昨年末に着工した内視鏡センターの工事も無事

発 刊 第 30 号
発 行 平成 27 年 10 月吉日
発行者
新潟県立中病院
地域連携センター
副院長 長谷川 正樹
昨年末に着工した内視鏡センターの工事も無事終わり、9 月 7 日より新規稼働となりました。
今までの内視鏡室は検査用ベッドが 2 個しかなく、カーテンで仕切られただけのスペースで声なども筒
抜け、待合室は狭く、トイレの数も少なく患者さんにはいろいろ我慢をしていただいていました。
新センターは通常の内視鏡観察室 3 室、治療用内視鏡室 2 室、気管支鏡用透視室 1 室、消化器系処置用透
視室 1 室を設備しました。これにより通常観察内視鏡検査の件数を増やすことが可能となり、検査予約が
早くなり、検査当日の待ち時間も短縮できるようになりました。
早期胃癌・大腸癌に対しての内視鏡的治療は年々その数を増やしていますが、広いブースでのより安全な
治療が可能となりました。
気管支鏡用透視室では患者さんを動かさず、C-アーム透視台を可動させることにより肺病変の位置診
断・質的診断もより精密にできるようになります。
消化器系透視室でも C アームによって観察角度の調整ができるようになり ERCP 検査等もより詳細な条
件の良い画像を得られます。エコーの同時使用も可能になり、内視鏡的治療手段の内容もレベルもかなり
上がります。
また緊急の検査・治療にも十分対応できる使い勝手のいいセンター運営を心掛けたいと考えております。
何よりも安全性を重視した質の高い診断・治療を目標とし、地域医療のお役にたてるように医師を含めセ
ンター職員一同 ますますの努力をしていく覚悟です。よろしくお願いいたします。
内科 平野 正明
内視鏡検査や治療のニーズが高まる中で限界に達
していた旧内視鏡室でしたが、9 月 6 日に全国に誇
れる内視鏡センターがオープンしました。
内視鏡センターの特徴として、
① 明るく広々とした患者待合スペース、7 つの個室トイレ、男女別の更衣室やリカバリースペース
を増設し、安全・快適性が格段に高まりました。
② 内視鏡検査室を 2 室から 5 室に増やし、増加する需要に対応出来るようにしました。このうち
2 室は ESD などの治療内視鏡室として広いスペースを有しています。また、全ての検査室でモ
ニターは天吊りとなっています。
③ 2 室ある透視室に上越地域初となる C アーム型透視装置を導入しました。さらに 4 画面の天吊
りマルチモニターで各種画像を参照しながら検査が進められることから、検査の質の大幅な向
上が見込まれます。
④ センター開設を機に、内視鏡機器も最新・高性能なものを導入し、より精密な検査・治療が可能
となりました。また機能的なバックヤードや洗浄室が設けられ、内視鏡検査を安全面からサポー
トしています。
いずれも、ハード面は素晴らしいセンターとなりました。またスタッフも患者さんや地域の先生方
のお役に立てるように今まで以上に研鑽を積み、同時に全国に向けて学会活動等で発信していく予
定です。
是非、患者さんのご紹介などを通して内視鏡センターをご活用ください。何卒よろしくお願い致
します。
内科 石田 卓士
当院では、呼吸器内科医 4 名(気管支鏡指導医 2 名)
と総合内科医 2 名(いずれも呼吸器専門医)の 6 名で気
管支鏡を担当しています。主に肺腫瘍、間質性肺炎の症例に対し、年間 250 件以上の検査を行って
おり、通常の観察や生検、気管支肺胞洗浄に加え、細径気管支鏡や超音波気管支鏡(※1 EBUS-GS、
※2 EBUS-TBNA)を用いた生検や、異物除去、気管支充塡材を用いた気管支充塡術などの内視鏡治
療も行っております。
この度の内視鏡センター開設に伴い X 線透視装置が C アームとなり、患者さんを動かさずとも多
方向からの透視が可能になりました。これにより、精度の向上のみならず、患者さんの負担も軽減
することが期待されます。また、陰圧室になるため感染のリスクも軽減します。 PET/CT の稼働と
合わせ、より質の高い医療を提供できる設備が整いました。呼吸器疾患でお悩みの患者さんがいら
っしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
※1. EBUS-GS(Endobronchial ultrasound using a guide-sheath)は、透視下にガイドシースを病変
に誘導し、シースに超音波プローベを挿入し、超音波画像にてシースの先端が病変内あることを確認し
てから生検を行う検査法です。
※2. EBUS-TBNA(Endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration)は、コンベッ
クス型超音波プローブが先端に装着された気管支鏡を用いてリンパ節を描出しながら穿刺を行い、吸引
針生検を行う方法です。肺癌のみならず、サルコイドーシスや悪性リンパ腫の診断も行っております。
看護師長 鷹股 明美
9 月 7 日、大きな期待と不安の中、内視鏡センター稼働の日を迎えました。今までの暗いイメージとは違い
、明るくゆったりとした快適な待合スペース、患者様のプライバシー確保に配慮した各検査室と説明室、独立
した洗浄室となりました。
看護スタッフは、6 月に 6 名の転勤者を含む 10 名が新しく加わり、中堅、若手看護師 26 名が勤務しています
。内視鏡勤務が初めての職員が1/3ですが、スタッフは前向きに日々研修に努めています。救急対応を担う
ことも多くストレスフルな現場ですが、声をかけ合って患者の皆様の安全を第一に考え頑張っています。
当内視鏡センターは、上越地域における高度先進治療を提供しています。患者の皆様が安心して検査、治療を
していただけるよう、センター職員一同信頼される医療を提供してまいります。
PET-CT開設のお知らせ
今後の予定として、院内の 10 月末の稼働開始に向けて準備を行っています。
他院の予約は 12 月 7 日から受付を開始し、12 月 14 日から運用開始の予定となってお
ります。準備ができ次第ご案内させていただきます。
PET-CT関連の講演もありますので、よろしければご参加ください。
11 月 12 日(木) 18 時~19 時 30 分
当院 2 階講堂
「PET-CT画像を利用した放射線治療について」
講師
新潟大学医師学総合病院放射線科教授
青山英史
放射線診断科 木原好則
お待たせいたしました。いよいよ上越地域で初となりま
す PET-CT 検査を開始いたします。現在、10 月末の稼働
開始に向けて、機器の調整等の準備を行っています。これ
まで検査のために新潟市や他県に行っていた患者さんの
負担を軽減させ、適切な治療方針の決定に有用な検査を多
くの患者さんが受けることができます。
ご承知のように、FDG による PET-CT 検査は、すべて
の悪性腫瘍(早期胃癌を除く)の病期診断や再発・転移診
断に保険適用があり、悪性リンパ腫では治療効果判定にも適用があります。原発不明癌における原発巣検索
や、重複癌の検索にも有用です。ただし、ブドウ糖代謝の活発な部位に集積するため、分化度の高い腫瘍や
増殖の遅い腫瘍は高集積とはならず、一方で、良性腫瘍の一部や活動性の炎症、肉芽種性疾患でも高集積と
なりますので、病歴や各種検査結果、過去の画像(CT,MRI 等)を把握しないと、有意義な診断ができませ
ん。また、高血糖・高インシュリン状態や運動後では、正常軟部組織への集積が強くなり、腫瘍への集積が
低下してしまうので注意が必要です。
当院での PET-CT 検査は、デリバリー製剤(FDG スキャン注)で行います。1 回分の薬代だけで 4 万円
以上する高価な検査(合計 11 万円弱)です。半減期が 2 時間弱と短いために、群馬県で製造した注射薬を
当日輸送し、病院到着後、直ちに患者さんに注射します。よって、患者さんの遅刻や前処置不良等による、
検査時間の変更には対応できません。逆に、悪天候等による薬剤の到着遅延により、患者さんにご迷惑をか
けることもあり得る特殊な検査です。
保険上は、てんかん、虚血性心疾患(心筋バイアビリティ診断)
、心サルコイドーシスにも適用があります
が、これらには、当院では当面対応できません。また、悪性腫瘍についても、病理診断がついているか、高
い蓋然性をもって悪性腫瘍と臨床診断されていることが求められます。いわゆる「疑い病名」では保険は通
りません。再発診断も定期の経過観察では保険は通りませんので、紹介される際にはご留意下さい。なお、
人間ドックへの利用については、消化管内視鏡検査等との組み合わせも考慮し、前向きに検討中です。
上越の人口からみて、当院の PET-CT 装置 1 台で十分対応できると考えております。さらに、先生方の信
頼を得られるような画像診断の提供、この地域の医療レベルの向上に貢献できるよう、スタッフ一丸となっ
て取り組んで参ります。術後の病理病期などの情報提供等を含め、双方向性の地域連携にご協力のほどよろ
しくお願い申し上げます。
肺がん
研 修 案 内
地域の医療従事者に向けた研修

