグロビンで補正)が 30∼79%である 1)Richeldi L. et al.: N Engl J Med 2014; 370 (22): 2071-2082. 2)Brun M. et al.: 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(試験 1199.32)[ 承認時評価資料 ] 3)Brun M. et al.: 社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(試験 1199.34)[ 承認時評価資料 ] 4)社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(有効性の併合解析)[ 承認時評価資料 ] 5)社内資料 第Ⅲ相国際共同試験(安全性の併合解析)[ 承認時評価資料 ] 6)Raghu G. et al.: Am J Respir Crit Care Med 2011; 183 (6) : 788-824. 44 避妊措置をしていない妊娠可能女性である が妊娠可能でない女性の場合は除く)である 18. アルコールや薬物の乱用がある 19. 試験手順を理解し、それに従うこと(助けを借りずに自己記入式の質問票に回答することを含む)がで きない ※ 1 低用量ヘパリン(エノキサパリン 4000I.U./ 日皮下投与)の予防的投与、または静脈内留置器材の維持に必要なヘパリン・フラッシュ、 および抗血小板薬の予防的使用(アセチルサリチル酸を最大 325mg/ 日、またはクロピドグレル 75mg/ 日またはその他の同等用量 の抗血小板薬)は可能とする ※ 2 本邦未承認 HRCT:高分解能 CT、FVC:forced vital capacity(努力肺活量) 、SGRQ:St. George’ s Respiratory Questionnaire、DLco:diffusion capacity of the lung for carbon monoxide(一酸化炭素肺拡散能) 、FEV1:努力肺活量の一秒量、NAC:N-acetylcysteine 45 臨床試験の成績 臨床試験の成績 【実 施 地 域 】日本を含む 24ヵ国、205 施設 臨床試験の成績 ■ 試験結果 ● 患者内訳 ● 患者背景 試験薬投与を中止した患者の割合は、オフェブ群 24.5%(156 例 /638 例) 、プラセボ群 18.9%(80 例 / 423 例)でした。試験薬投与を中止した主な理由は両群ともに有害事象でした[オフェブ群:19.9%(127 全集団 背景因子 オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) 例 /638 例) 、プラセボ群 13.9%(59 例 /423 例) ] 。 日本人集団 プラセボ (n=423) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=76) 68.4(7.6) 全集団 プラセボ (n=50) 年齢、歳、平均(SD) 66.6(8.1) 67.0(7.9) 男性、n(%) 507(79.5) 334(79.0) 62(81.6) 40(80.0) 体重、kg、平均(SD) 79.2(16.6) 78.6(16.5) 63.8(11.6) 63.8(11.6) オフェブ 150mg 1 日 2 回 プラセボ オフェブ 150mg 1 日 2 回 プラセボ 640 426 76 50 試験薬投与例、n(%) 638(100) 423(100) 76(100) 50(100) 投与中止例、n(%) 156(24.5) 80(18.9) 22(28.9) 11(22.0) 127(19.9) 59(13.9) 19(25.0) 9(18.0) 532(83.4) 353(83.5) 63(82.9) 43(86.0) 68.2(6.2) 喫煙歴、n(%) ランダム化例、n 喫煙歴なし 174(27.3) 122(28.8) 10(13.2) 10(20.0) 元喫煙者 435(68.2) 283(66.9) 66(86.8) 38(76.0) 有害事象による 投与中止例、n(%) 29(4.5) 18(4.3) 0(0.0) 2(4.0) 試験完遂例※ 4、n(%) 小葉中心性肺気腫あり、n(%) 254(39.8) 166(39.2) 43(56.6) 21(42.0) 低用量全身ステロイド療法※ 1、 n(%) 136(21.3) 89(21.0) 9(11.8) 7(14.0) 79.7(17.6) 79.3(18.2) 80.9(16.6) 83.3(22.2) 喫煙者 % 予測値、平均(SD) mL、平均(SD) DLco ※ 2、mmol/min/kPa、 平均(SD) SGRQ 総スコア※ 3、点、 平均(SD) 2,713.5(757.0) 