21.重大な医療事故発生時の対応(看護部)

看護部 事故対策
21.重大な医療事故発生時の対応(看護部)
1.連絡方法
患者
所属長
安全管理担当
医療安全
事故当事者
勤務時間外は
者
遅出師長にも
副院長
病院長
管理者
看護部長
2.対応策
①当該部署対応
当事者及び発生部署リーダー
ポイント
1.患者の安全確保と救命処置
①リスクのレベルを判断する
②声を上げて他のスタッフ(医師・看護師)に知らせる
③エマージェンシーコールで人手を集める(夜間も可)
初
期
④直ちに必要な一次救命処置を取る
【注意】
(休日及び夜勤帯)
⑤医師の指示のもとに二次救命処置を行う
緊急時一斉放送があれば
⑥患者には絶えず言葉をかけ、患者を1人にしない
各部署より 1 名応援に駆
2.報告
けつける
①所属長(夜間は遅出師長も)
落ち着けば、2 人夜勤の部
②報告内容
署が優先で、自部署に戻る
医療事故が発生したこと、現在行っている処置を簡潔
明瞭に報告する
対
3.緊急の対処
①師長到着まではリーダーが指揮する
応
②スタッフを割り当てる
・救急処置の担当
・記録の担当
・事故対応以外の業務
・事故の当事者に付き添う
③証拠保全
・事故に関する器具は廃棄せず保存しておく
チューブ類、ルート類、注射器、アンプル、薬袋
などに至るまで、全て保存しておく
当事者及び発生部署リーダー
ポイント
1.記録の留意点
重大事故発生時は、記録方
①入院時点までさかのぼって記録物の提出が求められ
式を経時記録に変える
る
【参照】日本看護協会:
②看護記録は医療訴訟等で証拠となることを認識する
看護記録の開示に関する
③日常の記録も、情報開示を踏まえた記録にしておく
ガイドライン 2000.7
2.初期対応時の記録
日本看護協会出版会
①初期対応時の記録担当者は、初期対応現場のリーダ
ーが選定し指示する
②一貫した事実を書き留めておく
③記録内容
記録上遵守すべき原則
・時間の確認:日頃より基準となる時計を定め、定期
・事実のみ客観的かつ正確
的に時間を合わせておく
事
故
報
時計が設置されていない場合は、基準
・誤解のない表現を用いる
となる時計を決めておく
患者・家族への説明やや
計器類(モニター)等の時刻む、保守
り取りも必ず記録する
点検時に合わせておく
・改ざんとみなされるよう
・記録内容:・治療・処置・ケアについて、いつ・ど
な記録は刑事責任を問わ
こで・誰が・何を・どのように実施し
れることになるので、出
たか
来るだけ、タイムリーに
・指示書ならびに実施者の氏名、患者の
告
に記録する
反応・状態、患者・家族への説明内容
などを客観的に記載する
・処置等の施行者は、実施した内容を、
初期対応に関わっているメンバー全員
に聞こえるよう復唱する
・処置・看護などを実施次第、その都度
速やかに記録する
3.初期対応終了後の記録
①初期対応時の記録をカルテに記録する時の注意事項
・初期対応時に関わった医師・看護師等が全員で相
互に事実を確認する
・初期対応が一段落しても、患者の状態が安定する
までは看護記録やカルテは経時記録を続ける
電子カルテに入力する
1.事故報告書
報
①記録者:事故当事者が明確な場合は、当該本人
その他の者が発見した場合は、発見者とそ
告
の
職場の長が行う
書
②報告書の様式:事実経過がわかるように記録する
②管理者の対応
所属師長・遅出師長
師長到着までは、勤務時間帯のリーダーが指揮する
到着後は、当該部署の対応に順ずる
1.管理者の姿勢と対応
①冷静沈着かつ迅速に判断し行動する
初
②落ち着いた声色と口調、必要以上に大声を出さない
③指示は語尾まで明瞭に伝える
期
④受けた報告内容を、簡潔に復唱し、確認する
2.到着後
対
①患者の状態の把握
②他の患者やスタッフへの配慮
③事故当事者への言葉かけ
応
3.役割分担の確認
①スタッフの業務を割り当てる
4.証拠・現場保全
①証拠となる器具類の保存状況を確認する
②事故の現場を自分の眼で客観的に細部まで観察し
確認しておく
5.看護部長・医療安全管理者へ報告
1.患者・家族への対応
①患者への説明
・意識が無い場合は、直ちに救命処置を行う
・意識がある場合、絶えず言葉かけをし、必要な処置
を説明し同意を得て実施する
②家族への連絡
・主治医又は現場にいる当該科の医師、もしくは看護
職のうち出来るだけ上席者が連絡する
・患者に意識があれば、家族に連絡すること、誰に連
絡するか、患者の意思を確認する
看護部長・医療安全管理者
③家族への説明
・主治医又は当該科の上席医師より、事故の事実関係
を説明する
・説明は複数の医療従事者同席のもとで行い、所属長
遅出師長も同席する
・説明終了後、直ちに時刻、説明内容、説明者をカル
テに記載する
・この時点で、事故当事者は同席しない
2.記録物の確認
①当事者欄の記録の留意事項・記録内容等を確認
3.患者・家族への対応
①患者・家族の怒りや悲しみに十分配慮し、家族の待
機場所など最大限の誠意を持って接する
②他の患者への配慮
4.当事者・他の職員への配慮
①業務に支障がないように調整する
5.召集されれば、緊急会議への出席
1.患者・家族への対応
1)所属師長の対応に順ずる
①医療機関の過失による重篤な障害が発生した場合、 2)当該部署のサポート・支
家族の待機場所、経済的負担、医療費など最大限の
配慮をする
②直接ケアをする看護職は、患者・家族の気持ちや受
長
け入れ状況を考慮し、患者・家族のペースに合わせ
た対応が必要
期
対
③患者・家族からの問い合わせには、速やかに担当者
に報告し対応する
2.事故当事者への対応
応
①精神的サポート
②勤務配慮
③裁判時の支援
3.教育・研修
①事故の原因分析結果は、各人に周知徹底し、事故再
発防止のために、繰り返し教育・訓練をしている
援
3)教育・研修