数字が物語る現場の実状。 それを読み解き、経営に生かす 経営企画 毛塚史樹 「二度と繰り返さない」。 ミスが成長につながる 毛塚の主な仕事は、毎月開かれる役員会に向けて、月毎の売上や原価、営業利益などの各種経営数値を月報にまとめ ることである。 もちろん、月報は単純に数字を羅列すればいいというものではない。 役員会はそれをもとに今後の経営の舵 取りを担っていく場。医療やグラフィックス、産業といった製品群別に売上を計算するなど、細かくデータを収集し、その月 に起きたトピックや情勢から増減した要因を探り、問題点をあぶり出す必要がある。 さらに、決算毎には、市場別や地域別 に売上を整理するなど、 より詳細な報告を提出する。 数字からビジネスの実状をこと細かに読み解く̶̶。 そのため、毛塚は深く分析を繰り返す。 ビジネス業界全体を俯瞰し たり、 現場の声に直接耳を傾けたりするなど、 あらゆる角度から探っていくのだ。 扱う対象が数字となる仕事には、当然、正確性が求められる。毛塚は入社以来、そんな世界に身を置いてきた。 経営企 画課に異動となる前は、経理課に所属していた。 こちらも数字を通して経営に密接にかかわる仕事である。 「ただ、入社 から 1 年半が過ぎ、経理の仕事にも慣れてきたころ、誤った伝票を入力し、修正作業に追われたことがありました」 と、毛 塚は頭をかく。 この出来事を教訓に、毛塚は独自のチェックリストを作った。慢心を戒め、 二度と繰り返さないためである。 内部統制整備のためにドイツへ そんな毛塚の真摯な姿勢が見られるのは、数字と向き合っているときだけではない。2014 年 12 月、毛塚はドイツへと渡っ た。 グローバル展開を推し進める EIZO では海外の売り上げが伸びており、 ヨーロッパ戦略の基幹となるドイツのグループ 会社が J-SOX の対象となったからだ。 J-SOX は、投資家に情報開示 (ディスクロージャー) の信頼性を確保するため、財 務報告に関する内部統制制度の整備をすることである。入社 4 年目の毛塚にその大役が任された。 「入社半年で海外出張は経験していますが、そのときは上司と一緒でした。今回は私 1 人だけ。最初、話を聞いたときは 少し驚きました」。毛塚は急いで説明資料の準備に取りかかった。現地でも社員とのやり取りの際はボイスレコーダーで音 声を記録し、ホテルに戻ってから聞き直して疑問に答えきれていない点はないかを細かく確認。無事、3 日間の海外出張 を終えた際はほっとしたと同時に、 奮闘した日々を振り返り、 大きな充足感に包まれたという。 このように若手であってもやりがいのある仕事を担うことができるのは、EIZO ならではの企業風土である。 そんな環境の 中で毛塚は一回りも二回りも大きく成長してきた。 もちろん、現状に満足するつもりはない。 「経営への理解をより深め、国内 外の各部署に数字をもとにアドバイスできる存在になりたい」 。毛塚の視線はより高みを見据えている。 QUESTIONS to KEZUKA 毛塚史樹への一問一答 Q. 学生時代に打ち込んでいたことはなんですか。 A. 日本の金融政策を取り上げたゼミです。 ある理論モデルと比較し、現状がどうなっているかを探る研究をしていまし た。理論と結果の違いを、仮説を立てて検証していて、 その姿勢は今の仕事にも共通する点が多いですよ。 Q. EIZO への入社動機をお聞かせください。 A. 会計を勉強していましたから、それを生かせる経理職を志望していました。 EIZO の入社試験を受けたのは、父が 長年のユーザーで興味がわいたからです。就職活動中には、当時の経理部長と話す機会があり、 とても親身になっ て話を聞いていただきました。 また、事業規模が大き過ぎると、経理も細分化されてしまいますが、EIZO の規模だと では会社全体を俯瞰した見た仕事ができる点も魅力でした。 Q. どんな上司がいますか。 A. いい意味で経理っぽくありません (笑)。経理職と言うと、デスクでずっと数字をにらんでいるイメージを抱いている人 がいるかもしれませんが、上司は全然違います。数字をもとにした改善策に他部門をの人たちも巻き込んで知恵を 絞っていて、 その行動力にいつも驚いています。 [この内容は2015年2月にインタビューしたものです] PROFILE●毛塚史樹(けづか ふみき) 経理部経営企画課。2011 年入社。政治経済学部卒業。 モットーは「Cool Head, Warm Heart 氷のような情熱」(冷静に判断しつつ、現状に妥協せずに理想を追い求める)。
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