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三相交流√3の説明
電気を勉強する時に乗り越えないといけないハードルがいくつか有ると思います。
勉強のスタートはオームの法則から入ると思いますが、
この段階では対象としている電気回路は直流を利用しています。
電気とは何かと問われると、物質の中の原子の中の電子が飛び出して動くのが、
電気そのものと成ります。
電気を伝えやすい銅の中には自由に動ける自由電子がたっぷり入っていますが、
そのままでは自由に動いているだけで仕事をしていません。
例えば電池を繋ぐと電子に電界の力が働き同じ方向に動き出し、それが外から見ると電流が
流れている状態であり、熱を出したり、光を出したりとエネルギーの働きを感じる事に成ります。
そこで電圧と電流と抵抗の関係がオームの法則で説明されるわけです。
この時説明に利用されるのが、水道を使ったモデルです。
電圧を水圧に、電流を水の流れに、抵抗をホースの太さに例えて説明すると、
とてもピッタリ合うので解りやすいものです。
ここで一つ目のハードルが有ります。
直流はピッタリはまるモデルが有り理解しやすいのですが、
対象が交流となると上手く表現できるモデルが少なく解りにくいのです。
直流は一つの方向に流れていますが、交流は流れる方向や大きさが変り続けるので、
理解が難しくなります。
ピストンを使ったモデルが一番解りやすいと思いますが、如何でしょうか。
非常に大きくまとめれば、直流も交流も電子の流れを考えれば同じ物と言う事に成ります。
ただかなり乱暴で男も女も人間と言う範囲でまとめれば同じと言うくらいのまとめです。
これは勉強のスタイルによりますが、最初は出来るだけ大きくまとめて考えるのが解りやすいと、
私は思いますが、しっかり型にはめて勉強される方には合わないかも知れません。
ここを突破出来れば力率の意味なども理解できると思います。
受動素子でコンデンサとコイルが必ず出てきますが、電流と電圧に90度の位相差が生じます。
そして周波数に関連して片や反比例、片や比例の関係に有り。
本当に上手く出来ているものだと感心します。
この辺は又の機会に説明したいと思います。
交流が理解出来たら次のハードルは三相交流となります。
第二種電気工事士を持っておられ仕事として電気に携わっている方でも。
三相が良く分からないと言う事を聞きます。
この説明も又の機会にさせていただきます。
これが突破出来ればもう後は電気主任技術者を目指して下さい。
努力を続けるというハードル以外は無いと思います。
さて三相交流と聞けば√3を掛けるか割るかして合う答えを探す事をされていると
思います。
択一試験の良いところは明らかに間違っている答えを除外したり。答えから逆算する、 あるいは色々試してみて答えを探すという事が出来ます。
電気工事士の筆記試験は時間が十分有りますので、最後の最後までもがいて下さい。
どうしても解らないときは、イロハニの数を数え少ないのにマークする。
(みなさんされていると思いますが)
以前聞いた話では周りのみんながどんどん出て行ったので釣られて出てしまった。
後から答え合わせをしたら1問足りなかった。
本当にもったいないです。時間たっぷり有りますのでゆっくり先ず問題を読んでください。
試験では諦めない事が大切です。(何でもそうかも知れません)
一問足らずに不合格と言う話も良く聞きます。もがいて一問ゲットしてください。
択一試験の悪いところはとりあえず答えられる事です。
白紙解答には成り得ませんが、例えば全部同じ所にマークしても25%位は正解に成ります。
皆さんも過去問や模擬問題をされて自分の実力を測っていると思いますが、
その正解率の中にはラッキーが含まれている事を理解してほしいと思います。
100点を目指す事は無駄ですが、過去問中心の勉強された方で,どうしても合格したい方は
安心点としては第二種で76~80第一種で90以上を目指して下さい。
落ちたら1年待たねばいけませんのでその時間はとても長く感じます。
前置きが長くなってしまいました。
今回はその√3の意味を少し考えてみたいと思います。
テキスト等に詳しくそして丁寧に説明されていると思いますが読んで解らないときは、
三角形を書く事をお勧めしています。
ベクトルを正しく書くことが出来ればその長さが電圧や電流の大きさに成ります。
計算できなくても答えが出てしまいますので、
試験ではコンパスや分度器は持ち込み禁止です、計算機も持ち込み禁止ですが、
