人に歴史あり 逆境!その時、経営者は…

あり
その時、経営者は…
だ
に
おもい
ち
取材・文
神
内 治
よ う
おう いん
せい し
44
理念と経営 03 / 2016
人 に歴史
な
いまし
ふ
きないことを忘れないでおく護符でもあった。
ご
溺れた自身への戒めであり、
一人の力では会社経営はで
おぼ
身離さず持ち歩いているという。それは、かつて放蕩に
ほう とう
ファミ
仲 間 同 士の固い契りを表 明したその誓 紙を、
リーイナダの稲田二千 武 社 長は、財 布の中に入れて肌
ちぎ
し、最後まで頑張る事を約します〉
況が起きようと、全 員一体となって会 社と命 運を共に
〈私達ファミリー株式会社幹部は今後いかなる経済不
と指先で押した朱印、
そして、次の一文があった。
小さく折りたたまれ、ところどころが破れかけた事
せん
務用箋には、
「結束状」の文字とともに、三四人の名前
。指 先を切った血で署 名に押 印し、書 面
血判状
そむ
の内容・約束に背かない意を示したもの。
─
コイン式のマッサージチェアが
爆発的に売れ、二五〇人の
従業員を擁する若き成功者に
信号が青に変わったとき
不意に湧いてきた再起への情熱
けっぱん
い
む
日本唯一、
国内シェアトップのマッサージチェア専門メーカーに育て上げた社長を相次いで襲った危機。
絶
代表取締役社長
稲田二千武
望の淵から救い出し、
再び立ち上がらせたのは、
血判を押した三三人の社員の熱い“ 志 ”だった
ファミリーイナダ株式会社
最新式のマッサージチェアを手にする稲田社長
(撮影 編集部)