「気候変動対策への国の貢献」(PDF

フランス外務・国際開発省
5 号-2015
年6月
号-
気候交渉の新しい手段
気候交渉の新しい手段
気候変動対策への
気候変動対策への国の貢献
への国の貢献
COP21 が 2015 年末にパリで開催されます。
末にパリで開催されます。この国連気候変動枠組条約の次期締約国会議の目標は、温
パリで開催されます。この国連気候変動枠組条約の次期締約国会議の目標は、温
室効果ガス排出量を削減するための新たな気候に関する国際合意に到達することです。しかし今年は、
室効果ガス排出量を削減するための新たな気候に関する国際合意に到達することです。しかし今年は、交渉
を容易化すべく新しい手段
を容易化すべく新しい手段「国の貢献」が導入され
手段「国の貢献」が導入された
「国の貢献」が導入されたことで、交渉方法が
で、交渉方法が変化し
変化しています。
ています。
パリ 2015、有効性を高める新たなルール
、有効性を高める新たなルール
ローラン・ファビウス外務・国際開発大臣は 2013 年、「気候変動パリ会議は、試みるための会合であっ
てはならない。決めるための会合でなければならない1」と早々に明言しました。
気候変動パリ会議(COP21)には成功が課せられています。2011 年のダーバン会
議で全会一致で取り決めたように、出席者は気候に関する普遍的合意を見いだす
よう尽力することになります。文書は京都議定書の約束を上回る内容でなければ
なりません。2005 年に発効した同議定書の第 2 約束期間は 2020 年まで適用され
ますが、その有効性はもはや気候変動の課題に対応できるレベルではありません。
1992 年時点の温室効果ガス排出量の上位国しか対象になっていないからです。
2009 年のコペンハーゲン会議は、京都議定書を引き継いで、すべての国が参
加する合意を見いだす目標を掲げました。しかし実際には、数カ国が排出量を軽減する自主的な約束をした
だけで、このような合意に達することはできませんでした。得られた合意は法的拘束力のない、野心に欠け
た政治的な内容で、国際社会からは失敗とみなされました。各国政府は同じ轍(てつ)を踏まないように、
ワルシャワ会議やリマ会議(COP19 と COP20)で、事前に努力目標を提示することを約束しました。これ
らの約束は「国レベルで決定された所期貢献」、英語で「Intended Nationally Determined Contributions」
(INDC)と呼ばれる文書にまとめられる予定です。
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フォーラム「気候変動、科学的データから政治的行動へ」
広報部広報課
フランス外務・国際開発省
INDC、
、交渉を容易化するツール
INDC は国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のホームページに掲載されます。パートナー諸国が示す約束
をめぐるサプライズや不透明感を回避するため、各国は COP21 に先立って自国の目標を他国に明示できま
す。これによって合意文書の交渉に集中できる一方、将来の約束を公表して、それらを専門家や諸機関(国
連、国)、市民社会の分析にゆだねることができます。
INDC は交渉準備を容易化し、共通目標の設定をより容易にすることにつながります。その上、リマ会議
(COP20)の決定は、貢献が過去の約束を上回る内容で、現行水準に比べて前進とならなければならないと
しています。
数値約束の履行の
数値約束の履行の具体性・
約束の履行の具体性・信ぴょう
具体性・信ぴょう性を高める
信ぴょう性を高める
各国は排出削減の数値目標のほかに、世界の気温上昇抑制に寄与するために予定している措置や政策も
自国の貢献に盛り込むことができます。これまで交渉の枠組みの中で実体経済が取り上げられることはあり
ませんでしたが、INDC は実体経済の諸部門を内包する、より具体的な手段です。各国は予測される気候変
動の影響に対する自然システムと人的システムの脆弱性を軽減する措置を示すため、適応に関する項目も任
意で追記できます。
貢献には基準年と比較した数値指標と数値目標、履行スケジュール、採用された仮定など、明確な情報
が含まれていなければなりません。UNFCCC 事務局が取りまとめてパリ会議の 1 カ月前、11 月初めに公表
する予定の総括報告書に考慮されるように、貢献の提出期限は 2015 年 10 月 1 日となっています。
INDC の公表、まずまずの滑り出し
2015 年 5 月 15 日時点で、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の 3 分の 1 近く、先進国の排出量の 80%
以上を占める 37 カ国が「国の貢献」を公式発表しました。メキシコやガボン、アメリカなど、京都議定書
の約束と無関係だった一部の国が、それぞれの貢献をすでに提出しています。
ヨーロッパ連合(EU)加盟 28 カ国は 2015 年 3 月 6 日、共同貢献を提出しました。2014 年 10 月のヨー
ロッパ理事会で採択された目標と、採用された方針を踏襲した内容です。EU は 2030 年までに GHG 排出量
を 1990 年比で少なくとも 40%削減することをめざし、長期展望として 2050 年までに 1990 年比で 80%から
95%削減するとしています。
広報部広報課
フランス外務・国際開発省
各国の
各国の国内状況
国内状況に
状況に合わせた手段
以前は少数の国が GHG 排出量削減の野心的な目標を掲げて、気候変動対策への道筋を示すことを約束し
ました。しかし今日、気候変動対策には集団的行動が求められ、すべての国が環境への影響を抑えた成長モ
デルを採用しなければなりません。
こうした状況において、すべての国が同時期に国の貢献を提出することになっています。とはいえ、貢
献は国内状況や国力と照らし合わせて検討されます。同様にリマ会議の決定は、最後発国や小島嶼諸国が
INDC を履行する上で、それぞれの特殊事情を明確に認めています。クリスティアーナ・フィゲレス
UNFCCC 事務局長が指摘するように、INDC の仕組みによって途上国や後発国は「気候変動対策のためにそ
れぞれ独自の優先課題を決める2」ことができます。
その上、これらの国は INDC の策定・遂行において支援を要請できます。フランスは多数の国の政府や
国際機関と同様に、国内の 2 つの主要な国際協力機関の能力を動員して、対象国に技術支援プログラムを提
供します。フランス開発庁は 350 万ユーロ規模のプログラムに資金を調達する一方、エクスペルティーズ・
フランスはその実行を担当します。
AEF
注:記事本文中の発言や意見は、現代フランスの実情に関する情報提供を目的とし、いかなる公的性格も帯びません。
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「パリ合意、アフリカにとって持続可能な世紀の好機」、UNFCCC ホームページ掲載の 2015 年 4 月 13 日付論説
広報部広報課