F o r O r d e r i n g I n f o r m a t i o n a n d Te c h n i c a l S e r v i c e , c o n t a c t y o u r l o c a l S i g m a - A l d r i c h o f f i c e 173 細胞の剥離 トリプシン トリプシンを用いた培養表面からの 接着細胞の分離 4) トリプシン処理が完了すると、細胞は浮遊状態となり、球 状になります。 培養基質からの接着細胞の分離には、トリプシンまたはトリ プシン•EDTAによる処理が特に広く用いられています。トリ プシンを溶解、または濃縮溶液から希釈する場合、Hanks' Balanced Salt Solution, Modified(製品番号H 8389)のよう な、カルシウムやマグネシウムを含有しないバッファーを用 いる事が重要です。トリプシン溶液をpH 7.4∼7.6に調節しま す。 5) トリプシンによってさらに細胞が損傷されるのを避けるた め、血清、または血清添加培地をなるべく早く細胞浮遊液 に添加するようにしてください。 2) 単 層 細 胞 が 完 全 に 浸 か る ま で 、 培 養 容 器 に ト リ プ シ ン•EDTA溶液を加え、37°Cのインキュベーターに約2分静 置します。 3) トリプシン•EDTA溶液を吸引濾過により除去し、培養容器 を閉じてインキュベーターに戻します。コーティングした 細胞が培養表面から分離してくるまで、さらにインキュベ ーターに静置します。進行状況は、倒立顕微鏡で確認する ことができます。 Trypsin Inhibitor(製品番号T 6522) 1) Trypsin Inhibitorを濃度1 mg/mlで無血清培地に溶解させま す。 2) 0.2 µm酢酸セルロース膜を用いて、Trypsin Inhibitor溶液 を滅菌濾過します。 3) トリプシン処理後、トリプシン溶液1 mlに対してTrypsin Inhibitor溶液1 mlに細胞を再浮遊させます。 4) 1,000 rpmで5分間、浮遊細胞を遠心分離します。 5) 可能な限りすべてのTrypsin Inhibitor溶液を除去し、ペレッ トを無血清培地に再浮遊させます。 6) 目的の培養を行なってください。 注:培養表面からの細胞の剥離に要する時間は、細胞型、 細胞密度、培地中の血清濃度、トリプシンの効力、最 後の継代からの経過時間などによって変化します。ト リプシンは細胞を損傷するため、処理時間は最小限に 抑えるようにしてください。 細胞の剥離 Cell Dissociation Solutions(製品番号C 1419、 3) カルシウムおよびマグネシウムを含有しない平衡塩溶液で 細胞を洗浄します。培養容器を穏やかに30秒間揺らして塩 C 1544、C 5789、C 5914) 溶液を除去します。 製品概要 シグマ・アルドリッチの細胞剥離用溶液(Cell Dissociation Solution)は、細胞培養容器の増殖表面から細胞を穏やかに剥 離するために調製されています。タンパク質成分を含有しない 独特の組成で、酵素を使用せずに細胞を容器表面から剥離しま す。細胞タンパク質は酵素修飾や外来タンパク質の吸着から保 護されます。これらの製品は、細胞表面タンパク質の認識に依 存する免疫化学研究において特に有効であると考えられます。 細胞剥離用溶液は、HBSSまたはPBSに溶解してあります。ま た、個々の製品はEDTA、グリセロール、およびクエン酸ナト リウムを含有します。 使用例: 下記のプロトコールは、細胞剥離用溶液の使用例です。 1) すべての試薬を加温しておきます。 2) 細胞培養容器から培地をすべて除去します。 4) Cell Dissociation Solution(75 cm2フラスコ中に約5 ml) を加え、容器を揺らして単層細胞が溶液に浸るようにしま す。 5) 5∼10分間インキュベートします。 6) 培養容器を手の平で軽く叩いて細胞を剥離させます。強く 接着した細胞を剥離させるには時間がかかる場合がありま す。 7) 完成した増殖培地を細胞に加え、ピペッティングを繰り返 して細胞塊を分離します。 保存: Cell Dissociation Solutionは冷蔵保存(2∼8°C)してくださ い。不溶性の沈殿を生じるおそれがありますので、凍結は避 けてください。 細胞の剥離 1) 吸引濾過により培養容器から培地を除去し、単層細胞をカ ルシウムやマグネシウムを含有しない塩溶液で洗浄して血 清成分を完全に取り除きます。その後、吸引濾過により塩 溶液を除去します。 6) 細胞浮遊液を穏やかにピペッティングして再懸濁させ、細 胞魂を分散させることができます。細胞計数や継代など、 必要に応じてさらに希釈することもできます。
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