くちきデイリーニュース 〒973-8411 2015 年 7 月 29 日(水) 福島県いわき市小島町2-9-15 株式会社朽木会計事務所 TEL 0246-27-3631 FAX 0246-26-4234 Email 資本金も利益の一種です 複式簿記とは 複式簿記は、現金で車を買った場合に、 増えた財産(車)と減った財産(現金)を 左右に併記することにより、平衡を保ち財 産を管理しようと言うものです。 しかし安く買った商品が高く売れたよう な場合、減った財産と増えた財産が平衡を 破ることになり、そこで考え出されたのが、 販売益や売上等の名目勘定(損益勘定)で す。この名目勘定に対し、実際に存在する 財産を実在勘定と言い、実在勘定と名目勘 定の合計は、常に平衡を保っておりました。 (図①) [email protected] 最初の利益が資本金 会社をはじめる時も本来一緒です。最初 に会社に 1000 万円を入れた場合、会社は 1000 万円の現金が増えるだけで、減る財産 がないので、名目勘定である収益勘定を対 応させて、以下の処理となります。 現金 1000 万円 収益 1000 万円 この収益勘定は、期間が変るとなくなり、 資本となります。これを資本金と呼び、そ の後の儲け=利益と区分しております。 実務ではプロセスを省略して最初から、 (現金)1000 万円(資本金)1000 万円 としております。 図① 負債 資本の登場 しかし一年でいくら儲かったのかとか、 財産が増えたのか等、期間を区切って財産 の増減が問題になると、実際にある資産と 負債と言う実在勘定は期間を超えて存在し ますが、収益・費用と言う名目勘定は、実 在しませんので、次の期間では 0 からのス タートとなります。ここで左右のバランス が崩れます。 そこで考えたのが、資本と言う概念です。 (図②) 資産 費用 収益 図② 負債 資産 資本 補足と解説 資本には次の 3 つの要素が考えられる。 事業の元手 創業の際には、自分で拠出した資金。 そ の後は、稼いだ利益も含め、次期の元手と 理解することができる。 利益の集積 創業時の資金も企業から見るとタダで手 に入れた 利益とみなすことができるので、 すべて毎年の利益を 重ねたものと考える こともできる。 資産と負債の残高 正の財産である資産と負の財産からなる負債の 残高で、正味財産 (純資産)。 資本概念の誕生 日本語では 「残高」に対しても 「平衡残高」 に対しても、共に「残高」という 同じ言 葉を用いるが、英語では二つの異なる単語 を対応させている。「残高」の「remainder」 は当期のすべてを合計した 資産―負債= 純資産に対応するものである。 これに対 し、平衡残高は「balance」と言ってハッ キリ区別をしている この純資産に対して平衡残高を保つ為に 考えられたのが資本と言う概念である。 出典:東京大学 岡部 洋一「複式簿記」より
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