勉強する時は計算機を使う事をお勧めしています。
100均いけば計算機もコンパスも買えますので是非試してみてください。
計算機を使う事をお勧めする理由は、私が計算が苦手で良く間違うからです。
計算で間違うと、もう問題やるのが嫌になってしまいます。
それでは勉強が進みません。
実生活でも筆算で計算する事はほとんどないと思います。
計算で大切なことは間違わない事です。
勉強する時は計算機を是非使って下さい。
そして少しでも沢山の問題をこなして下さい。
三相交流の図を書くためには正三角形を書く必要が有ります。
三角形は各辺の長さが決まれば同じ三角形が書けます。
良く出てくる三角関数は直角三角形ですので、残りの一つの角度と、一辺の長さが決まれば、
同じ三角形が書ける事から利用されています。
正三角形は各辺が同じ三角形ですので角度も全て60度に成ります。
三角形は内側の角を合計したら180度に必ず成りますので3で割ると60度です。
あまり大きいと書きにくいので1辺を50mm位にしましょう。
①紙の真ん中あたりに50mmの直線を引きます。
②コンパスで両端から半径50mmの円弧を書きその交点が三角形の頂点に成ります。
直線の下側にも同じように円弧を書き交点を求め正三角形を書きます。
③正三角形が2個背中合わせに書けたと思います。
上側の三角形がデルタ結線を表わしていますので、その中にスター結線を書きます。
先ず上の三角形の頂点から下の三角形に垂線を延ばせば二つの三角形を串刺しにした線が
書けます。
④次に上の三角形の残り2辺に垂線を引き三本の垂線がが重なったところが、スター結線の
中性点(ニュートラル)と成ります。(後から引く2本の垂線は中性点まで引いて下さい)
上側の三角形にはデルタとスターのベクトルがの様な絵が書けました。
三角形の1辺が50mmですがこれが線間電圧とすればスターの一辺が相電圧と成ります。
⑤50mmを√3で割ると29mm位に成ります。
如何でしょうか正確に書けたでしょうか。
どうして√3に成るのでしょうか。
⑥上の正三角形を垂線で左右に2分しているのですがこの形見慣れた形です。
三角定規の一つです。
さらに同じ形で一回り小さい三角形が底辺の上に2個有ります。
この三角形で比を考えてみましょう。
相電圧に相当する部分は2と成り線間電圧に相当する部分は√3が2個分に成ります。
線間電圧を1にしたいので、それぞれを2√3で割ると相電圧相当分が2ですので、
1/√3に成ります。長さの比が 1対1/√3となり電圧の比に成ります。
⑦スター結線の相電圧は線間電圧の1/√3と成ります。
電流の場合を考えてみましょう。
電流の場合は矢印を入れてベクトルにして考えてみます。
⑧上の三角形の各頂点にR,S,Tの記号を入れます。
反時計方向に回転していますので、上をRとしたら右側がS左側がTとなります。
各辺が相電流となりますのでここに矢印を入れます。
⑨先ずRからSに流れる電流、次にSからTに流れる電流、最後にTからRに流れる電流。
矢印をたどると元位置に戻ります。
三相電流を合計したら0に成るという言う事です。
それではR点で考えてみましょう。
R点に流れ込む電流は(書いていませんが)RからSに流れる電流とTからRに流れ込む電流の
合計に成ります。(キルヒホッフの法則に有ったと思います)
電流R-Sから電流T-Rを引いた電流がRに流れ込む電流と成ります。
⑩電流T-Rを引くという事は逆のベクトル電流R-Tを足せば良い事に成ります。
電流R-SはRからSに引いた辺に成ります。ここに電流T-Rと大きさが等しく向きが逆のベクトルを
足せば良いわけですが、ちょうどS点から下向きの三角形の頂点に向いている辺が合います。
⑪R点から下に串刺しに伸びた垂線がこの合計のベクトルに相当します。
三角形で又比を考えてみましょう。
⑫三角定規が背中合わせで下に並んでいるのが見えます。
線電流に相当する部分は√3が二個で2√3
相電流R-Sは2に相当します。
相電流を1にする為にそれぞれを2で割ると相電流が1線電流が√3となります。
⑬線の長さが電流の大きさですから。
デルタ結線の線電流は相電流の√3倍と言う事に成ります。
三角形の一辺の長さは50mmこれが相電流です。
垂線の長さが線電流です 50mm×√3=86mm位に成りましたか。
①
②
③
④.
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