学校関係者評価報告書 神戸電子専門学校

2015(平成27)年度
学校関係者評価報告書
2015(平成27)年8月
学校法人コンピュータ総合学園
神戸電子専門学校
学校関係者評価委員会
学校法人コンピュータ総合学園 神戸電子専門学校
学校関係者評価委員会は,2014(H26)
年度学校自己評価に基づく学校関係者評価を実施しましたので,報告いたします。
平成 27 年 8 月 31 日
学校法人 コンピュータ総合学園
神
戸 電 子 専 門 学 校
学校関係者評価委員会
・・・・・・・・・・・・開催概要・・・・・・・・・・・・
日
時:平成 27 年 8 月 27 日(木)13:00~15:00
場
所:神戸電子専門学校 西別館 1 階 会議室
出 席 者:
(委員)
永吉 一郎 地域 ICT 推進協議会 副会長
網本 雅生 神戸デザイン協会 理事長
横山 剛
株式会社 SRC 代表取締役社長
(事務局)
福岡 壯治 神戸電子専門学校 校長
源田 定之 神戸電子専門学校 副校長
遠藤 洋次 神戸電子専門学校 副校長
配布資料:2014(平成 26)年度学校自己評価報告書
2015(平成 27)年度学校基本情報
学校法人コンピュータ総合学園 2014 年度事業報告書
学生数一覧表
就職状況一覧表
退学状況一覧表
入学案内&GUIDE BOOK2016
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Ⅰ 重点目標について
学校の教育目標について
総括
本校は人間力と品位を有する専門職業人の育成を教育理念とし,その教育体系は
基礎・専門・実務経験の三層構造として体系化されている。専門的な技術や知識の
教授に加え,インターンシップ等を含めた企業等との連携により,在学中に擬似実
務経験を積めるよう設計されている。
特に重視するのはあらゆる職業において就業力の礎となる課題解決力の醸成であ
り,日々の授業の中でこれを高めるよう最適化されたカリキュラムが特徴である。
学校関係者の評価・意見等
特になし
本年度に定めた重点的に取り組むことが必要な目標や計画について
総括
本年度は昨年度に引き続き
・就職状況向上,退学者防止に向けて,全校あげての学生ケア力強化
・専門職業・地域社会との接続性強化とその発信
・18 歳人口の減少に向けたあらゆる対策
を重点的に取り組むこととして事業推進を行った。
学生募集の機能,教育の機能,就職支援の機能の各々について学校全体及び各部
署における数値目標を掲げた事業計画を策定して取り組みを行った。
在学生数については若干の減少が見られるが,ほぼ同数で推移している。
就職率については学校全体で 99.41%であり昨年と比較して向上しているが,専門
分野への就職率を向上させる必要があると感じている。
退学者は学科によりばらつきがあるものの全体として 5.5%となった。学生ケアを
はじめとする水面下の努力により昨年度と同程度となっているが,根底には学習意
欲の低下があると感じており今後の課題である。
学校関係者の評価・意見等
・日本語学科の退学者については残念に思う。
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Ⅱ 各評価項目について
評価項目1:教育理念・目標
自己評価について(小項目自己評価平均 3.40)
「学校に何の目的があり,その為にどう整備されているか」ということが最重要視
されるべきことであると考える。
教育理念=使命,ビジョン=使命を達成するためのツール(使命を達成したときの
映像表現)と捉え,全教職員がそれに向けて邁進するための位置づけでセットしてい
る。教育理念で謳う人間力=礎となる力=基礎であり,これを熱していくことを最も
重要なこととし,カリキュラムに反映し取り組んでいる。学生に対してはオリエンテ
ーションや学内掲示,保護者や学校関係者に対しては学校 Web を通じて公開と周知を
図っている。理念やビジョンをしっかり伝え,そこからの教育によって人間力のある
人材を育成したい。
また,少子化(18 歳人口減少)に対しての対応は,職業教育機関として実施できる
あらゆる視点からの施策検討を進めているところである。
学校関係者の評価・意見等
・18 歳人口減少対策としては,子供や 60 歳以上のエルダー向けなど,18 歳人口に左
右されない戦略も考えられる。
・理念や目標など継続的に言い続けなければならないことは,表面的には見えにくい
ものだと感じる。
評価項目2:学校運営
自己評価について(小項目自己評価平均 3.38)
毎年度事業計画書(学校全体および各学科ごと)を策定し,全教職員への計画周知,
中間報告,年度末事業成果報告を行っており,大きな流れを把握し評価している。
また,毎週経営会議,運営会議(部長会議)を行い学校全体運営に係る課題解決を図り,
分野・学科会議において全教職員が共有しつつ運営を行っている。
一方,業務の効率化だけでなく,教育支援や学生サービス,さらには学校運営の意
思決定支援のための統合的な学内情報システムの再整備は,学校全体機能の連携の観
