栄養だより 2015.1 月号 No.1 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 さて、年末年始は普段と違うことが多い時期でもあります。おせち料理を食べたり、親戚一同が集まると食事もお酒もすすみますよね。 特に、忘年会や新年会などが続いてお酒の付き合いが続く時期でもあります。 こんなとき、怖いのが痛風です。「尿酸値がちょっと高いだけ、発作がないから・・・」といって安心していませんか? 痛風発作がなくても、尿酸値が高めの方は腎臓に負担がかかったり、心臓の血管や脳の血管に障害がおきる可能性が高まります。 今年はその点も気にしながらお付き合いしてみてはいかがでしょうか? 痛風の食事療法のポイント ①肥満の方は減量をしましょう 肥満度が高い人ほど尿酸値は 高くなる傾向があります。毎食主 ②プリン体の多い食品を控えましょう 食品に含まれるプリン体を多く摂りす ぎると排泄ができず、体に尿酸として ③アルコールを控えましょう アルコールは体内で分解されるとき 尿酸が作られます。また、利尿作用 ④水分をしっかり取りましょう 水分が少ないと尿量が減るので 尿酸の排泄も少なくなります。冬 食、主菜、副菜がそろうように食 生活を見直し、適度な運動を心 がけましょう。ただし、激しい運動 や急激な減量は尿酸値を逆に上 げてしまうので注意が必要です。 たまってしまいます。尿酸値の高い方 はプリン体の摂取を 1 日 400mg 未満に しましょう。 もあるので尿酸値が高くなりやすい です。「プリン体ゼロのビールだか ら安心!」と言って飲みすぎないよ うにしましょう。またつまみはプリン 体が多いものも沢山あるので少な いものを選びましょう。 は夏に比べ、水分摂取が少なくな りがちです。意識して水分をとるよ うにしましょう。ジュースなどは果 糖が多いので、お水やお茶にしま しょう。 【果糖の過剰摂取が 尿酸値を上げると いわれています】 カツオ あんこうの肝 次のページに②プリン体の多い食品についてご紹介します。多い食品は食べる頻度や量に注意しましょう。 また、最近サプリメントを摂る方もいますが、中にはプリン体が多いものがあるので注意が必要です。 桜田内科 栄養だより 2015.1 月号 No.2 食品や飲み物に含まれるプリン体量についてご紹介します。様々な食品に含まれますので、よく食べる食品や、プリン体の多い食品などを 確認してみましょう。 プリン体含有量(mg/100g) 食品 極めて多い 300mg 以上 鶏レバー、あんこう肝酒蒸し、イサキ白子、マイワシ干物、(煮干、鰹節、干し椎茸は乾 物なので実際は使う量が少ないのであまり気にしなくてもよい) 多い 200~300mg 牛レバー、豚レバー、カツオ、大正エビ、マイワシ生 やや多い 100~200mg 乾燥大豆、サラミ、鶏ささみ、鶏モモ、マグロ、鮭、秋刀魚、明太子、スルメイカ、たこ、 牡蠣、ツナ缶詰、かにみそ、うに、生ハム、納豆 少ない 50~100mg 牛ひれ、豚ロース、ボンレスハム、うなぎ、つみれ 極めて少ない 50mg 以下 数の子、いくら、豆腐、そらまめ、おから、鶏卵、牛乳、米、小麦粉、 一般的にプリン体が多いといわれるビールは 20~40mg/500ml、発泡酒は 0.6~14mg/350ml です。他のアルコールに ついては日本酒が 3mg/180ml、ワイン 1~3mg/200ml、ウイスキー0.2/60ml といわれています。また、最近よく売られて いるプリン体ゼロの商品ですが、アルコール自体の摂取によって尿酸値はあがりますので、飲みすぎには注意しましょ う。こうしてみるとメーカーによって差はありますが、アルコールよりも食品のプリン体のほうがはるかに多く含まれま す。お酒を飲む際はつまみの選び方が重要になってきます。 また、 また、DNA/RNA、ビール酵母、クロレラ、ローヤルゼリー等はプリン体含有量が 100g 当たり 400 ~2000mg というものもありますので、「体によさそうだから・・・」と色々摂取している方は逆に悪影 響の場合のありますので、成分のご確認を! 参考文献:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン この寒い時期に多くなりがちなのが鍋料理。食べなければ大丈夫?と思っている方、プリン体は 水に溶ける性質なので、その食品を食べなくても、最後に雑炊などで汁を食べてしまうと溶け出た プリン体を摂取することになるのでご注意を!! 公益財団法人痛風財団 HP 桜田内科
© Copyright 2024 ExpyDoc