誤嚥と食事介助のポイント・嚥下障害者の食事管理
~ユニバーサルデザインフードやスマイルケア食を参考に~
主任言語聴覚士:中村類
栄養課長:田邉康江
10 月 20 日(火)18:30~19:30

これからの感染症シーズンに備えて
感染管理部:相田清子
11 月 11 日(水)18:30~19:15

糖尿病予防の観点から、糖尿病予防の食事とは~話題の食べる順番について~
慢性疾患看護専門看護師看護師長:上原喜美子 栄養課長:田邉康江
11 月 27 日(金)18:30~19:30
※この研修のみ事前申込み必要です

申込み方法は後日ご案内させて頂きます
職場で役立つコミュニケーション
臨床心理士:椎谷杏紀子
12 月 4 日(金)18:30~19:15
会場:中央病院講堂 2.3
申し込み不要
第 16 回糖尿病フェア 市民公開講座
「糖尿病を知ろう」
日時:11 月 14 日(土) 13:30~16:00
会場:上越市春日謙信交流館
(公民館春日分館) 集会室
内容:①講演 「糖尿病について」
県立中央病院 内科医長 皆川真一医師
②寸劇「糖と血と」
③ブース展示
申込み不要です!
当日会場にお越し下さい。
当日会場にお越し下さい!
☆MRI 検査についてのお知らせ☆
10 月 1 日~12 月 4 日の期間
機器更新のため、地域連携センター
による MRI 検査の受け入れを
休止させて頂きます。
大変ご迷惑をおかけ致しますが、
ご理解ご協力のほど
宜しくお願い申し上げます。
新潟県立中央病院
上越市新南町 205 番地
電話:025‐522‐7711(代表)/FAX:025‐524‐3232
診療予約:地域連携センター