2,727.7(810.2) 2,421.6(672.1) ※ 4 試験完遂例=規定来院日にすべて来院、または試験薬を中止となった場合も 52 週時までの規定来院日にすべて来院した症例 死亡例は試験完遂例とみなさなかった ● 主要評価項目 ― FVC 年間減少率 2,494.5(741.1) 全集団におけるFVC年間減少率は、オフェブ群−113.6mL/年、プラセボ群−223.5mL/年であり、オフェ 3.9(1.2) 3.9(1.2) 3.3(0.9) 3.4(1.0) 39.5(19.2) 39.6(18.5) 35.1(18.1) 35.0(18.7) ※ 1 prednisone(本邦未承認)15mg/ 日未満または同等の薬剤で、スクリーニング前の 8 週間以上投与量が安定していた患者 ※ 2 全集団:プラセボ群 n=422 ※ 3 全集団:オフェブ群 n=624、プラセボ群 n=419 ブ群はプラセボ群に対して FVC 年間減少率の低下を統計学的に有意に抑制しました(群間差:109.9mL/ 年、95%CI:75.9∼144.0、p<0.0001、ランダム係数回帰モデル) 。 日本人集団における FVC 年間減少率の群間差は 131.9mL/ 年(95%CI:50.7∼213.1)であり、日本人 以外の集団の結果(群間差:107.7mL/ 年、95%CI:70.6∼144.8)との一貫性を示しました(交互作用 p=0.4483、ランダム係数回帰モデル) 。 図 FVC 年間減少率:併合解析 (mL/ 年) 0 全集団 (n=638) (n=423) 日本人集団 (n=76) # (n=50) FVC 年間減少率 −50 補正値±SE ランダム係数回帰モデル −100 −150 ■ オフェブ群 ■ プラセボ群 −113.6 *p<0.0001 −135.9 −200 −250 # 治療群間の統計解析は 未実施 −223.5 −300 * −267.7 −350 【群間差】全集団:109.9mL/ 年(95%CI:75.9∼144.0)、日本人集団:131.9mL/ 年(95%CI:50.7∼213.1) 交互作用 p=0.4483(日本人集団 vs. 日本人以外の集団) 46 47 臨床試験の成績 臨床試験の成績 FVC 日本人集団 臨床試験の成績 ● 有害事象 INPULSIS試験の併合データでは、オフェブ群95.5% (609例/638例) 、プラセボ群89.6% (379例/423例) に有害事象がみられました。試験薬の投与中止に至った有害事象は、オフェブ群 19.3%(123 例 /638 例) 、 プラセボ群 13.0% (55 例 /423 例)でした。重篤な有害事象は、オフェブ群 30.4% (194 例 /638 例) 、プ ラセボ群 30.0% (127 例 /423 例)で、致死的な有害事象は、オフェブ群 5.8% (37 例 /638 例) 、プラセボ 群 7.3% (31 例 /423 例)でした。 日本人集団では、オフェブ群 98.7% (75 例 /76 例) 、プラセボ群 94.0% (47 例 /50 例)に有害事象がみら れました。試験薬の投与中止に至った有害事象は、オフェブ群 25.0%(19 例 /76 例) 、プラセボ群 18.0% (9 例 /50 例)でした。 重篤な有害事象は、オフェブ群 43.4%(33 例 /76 例)、プラセボ群 42.0% (21 例 /50 例)で、致死的な有害事象は、オフェブ群 1.3% (1 例 /76 例) 、プラセボ群 6.0% (3 例 /50 例) でした。 全集団 症例数(%) プラセボ (n=423) オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=76) プラセボ (n=50) 全有害事象 609(95.5) 379(89.6) 75(98.7) 47(94.0) 高度な有害事象 174(27.3) 99(23.4) 14(18.4) 9(18.0) 重篤な有害事象 194(30.4) 127(30.0) 33(43.4) 21(42.0) 37(5.8) 31(7.3) 1(1.3) 3(6.0) 致死的な有害事象 投与中止に至った有害事象 123(19.3) 55(13.0) 19(25.0) 臨床試験の成績 臨床試験の成績 オフェブ 150mg 1 日 2 回 (n=638) 日本人集団 9(18.0) 副作用の詳細は、35 および 37 ページ 48 49 参考資料 【注意が必要な患者】 ■ 投与前チェックリスト 本剤の投与にあたり本チェックリストをご確認の上、投与を検討いただきますようお願いいたします。 腹部の外科的処置の既往がある 患者 □ いいえ □ はい 腹部の外科的処置後は、患者の状態に応じて投与の 可否を慎重に判断してください。 消化管穿孔がみられた患者には、本剤の投与を中止 し、再投与しないでください。 