点から見直しが必要であり,引き続き今後の課題である。
学校関係者の評価・意見等
・システム化については企業でも同じである。実現に向けてしっかりした目的があれ
ば大丈夫だと思う。
評価項目3:教育活動
自己評価について(小項目自己評価平均 3.29)
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学科等のカリキュラムは先に述べたように,基礎・専門・実務経験の三層構造で体
系的に編成されている。各学科が最も重要とするスキルとそれを高めるために選択科
目も含め有機的に編成されたカリキュラムが,本校の教育力の源泉のひとつである。
教育課程編成委員会その他のカリキュラム改善の活動においては,教育理念・目標に
沿って方向性を持った活動が行われている。
学生の能力差が大きいことが課題である。このことが専門就職率に影響を及ぼして
いると考えており,従来の教授方法とは異なるものとして反転授業やアクティブラー
ニングなどにも試験的に取り組んでいる。
インターンシップは職業教育活動の大きな要素であり,限られた修業年限であるが,
今後企業等との連携強化の上で教育課程に位置づけた制度としての整備が必要である。
教員研修については,企業等と連携し職業実践的な実務能力向上に関する研修,及
びメンタルケアやコーチングなど教育力向上に関する研修を学科単位や学校全体とし
て行っているが,企業等との連携の在り方については検討の余地があると考えている。
学校関係者の評価・意見等
・実務能力の研修については,学科が多岐にわたるため一概に言うのは難しいが,他
の専門学校の同分野の教員同士が集まって行うなども一方法ではないか。
・研修については教員自身が,自身のスキルアップの必要性をどう考えているのかが
最も重要である。学校側が「研修を実施する」だけでなく,自らスキルアップする
ために「外へ行かせる」ことも研修の一環として有益である。
・企業によってはインターンシップが選考の一部となっている。就職率向上のために
は有益かもしれないが,本来の目的から外れているケースも見られる。
評価項目4:学修成果
自己評価について(小項目自己評価平均 3.20)
昨年度の退学率は 5.5%であり近年 5%前後で推移している。退学理由としてはメン
タル面の要素も多いが,学習障害をはじめ集合教育が困難な学生が増加している現実
もある。本校では多様な学生への対応は業務として規定し対応している。退学者の撲
滅に対しては,学科変更の柔軟な対応,休学制度の運用工夫,学生相談室(カウンセ
リング室)を設置し専門のカウンセラーを配置,メンタルヘルスやコーチング教職員
研修の実施など主に下位層を対象とした策を講じた。今春からは次のステップとして,
中~上位層を対象とする教育の質的向上との両輪で学修成果向上を目指している。
卒業後のキャリア形成への効果把握を教育課程改善への活用のため,就職先企業に
対するアンケート調査等を実施し,教育課程を含め学校の教育活動全般への反映を促
進している。今後調査内容や方法を含め継続的な見直しを図り,学修成果の検証と向
上に取り組みたい。
昨年度から稼動を始めたキャリアセンターでは,卒業生を含めたキャリア形成の支
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援とともに,社会人としての資質育成のため全学科の1年生を対象としたキャリアデ
ザイン授業を実施している。
資格取得については,社会との接続性向上策のひとつとして,各種の対策を講じて
全学を挙げて取り組んでいる。
学校関係者の評価・意見等
・中小企業家同友会では,県内に素晴らしい中小企業が数多くあることが発信できて
おらず,また学生も理解していない現実がある。そこで大学のキャリアセンター職
員を現場へ招いたり,情報交換会を開催して理解を深めてもらう取り組みを始めよ
うとしている。企業側の声として,学校の就職指導部の低レベルな指導例は数多く
聞くが,神戸電子がキャリアセンターを設置して自ら変わろうとしていることは評
価できる。また,企業や職業とのマッチングのためにインターンシップは重要であ
り,地元企業との連携を活性化して実施できることが望ましい。
・同窓会は通知に対する反応が半分程度であれば良いのではないか。
評価項目5:学生支援
自己評価について(小項目自己評価平均 3.60)
本校では日本学生支援機構の奨学金を受給する学生が 6 割近く在学しており,他校
や大学と比較しても高い数値である。このため経済的に困窮している学生への学校独
自の経済的支援制度として,昨年度末に授業料減免制度を整備した。今年 6 月の募集
においては 5 件の申請があった。今後他の方法も含め修学を支援する仕組みの整備が
必要であると感じている。
教育環境や支援に対する社会人のニーズは,学び直しや産業界のニーズなど職業教
育の全般に係るものと考える。現在,教育訓練給付制度に基づく専門実践教育訓練講
座の設置準備中であり,これにより費用面での支援を拡充し教育環境整備の一助とす
る計画である。また,社会情勢や社会人ニーズの変化などを踏まえ,単位制や通信制
