2015 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果の概要 2016 年2月 16 日 一般社団法人 日本経済団体連合会 【調査要領】 (1)調査目的:企業の大卒等新卒者の採用選考活動を総括することを目的に、 1997 年度より実施 (2)調査対象: (一社)日本経済団体連合会企業会員のうち 1,331 社を対象 (3)実施時期:2015 年9月 24 日~10 月 16 日 (4)回答状況:790 社(回答率 59.4%) *製造業 44.6%、非製造業 53.4%、不明 2.0% *従業員数 1,000 人以上 72.4%、500 人以上~1,000 人未満 12.7% 500 人未満 13.5%、不明 1.4% 1.2016 年4月入社対象の採用選考活動について (1) 企業の採用意欲が高い水準で推移 2016 年4月入社対象の採用選考活動を実施した企業の割合(実施予定も含む)は 96.7%となっており、高水準が続いている。 採用実施企業割合の推移 (%) 100.0 97.2 95.8 94.4 95.0 91.2 96.7 95.9 94.8 90.0 96.8 95.7 95.4 91.1 85.7 80.0 87.6 83.9 85.0 82.0 78.8 79.3 75.0 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年卒) (2) 9割以上が「売り手市場(学生側が有利)であった」と回答 就職採用市場に関する評価では、 「前年と比べて売り手市場であった」との回答が 91.1%を占め、2015 年入社と比べて 24.4 ポイントの大幅増となった。 就職採用市場に関する評価 回 答 2015年入社 前年と比べて売り手市場であった 66.7% 前年と変わらなかった 30.2% 前年と比べて買い手市場であった 2.0% 無記入 1.2% 1 2016年入社 91.1% 7.7% 0.4% 0.8% (3) 約7割がインターンシップを実施し、受け入れ人数も増加傾向 67.7%の企業がインターンシップを「実施した」と回答し、そのうち前年と比べ て受け入れ人数を「大幅に増やした」または 「やや増やした」と回答した企業は 52.8% と過半数を占めた。 実施時期については、67.9%の企業が前年と同じ時期に行っており、具体的には、 学部3年・修士1年次の8~9月(69.2%)が最も多く、次いで1~2月(51.3%) に実施した企業が多かった。 インターンシップの実施状況(主な対象は 2016 年4月入社) 無記入, 0.4% 実施した, 67.7% 実施しなかった, 31.9% このうち、52.8%が受け入れ人数を「大幅に増やした」または「やや増やした」と回答 インターンシップの実施時期 <具体的な実施時期(複数回答)> <前年からの時期変更の有無> (3-b) 実施時期の変更 (2015年4月入社との比較) 80.0% 大幅に早くした 1.4% やや早くした 4.8% 69.2% 70.0% 60.0% 大幅に遅くした 4.3% 51.3% 無記入 14.7% 50.0% 40.0% やや遅くした 7.0% 30.0% 24.6% 20.0% 変更しなかった 67.9% 10.0% 4.1% 2.3% 0.0% (4) 8割以上が学内セミナーに参加し、回数も増加傾向 学内セミナーへの参加企業の割合は 81.9%となり、そのうち 64.8%が前年と比べ て参加回数を「大幅に増やした」または「やや増やした」と回答した。 学内セミナーへの参加状況(主な対象は 2016 年4月入社) 無記入, 0.3% 参加 しなかった, 17.8% 参加した, 81.9% このうち、64.8%が参加回数を「大幅に増やした」または「やや増やした」と回答 2 (5) 6割以上が説明会の実施回数を増加 説明会の実施回数について、前年と比べて「大幅に増やした」または「やや増や した」と回答した企業の割合は 63.0%となった。実施にあたっては、学事日程への 配慮から「本社のある地域以外での開催」 (71.5%)や「土日、祝日や平日の夕方に 開催」 (52.2%)などの対応がとられた。 説明会の実施回数(前年との比較) 説明会における学事日程の尊重への (1) 説明会の開催回数(2015年4月入社との比較) 大幅に減らした 1.4% やや減らした 9.0% 対応策(複数回答) 無記入 1.4% 本社のある地域以外での開催 71.5% 大幅に増やした 19.0% 土日、祝日や平日の夕方に開催 (一部開催を含む) 52.2% 変更しなかった 25.1% ウェブ上で実施 20.3% やや増やした 44.0% その他 7.2% 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% (6) 説明会への参加学生数は「減った」が「増えた」を上回る 説明会への参加学生数については、前年と比べて「大幅に増えた」または「やや 増えた」と回答した企業の割合が 32.2%であった一方、 「大幅に減った」または「や や減った」は 37.3%となるなど、参加学生の確保に苦慮した企業が多くみられた。 (7) 5割以上が「内定辞退者数が増えた」と回答 内定(内々定含む)辞退者数をみると、前年と比べて「大幅に増えた」または「や や増えた」と回答した企業の割合が 55.2%と過半数に達した。追加募集についても、 「既に行った/今後行う予定」と回答した企業が 47.4%と5割近くに上った。 (3-a)内々定辞退者の人数の増減(対前年) 内定辞退者数の変動(前年との比較) 大幅に減った 4.7% 追加募集の実施状況 無記入 0.7% 無記入 1.3% やや減った 11.8% 大幅に増えた 28.9% 行っておらず、今後 も予定はない 46.7% 既に行った/ 今後行う予定 47.4% 前年並みだった 27.0% やや増えた 26.3% まだ行っていな いが、検討中 5.2% 【理由】 「内定者数が採用予定数に達しなかったため」 「内定者数が採用予定数に達したが、その後 の辞退により採用予定数を割り込んだため」 「その他」または「無記入」 3 51.0% 38.8% 10.2% (8) 8割以上が、留学経験者を他の学生と同じスケジュールで対応 留学経験者(短期留学を含む)の採用選考機会の設定について、選考活動の開始 時期が8月以降に変わったことで、 「他の学生と同じスケジュールで対応した」と回 答した企業の割合は 84.3%と高くなった。 2.採用選考スケジュールの変更に伴う影響や評価について (1) 95%以上が「学生への悪い影響があった」と回答 学生の学業と就職活動について、 「悪い影響があった」または「どちらかと言うと 悪い影響があった」と回答した企業の割合が 96.2%に上った。 「就職活動の長期化の 是正」や「学部生・院生の学習時間の確保」など設問項目のすべてについて、 「悪い 影響があった」とする回答が「良い影響があった」とする回答を大きく上回り、ス ケジュール変更の目的とは異なる結果になった。 学生の学業と就職活動に及ぼした影響 <全体的評価> 良い影響があった 0.4% <項目ごとの評価> どちらかと言うと良い影響 があった 0.9% 無記入 0.3% 【悪い影響があった】 【良い影響があった】 特に影響はな かった 2.2% 1.8% 学部生の学習時間の確保 1.4% 院生の学習時間の確保 6.9% 悪い影響があった 56.8% 16.8% 59.4% 就職活動の早期化の是正 1.7% 90.3% 就職活動の長期化の是正 0.5% 57.6% 就職活動に要する費用負担 7.9% 100.0% 77.5% 留学の促進 4.6% どちらかと言うと 悪い影響があった 39.4% 75.8% 47.3% 学生の就業観や企業研究 50.0% 0.0% -50.0% 0.0% 50.0% -100.0% 100.0% -150.0% ※各項目ごとに「良い影響があった」 「悪い影響があった」 「影響が なかった」 「わからない」の4択で評価を聞いた (2) 約9割が「自社の採用選考活動に悪い影響があった」と回答 自社の採用選考活動についても同様に、 「悪い影響があった」または「どちらかと 言うと悪い影響があった」と回答した企業の割合は 87.9%に上った。 「人事担当者の 業務量」や「採用選考活動の長期化の是正」など設問項目すべてについても「悪い 影響があった」とする回答が「良い影響があった」とする回答を大きく上回り、大 半の企業にとって負担が増える結果となった。 自社の採用選考活動に及ぼした影響 <全体的評価> 良い影響があった 1.0% <項目ごとの評価> どちらかと言うと良い影響 があった 2.2% 無記入 1.8% 【悪い影響があった】 【良い影響があった】 2.4% 4.1% 特に影響はなかった 7.1% 2.4% どちらかと言うと 悪い影響があった 40.6% 100.0% 50.0% 58.0% 優秀な学生の確保 12.8% グローバル人材の確保 5.1% 悪い影響があった 47.3% 64.3% 採用予定人数の確保 54.7% 採用選考活動の早期化の是正 1.8% 採用選考活動の長期化の是正 1.8% 人事担当者の業務量 0.3% 費用負担 0.8% ゆう活やWLBの推進 0.0% 81.5% 85.6% 61.5% 28.7% 0.0% -50.0% 50.0% -100.0% 100.0% -150.0% ※「学生の学業と就職活動に及ぼした影響」と同様に4択で評価を聞いた 4 (3) 約9割が「企業全体として、指針のスケジュールは遵守されていない」と回答 経団連非会員企業を含めた企業全体の遵守状況についての認識は、 「あまり守られ ていない」または「ほとんど守られていない」と回答した企業の割合が 87.5%とな った。 