1 - WWFジャパン

第1回スクールパリ
これまでの気候変動国際交渉
COP20リマ会議
2015年3月6日(金)
(2014年12月)
WWFジャパン
気候変動・エネルギー プロジェクトリーダー
小西雅子
1
気候変動に関する国際条約の歩み
1992
採択
交渉
1997
2008~2012
13
15
20
2025/2030
気候変動枠組条約
97年
採択
京都議定書
第1約束期間
批准・05年発効
05年から交渉
第2約束期間
カンクン合意
15年
採択
新枠組み(パリ議定書?)
11年から交渉
批准・発効 新枠組み 約束期間
議定書(法的拘束力あり)
自主的な合意
先進国と途上国間に明確な差
議定書or弱い合意?
すべての国が対象
WWFジャパン作成
2
国連の気候変動に関する国際交渉の整理
2020年までの取り組み強化
ADP(ダーバンプラットフォーム作業部会)ワークストリーム2にて議論
2020年後の新枠組み作り
ADP(ダーバンプラットフォーム作業部会)ワークストリーム1:2015年に採択
2013 14 15 16 17 18 19
途上国
ADP
ワーク
ストリー
ム1
すべての
国
21 22
京都議定書
第2約束期間
EU,豪など
ADP
ワーク 米・日・露
ストリー など先進国
ム2
2020年
カンクン合意に基づいて
自主的削減努力
新枠組み作り
15年に採択
すべての国を
対象とした
新たな
法的枠組み
批准、発効
WWFジャパン作成
COP20リマ会議で決まったこと
目標案について(事前レビューは弱められた)
 国別に決める目標案を、できるだけ2015年3月までに、透明性
を持ってわかりやすく国連に提出すること
 各国の目標案は、現在の削減約束/行動よりも進んだものにす
ること
 適応の計画の提出、目標案に適応の要素を含めるように検討
すること
 目標案に入れる情報としては、目標の基準年や約束期間、範
囲や対象ガス、人為的温室効果ガスを計量可能な形で提示す
るための前提や手法、それに吸収源など、それに目標案が科
学的に妥当か、お互いに衡平かなど
 各国の目標案を事務局がウェブサイトに掲載すること
 2015年10月1日までに出された各国の目標案を総計した効果
についての統合報告書が11月1日までに準備される
4
COP20リマ会議で決まったこと
2020年までの削減量の引き上げ
 「専門家会合」が功を奏しているとの共通認識を背景に、継続が
決定された
(★専門家会合:COP19において小島嶼国連合の提案ではじまった。
2020年目標の引き上げが政治的に難しい中、側面から技術的・政策的
に目標底上げにつながるような機会を各国で共有していく目的で、高い
削減ポテンシャルがある技術や政策について専門家が議論する会合)
 COPで取り組み強化のためのハイレベル会合を毎年開催する
ことを奨励
新枠組み(条約)について
 今まで議論されてきた骨組みが「交渉テキスト草案の要素」とし
て今回の決定文書の附属書として添付
5
存在感を増すラテンアメリカ諸国
先進国と途上国の間をつなごうとする努力
ホスト国ペルーとコロンビア
『緑の気候基金」に出資表明
ブラジル
「経済成長に伴って、新興国も徐々に削減義務を負っていく」
メキシコも賛意を表明
6
緑の気候基金への拠出国
+オーストリアで
29か国
10.B $の拠出約束
出典:UNFCCC CP20
出典:Heinrich Böll Stiftung Climate Fund Update, North America, December 2014
7
先進国と途上国の差を明確に定めていた
京都議定書体制
産みの苦しみの交渉
すべての国を対象とした新体制
一枚岩ではいかなくなった途上国グループ
中国など新興途上国 ⇔ 積極性を示すラテンアメリカ諸国
⇔ もともと先進的な小島嶼国&アフリカ諸国
8
参考:新規の途上国グループ
複数のグループに所属している国が多く、参加国は流動的
BASIC
ブラジル、南アフリカ、インド、中国
同志国グループ①
(Like minded developing countries)
中国、インド、サウジアラビア
ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア
フィリピン、タイ、マレーシア、パキスタン
スーダン、エジプト、エクアドル、エルサ
ルバドル、イランなど(*都度参加国が変わる)
アフリカ諸国
AOSIS 小島嶼国連合
(Alliance of Small Islands States)
ナウル、ナミビア、グレナダ、ツバル、
アンティグア・バーブーダ、トリニダー
ド・トバゴ、バルバドス、シンガポール
など44か国(*リストによって違う)
ALBA
(Bolivarian Alliance for the Americas )
アンティグア・バーブーダ、ボリビア、
キューバ、ドミニカ、エクアドル、ニカラ
グア、セントルシア、セントビンセント及
びグレナディーン諸島、ベネズエラ
AILAC
(Independent Alliance of Latin America
and the Caribbean )
コロンビア、コスタリカ、チリ、ペルー、
グアテマラ、パナマ
LDC (後発開発途上国)
(Least Developed Countries)
ガンビア、アンゴラ、アンゴラ、ブルキ
ナファソ、エチオピアなどアフリカ30数
か国、ネパール、バングラデシュ、ミャ
ンマーなどアジア、キリバスなど大洋
州5か国程度、ハイチなど
9
2015年の国際交渉のプロセス
3月頃
6月
5月
ADP
SB42/ADP
(2030年)目標案を提出
(COP21の十分前に)
8~10月
11月1日
ADP2回?
目標案事務局にて公表
・
非公式に国際比較検証
12月
COP21/CMP11
各国の目標案
2020年以降の
を総計した効果 枠組み合意
についての統合
報告書を作成
交渉テキスト
5月までに準備
WWFジャパン作成
2020年削減目標を持っている国々99か国
出典:Australian Government
Department of Foreign Affaird and Trade
2030年目標案は、
世界の排出量の半分を占める3か国がすでに公表
EU
2030年目標を来年3月までに提出することを明示
10/23に少なくとも40%削減を閣僚理事会で決定
アメリカ 2025年目標を14年11/12に公表 26~28%減(2005年比)
米国環境庁(EPA)「クリーンパワープラン」発表(6月2日)
・電力部門からの排出量を30%(2005年比)削減する目標
(電力部門からの排出量はアメリカ国内GHG排出量の約1/3)
中国
14年11/12に米とともに目標案を公表
「2030年にピークアウト」
12
現状の各国の削減約束で気温上昇の見込みは?
出典:Climat action tracker からWWFジャパン加工
http://climateactiontracker.org/
13
INDCsは、UNFCCCウェブサイトにアップされていく
1番乗りはスイス!
2030年50%削減目標
http://www4.unfccc.int/submissions/indc/Submission%20Pages/
submissions.aspx
14
スイスの目標案(INDCs) 2/27提出
http://www4.unfccc.int/submissions/indc/Submission%20Pages/submissions.aspx

