東海経済レポート(2016 年 2 月)

2016 年 2 月 19 日
東海経済レポート(2016 年 2 月)
~引き続き緩やかな回復基調ながら、海外経済・金融市場変調の影響には要留意~
経済調査室(名古屋)
1.足元の経済情勢
 生産は、12 月に前月比▲1.7%と 2 ヵ月連続で減少。ただ、リーマン・ショ
ック後のピーク(2015 年 10 月)対比で▲2.2%と一定の水準を維持。業種
別では、輸送機械が増加した一方、生産用機械や電子部品・デバイス等が
減少。
 設備投資は、その先行指標とされる金属工作機械の国内受注額が 12 月に前
年比▲21.3%と、3 ヵ月連続で減少。マイナス幅も拡大。
 輸出額(円ベース)は、12 月に前月比▲0.5%と 3 ヵ月連続で減少。水準的
にはリーマン・ショック後のピーク(2014 年 12 月)対比で▲4.2%。
 雇用は改善基調で、需給が引き締まった状況が続く。12 月の有効求人倍率
は、愛知県が 1.59 倍と 2 ヵ月連続で上昇。岐阜県も 1993 年 1 月以来の高
水準となる 1.63 倍へと更に上昇。一方、三重県は 1.35 倍と 9 ヵ月振りに低
下するも、依然リーマン・ショック後の最高に近い水準を維持している。
 個人消費は、12 月の小売主要 3 業態の販売が前年比+2.0%と、9 ヵ月連続
でプラス。一方、12 月の新車販売台数は前年比▲12.5%と、4 ヵ月連続で
減少し、その幅も 2 ヵ月連続で拡大。
 住宅着工は、12 月に年率換算で 7.4 万戸と、前月からほぼ横ばい。足踏み
状態が続く。
2.当面の注目点・リスク要因

足元までの経済指標から、東海経済は全体として引き続き緩やかなペース
で回復を続けているが、一部に足踏みの動きも見られる状況。

また、世界経済の先行き懸念の高まりなどを背景として、資源価格の低迷
継続や為替相場における円高進行など、足元の金融市場は変調が続く。
輸出型産業が集積する東海経済にとっては、その影響に留意を要する状況。

