■様式2:平成23年度「小学校・中学校への地域の環境学習等支援事業」実施報告書 上越市立里公小学校 学校名 担当(職・氏名) 教諭 桂 郁子 三和のひみつ 三和・水紀行 学習テーマ 現 5 年生から引き継いだ三和の谷内池に自生している今絶滅の危機にあるオニバ スを守る活動を進めながら、水が人々と深くかかわっていることや、森と深くかか 活動のねらい わっていることを知り、自然を守ろう、オニバスを守ろうとする行動につなげる。 ○ 新潟水俣病とのかかわり ・新潟県内の水質汚染の一つとして取り上げる。「環境と人間のふれあい館」と旧昭和電工・排水口 跡等現地学習を行った。環境の大切さと人権についての学習を深める。 ○ 活動概要(新潟水俣病とのかかわりの内容に触れてください。) ・阿賀野川周辺の自然の豊かさと水俣病が起こった事実から、 「自然を守っていこう」 「ふるさとのよ さを次に伝えよう」とする気持ちを高める。道徳では「みんなが仲良くくらしていくために」「命 の川 阿賀野川」「阿賀のお地蔵さん」等の学習を通して、相手の立場に立って考えることの大切 さを知り、さらに人が集まることにより人々が仲良くなっていくことを学んだ。 ・3 年生のときより豊かな自然と楽しさを実感してきた 4 年生は、絶滅の危機にある三和のオニバス を守るために広報活動をしたり、オニバスが生息する谷内池の自然観察を通して、自然への見方を 学んだりした。また文化遺産や自然は、地域で守られてきたことも学んだ。 ○ 活動詳細 実施期間 4月~ 主な学習・活動 春の探検(ブナ林・エドヒ ガン・谷内池) 時間 4 12月 主な学習内容 指導・支援の内容 昨年度と比べて、同じ時期でも自然条件が異なると木々の様 子も変わることを知った。 緑のカーテン 1 ゴーヤを植え観察。いきいきわくわく科学賞に応募。 オニバスを守るとは? 3 現5年生よりオニバスを守る活動を託され、「オニバスを守る 」ことを決めた。三和村史をはじめオニバスについて調べた。 谷内池探検1 2 学校自慢壁新聞作り 6 柿崎川ダム自然観察会と 関川水質調査 生きるⅢ「命の川 阿賀野川」 9 6月、谷内池でオニバスの保護活動を行う田ケ久保隆道氏の 話を聞き、「オニバスを守る」活動をしようと意欲を高めた。 6月「オニバスを守ろう」をテーマに作成した新聞が新潟日 報社「学校自慢壁新聞コンテスト」上越市教育委員会賞受賞。 6月柿崎川ダム周辺の自然観察会や関川(今池橋付近)の水質 調査等を行い、自然への知識を深めた。 1 生きるⅢを資料として水俣病が起こったことを知る。 谷内池探検2・3 4 オニバスの天敵のザリガニ釣りや県の緊急雇用対策事業の人 たちの手伝いをした。その時発見したオニバスの種を学校の 水槽に埋めた。しだいに谷内池の自然へと関心を高めてきた。 オニバスを育てるために 1 谷内池自然観察会4、5 2 7 月、上越市理科センターの小堺則夫先生より、 「オニバスが 生息するところ」について学習した。 9月には谷内池と笹ヶ峰で小堺先生と自然観察会。自然と人、 自然と自然とのつながりを学んだ。 -1- 事前学習(阿賀のお地蔵さ ん)と水俣病現地学習 福島潟で本物のオニバスを 見る 9 月、 「阿賀のお地蔵さん」を学習した翌日「自然と人間のふ 5 れあい館」で小武節子さんの話を聞き、旧昭和電工や排水口 1+4 等の現地学習を行った。「命の川 阿賀野川」を学んだ。 福島潟でオニバスの保護活動をする「オニバス63会」の方 3 の話を聞き、そこでもらってきたオニバスの葉と茎と花を学 校に展示した。人と人の思いをつなげる大切さを実感した。 福島潟のオニバスとの出会いの感動を絵に表し、上越市「市民 心に残ったことを伝えよう 6 環境プロジェクト 環境ポスター」に応募。入賞作「三和のオ ニバスを守ろう」は 1 月中旬以降、三和区を走るバスに掲示。 笹ヶ峰自然観察会 6 地球温暖化について 2 文化祭発表 8 みんなが仲良く くらしていくために 9 月、上江用水の水源地・笹ヶ峰で小堺先生を講師に自然観察 会を行った。湧水池や乙見湖にそそぐ川・林の観察を行った。 新潟日報社「NICふれあい環境講座」で新潟地方気象台の 気象情報官長峰聡さんから「地球温暖化について」を聞く。 文化祭で、3つのグループに別れてクイズを交えて発表した。 ①新潟水俣病②オニバス③谷内池の自然とザリガニ釣り 11 月、新潟水俣病教師用指導資料集を用いて旗野秀人さんが 2 なぜ阿賀のお地蔵さんを建てたのか考えた。 