2030年50%削減目標(90年比)
 2025年には35%削減を意味する
 主に国内削減で達成予定だが、市場メカニズム(CDM, NMM, FVA)も活用
 吸収源は京都議定書と同じルールで含む

10年ごとに削減目標を見直し
 2050年には75~85%(90年比)削減の予定
 この場合に一人当たり排出量は 1~1.5 t CO2

航空/船舶からの排出を新枠組みに含めることに賛同

スイス目標には含めず
科学的に妥当か、衡平かの説明
 IPCCの示す2度未満の排出経路(2050年40~70%削減)に沿っている
 90年比54%産業活動が増加し、人口も18%増加したにもかかわらず、総排
出量及び一人当たり排出量は減少しており、2010年の一人当たり排出量
は世界平均(6.4 tCO2eq)
 限界削減費用は高い(削減ポテンシャルは主に業務と運輸部門)
15
欧州委員会と欧州議会コミュニケーション 2/25発表
パリ議定書ー2020年以降の気候変動への取り組みの青写真(詳細計画)
http://ec.europa.eu/priorities/energy-union/docs/paris_en.pdf







2030年40%削減(90年比)
 域内削減ただし森林吸収源を含む
 これはEUの2050年域内80%削減目標を費用効率的に達成する経路と合致
 条件付き目標はしない
 交渉結果がより野心的な削減を保証するならば、国際クレジットも活用
グローバルゴールの設定2050年60%削減(2010年比)
 パリにてギャップがあるならば、GCFと共に2016年以降作業計画
COP21合意の法的形式は「議定書」であるべき
 削減約束は議定書の元ですべての国に等しく法的拘束力があるべき
 80%の排出量を占める国々が採択すれば発効
 気候資金、技術移転、キャパビルはすべての国の参加を促し、効率的かつ効果的な排出削減と適応を
促進
全ての国は、進化する責任と能力、国別事情に照らして(evolving responsibilities, capabilities and
different national circumstances) 削減約束を選択、
 現在の約束よりも十分な深化
 G20と高所得国(世銀のグルーピング)は、2020年以降に経済全体の絶対量目標(排出予算)を持たな
い国は、遅くとも2025年までには持つこと、新興経済国と中所得国は、遅くとも2030年までに持つこと
5年ごとにグローバルレビュー
 全体目標が科学的に足りない場合には、各国に野心レベルを上げるプロセスを立ち上げるべき
できる国(Countries in a position to do so)は、議定書の当てはまる国へ資金援助するべき
ICAO, IMO,モントリオール議定書が移動排出源とフロンガスの規制
INDCsについて
UNFCCC INDCs Portal
http://www4.unfccc.int/submissions/indc/Submiss
ion%20Pages/submissions.aspx
その他の参考になるINDCsまとめサイト
•
•
Climate Action tracker(INDCs 評価)
http://climateactiontracker.org/
CANジャパンウェブサイト(日本語)
http://www.can-japan.org/
17