による多様な学習機会の創出についても検討している。
学生の生活環境支援として,8 棟目の学校直営寮(男子寮)である「北野ドミトリ」
を学校隣接地に建設し 3 月に竣工した。今年はさらに女子寮の建設も予定している。
学校関係者の評価・意見等
・特に社会人の学習機会としての単位制導入は良い取り組みであると思う。例えばプ
ログラミングに興味のある社会人を,カリキュラムの一部分で受け入れるなど,単
位制による差別化も可能ではないかと思う。
・多様化する学生に対する数々の施策は,なかなか親切だと思う。
・現状の社会人ニーズとして「スタートアップはプログラミングから」という風潮が
ある。
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評価項目6:教育環境
自己評価について(小項目自己評価平均 3.00)
昨年度は教育施設整備として以下の 2 事業を実施し環境整備を行った。
・4K 映像制作教育システム整備
次世代 4K 映像制作が必要となってきている現状に合わせ,学内光ファイバーネット
ワーク網を活用して複数の実習室から映像処理を可能とする実習環境を整備した。
・ホール音響技術教育システム整備
ソニックホールの既存音響施設を換装し,天井吊りスピーカーシステムのオペレー
ションやデジタル音響技術,さらに 5.1ch サラウンド技術修得に対応した実習環境を整
備した。ソニックホールについては各学科の年度末成果発表会も含めて,多様な教育
形態に備えた十分な機能を持たせている。
その他学校として教育上の必要性に対応できるよう維持・整備しており,各学科に
それぞれ機能的に特化した実習施設等を整備している。
今後は,一般学科教室の机や椅子,図書室,学生食堂,各種アメニティなどの再整
備に取り組みたいと考えている。
学校関係者の評価・意見等
・資金があり整備できるに越したことはないが,良すぎる環境はどうかと思う。最新
設備でなくても,手入れの良く行き届いたトイレなどが良いと思う。
・最近の若者は本を読まず,スマホやタブレットばかりだと感じるが,本を読まない
と駄目になる。知識を増やさないと良い発想は生まれない。是非学校内に本の設置
を増やしてもらいたい。
・基本的には耐震性をクリアしていれば,古いことは別段問題ないと思う。
評価項目7:学生の受入れ募集
自己評価について(小項目自己評価平均 4.00)
本校は専門学校で初めて広報活動に twitter を活用した学校として,雑誌の取材を受
けるなどの実績がある。現在は Web での広報・募集活動と雑誌等の紙媒体と両方を並
行しているが,今後は時代の流れに応じてバランスを考えて対応していくことになる。
Web 上での情報発信に加え,高等学校から要請があれば必ず出向くという広報体制
で臨んでおり,このことが学生募集の成果として現れている。
入学生は西日本の全域に及ぶが,東日本からの入学者はまれである。中では四国四
県と鳥取,島根,岡山が多いが,広島,山口や九州からはほとんど入学者がいない。
入学生数を確保することを第一とした募集活動を行っているが,しっかりと学校の
メッセージを伝えポリシーを理解した学生に入学してほしいと考えている。
情報発信は出来るだけ Web(学科ブログ等)を通じてタイムリーに行うようにしてお
り,昨年度はセキュリティ上の問題から対策を強化した。
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学納金についてはノート PC の負担は必要になるが,他校と比較して高額ではないと
考えている。
学校関係者の評価・意見等
・なぜ学校の HP を学生自身が作らないのかと思う。我が社では来年から入社1年を
経験した社員に,新卒向けの会社説明をさせる計画である。入社して良かったとこ
ろを,去年入社したばかりの若者が話すことで思いが伝わると思う。学校の教育理
念の下で,自分たちがどういう経験をしてどう成長しているのかが伝わる HP が素
晴らしいと思う。勿論すべてを学生に任せることは問題があるかもしれないが,そ
ういう部分はあっても良いのではないか。
・学校の「良い部分」をアピールする HP はどこにでもあり,入学してから「違い」
に気づくこともある。それより入学してみて「本当だな」「近いな」と感じるほうが
良いと思う。
評価項目8:財務
自己評価について(小項目自己評価平均 3.50)
専門学校は県の許認可であるが,併設の大学院設置以降は法人としては国の管轄と
なり大学等と同様の水準を求められており特に問題は無い。また,昨年度は学校隣接
地に男子寮を建設,今年度は女子寮を建設予定である。
一部の大学等において赤字経営ということも聞くが,本校の財務基盤については問
題ない。だた,今後の情勢は予断を許さないものであり,しっかりした基盤を維持し
ていきたい。
財務情報については昨年度公開体制整備を行い学校 Web にて情報公開中である。
学校関係者の評価・意見等
特になし
評価項目9:法令等の遵守
自己評価について(小項目自己評価平均 3.25)
