長野労働基準監督署

当署管内において近年、下記災害事例のとおり、椅子を脚立などの代わりに使
用し、椅子から墜落・転落する災害が多発しています。
過去に全国では、椅子から転落して死亡する災害も発生しています。
裏面の事例を参考にして、「すぐに終わるから」
、「ちょっとだから」などと短
時間、臨時的な作業であっても、椅子を使用せずに脚立、踏台などの適切な用具
を使用して安全に作業を行いましょう。
長野労働基準監督署管内で発生した椅子が起因する労働災害
番
休業見
込期間
事業の
種類
災 害 概 要
年齢
1
店内で棚の上部にある商品を取るために椅子に乗ったところ、バ
ランスを崩して転落した。
40 代
14 日 小売業
2
店内で木の椅子に乗って棚卸し作業をしていたところ、椅子から
降りようとした際にタイツを履いていたため足が滑ってしまい、転落
した。
50 代
2 か月 小売業
3
事務所内でカレンダーを取り替えるためキャスター付きの椅子に
乗って作業をしようとしたところ、椅子が動いて後ろ向きに転落し
た。
50 代
3 か月 旅館業
4
客室を掃除中、カーテンレールを直そうとしてキャスター付きの椅
子に乗ったところ、椅子が動いて転落した。
50 代
20 日 旅館業
5
店舗内の客席カウンター上部のクモの巣を取り除こうとして左足
で客席の椅子に乗り、右足をカウンターに掛けた瞬間に左足が滑
り、バランスを崩して転落した。
40 代
2 か月 飲食店
号
全国における椅子が起因する死亡災害
番
号
1
災 害 概 要
年齢
事務室内で年間スケジュール表を自分の机の前に貼ろうとキャスター付きの椅子に
乗ったところ、バランスを崩し、椅子から墜落して頭部を強打し、死亡した。
60 代
長野労働基準監督署
(裏面)
時計の電池交換の事例を参考に安全作業を再確認しましょう!
× 悪い事例
○ 良い事例
安易に椅子を使用している。
脚立(踏台)を使用している。
キャスター付きの椅子
脚立を使用する際には下記事項に注意しましょう!
・丈夫な構造で、かつ著しい損傷、腐食がないものを使用しましょう。
・脚と水平面との角度を 75 度以下としましょう。なお、折りたたみ式の脚立の
場合は、固定ロックなどが具備されたものを使用しましょう。
・踏み面は作業を安全に行うために必要な面積を有しているか確認しましょう。
・天板の上での作業は行わないようにしましょう。
・脚立上で力作業や動作に反動がかかる作業は行わないようにしましょう。
・脚部の支持端具(ゴム製のキャップなど)の状態を確認するとともに、脚部の
地面、床面などの状態を確認し、必要に応じて脚部の沈下防止対策を講じましょ
う。
・靴の底に水や油分、泥などの付着がないことを確認しましょう。
・昇降時には支柱を両手でつかんで昇降し、手に物を持って昇降しないようにし
ましょう。
(平成 28 年 2 月)