スライド資料

E-FIELD
Education For Implementing End-of-Life Discussion
Education For Implementing End-of-Life Discussion
 倫理カンファレンスの
進め方(模擬実習)
Education For Implementing End-of-Life Discussion
本モジュールの目標

倫理カンファレンスを企画できる

倫理カンファレンスで検討する事項を述べること
ができる

倫理カンファレンスのファシリテーターができる

カンファレンスでコンセンサスを形成することが
できる
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倫理カンファレンスの手順
STEP1: コンサルテーションを受ける
STEP2: カンファレンスをセッティングする
STEP3: カンファレンスを開催する
STEP4:その後の状況をフォローする
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倫理カンファレンスの手順
STEP1: コンサルテーションを受ける
STEP2: カンファレンスをセッティングする
STEP3: カンファレンスを開催する
STEP4:その後の状況をフォローする
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コンサルテーションを受ける

アクセス
– 原則は担当医療チームから相談を受ける
– 限りなくシンプルな方法で
– 窓口を一本化する

依頼内容
– 敷居を高くせず、限りなくシンプルに

患者との接点
– 患者側から依頼を受ける場合、依頼内容を聞いて、
倫理的カンファレンスの必要性をコンサルタント
が感じる場合は、医療者チームに連絡する
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倫理カンファレンスの手順
STEP1: コンサルテーションを受ける
STEP2: カンファレンスをセッティングする
STEP3: カンファレンスを開催する
STEP4:その後の状況をフォローする
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カンファレンスのセッティング

カンファレンスに必要な人
– 合計で4人以上が望ましい
– 多職種(担当看護師・医師・MSW・リハな
ど)
– 相談員1名以上(司会+1名が望ましい)

場所・時間
– 担当医療チームの都合を優先する
– 定時開催と臨時開催どちらも長所と短所あり
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倫理カンファレンスの手順
STEP1: コンサルテーションを受ける
STEP2: カンファレンスをセッティングする
STEP3: カンファレンスを開催する
STEP4:その後の状況をフォローする
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カンファレンスの進め方

手順1.事例の提示

手順2.意思決定の選択肢確認

手順3.情報の整理

手順4.情報の吟味と意見交換

手順5.医療チームとしての推奨に関するコンセン
サス形成

手順6.今後の具体的な医療の流れの確認
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選択肢の確認

可能な限り具体的な選択肢を想定する
– いつ
– だれに
– どのようなことを行う/行わないか


想定される選択肢を2-4つ程度設定する
複合する選択肢なども想定する(たとえ
ば、Aという治療を続け、もし特定の状
態になった場合にはBにする、など)
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情報の整理(状況の確認)

情報の種類による整理
– 4分割法がやりやすい

チェックリストによる整理

情報の発信者
– すべての種類の情報に多職種の見解が入ることが
望ましい

本人の意思決定能力について
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情報の吟味

客観的根拠に基づく吟味

規範に基づく吟味

価値と感情に基づく吟味
– 本人の認識
– 家族の認識
– その他関係者の認識
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意見交換:
ファシリテーターの役割

議論の手順をリードする

多数の視点を引き出す

「声の大きな人」と「声の小さな人」と
のバランスをとる

「おとしどころ」を探るように議論を進
める
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コンセンサスの形成

「患者にとっての最善」を常に意識する

「大まかなケアの方向性」と「具体的な選択肢の
決定」を分けて議論する

強い推奨か弱い推奨かを意識する

コンセンサスは医療者の中におけるコンセンサス
であり、実際の選択はその後の医療チームと患者
側の対話によることを理解する
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倫理カンファレンスの手順
STEP1: コンサルテーションを受ける
STEP2: カンファレンスをセッティングする
STEP3: カンファレンスを開催する
STEP4:その後の状況をフォローする
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その後の状況をフォローする

担当医療チームとの連絡
– 支持的に行う

臨床倫理委員会への諮問
– 場合によって、複数回カンファレンスを開く
– より困難なケースは、臨床倫理委員会に諮問
する
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模擬カンファレンス





事例を見てください
この事例で模擬カンファレンスをお願いします
司会1名、その他コンサルタント1名、患者担当医療
チーム数名を設定してください
手順に基づき模擬カンファレンスを進めてください。
情報が不十分なところは脚色してください
以下についてまとめてください
– 至った結論
– コンサルタント側は、どんなところが難しかったか
– 依頼者側は、どんなところが役に立ったか、不満
だったか
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事例(「導入」の事例と同じ)
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84才 男性。80歳の妻と二人暮らし。
78才の時に脳梗塞を発症しその後日常生活動作が低下。
要介護3。食事摂取は全介助となっている。
最近1年で2度誤嚥性肺炎を起こしている。そのたびに
嚥下機能が徐々に低下しつつある状況。ごく簡単なコ
ミュニケーションのみが可能。
今回今年3度目の誤嚥性肺炎で入院。一命は取り留めた
が、全身の衰弱により自力での嚥下が困難な状況にある。
近所の診療所がかかりつけ。在宅医療は実施していない。
いままで、自力で食事が食べられなくなった時どうする
かについて事前に話し合ったことはない。
娘夫婦が車で1時間程度の距離に住んでいる。娘もご本
人の選好について特別な意見を持っていない。
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議論の補足
患者の医学的状況
– 専門家の見立てでは嚥下機能については回復が困難で、経口摂取による
再誤嚥のリスクは極めて高い
– 胸水の貯留があり、低栄養状態に伴うものと考えられる。
– 経腸栄養を導入することで、栄養状態は安定する可能性は高い
– 今回の入院で脆弱性は高まり、ほぼベッド上の生活になりそう
入院中の状況
– 前回の入院中、栄養を確保するために経鼻栄養を導入しかけたが、すぐ
に自己抜去してしまった
– 今回も点滴治療に準じて両手にミトンがはめられたが、いつもミトンを
外そうとしている
患者の選好
– かかりつけ医と将来の医療について相談したことはない
– 奥様からの話では、「延命のようなことはしてほしくない」とテレビを
見ながら言っていたことはあるようだ
患者の家族の状況
– 二人暮らしは限界に来ていると考えている。娘が実家に戻り父の介護を
行うという選択肢はなくはない
– 今後長期療養施設への転出が予想されるが、27万円/月とのこと。
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