昨年度より学校評価のガイドラインに沿った学校自己評価及び学校関係者評価の実
施と公開を行っており,低評価項目や指摘事項については真摯に受け止め改善に取り
組んでいる。また,情報提供等の取組に関するガイドラインに沿った学校基本情報に
ついても同様に学校 Web にて公開しており,保護者や学校関係者への情報提供を行っ
ている。
個人情報の取り扱い等については教職員オリエンテーションその他で折に触れ啓発
と周知徹底を図っている。学生に対しては,個人情報の取り扱いについて説明すると
ともに,違法ダウンロード等著作権に係る事項については授業等カリキュラムに組み
込み指導を徹底している。
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学校関係者の評価・意見等
特になし
評価項目 10:社会貢献・地域貢献
自己評価について(小項目自己評価平均 3.00)
事業報告書及び Web にて公開の学校基本情報の,各学科の特色教育,国際化,課外
活動等に分散して記載されているが,各種ボランティアや地域自治体との連携活動を
行っている。
一例を挙げると,兵庫県専修学校各種学校連合会と連携した高校生の職業体験(イ
ンターンシップ)の受け入れ,各種検定試験公開会場の提供およびその運用,高等学
校教員に対する技術研修,高校演劇部や放送部,写真部などの部活動支援,地元警察
の依頼で「振り込め詐欺の被害から地域の高齢者を護る」キャンペーンにて寸劇披露,
地域感謝祭(テクノ盆踊り)共同開催などを継続的に行っている。
その他,地球温暖化防止啓発運動のクールアースウィークでの打ち水や納涼サウン
ドインスタレーション,エコキャップ運動やキャンドルナイト,神戸まつりをはじめ
とする各種の地域イベントなど,特にサウンド系学科については音響・照明の担当を
数多く担っており,年間で 100 件を超える連携が行われている。
また,公開講座として「校長ゼミ」をはじめ公開型の特別セミナーを数多く開催し
ている。内容が専門的なこともあり現状では地域住民よりも社会人や大学生が中心で
あるが,内容の多様化により地域住民の参加も促進したい。
教育訓練の受託については,教育訓練給付制度に基づく専門実践教育訓練講座の設
置準備を進めており,これにより地域社会に対する貢献を図る計画である。
学校関係者の評価・意見等
特になし
評価項目 11:国際交流
自己評価について(小項目自己評価平均 3.50)
現状では台湾(正修科技大)や中国の学生を受け入れての日本語教育,ゲームソフ
トやアニメ担当教員や学生の短期講習,その他中国や韓国の大学・高校・日本語学校
での講習,アニメ業界と連携し,地方自治体レベルでの交流を含めて特別技術セミナ
ーの開催などをしている。
近年は中国に加えて,ベトナムやインドネシアなど東南アジアからの留学生や国費
留学生が増加しているため,交流事業にも力を入れている。しかしながら就職に関し
てはやや困難な現状があり,留学生受け入れの課題となっている。
また,併設の大学院が英語だけで授業を行うグローバルコースを設置している。
特に発展途上国の課題解決を ICT で行う知識技術の修得を掲げており,JICA(国際協
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力機構)経由でアフガニスタンほかアフリカ各国からの留学生が多数来日している。IT
系学科においては,大学院との連携授業等にも取り組んでいる。
学校関係者の評価・意見等
・企業にとっても外国人の受け入れはなかなか難しい問題であるが,優秀な人材も多
く,今後の労働力確保の観点からも検討の必要を感じている。
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Ⅲ 学校評価の具体的な目標や計画の総合的な評価結果
総括
緊急の対応が必要な項目はないという自己評価結果であるが,更なる向上のために
あらゆる手段で改善に取り組んでいきたい。
昨年度は職業実践専門課程の運営によって企業等との連携が一段と進んだと感じる。
それが元となり全学的にカリキュラムを見直そうという動きが起こっている。このよ
うな動きはこれまで無かったわけではないが部分的であり,全学科での均質化が進ん
だと感じる。
これを機会として学校全体を見つめ直し,次のステップに向け学校全体の教育力向
上と評価向上に取り組んでいきたい。
学校関係者の評価・意見等
我々のように卒業生を雇用する立場にいると,社会を一番知らないのは学校の先生
(同じことばかり教えている)だと感じる。外へ出て行かない人(アンテナが張れて
いない人)が多く,世の中の動きが分からないため,産業界の望んでいる人材が育成
できていない。神戸電子はそのようなことが無く,いろいろなことに取り組み,社会
の声を聴く仕組みがあることが評価できる。より一層強化してもらいたい。
以上
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学校法人コンピュータ総合学園 神戸電子専門学校
〒650-0003 兵庫県神戸市中央区山本通1丁目6番35号