赤枠に該当する場合は、他の治療法をご検討ください。 青枠に該当する場合は、ベネフィット-リスクをご検討の上、患者の状態を観察しながら、慎重に投与してください。 胃腸出血、潰瘍の既往がある患者 □ いいえ □ はい 出血および消化管穿孔が発現する可能性があるた め、患者の状態に応じて投与の可否を判断してくだ さい。 本剤を投与する際は、観察を十分に行ってください。 【効能・効果】 □ はい □ いいえ 創傷治癒の遅延のおそれがある 患者 □ いいえ □ はい 手術時は本剤の投与を中断してください。 創傷治癒の適切な診断に基づいてください。 妊婦又は妊娠している可能性のある女性 □ はい □ いいえ 高齢者 □ いいえ □ はい 高齢者では一般に生理機能が低下しているため慎重 に投与してください。 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 □ はい □ いいえ 妊娠可能な女性 □ いいえ □ はい 本剤の投与中および投与終了の少なくとも 3ヵ月後 までは適切な避妊措置をとってください。 授乳中の女性 □ いいえ □ はい 本剤投与中は授乳を避けさせてください。 小児 □ いいえ □ はい 本剤の安全性、有効性は確立していません。 P- 糖蛋白阻害剤を併用している患者 □ いいえ □ はい 本剤の曝露が上昇する可能性があります。 P- 糖蛋白誘導剤を併用している患者 □ いいえ □ はい 本剤の曝露が低下する可能性があります。 特発性肺線維症 【禁忌】 【慎重投与】 血栓塞栓症の既往歴およびそ の素因のある患者 ・心筋梗塞や脳卒中の 既往がある ・ 冠動脈疾患の既往がある ・心血管系リスクがある 出血の危険性のある患者 ・遺伝的な出血素因を 有する ・高用量の抗凝固剤治療を 行っている 50 □ いいえ □ いいえ □ いいえ □ はい □ はい 安全性は検討していません。 発現を助長する可能性があるの で投与中は十分に観察してくだ さい。 血栓塞栓症の徴候がみられる場 合は本剤による治療の中断を検 討してください。 □ はい 安全性は検討していないため、 本剤による治療の有益性が危険 性を上回ると判断される場合に のみ投与してください。 参考資料 参考資料 肝機能障害のある患者 肝機能検査をより頻回に行うな ど、肝機能障害の程度にかかわ らず慎重に患者の状態を観察し てください。 中等度(Child-Pugh B)および 高度(Child-Pugh C)の患者に 対する本剤の安全性、有効性は 使用経験がないため確立してお りません。 51 参考資料 ■ 適正使用情報のご提供について ■ 厚生労働省特定疾患認定基準 ● 患者向け資材 ① 主要症状、理学所見および検査所見 確実 下記の「捻髪音(fine crackles) 」を含む 2 項目 (特発性肺線維症) IPF ①∼⑤の全項目を満たす。ある 以上を満たす。 ってどんな病気だろう IPFってどんな病気? 呼吸機能の維持が大切 IPFは間質の線維化が徐々に悪化していく病気です。 は い せ ん い しょう 間質に線維化がおこる病気を 「肺線維症」 とよび、原因が不明なもの と く は つ せ い は い せ ん い しょう のなかで最も多いのが特発性肺線維症※1、IPF(アイピーエフ) です※2。 ※1:特発性とは原因が特定できないという意味です。 ※2:診断に際しては、高分解能CT検査あるいは肺生検で通常型間質性肺炎 【UIP(ユーアイピー )】 のパターンを確認し確定診断されます。 IPFの病気の進行のスピードと経過は、患者さんそれぞれで異なります。 □ 捻髪音(fine crackles) いは外科的肺生検病理組織診断 □ 乾性咳嗽 が UIP である。 数年の単位で徐々に病気が進行する方もいれば、急速に進行する方もいます。 また、原因はよくわかっていませんが、数日から1ヵ月の間に突然、息苦しくなり、 きゅうせいぞうあく 呼吸の機能が急激に悪化する場合があります。これを急性増悪とよびます。 IPFでは、呼吸の機能を維持し、悪化させないことが大切です。 そのため、定期的に検査をしながら呼吸の状態を確認し、悪化がみられたら 速やかに治療を開始します。 I PF の病気のしくみ □ 労作時呼吸困難 健康な肺では、たとえ肺胞に傷がついても、その傷は修復され、スムーズなガス IPF患者さんの臨床経過 交換が維持されます。 しかし、肺胞に長期にわたって、くりかえし傷がつくと、その傷を治そうとする働きに や二酸化炭素の通り道である間質が厚く、硬くなる線維化がおこると考えられています。 間質に線維化がおこると、肺が十分にふくらまなくなり、ガス交換がうまくできず □ ばち指 緩やかな進行 突然の進行 急速な進行 呼吸の機能 よって、大量のコラーゲン線維などが肺胞の壁(間質)に蓄積されます。その結果、酸素 良 急激な悪化 (急性増悪) ほぼ確実 に、酸素が不足し息苦しくなります。 