§1 平成 26 年度の JU中販連の事業概要 1.環境性能課税導入に関する対応 消費税率 10%時点で自動車取得税が廃止されるため、環境性能課税を自動車税の取得時の 課税として実施することが検討されました。 環境性能課税が単純に年式が古いということで中古車に課税されることになると、経済的弱 者に大きな負担を強いることになるため、仮に中古車の取得時に課税する制度とするのであれ ば、免税点制度や基礎控除制度等が必要であると陳情活動を展開しました。 しかしながら、消費税率 10%引き上げの延期等を与党の政権公約とした衆議院議員選挙で 与党が圧勝したことから、平成 27 年度税制改正大綱には「消費税率 10%段階の車体課税の見 直しについては、平成 28 年度以後の税制改正において具体的な結論を得る」とされたため、 環境性能課税導入の議論は平成 27 年末以降に先送りされることになりました。 2.新車エコカー補助金導入反対に関する対応 新車エコカー補助金が導入されると、補助金終了後には販売台数が大きく減少することに加 えて、新車エコカー補助金により中古車の割安感が失われ、中古車業界に壊滅的な影響を与え ることになるため、JU中販連では新車エコカー補助金導入反対を要望した結果、平成 26 年 度の補正予算での新車エコカー補助金の導入は見送られました。 3.中古車に対する消費税の特別措置に関する要望 JU中販連では、軽減税率導入に伴いインボイス方式が採用された場合、課税事業者でない 消費者はインボイスを発行できないことから、仕入税額控除ができなくなるため、中古車につ いては従来通り帳簿方式による仕入税額控除が可能となるよう長年要望してきました。 これを受けて、与党税制協議会の消費税率 10%時の軽減税率導入に向けた議論では、区分 経理については、JU中販連の要望どおり、いずれが採用された場合であっても中古車に対す る特別な手当てとして仕入税額控除を可能とする案を公表しました。 しかしながら、衆議院選挙により消費税率 10%への引き上げが平成 27 年 10 月から平成 29 年 4 月まで延期され、平成 29 年度からの軽減税率導入を目指して、政府与党で早急に具体的 な検討が進めることになったため、引き続き、軽減税率導入の際は中古車の仕入税額控除を可 能とするための陳情活動を展開していきます。 4.封印取付け受託業務に関する対応 JU各県協会では丙種受託者として封印取付け受託業務を実施していますが、インターネッ トの普及により、販売範囲が広域化していることから、同一運輸局管内以外の運輸支局につい ても封印取付け業務の受託ができるよう、体制の整った協会から委託申請書の提出を行ってい 1 ます。 平成 26 年度については、新たに中部運輸局管内・近畿運輸局管内・中国運輸局管内・四国 運輸局管内・九州運輸局管内(沖縄)のJU協会の委託申請が認められ、封印取付け受託業務 のネットワークを確立しました。 5.中古自動車販売士制度の推進 中古自動車販売士制度は、中古車に対する不安を解消して、中古車マーケットを拡大するべ く打ち立てたグランドデザイン 3 施策、「販売士制度」「車両品質評価制度」「適正販売店制 度」のうちの1つで、販売に必要な知識・技能を認定するだけでなく、知識・技能の研修・教 育を実施してレベルの底上げをすることを目的として、平成 23 年 11 月から各県協会において 研修を本格スタートしました。 平成 26 年度については 10 月から 3 月にかけて各県協会で新規研修を実施するとともに、平 成 24 年度に認定を受けた第 1 期の販売士に対して、Eラーニング等を活用した更新研修を行 いました。 6.JU適正販売店認定制度の研究 お店の信頼のための認定制度「適正販売店制度」は 10 年以上前から議論を進め、小売にお けるトップランナーとなる優良販売店としての位置づけを模索してきましたが、「何をもって 優良、あるいは適正とするのか」のイメージは多様であることから、「JU会員販売店であれ ば本来具備すべき基準」として原案を作成しました。 この結論を元に、安心・信頼のベースとなる適正販売店として認定するための要件案を定め、 会員販売店から意見と併せて審議し、9 項目の申請要件を定めるとともに「JU適正販売店認 定制度要綱」をまとめました。 同制度は平成 27 年 4 月からスタートし、すべての営業所が申請要件を満たし、事業所(会社) 単位で誓約することが必要となり、認定・登録が行われた後、JU適正販売店として活動でき ることになります。 7.会員拡大キャンペーンの実施 JU中販連の会員数は、平成 6 年に 1 万社を達成し、長年 1 万社を維持してきましたが、平 成 22 年 3 月末に 1 万社の大台を割り込みました。 JUの組織力を内外に示していくためには、1 万社の会員数を維持していくことが重要であ ることから、平成 26 年度についても会員拡大キャンペーンを実施しました。 その結果、平成 26 年度の状況は新規加入 493 社、退会 275 社、純増 218 社、平成 27 年 3 月 末の会員数は 10,039 社となり、1 万社の会員数に復活しました。 8.消費者相談体制・業務の充実強化 JU中販連では、消費者保護と信頼確保を目的に中古車相談室を設置し、中古車に関する販 売トラブルの相談や情報提供を行い、平成 26 年度は 1,500 件を超える受付件数となりました。 また、経済産業省消費者相談室及び国民生活センターとの連携を密にし、情報提供を行って います。 2 9.組織拡充のためのJU活動周知と広報活動の強化 業界の健全な発展に資するための事業、かつ、法制・税制、消費者保護、組織強化等の重点 施策についての広報活動を実施しました。 また、行政当局、関係諸団体等への情報提供・報道機関、消費者団体等に対するJUの活動 について啓蒙活動を行いました。 3
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