「指針」のスケジュールにとらわれずに新卒採用活動を行う企業への受けとめ として、 「指針のスケジュールが実態に合っていないので、守らないのはやむをえな い」 (63.2%)や「ルールを守らない企業が先に優秀な人材を確保するのは不公平で ある」 (42.4%)などの回答が多かった。 「指針」で規定したスケジュールの遵守状況についての認識 守られている, 3.0% ほとんど守られていない, 52.0% あまり守られていない, 35.5% 概ね守られている, 4.7% ※本回答は、非会員企業を含めた企業全体の 活動についての認識である どちらとも言えない, 4.8% 「指針」のスケジュールにとらわれずに新卒採用活動を行う企業への受けとめ(複数回答) 「指針」のスケジュールが新卒採用の実態に合ってい ないので、守らないのはやむをえない 63.2% ルールを守らない企業が先に優秀な人材を確保する のは不公平である 42.4% 経団連会員企業だけが不利益を被るのは 納得できない 36.5% 以前から独自に採用選考活動を行っていた企業が 守らないのは仕方がない 36.0% 「指針」に従わない企業にペナルティを課すべきである 7.1% その他 5.2% 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% (4) 8割が「指針で規定したスケジュールを見直すべきである」と回答 「指針」で規定したスケジュールについて、80.0%の企業が「2017 年入社」また は「2018 年入社以降」から「見直すべきである」と回答した。見直しが必要な項目 として、 「選考活動の開始時期」 は 98.7%、 「広報活動の開始時期」 についても 78.2% の企業が検討を行うべきと回答した。 「指針」で規定したスケジュールの見直し <見直しの必要性> 短期間で見直すこと は適当とは言えない ため、当面は見直す 必要がない 1.2% <見直しを行うべき項目(複数回答)> どちらとも言えない 1.6% 無記入 十分な検証を行った 上で、見直しの必要性 について改めて判断 すべきである 16.8% 2018年4月入社対象以降 の採用選考活動から見直 すべきである 29.1% 選考活動の開始時期 98.7% 0.5% 広報活動の開始時期 78.2% インターンシップの実施要件 2017年4月入社対象の 採用選考活動から直ち に見直すべきである 50.9% 20.9% 内定日 16.2% 学内セミナーの参加要件 13.3% その他 2.8% 0.0% 5 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0% 3.2015 年4月入社対象の採用選考活動について (1) 選考時に重視する要素は 12 年連続で「コミュニケーション能力」が第1位 企業が選考にあたって重視した点を 25 項目から5つ回答する設問では、 「コミュ ニケーション能力」が 12 年連続で第1位となった。 「主体性」 、 「チャレンジ精神」 、 「協調性」 、 「誠実性」を含めた、上位5項目に順位の変動はなかった。 「選考時に重視する要素」の上位の推移 (%) 90.0 コミュニケーション能力 85.6 80.0 主体性 70.0 60.1 60.0 54.0 50.0 46.3 チャレンジ精神 協調性 44.4 40.0 誠実性 30.0 2001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年卒) (2) 選考にあたって「学業成績を重視した」企業の割合が減少 学業成績について、 「かなり重視した」または「やや重視した」と回答した企業の 割合は 44.6%となり、2014 年入社の場合と比べて 7.1 ポイント減少した一方、 「ど ちらとも言えない」が 7.8 ポイント増加(27.9%)となった。 選考時における学業成績の重視度合い 回 答 2014 年入社 2015 年入社 かなり重視した 3.2% 3.5% やや重視した 48.5% 41.1% どちらとも言えない 20.1% 27.9% あまり重視しなかった 22.6% 20.1% 重視しなかった 4.7% 6.5% 無記入 0.9% 0.8% 以 上 6
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