正常な肺胞 肺胞 健康な人 の肺 悪 時間の経過 酸素 ② 血清学的検査 二酸化炭素 毛細血管 かん しつ せい はい えん 間 質 性 肺 炎 と I 線 維 化 線維化した肺胞 監修:国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター長 井上 義一 先生 IPF患者さん の肺 酸素 二酸化炭素 酸素や二酸化 炭素の通り道で ある間質が厚く、 硬 く な り、ガス 交換がうまくで きなくなります。 P F 肺の間質におこる炎症は間質性肺炎とよばれ、感染症による肺炎(主に細菌 などが原因となっておこる肺炎) とは区別されています。 下記の 1 項目以上を満たす。 とくはつせい また、間質性肺炎のなかでも原因がはっきりと特定できないものを特発性 かんしつせいはいえん 間質性肺炎といい、しばしば肺の線維化(肺線維症) をともないます。 IPFは特発性間質性肺炎の一種で、特発性間質性肺炎のなかで最も頻度が 高い病気であることが知られています。 ( )は呼吸で肺の動く範囲を示します。 IPF患者さんの肺( )は健康な人の肺 ( )と比べて、ふくらみにくくなります。 2 3 □ KL-6 上昇 □ SP-D 上昇 □ SP-A 上昇 □ LDH 上昇 ③ 呼吸機能検査 ①∼⑤のうち、⑤を含む 3 項目 以上を満たす。 疑い オフェブで おこりやすい副作用 吐き気 症 状 下記の 2 項目以上を満たす。 気持ちが悪くなったり、もどしてしまうことがあります。吐き気 が原因で、食欲が減退したり、体重が減少することもあります。 下痢 症 状 下痢に対しては、下痢止めのおくすりが処方されることが ●刺激の少ない、消化のよいものを食べるように心がけましょう。 があり、対処法は異なります。 す 下痢がみられた場合は、 下痢の ●臭いの強いものは避けましょう。熱いものは冷ましてからの方が臭い □ 低酸素血症(以下のうち1項目以上) が気にならなくなります。 ●食後は安静にしましょう。 ただし、食後2時間は横にならないようにしましょう。 オフェブ を 服 用される 患者さんへ ® ●下痢をおこすと、脱水症状を引きおこす ことがありますので、こまめな水分補給 髙志 ●吐き気を催したら、深呼吸をするとよいでしょう。 ●しめつけの少ない洋服を着るとよいでしょう。 を心がけてください。その際は、常温の お水やスポーツ飲料をゆっくり飲むよう 食事 食 事 ・安静時 AaDO2:20Torr 以上 肝機能障害 にしてください。 監修:地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立循環器呼吸器病センター 副院長 兼 呼吸器内科部長 小倉 ・安静時 PaO2:80Torr 未満 そ の他 の他 水分補給 症 状 ●食事は、1回の量を少なくして、何回かに分けて食べるとよいでしょう。 ●体がだるく、いつもより疲れやすく感じる ●微熱が続く をとりましょう。 ●あっさりした食事(ご飯やめん類、バナナ、パン、鶏肉) ●尿が茶色になったり、皮膚や白目が黄色くなる ●揚げ物などの脂っこいもの、刺激の強いもの、食物繊維の多いもの、 ●食欲がなく、吐き気がある ●発疹やかゆみがある 特発性間質性肺炎または他疾患 ・6 分間歩行時 SpO2:90%以下 甘いもの、カフェインを多く含むもの、アルコール、炭酸飲料、牛乳、 ! 特発性肺線維症以外の 下記のような症状がみられることがあります。 ⑤を満たさない 乳製品などは下痢を悪化させる可能性があるので、注意しましょう。 先生 参考資料 参考資料 □ 拡散障害(%DLco <80%) 食事 ●食事は、1回の量を少なくして、何回かに分けて食べるとよいでしょう。 認められる場合は、細菌やウイルスなどによる感染症の可能性 セルフケアのポイント ⑤を含む 2 項目しか満たさない セルフケアのポイント あります。ただし、下痢だけでなく、発熱や寒気、吐き気などが 程度や回数、体調の変化などを必ず医師に伝えてください。 □ 拘束性障害(%VC<80%) 吐き気に対しては、吐き気止めや胃ぐすりなどが処方される ことがあります。 おくすりの開始前よりも、1日の排便回数が多かったり、便が やわらかい (軟便) と感じている状態です。 対処法 対処法 これらの症状があらわれたら、すぐに 医師や看護師、薬剤師に相談してください。 10 11 ④ 胸部 X 線画像所見 下記の「両側びまん性陰影」を含む 2 項目以上を 満たす。 □ 両側びまん性陰影 ● ウェブサイト □ 中下肺野、外側優位 □ 肺野の縮小 オフェブの適正使用情報は、下記ウェブサイトでもご確認いただけます。 ⑤ 胸部 HRCT 画像所見 http://ipf.jp 病理診断を伴わない特発性肺線維症の場合、 「胸膜 直下の陰影分布」および「蜂巣肺」の所見が必須 □ 胸膜直下の陰影分布 オフェブの投与に際しては、最新版の製品添付文書および本適正使用ガイドを熟読の上、適正使用をお願 いいたします。 □ 蜂巣肺 □ 牽引性気管支炎・細気管支拡張 □ すりガラス陰影 □ 浸潤影(コンソリデーション) KL-6:Krebs von den Lungen-6、SP-D:surfactant protein D、SP-A:surfactant protein A、LDH:lactate dehydrogenase(乳酸脱水 素酵素) 、VC:vital capacity(肺活量) 、PaO2:動脈血酸素分圧、AaDO2:肺胞気動脈血酸素分圧較差、SpO2:経皮動脈血酸素飽和度 52 53 参考資料 ■ 臨床試験時のモニタリングスケジュール Visit 1 2 3 4 5 6 6a 7 7a 8 8a 9 追跡調査 試験期間 スクリーニング 治療期 Weeks Days 許容日数 Visit 1 の前 または当日 Visit 2 の 4 日以上前 同意取得 〇※ 中央判定による HRCT 評価 〇 中央判定による生検評価(可能な場合) 〇 1 2 4 6 12 18 24 30 36 44 52 +4 15±3 29±3 43±3 85±3 127±7 169±7 211±7 253±7 309±7 365±7 +28+7 〇 患者背景 〇 病歴 〇 選択・除外基準 〇 〇 身体所見、バイタルサイン 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 臨床検査 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 1) 〇 〇 1) 〇 〇 1) 〇 薬物動態用検体採取 3) 〇 HCRU 評価 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 呼吸機能検査(FVC) 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 SpO2 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 DLco 12 誘導心電図 〇 〇 SGRQ、SOBQ、CASA-Q(CD) 〇 EQ-5D 〇 〇 ランダム化 IXRS 〇 〇 〇 〇 5) 〇 〇 試験薬交付 〇 試験薬回収 服薬遵守の確認 / 試験薬管理 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ― 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ― 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 試験薬投与終了 〇 4) 健在情報の収集 2) 〇 患者の試験参加終了 54 〇 〇 試験薬初回投与 有害事象、併用療法 〇 〇 PGI-C 急性増悪 〇 H C R U:h e a l t h c a r e resources utilisation(医 療 資 源 の 活 用 )、 S O B Q: Shortness of Breath Questionnaire、CASAQ( C D ) :C o u g h a n d Sputum Assessment Questionnaire ‒ Cough Domains only、 E Q - 5 D:E u r o Q o l 5-dimensional quality of life questionnaire、 PGI-C:patient’ s global impression of changes、 IXRS:Interactive phone/ web Response System 双 方向音声 / ウェブ応答システ ム 〇 〇 55 参考資料 参考資料 妊娠検査 ※ 同意書の署名は、試験に 関するあらゆる手順の実 施 前に行うこと。 たとえ ば、中央判定用に画像を 送付するために Visit 1 前 に 署 名 を 行った 場 合 は 、 同意取得後の有害事象お よび併用療法をすべて記 録しなければならない。 1)肝機能検査(AST、ALT、 γ-GTP、ALP)および総ビ リルビンのみの臨床検査。 2)52 週後の健在情報につい ては、全患者から収集す る。 早期中止例について も、予定どおり 52 週まで 来院する。 3)Visit 4、7;試験薬投与 直前および試験薬投与 2 ∼4 時間後に採取するが、 心電図測定終了後 30 分 以内とする。 4)Trial Termination の eCRF ページは、Visit 9 とは別になる。 5)IXRS による通知は遅くと も Visit 1 に行うこととす るが、同意書の署名時に 行ってもよい。 用量変更(減量または再 増量)の場合は、そのた めの来院が必要となる。 MEMO
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