「夢へのみちのり」は

タイトル 夢への道のり
大崎中央高等学校
1年
鈴木 七海
三年前の寒風が吹き始めたある日、曾祖母が亡くなった。会話すらできなくなった曾祖
母。昨日まで普通に食事の介助もし、排泄物の処理の手伝いもしていた。その時、中学生
だった私には、曾祖母が亡くなったという知らせは、とても悲しく心に響いた。曾祖母の
お世話をすることが好きだった私は、曾祖母のように体の自由が利かなくなってしまった
高齢者の役に立ちたいと思い、介護福祉士になることを決意した。
世間では介護なんてきつい、汚いという人がいる。しかし、この超高齢化社会の中では、
誰かがやらなければならないことだし、誰だっていずれは年老いていき、介護が必要にな
る時がやってくる。その事を考えれば、果たしてきつい、汚いなどと言っていられるだろ
うか。
介護福祉士という仕事は本当に素晴らしい。介護福祉士は高齢者に対して、いつも笑顔
である。中学生の時、曾祖母が通っていた老人ホームに行ったことがある。そこには笑顔
を絶やさない介護福祉士の姿があった。何があっても笑顔の介護福祉士の方々を見て、気
持ちの強さを感じることができた。
介護で一番大切なのは「笑顔」で高齢者の方に安心感を与える事であるが、反対に高齢
者の方から元気をもらうこともできる。高齢者の方から言われる「ありがとう」という言
葉は何よりも嬉しいはずだ。私もこの職に就くことができたら沢山の「ありがとう」を言
っておらえるように努力したい。
しかし、介護の職に就くという事は全てが楽しいことばかりではない。なかでも一番辛
いのが、利用者の方の死に直面することである。私の曾祖母も亡くなる前日はとても元気
で普段あまり見せたことのない笑顔を見せてくれた。それなのに次の日には死んでしまう。
このように介護職に就くという事は、大切な人との突然の別れを覚悟しなければならない。
しかし、その中からも「命の尊さ」を感じ取ることが出来る。利用者さんと触れ合う一日
一日を大切にしていきながら、人間の命も大切にしていかなければならないということを
介護職に就くことによって学ぶ事が出来るのではないだろうか。
私の最終目標は、利用者の方だけではなく、その家族にも安心感を与えられるケアマネ
ージャーになること。そのために、現在私は、日常の対人関係に気をつけている。介護職
では、人と接することがメインになる。沢山の利用者の方、そして家族の方と仲良くなれ
るよう、先生や友人など身近な人に対する接し方からしっかりと考えるようにしている。
夢への道のりはそう簡単ではない。人を思いやる気持ち、忍耐力、体力など、これから
身に付けていかなければならない要素は沢山ある。しかし、私は、亡くなった曾祖母のた
め、そして自分自身のためにも介護職に就くという夢を絶対に叶えてみせる。
誰からも信頼され、
「この人が担当の人で良かった」と言われるように、高齢者の方をし
っかりと支え、元気を届け、一生懸命働きたい。
高齢者の方としっかり向き合い、共に生活することによって自分も成長していきたい。