当面の注目点は、①世界経済や金融市場の変調が地域経済に及ぼす直接・
間接の影響、②人手不足への対応や設備投資・賃上げを通じて地域全体で
の好循環が維持・継続されて行くかどうか、となろう。
1
2016 年 2 月 19 日
生産① 12 月の鉱工業生産指数は前月比 生産② 業種別では、12 月は輸送機械が増
▲1.7%と 2 ヵ月連続で低下。
加した一方、電子部品・デバイス、生産用機
械、電気機械はいずれも減少。
(2010年=100)
125
東海
120
(2008/1=100)
150
全国
115
110
130
105
120
100
110
95
100
90
90
280
260
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
輸送機械(36.5%)
生産用機械(6.0%)
電気機械(5.6%)
電子部品・デバイス<右目盛>(9.5%)
140
80
85
70
80
60
75
50
70
40
30
65
08
09
10
11
12
13
(注)1. 東海は愛知、岐阜、三重の3県。
2. 季節調整値。
(資料)中部経済産業局統計等より
三菱東京 UFJ 銀行経済調査室作成
14
15 (年)
08
09
10
11
12
13
14
15
(年)
(注)1. 東海は愛知、岐阜、三重の3県。
2. 季節調整値。
3. ( )内の数字は、業種毎の付加価値額の比率(H22年基準)。
(資料)中部経済産業局統計等より
三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
設備投資 7-9 月期の資本金 10 億円以上の 金属工作機械受注(国内) 設備投資の
大企業の設備投資は、前年比+18.1%と 3 四半 先行指標とされる金属工作機械の国内受注
期連続で 2 桁の増加。伸び率も全国を上回る。 額は 12 月に前年比▲21.3%と、3 ヵ月連続で
(前年比、%)
マイナス。
50
350
40
(前年比、%)
(億円)
250
受注額(東海)
前年比(東海、右目盛)
300
30
200
前年比(全国、右目盛)
20
250
150
200
100
150
50
100
0
10
0
-10
-20
非製造業(東海)
-30
製造業(東海)
全産業(全国)
-40
50
-50
全産業(東海)
-50
0
04
07
10
13
-100
08
(年、四半期)
(注)1. 東海は愛知、岐阜、静岡、三重の4県。
2. 資本金10億円以上の企業を対象。
3. 設備投資額はソフトウェアへの投資を除いた金額。
(資料)東海財務局統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
09
10
11
12
13
14
15
(年)
(注)1. 東海は中部経済産業局管内の主要8社。
2. 受注額は当室による季節調整値。
(資料)中部経済産業局統計等より
三菱東京 UFJ 銀行経済調査室作成
輸出 12 月の輸出額(円ベース)は、前月比 雇用 12 月の愛知県の有効求人倍率は 1.59
▲0.5%と 3 ヵ月連続で減少。中国向けが微増 倍と 2 ヵ月連続で上昇。岐阜県も 1993 年 1
となったものの、他の国・地域向けは減少。 月以来の水準へ上昇。一方、三重県は 9 ヵ月
振りに低下。
(2008/1=100)
140
輸出全体
アジア(除く中国)
EU
130
120
(倍)
中国
米国
2.2
愛知県
2.0
岐阜県
1.8
110
100
90
三重県
1.6
静岡県
1.4
全国
1.2
80
1.0
70
60
0.8
50
0.6
40
0.4
0.2
30
08
09
10
11
12
13
14
08
15 (年)
09
10
11
12
13
14
15
(年)
(注)1. 有効求人倍率=有効求人数÷有効求職者数。
2. 季節調整値。
(資料)厚生労働省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(注) 1. 愛知、岐阜、三重、静岡、長野の5県。
2. 当室による季節調整値。
(資料)名古屋税関統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
2
2016 年 2 月 19 日
個人消費 12 月の小売主要 3 業態の販売は
前年比+2.0%と、9 ヵ月連続でプラス。
住宅投資 12 月の住宅着工戸数は年率換
算で 7.4 万戸と、ここ数ヵ月はほぼ横ばいで
推移。
(前年比、%)
16
10
スーパー
12
(年率、万戸)
11
コンビニ
9
百貨店
8
合計
8
7
6
4
5
4
0
3
-4
2
持家
戸建て
1
貸家
誤差等
マンション
0
-8
12
13
14
15
11
(年)
12
13
14
15
(年)
(注)1. 愛知、岐阜、三重の3県。
2. 当室による季節調整値。
(資料)国土交通省統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(注)1. 愛知、岐阜、三重、富山、石川の5県。
2. 当室による季節調整値。
(資料)中部経済産業局統計より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
景気ウォッチャー調査 1 月の景気現状判 倒産件数 1 月の企業倒産件数は 71 件と、
断 DI は 47.6 と、6 ヵ月連続で 50.0 を下回っ 前年比▲12.3%の減少。負債総額は同
た。前月比では▲1.9 ポイントの低下。
▲25.0%の減少。
(DI)
60
1,600
(億円)
(件数)
負債総額
55
1,400
220
件数<右目盛>
50
200
1,200
45
40
1,000
35
800
240
180
160
140
30
600
120
25
400
20
100
東海
15
200
全国
80
0
10
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
60
07
(年)
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(注)愛知、岐阜、三重、静岡、長野の5県。
(資料)東京商工リサーチ資料より
三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
(資料)内閣府資料より三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
原油価格 WTI 先物は、原油の供給過剰が解 円相場・株価 世界経済の失速不安等に伴
消せず、リーマン・ショック後の最安値を更 うリスク回避の動きが続いており、為替市場
新。値動きの荒い展開が続く。
では 1 ドル 113 円前後まで円高・ドル安が進
行。日経平均株価も一時 14,000 円台まで下
落。
(ドル/バレル)
150
(円/ドル)
(円)
140
130
130
125
ドル円相場
120
120
日経平均株価<右目盛>
110
115
100
110
90
105
80
70
100
60
95
50
90
40
85
30
80
20
07
08
09
10
11
12
13
14
15
75
16 (年)
07
(注)原油価格はWTI先物。
(資料)Bloombergより三菱東京UFJ銀行経済調査室作成
08
09
10
11
12
13
14
15
16 (年)
(資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行経済調査室作成
3
21,000
20,000
19,000
18,000
17,000
16,000
15,000
14,000
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
7,000
2016 年 2 月 19 日
(H28.2.19 中村
健彦
[email protected])
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