堆肥連用による大麦+大豆連作畑の地力低下防止 育種栽培研究部・作物栽培グループ 畑中博英・武田康一・橋本良一・島内茂・桐山隆 1 背景・目的 河北潟干拓地では長年にわたり大麦+大豆の作付け体系を続けて おり、土壌中の腐植含量が地力維持の上で望ましいとされる3%を 下回る等、地力低下が問題となっている。 そこで、堆肥投入により土壌改善を図り、大麦+大豆連作畑にお ける地力低下防止を検討する。 技術のポイント (1) 籾 が ら 牛 ふ ん 堆 肥 を 大 麦 及 び 大 豆 播 種 時 に 2 ∼ 4 t/10a( 年 間 4 ∼ 8 t/10a) 5 年 間 連 用 す る こ と に よ り 、 土 壌 中 の 腐 植 含 量 や 可 給 態 窒 素 量 は 増 加 す る ( 図 1 )。 (2) 堆 肥 を 年 間 4 ∼ 8 t/10a 連 用 す る こ と に よ り 、 大 豆 の 増 収 効 果 が 期 待 で き る ( 図 2 )。 300 14 12 腐植含量 可給態窒素量 250 大豆収量(kg/10a) 腐植含量(%)、可給態窒素量(mg/100g) 2 10 8 6 4 200 150 100 50 2 0 0 0t連用区 2t連用区 4t連用区 図1 土壌の地力に及ぼす影響 0t連用区 2t連用区 4t連用区 図2 堆肥5年連用後の大豆収量(2005) 注 ) 可 給 態 窒 素 量 は 、 3 0 ℃ 、畑 条 件 で 4 W 培養して得られた無機態窒素量 3 成果の活用と留意点 (1) 河 北 潟 干 拓 地 に お け る 地 力 低 下 防 止 対 策 と し て 活 用 で き る 。 (2) 大 麦 播 種 時 の 堆 肥 施 用 は 大 麦 の 苗 立 ち 数 の 低 下 に つ な が る 場 合があるため、大豆播種時の施用が望ましい。 <補足説明資料> 表 堆 肥 の 投 入 量 と 施 用 時 期 ( 播 種 前 施 用 、 t/10a) H13 年 産 H14 年 産 H15 年 産 H16 年 産 H17 年 産 大 大 大 大 大 大 大 大 大 大 麦 豆 麦 豆 麦 豆 麦 豆 麦 豆 0t連用区 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2t連用区 2 0 2 2 2 2 2 2 2 2 4t連用区 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4 4作目 5作目 試験区 1600 4 1作目 2作目 3作目 目 標 値 3 2 大豆収量(kg/10a) 腐植含量(%) 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 1 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 図1 河北潟干拓地における土壌腐植含量 (津幡農林事務所、緑の大地より) 2500 1作目 2作目 3作目 4作目 5作目 大麦収量(kg/10a) 2000 1500 1000 500 0 0t連用区 2t連用区 4t連用区 図3 堆肥連用が大麦収量に及ぼす影響 0t連用区 2t連用区 4t連用区 図2 堆肥連用が大豆収量に及ぼす影響
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