12 月谷内池で枯れ葉を掃き、「コナラの木でいっぱい」であ 谷内池探検6「冬」 2 三和史跡めぐり 3 史跡を巡り地域の人々が大切に伝えてきたことを見聞した。 3年生・地域の人への発信 5 環境学習等支援事業発表会・3年生と地域に向けての準備 ○ ることを実感した。更に谷内池にしみでる湧き水を発見。 協力団体・協力者等 ・谷内池探検隊 田ケ久保隆道さん ・上越理科センター 小堺則夫さん ・ビュー福島潟 鳴海さんと「オニバス63会」 ・東北電力株式会社上越営業所「緑のカーテン運動」 ・新潟日報上越支社と青木新聞店 ・国土交通省北陸地方整備局高田河川国道事務所 河川管理課 ・新潟日報社企画事業部 花沢康雄さん ・上越地域水道用水供給企業団 ・新潟地方気象台観測予報課気象情報官 長峰聡さん ・生涯学習推進課の吉川俊久さん ・水吉・島倉・所山田の町内会長 ○<成果> ①自然への見方を学ぶ ・オニバスが生息する谷内池で活動を何度も重ねたので、谷内池の自然を知ることができた。 ・自然を観察する目が育ってきた。 ・自然を体全体で味わい、自然と谷内池そのものを好きになった。 ・水が人々と深くかかわっていることや、森や自然とも深くかかわっていることを知り、「自然を守 ろう、」「オニバスを守ろう」という行動につながった。 ・自然と人とのつながり、自然と自然とのつながりを知った。 ②人から人へ思いをつなげることを学ぶ ・5 年生の思いを受け継いで、自分たちの保護活動を行った。 ・オニバス63会の人の思いを受けて、全校児童・保護者にオニバスの素晴らしさを伝えた。 -2- ・地域の文化遺産や史跡等を地域の人々が大切にし、守り伝えてきたことが分かった。 ・新潟日報上越支社「学校自慢壁新聞コンテスト」や上越の環境ポスターによって、上越の人に三和 のオニバスのことを広報することができた。 ③水俣病について 現地学習や資料から学ぶ ・現地学習と語り部さんの話から、阿賀野川周辺の豊かな自然を目のあたりにして、あらためて「自 然を守っていこう」「ふるさとのよさを伝えよう」という気持ちが高まり、育ってきた。 ・児童は、全校児童と、あるいは他校の 4 年生と算数の『学び合い』学習を行ってきた。そこで人々 が話合いかかわり合いを重ねることで人と人がつながり合い、仲良くなることを実感した。また、 自分たちの経験から、水俣病患者の人やその周辺の人々との関係を考えることができた。 <課題> ・オニバスだけでなく環境問題に対しての関心を今後も引き続き、どうつなげていくか。 ・新潟水俣病について、どれだけ自分のこととして考えることができるか。 谷内池を見てごらん。ここに、 川の水は入ってこないんだよ。 ↑谷内池でオニバスの保護活動をする田ケ久保さんと ↑新潟日報社上越支部 「学校自慢壁新聞コンテスト」 上越市教育委員会賞受賞 ↑ 谷内池で ニイニイゼミの脱皮を見る ←谷内池でオニバスの天敵 ザリガニを釣る -3- 今日谷内池探検に行った。谷内池に 小堺先生と谷内池の自然観察 はいろいろな植物や昆虫や生き物がも のすごくいっぱいいることが分かった。 谷内池を 1 周した。最初にコナラの木 を見た。この木は谷内池に 1 番多いそう だ。次に進むときのこもすごくいっぱいあ った。オニヤンマやイトトンボもいた。ク ズやクズの花もあった。ほかにもいろん な植物があった。 ぼくはきのこを虫めがねで見た。さっ きのきのこと同じだと思ったけど、もう 1 回見たらさっきのきのこと種類がちがっ た。植物は細かい所や小さな所を見ると 分かることが分かった。しばらく行くと赤 い種のような実のようなものを見た。そ れはガマズミというもので見るときれい だった。ずっと進むとムカゴがあった。ぼ くはそれを食べたら、おいしくて山芋を食 べている感じがした。 ぼくはやっぱ、自然が大好きだ。 ←「環境と人間のふれあい館」で 水俣病を学ぶ ↑冬の谷内池はどんぐりの葉でいっぱい 福島潟でオニバス63会の横山さんと 63会の人がオニバスをくれたのはなぜか。●それは花や葉や茎を学校のみんなに見せたかったから です。花はにおいとか形を、初めての人によく見てほしかったからです。学校のみんなに、葉をさわっ て観察してほしいからです。●学校の人やお家の人に見てもらってオニバスを守ってほしいからです。 -4-
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